印刷用紙:B4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−                  音 楽 科 学 習 指 導 案                  日   時  平成8年11月5日(火)2校時                          場   所  湯田町立湯田中学校 音楽室                          学   級  3年B組男子10名  女子11名 計22名                          授 業 者  教諭  菊  池   寛 1 主題    音の構成とイメージ        水のたわむれ   ラベル他 2 主題について  (1) 教材観     主教材   ラベル作曲、4/4ホ長調 ソナタ形式     フランス近代を代表する作曲家モーリスラベルが26才に1901年に作曲したピアノ独奏曲。ラベルの印象    主義的な手法による最初の傑作で、単純な三部形式的な構成、不協和音の色彩的な使用、アルペッジョと二度    の不協和音の同時的な使用、グリッサンド・半音階などの技法による絵画的表現の作品である。細かい音形の中    から浮き出る断片的な旋律も特徴といえる。     作曲者自身がこの作品について「この作品は、噴水、滝、水の流れに聞かれる水音、音楽的な響きに霊感を受    けたものである。」(自伝的素描1928年) 実際の風景をもとに作曲された作品であり、特に絵画的なイメージを    喚起するのに良い教材であると考える。     印象主義音楽    美術における印象主義から音楽に導入された用語で、ドビュッシーに代表される音楽様式をさし、ほぼ1890    〜1915年にフランスを中心に現れた。様式的には、在来の終止形を中心とする古典的な原理に対して、音色    原理を全面に押し出した音響感覚的なものになっている。その技法上の特徴は、純粋和音形式(平行和音、平行    音程、解決を要さぬ不協和音、付加音、隣接音、変化和音の使用)全音音階、五音音階、中世諸旋法の使用、細    分化されたリズム、などがある。  (2) 生徒の実態     歌うことが好きな生徒が多く、合唱活動などに意欲的に取り組んでいる。鑑賞においては音楽を聴き、自分の    イメージを表現できる生徒は多くはなく、鑑賞での初感を見ると「明るい曲だ」、「速い曲」など単純な観点で    楽曲を捉える傾向が強い。また、なじみのない曲を根気強く聞く態度にかける生徒もいる。  (3) 指導観     印象派の特徴でもある音の色彩感、断片的な旋律などは絵画的、詩的なものに合い通じるものがある。そこで    音楽を聴いてそのイメージを絵や詩で表現してみることによって自らの課題を追求する芽が出てくると考える。     また、理論的な知識の解説は最小限にとどめ、色彩豊かな音そのものの響きを感じ取ることを中心にしていき    たい。また、鑑賞のポイントをきめ細かく指示し、肯定的な評価をすることにより意欲関心の持続を図る。     また、映像を伴うことで、音だけではなく視覚情報からその表現効果が捉えやすくなると考える。 3 単元目標  (1) ピアノの音色や奏法による表現の豊かさを感じ取る。  (2) イメージを絵や詩で表現することができる。  (3) フランス印象派の特徴をつかむことができる。 4 観点別指導目標 +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 関心・意欲・態度 |音楽的感受・表現の工夫 | 表 現 の 技 能 | 鑑 賞 の 能 力 | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |・集中して聞くことがで|・ここのイメージを絵や詩| |・印象派の特徴を感じ取 | | きる。 |で表現することができる。| |ることができる。 | |・表現活動に意欲的に取| | |・ピアノの音色や奏法に | | り組むことができる。 | | |よる表現の豊かさを感じ | | | | |取る。 | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 5 指導計画(3時間)   (1)ピアノの音色や奏法による表現の豊かさ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間   (2)「水のたわむれ」を聞いてイメージを絵や詩で表現する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間   (3)フランス印象派の特徴をつかむ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間(本時) 6 本時について  (1) 本時の目標                  フランス印象派の特徴をつかむことができる  (2)教育機器活用の意図・ねらい    @教育機器の活用場面と活用法       レーザーディスク ・・・・・・・・・・・・・・・・ 教材提示    A教育機器の活用で期待できること      レーザーディスク(以下、LDと略称)はCDと同じように情報の取り出し方は光方式で行われるため、次     のような特性がある。      1 情報信号の消耗がないため、音質、画質が良い。      2 巻き戻しなどの手順が不要でアクセススピードが速い。      3 情報量が多い。      そのため、「教材」をよりよい状態で子供に提供でき、アクセススピードの速さは授業進行の空白をなくし     、情報量の多さは1枚のディスクから、関連教材や資料の活用を可能とする。  (3)本時の展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |段階| 学 習 内 容 | 学 習 活 動 |形態| 指導上の留意点 | | | | | (教育機器○ その他●) | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ | |1 既習曲を歌う |既習曲を歌う |一斉|●明るい雰囲気を作る。 | |  | |   | | 良い点を評価する。 | |導入|   | |  | | |  |2 「水のたわむれ」を聴く。 |「水のたわむれ」を聴いて|  |○教材提示(LD) | |15分|  |前時のイメージを思い出す| | | |  | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+ | +−−+−−−−+ フランス印象派の特徴を感じ取ろう。   +−−−−+ |  | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+ | |  | | | | | |  |3 古典派やロマン派の様式との比較|・機能和声的な楽曲を鑑賞|個 | | |  | |する。 | | | |  | |  | | | |  | |・印象派様式の楽曲を鑑賞|   | | |  | |する。 | | | |  | |   | | | |展開|   | |  | | |  | |・イメージの違いをまとめ|  |●机間巡視 | |35分|   |る。 |  | | |  | |  | | | |  | |  | | | |  | |・発表  | |●個々によって様々なイメ| |  | |   | |ージがあることに気づかせ| |  |4 ラベルや時代背景について知る。|・ワークに記入する。 |  |たい。 | |  | |  | | | |  |5 ラベルの他作品を鑑賞する。 |・ラベルの他の作品を聴き|  |関連教材 | |  | |題名を自分なりに考える。|  |亡き王女のためのパ〓ーヌ | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |まと|6 次時の予告 |次時の学習内容について知|一斉| | | め |   |る。 |   | | |5分|  | |   | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+  (4)評価    @ 集中して鑑賞することができたか。       (関心・意欲・態度)    A 印象派の特徴を感じ取ることができたか。    (鑑賞の能力)    B 曲を聴いて、題名を考えることができたか。   (音楽的感受・表現の工夫)