印刷用紙:B4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−   第3学年   音楽科学習指導案 日 時  平成8年11月19日(火) 2校時 学 級 3年A組(男子14名、女子18名、計32名) 場 所 音楽室    指導者  教諭 小川 敬子 1.題 材   混声合唱の豊かな表現               (教 材) 「遠い日の歌」 岩沢千早 作詞/橋本祥路 作曲 「春 に」 谷川俊太郎 作詞/木下牧子 作曲    「旅立つ季節」 高木あきこ 作詞/平吉毅州 作曲 2.題材について   人間の体は、たくさんある楽器の中で最も身近な楽器である。その身近な楽器から出てくる「声」  で、自分の中の思いや感動を表現するのが歌であり、合唱である。   みんなでひとつのものを作り上げる合唱では、一人一人の意欲が最も大切なもののひとつであり、 「みんな同じ」ではなく、「自分としてはどうか」ということが求められる。技量の高い生徒は、  パートリーダーの役割なども含めて、より深く音楽を味わうことができ、技量に欠ける生徒は、合唱  の一員としての満足感を得ることができる。そのような意味で合唱は、ひとつの曲を作り上げながら  も、生徒一人一人が意欲的に取り組むことにより、活動の中でそれぞれの感動や成就感を得ることが  できると考える。   混声四部合唱曲「旅立つ季節」はユニゾンに始まり、三声に分かれた部分では各パートに交互に  主旋律とオブリガードが現れる。後半は男声がふたつに分かれ、最後はff(フォルテッシモ)の四  声の響きでしめくくられている。未来への夢と希望をロッカバラードのリズムに乗せた明るい気持ち  の曲であるので、進路実現に向かっている時期にある生徒の表現意欲を高め、本題材を深められる曲  であると考える。 3.生徒の実態    男女とも仲がよく、明るい雰囲気の学級である。   文化祭の校内合唱コンクールに向かって、意欲的に練習に取り組んできた。合唱を好んでいる生  徒が多く、よりレベルの高い合唱曲に皆で挑戦したいという気持ちもあり、積極的に声を出してきて  いる。   しかし、よりよい発声に対する意識や、自分たちなりの表現を工夫して曲を作っていこうという  姿勢には、物足りなさを感じる。   生徒の「歌いたい」という気持ちを大切にしながら、ひとつの曲を自分たちで工夫して作り上げ  る喜びを味わわせていきたい。 4. 指導目標及び指導計画 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ |題| 指導内容 |指 導 目 標 |音楽への関心・意欲・態度|音楽的な感受や表現の工夫| 表 現 の 技 能 | 鑑 賞 の 能 力 |時| |材| | | | | | |間| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ | |イメージ |・取り組む合唱曲|・音楽の美しさに触れ、|・楽曲の持つイメージや特| |・楽曲の持つイメージや特| | | |・リズムや旋律 |についてイメージ|楽曲の持つイメージに興|徴を、楽譜から読み取るこ| |徴を、演奏を聴いて感じ取| | |混| の動きに注意 |を持たせる。 |味、関心をもつことがで|とができる。 | |ることができる。 | | | | して聴く。 | |きる。 | | | |1| | +−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |声|パート練習 |・パートの旋律を|・集中した態度で、積極| |・自分のパートの旋律を正| | | | |・旋律を覚える。|歌えるようにさせ|的に音を覚えることがで| |確に歌うことができる。 | | | |合| |る |きる。 | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ | |パート練習と |・表現上、技術上| | |・自分のパートの役割を表|・他のパートの旋律を聴い| | |唱| 合 唱 |の課題を見つけさ| | |現に生かすことができる。|て特徴や役割を感じ取るこ| | | |・旋律の動きと |せる。 | | | |とができる。 |1| |の| 混声四部の響 |・混声四部合唱の| | | | | | | | きを味わう。 |響きを味わわせる| | | | | | | | |。 | | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ |豊|パート練習と |・表現上、技術上|・美しい響きの声に興味| |・口形、姿勢、呼吸に注意| | | | | 合 唱 |の課題について練|、関心を持つことができ| |した正しい発声で、リズム|   |2| |か|・表現を工夫す |習し、表現を工夫|る | |や音程を正しく歌うことが| | | | | る。 |させる。 | | |できる。 | |(| |な| | |・表現の工夫について、|・歌詞や旋律の動きによっ|・表現記号を生かして、曲| |本| | | | |意欲的に考えることが |て曲の山などを感じ取るこ|のイメージを表現すること| |時| |表| | |できる。 |とができる。 |ができる。 | |〓| | | | | | | | |)| |現+−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ | |合 唱 |・美しい響きのあ|・美しい合唱音楽を追求|・他のパートの声や伴奏を|・指揮に合わせて歌うこと|・自分たちの演奏を振り返| | | |・曲想を工夫し、|る声で他のパート|し歌う喜びを感じること|聴きながら合唱することが|ができる。 |り良さを見いだすとともに| | | | 心をこめて表 |と歌い合わせ、バ|ができる。 |できる。 | |、課題について考えること| | |(| 現する。 |ランスのとれたハ| | | |ができる。 | | |『| |ーモニー作りをさ| | | | | | |旅| |せる。 