印刷用紙:B4縦 1ページの行数:49 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−                 第一学年音楽科学習指導案                                 日 時 平成8年11月14日(木)5校時                                 学 級 1年1組 男18女18 計36名                                 場 所 第一音楽室                                 授業者 千 葉 裕 子 1.単元名   混声四部合唱の響き        教材名 混声四部合唱曲「星の世界」「大地讃頌」 2.単元について  (1)教材観について「星の世界」     川路柳虹作詞、コンバース作曲、へ長調、4/4拍子、A−A−B−Aの二部形式による無伴奏曲である。    誰もが知っている流れるような美しいメロディーを持ち、わかりやすい和音構成と16小節という曲の長さか    ら見て、初めての混声四部合唱を学習するのにふさわしい曲であると考える。強弱指定は少なく、独特の表現    を工夫させるのにも適する曲である。また、季節感のある歌詞と、現代国語ではあまり使わない言葉の学習か    ら、詞の深い味わいも感じ取ることができる。     この曲の取組みを通して、混声四部合唱に慣れさせ、次の合唱曲である「大地讃頌」(卒業の歌)への足掛    かりとしたい。  (2)生徒の実態について     1年生は1学期、初めての混声三部合唱曲である「Let’s search for Tomorrow」    を学習した。1年1組はその後、合唱コンクール課題曲の「マイ・バラード」と自由曲「風に吹かれて」を学  習し、先日、発表を済ませた。自由曲は無理なく学習できる曲ということで、混声二部合唱曲を学級で選んだ。 学級全体は和気合い合いとした雰囲気で、音楽への意欲が高く、パート練習ではリーダーを中心として学習課   題を解決しようと取り組むことができる。パート別に見ると、ソプラノでは頭声発声の美しい持ち声の生徒が  何人かおり、表現力も豊かである。アルトには変声前の男子生徒が2名混ざっているが、男女の区別なく練習  している。音取りには多少時間がかかっている。男声は半数以上の生徒が変声途中であり、音程が定まらない  ことが多い。必然的にテナーの数が多いのだが声質は統一できていない。バスは少ない人数の上に、音感の良  い生徒がさらに少なく、教師の援助を必要とするパートである。     四部合唱は初めての経験であるが、チャレンジ精神を大事にし、それぞれのパートを繰り返し練習させ、自  信を持って学習できるように指導していきたい。また、表現力の指導にも力を入れていきたい。  (3)指導観について    @継続して指導してきた基礎トレーニングやハーモニー練習を混声四部合唱の導入とし、無理なく合唱に入     れるようにする。    A合唱コンクールでの上級生の発表や合唱ビデオの学習を通し、ア・カペラへの興味・関心を持たせる。    B混声四部合唱の厚みのあるハーモニーと、溶け合った声の響きを感得できるよう、常に聞くことを意識させ     る。    C曲の構成に目を向けさせ、フレージングや歌詞との関わりから、工夫した合唱表現ができるように考えさせ     る。 3.単元目標  (1)音楽への関心・意欲・態度    @基礎トレーニングを意欲的に、また楽しんで行うことができる。    Aパート練習で、進んで課題設定、課題解決を行うことができる。    B合唱に一人一人が積極的に参加することができる。    C卒業の歌では、三年生に感謝する気持ちや1年間をしめくくろうとする気持ちを持って合唱することができ     る。  (2)音楽的な感受や表現の工夫    @パート練習で表現を工夫することについて考えることができる。    A表現を工夫して豊かに合唱することができる。  (3)表現の技能    @パート練習で確実に旋律を覚えることができる。    A合唱ではパートの音程を守り、歌詞を明瞭に歌うことができる。    B美しい響きや発音で、心を込めて歌うことができる。  (4)鑑賞の能力    @範唱CDを聴き、曲の流れや特徴を理解することができる。    A互いの声の重なりや響きの美しさを聴き取ることができる。 4.指導計画と観点別評価計画 「星の世界」「大地讃頌」 +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |曲|時| 学習内容 |音楽への関意態  |音楽的な感受や表現の工夫| 表現の技能 | 鑑賞の能力     | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |範唱CD鑑賞|学級全体が協力して|曲の特徴をとらえる| |曲の特徴をとらえなが| | |1 |各パート音取|取り組もうとする気|ことができる | |ら聴くことができる | | | |り |持ちを持つことがで|         | |(無伴奏、ハーモニー | | | | |きる | | |の響き) | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |星| |各パート音取|リーダーに協力しな|  |各パートのメロディ|自分のパートと他のパ| | | |り |がら、自分のパート| |ーを確実に歌うこと|ートの旋律の違いを聴| | |2 |パート練習 |を確実に歌えるよう| |ができる |き取ることができる | | | | |練習することができ|        |         | | | | | |る | | | | |の| | | | | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |パート練習 |合唱を作り上げるた| |各パートの音程を守|四部合唱の響きを感じ| | |3 |合唱練習 |めに個人またはパー| |って合唱することが|取ることができる | | |本|    |トの課題を持ち、解| |できる | | | |時| |決しようとする姿勢| | |  | |世| | |を持つことができる| | |  | | | | | | | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |パート練習 |表現の工夫について|     | |   | | |4 |表現の工夫 |パート内で話し合う| | |   | |界| |合唱練習 |ことができる | | |   | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |合唱練習 |自分たちで工夫した|      | |  | | |5 |表現の工夫 |表現を、自信を持っ|       | |   | | | |テープ録音、|て発表することがで|      | |   | | | |鑑賞 |きる | | | | + +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |範唱CD鑑賞|卒業式の構成メンバ|曲の特徴をとらえる|         |曲の特徴をとらえなが| | | |各パート音取|ーとしての意識と、|ことができる |     |ら聴くことができる | |大|6 |りA |3年生への感謝を込|     | |(構成、強弱) | | | | |めて歌って行こうと|       | |   | | | | |する気持ちを持つこ|         | |   | | | | |とができる | | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |各パート音取|リーダーに協力しな|自分のパートの役割|各パートの旋律を確|自分のパートと他のパ| | | |りA |がら自分のパートを|を感じて歌うことが|実に歌うことができ|ートの旋律の違いを聴| | | |パート練習 |確実に歌えるよう、|できる      |るA |き取ることができる | |地|7 |合唱練習 |意欲的に練習するこ| | | | | | | |とができる | | | | | | | | | | |  | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |各パート音取| | | |   | | |8 |りC | | | |   | | | |パート練習 | | | |   | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |讃| |各パート音取|合唱をつくりあげる|      |各パートの旋律を確|四部合唱の響きを感じ| | | |りC |ために、個人または| |実に歌うことができ|取ることができる | | | |パート練習 |パートの課題を持ち|     |るC       | | | |9 |合唱練習 |解決しようとする | |     | | | | | |姿勢を持つことがで| | |  | | | | |きる | | | | |頌| | | | | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |10|各パート音取| | | |   | | | |りD |         | | | | | | |パート練習 | | | |   | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |各パート音取| |        |各パートの旋律を確|   | | | |りD | | |実に歌うことができ| | | | |パート練習 | | |るD       |  | | |11|合唱練習 | | |楽譜の強弱記号や曲|  | | | | | | |想記号について知る|  | | | | | | |ことができる |  | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |パート練習 |表現の工夫について|各パートの表現の工|歌詞を明瞭に歌うこ|歌詞の内容を理解する| | | |合唱練習 |パート内で話し合う|夫について考えるこ|とができる |ことができる    | | |12| |ことができる  |とができる |各パートの音程を守|     | | | | | | |って合唱することが|    | | | | | | |できる |        | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |合唱練習 |一年間のまとめとし|表現を工夫し、まと|曲の特徴をとらえて|自分たちの発表を聴き| | | |テープ録音、|ての合唱を心がけ、|まりのある豊かな合|合唱することができ|、一年間の成長を実感| | |13|鑑賞 |自信を持って発表す|唱ができる |る |することができる | | | | |ることができる |       | | | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 5.本時の指導(3/13)  (1)教材「星の世界」パート練習、合唱練習  (2)本時の目標    @各パートの課題を明確に設定することができる。(音楽への関心・意欲・態度)    A課題解決のために、パート練習の仕方を工夫することができる。