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+| |1| |立| |・心をこめて曲を| |・楽曲の持つイメージを生かして、心をこめて歌う || | | |つ| |歌い上げるように| | ことができる。 || | | |季| |させる。 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+| | | |節| |・合唱、指揮、伴| | | | | | |』| |奏が一体となった| | | | | | |)| |音楽作りをさせる| | | | | | | | |。 | | | | | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+ 5.研究主題との関連   よりよい合唱をつくるには、教師中心の指導にのみ終始することなく、生徒が自分たちで問題点  や課題を発見し、それを解決するための表現方法や技能を工夫するような活動が重要である。   そのためにはまず、生徒一人一人が積極的な態度で練習に臨むとともに、よい声のイメージや曲  に対するイメージを持つこと(自己決定)が大切である。   また、意見を発表し合いながら表現を工夫し、パートの中で教え合いながら練習したり、互いに  演奏のよさを認め合うこと(共感的人間関係)により、よりよい音楽へと進めていくことができる。 そのようにして作られていく合唱の響きに自分の声を調和させたり、パートの役割を理解して自信  を持って表現したとき、合唱の一員としての満足感を得ることができる(自己存在感)と考える。 6.本時の目標  (1) どのように表現したらよいか、考えることができる。  (2) パート練習や合唱に真剣に取り組むことができる。 (3) 工夫した点を表現に生かすことができる。 7.指導過程 +−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |過程|学 習 内 容 生 徒 の 活 動 | 個 へ の 配 慮 | 資 料 | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | | | 指導上の留意点 | 評価の観点 |教材教具| +−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |1.既習曲の |・リーダーの | |・一人一人が積極的に|ピアノ | | 導 | 合唱 |指示で合唱する| | 声を出しているか。 | | | | |。 | | | | | |2.あいさつ | | | | | | 入 | | | | | | | |3.本時の学 | | | | | | | 習 | | | | | |12分| 課題の確認 | +−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | +−−+−−−−−−+−−+「旅立つ季節」の後半の歌い方を工夫しよう。+−−−+−−−−+ | | | +−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | | |4.前時の |・自分のパート|・うまく歌えないと|・正しい音程で歌えた| | | | 学習内容の |の音を正しい音|ころを自分で見つけ|か | | | | 想起 |程で歌う。 |られるように意識さ| | | | | | |せる。 | | | | | | | | | | | | |・感想を発表す|・演奏をより具体的| | | | | |る |に評価させる。 | | | | | | | | | | | 展 |5.課題解決 |・後半部分を合| | | | | |の見通しを |唱する。 | | | | | | 持つ | | | | | | | |・表現の工夫に|・改善点をできるだ|・表現を工夫する点の|紙板書 | | | |ついて、意見を|け具体的に指摘させ|提案ができたか。  | | | | |発表し合う。 |る。 | | | | | | |・パート練習の課題|・発表者の意見を聞く| | | | | |につながるように意| ことができたか。 | | | | | |識づける。 | | | | | | | | | | | |6.パート練 |・パートの中で|・パートリーダーを|・協力して練習に取り|ピアノ | | |習 |表現を工夫する|中心に練習を進めさ| 組んだか。 |オルガン| | | | |せる。 | |(パート| | | | | | |テープ)|  | 開 | | | | |(ラジカ| | | | |・パートを巡視して|・表現が工夫されてい|セ) | | | | |、助言する。 |たか。       |  | | | | | | | | | | | | | | | | |7.合唱 |・学級の指揮者|・それぞれの技量に|・真剣に表現していた|ピアノ | | | |と伴奏者により|合う目標で、一人一|か | | | | |、全体で合唱す|人が努力できるよう|・工夫した点が表現に| | | | |る |にさせる。 | 生かされていたか。 | | | | | |・正しい音程で | | | | | | |・パートの声を意識| | | | | | | して | | | | | | |・全体の響きを聴き| | | |33分| | | ながら | | | | | | |・心をこめて | | | +−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | 終 |8.評価 |・演奏を振り返|・工夫した点が表現|・演奏の良さを認め合|  | | 結 | |って、感想を発|に生かせたか、考え|ったり、課題について| | | | |表する。 |させる。 |発表することができた| | | 5分| | |・自己評価を含む。| か。 | | +−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ 8.評価の観点  (1) どのように表現したらよいか、考えることができたか。  (2) パート練習や合唱に真剣に取り組むことができたか。 (3) 工夫した点を表現に生かすことができたか。