(音楽的な感受や表現の工夫)    B音程を守って合唱することができる。(表現の技能)    C混声四部合唱の豊かな響きを聴き取ることができる。(鑑賞の能力)  (3)学ぼうとする力を育てるための工夫    @音楽への関心・意欲・態度を高めるための工夫     ァ、パート練習での課題を発表させ、目標を持たせる。     ィ、リーダーへのアドバイスにより、自学タイム1と2の違いを明確につかませる。     ゥ、パート練習の成果を発表させ、努力した点や意欲的な取り組みをほめる。     ェ、評価カードを用い、本時の充足感と次時への意欲を持たせる。    A表現の技能を高めるための工夫     ァ、基礎トレーニングによって、呼吸・発声などの技能を高めさせる。     ィ、パート練習の時間を十分に取り、練習内容を深めさせる。    B鑑賞の能力を高めるための工夫     ァ、ハーモニー練習によって、正しい音程と正しい響きを体得させる。  (4)本時の展開  (5)評価の観点    @自学タイム1と自学タイム2のパートの課題は適切なものであったか。    A課題解決のための工夫したパート練習ができたか。    Bパートの音程を守って合唱できたか。 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | 学習内容 | 生徒の活動 | 教師の働きかけ | 資 料 | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |1.基本トレー|・腹筋運動、首・肩回し |○前に出る教科委員への援助を行う | | |導| ニング |・腹式呼吸、フェイストレーニ|◇腹、喉、口、ほお、目、眉等の発声のポイ|口型表 | | | | ング、発声練習 | ントを考えさせる | | |入|2.ハーモニー|・ドミソドで半音ずつ上げなが|○キーボードで音を提示する | | | | 練習 | ら歌う |◇耳で和音を確かめさせながら歌わせる | | |10|3.自己評価@|・基本トレーニング、ハーモニ|◇基本トレーニング、ハーモニー練習の部分| | | | | ー練習の自己評価を行う | を評価カードに記入させる  |評価カード| | |4.課題設定 |・課題を確認する | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+ | | | | | 学習課題 | | | | | |                       | | +−+−−−−−−−+−+ パートの音程を守り、ア・カペラで合唱しよう +−−−+ | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+ | | |5.課題追求@|・「星の世界」を合唱する |○キーボードで和音の援助をする | | | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|     | | | | ||〈指示1〉 || | | | | || 今の合唱からパートの課題を発表し、|| | |展| | ||練習をしなさい || | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | |・パート毎に課題を発表する | |課題用紙@| | | |+−−−−−−−−−−−−+| | | | | ||〈自学タイム1〉 || | | | | || パート練習 ||○バスパートへの援助を行う |パート練習| | | || パートごとにリーダーを|| |表 | | | || 中心に練習する ||○リーダーへの励ましを行う | | | | |+−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | | |6.課題解決@|・互いに向き合って合唱する |◇伴奏付きの合唱とア・カペラで歌わせる | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | ||〈指示2〉 || | | | | || 伴奏が無くなった場合のパートの課題|| | | | | ||をみつけて発表し、練習しなさい || | |開| | || || | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | | |・パート毎に課題を発表する | |課題用紙A| | | |+−−−−−−−−−−−−+| | | | |7.課題追求A||〈自学タイム2〉 || | | | | || パート練習 ||○アルトパート、バスパートを中心に援助 | | | | || 次の課題を話合い、練習|| する | | | | || 内容を工夫する || | | | | |+−−−−−−−−−−−−+| | | |30| | | | | | |8.課題解決A|・「星の世界」を合唱する |◇集合させる | | | | |・パート練習の成果を発表する|◇ア・カペラで合唱することを確認させる | | | | | |○評価する | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | | | | | |終|9.自己評価A|・評価カードで今日の学習のま| |評価カード| | | | とめをする | | | |結|10.次時予告 |・曲の表現について考える |◇強弱記号の復習をさせる |楽譜 | | | |・次時の課題を知る |○次時は、曲の表現を工夫して合唱すること| | |10| | | を確認する | | | | | | | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+