印刷用紙:B4縦 1ページの行数:71 1行の文字数(半角で):126   −−以下 指導案本文−−                          音楽科学習指導案                                     日 時  平成8年10月23日(水)                                     学 級  3年1組 男子19名 女子16名 計35名                                     指導者  仲 川 京 子 1 題材名  芸術音楽の特徴を知ろう 2 題材について       芸術音楽と民族音楽とは互いにかかわりをもっている場合が多く、芸術音楽の中に民謡の旋律や民族舞曲のリズムなど、民族音楽の表現を 取り入れて作曲された楽曲が少なくない。他民族の文化を理解することは自らの音楽に対する視野を拡大する事にもつながる。また、楽曲の 時代的、地域的特徴についての理解を通し、諸要素の働きを知り、曲想を感じ取る力を養うことになると思う。生徒達の周りには多種多様な 音楽が氾濫しているが、聞くのは好きな音楽だけである。色々なジャンルの音楽を知ることは、それぞれの国の文化や伝統を理解することが でき、音楽を多面的に感じ取る力を養うことにもなると考える。 3 題材目標  スペイン音楽やフランス近代のピアノ曲の特徴を、時代的・地域的特徴とのかかわりを通して感じ取る事ができる。 4 教材について  1 教材名   「アランフェス協奏曲」  ロドリ−ゴ作曲         「水の戯れ」       ラベル作曲  2 教材観 「アランフェス協奏曲」はスペインの国民楽器とも言われるギタ−を用い、各楽章の主題は明らかにスペインの民族的性格を  帯びている。第1楽章はギタ−の奏する軽快なラスケアドに始まり、3小節単位で繰り返されるリズムは8分の6拍子に4分の3拍子が含 まれた特徴的なもので、軽快で躍動感にあふれるこのリズムはスペインの民族音楽の中に非常に多く見られる。2楽章はA−B−A−C− Aという5つの部分からなって、BもCも旋律の要素はAの主題から取られており一種の変奏のように聴くこととも可能である。また、こ の楽章でのカデンツの部分はギタ−の性能を見事に生かし切っている。3楽章は4つのエピソ−ドをもつロンド形式で書かれている。民族 色豊かなリズムと旋律、軽やかに駆け巡るようなギタ−のパッセ−ジ、そして華麗なオ−ケストラの響きには、作者の手腕が存分に発揮さ れている。 また、「水の戯れ」は印象派的な手法が数多くみられ、完結性や発展性を持たない断片的な旋律、7あるいは9の和音の並進 行、解決を望まない不協和音、響きの陰影の多彩さなどがその例である。ラベルのピアノ曲の属7、副7の和音が醸し出す響きを感じると 共に、さまざまなピアノ曲を通して、フランス革命を境に、市民の生活感情の変化と共に感性も変化していくなど、時代的特徴を感じ取れ ると思う。  3 指導にあたって 男子にも女子にも個性的な生徒が多く、一つの目標にむかってがんばろうとする気持ちがあり、合唱コンク−ルに向 けての取り組みも意欲的である。鑑賞曲の学習では、以前から楽曲について自分たちで調べる活動をしてきたので、今回も取り入れたいと 考えている。 「アランフェス協奏曲」の学習の時、スペインのイメ−ジといっても限られたものしか出てこないと思うし、ましてやスペ インの音楽ということになるとフラメンコの音楽しか思いつかないかもしれない。しかし、フラメンコの特徴的なリズムとスペインの民族 音楽との関係やギタ−の奏法を学習することによって、リズムや楽器に興味を示し、曲の内容についての理解を深めていくのではないかと 思われる。また、「水の戯れ」では、今まで聞いた事があるピアノ曲と違う感じがする事に気付かせ、生徒一人ひとりが思いのままにイメ −ジした事を大事に扱いたい。そのためには、授業の中で一生懸命努力している生徒を紹介するなどして、考えたり発表したりすることを 嫌がらずにやれる雰囲気作りを心掛けたい。   時代背景やその国の風土を知って行く中で曲に込められた思いがどういう形で反映されているか深めさせたい。 鑑賞シ−トを使い授業 の流れに沿って記述させることで、生徒の学習を助けるようにしたい。また曲の感想を記述させるだけでなく生徒が授業を通して学び取っ た基礎的な知識・理解や新しく気付いた点を書かせ生徒一人ひとりがどのようなことを学び取ったか把握できるようにしたい。 4 目標分析表(最後部) 5 指導の構想と計画(最後部) 6 本時について  1 本時の目標   ギタ−の独特の美しさや主題に込められた思いを感じ取ることができる。  2 展開                                       ★は評価の観点 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |段階| 学習内容・学習活動 |自力解決| 個への配慮 評価の視点や方法、留意事項 |教材資料等| |時間| | の場 | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |既習曲の合唱 | | | | | |・「オ−ラリ−」を歌う。 | |・音楽への雰囲気作りをする。 | | |導 |2楽章の鑑賞 | | | | | |・2楽章の主題の部分の演奏を聞き、前時| |・自分の感想と似ている点や違う感じ方について知る。 | | |入 |の感想を発表する。 | | |鑑賞シ−ト| | | | | | | | |学習課題の確認 | | | | |5分 | +−−−−−−−−−−+−−−−++ | | +−−+−−−−−−−−+ 2楽章の理解を深めよう。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−+−−−−++ | | | |調べた事についての発表 | 個人 |★調べた事を進んで発表できたか。(発表・観察) |鑑賞シ−ト| | |・スペインの音楽について | | | | | |・ギタ−について | | | | |展 |・時代背景について | |★友達の発表を集中して聞けたか。(観察) |LD | | |・ロドリ−ゴについて | | |CD | | |・アランフェス協奏曲につて | | |カセット | | | | | |テープ | |開 |発表についての意見や感想 | 個人 |・自分が調べた事と共通している点や新しく分かった事を|鑑賞シ−ト| | | | |確かめる。 | | | | | | | | | |2楽章の鑑賞 | |★調べたり発表を聞いた事で、初めの感想より、深まりの|鑑賞シ−ト| | |・2楽章についての感想をまとめる | 個人 |あるものになっているか。(鑑賞シ−ト) | | |35分| | |・感じた事を詳しく書けるようにアドバイスをする。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |終 |感想の発表 | |・作曲者がどんな思いを込めたか感じ取らせたい。 | | |結 | | | | | |10分| | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+  3 評価の内容   ・調べた事を進んで発表できたか。   ・2楽章の感想は発表の内容を生かしてまとめる事ができたか。  指導の構想と計画 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |時|学 習 内 容| 学 習 活 動 |自力| 個 へ の 配 慮   | 評 価 内 容 | |間| | |解決| | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |1| |・学習課題の確認 |個人| | | | |・ギタ−の音楽|・演奏している楽器を|集団|・ギタ−の音楽や音色の美しさに|・ギタ−の音楽に興| | |の鑑賞と理解 |知り、曲の持つ独特な| |関心を持たせる。 |味をもつことができ| | | |印象を感じ取る。 | | |たか。 | | |・1楽章の鑑賞| | |・協奏曲について簡単に触れる。| | | | |・ギタ−の奏法の効果| |・特徴あるギタ−の奏法や効果を|・ギタ−の特徴をつ| | | |を感じ取る。 | |感じ取り、表現の豊かさを意識さ|かむことができたか| | | | | |せる。 | | | | |・各自が課題を明確に|個人|・調査の段階で課題や疑問を解決|・積極的に疑問を解| | | |し調査をする。 | |する手立てを指導する。 |決しようとしたか。| | | | |集団|・思うように調査が進まない生徒| | | | | | |は、同じ課題を持った生徒と一緒| | | | | | |に課題解決ができるようにし、達| | | | | | |成感を味わわせる。 | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |2|・2楽章の鑑賞|・2楽章の主題を聴き|個人| | | | | |前時の感想を発表する| | | | | |・調査結果の発|・各自が調べたことを|個人|・お互いの発表を集中して聴ける|・調べたことを進ん| | |表 |発表する。 | |ような雰囲気を作る。 |で発表できたか。 | |(| |・2楽章についての感|個人|・感じたことを詳しく表記できる|・調べたり発表を聴| |本| |想をまとめる。 | |ようにする。 |くことにより、初め| |時| | | | |の感想より深まりの| |)| | | | |あるものになったか| | | | | | |・主題の美しさに興| | | | | | |味を持つことができ| | | | | | |たか。 | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |3|・スペイン音楽|・スペインの代表的な|個人|・音楽や舞踊、スペインの歴史的|・スペインの音楽に| | |の特徴と理解 |音楽を聴き、雰囲気を| |な背景と音楽との関わりを感じ取|ついて自分なりの疑| | | |味わう。 | |らせる。 |問を持つことができ| | | | | | |たか。 | | |・全曲の鑑賞 |・楽曲としての統一感|集団|・スペインの町並みや宮殿などの|・独特のリズム、叙| | | |を味わう。 | |映像を提示する。 |情的な旋律を感じ取| | | | | | |ることができたか。| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |4| |・学習課題の確認 |個人| | | | |・曲名と作曲者|・音楽を聴いて情景を| | | | | |の理解 |思い浮かべ、作曲者を| | | | | | |知る。 | | | | | |・音楽的特徴の|・全曲を通して聴き、|集団|・全曲を鑑賞させ音から具体的な|・水のさまざまな流| | |理解 |音から受ける感じや、| |イメ−ジをもたせる。 |れの様子を具体的な| | | |水がさまざまに流れる| | |言葉で表すことがで| | | |様子を表現している音| | |きたか。 | | | |楽を聴き取る。 | | | | | |・ラベルの音楽|・時代的な特徴をとら| | | | | |の特徴の把握 |える。 | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+  目標分析表       ・教科名 音楽         ・学年 3年         ・題材名 芸術音楽の特徴を知ろう +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−+ | | | | | 観 点 | | | | |時+−+−+−+−+ | 教 材 名 | 実 現 目 標 | 下 位 目 標 | |関|表|鑑|知|  | | | |間|心|現|賞|識| | | | | |意|感| | | | | | | |欲|受| |理|  | | | | |態|技| |解|  | | | | |度|能| | |  +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ |1.アランフェ|・ギタ−と管弦楽との組|1ギタ−の音色の美しさを感じ取ることが|1|○| |○| | | ス協奏曲 |み合せの効果を感じ取り| できる。 | | | | | | | |スペイン音楽の美しさを+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |味わうことができる。 |2ギタ−と管弦楽による演奏で躍動的なリ| | |◎| | | | | | ズムをもった曲であることを感じ取るこ| | | | | | | | | とができる。 | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |3アルペッジョ、ラスケアドの奏法による| | |○| |○| | | | 表現の効果を感じ取ることができる。 | | | | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |・発表から理解を深める|4第二楽章の主題を聴き、愁いを帯びた音|1| |○|○|○| | |ことができる。 | 色を味わい理解を深めることができる。| | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |5自分で調べたいことや疑問に思ったこと| |○| | |○| | | | を解決することができる。 | | | | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |・スペインの風土や民族|6スペインの代表的な音楽を聴き、リズム|1| |○| | | | |性を知ることができる。| や旋律の特徴や独特な雰囲気を感じ取る| | | | | | | | | ことができる。 | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |7民族固有のもののほか、文化との関わり| | | | |○| | | | が大きな影響を与えていることが理解で| | | | | | | | | きる。 | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |8各楽章の美しさや演奏の良さを味わうこ| | |○|○| | | | | とができる。 | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ |2.水の戯れ |・ピアノ曲の音色や豊か|1音色や奏法から和音の響きを感じ取るこ|1|○|◎|○| | | |な表現力を感じ取ること| とができる。 | | | | | | | |ができる。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |2曲を聴き二つの主題を聞き取ることがで| | |○|○| | | | | きる。 | | | | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |・時代的な特徴をとらえ|3近代フランスを代表する作曲家で、ドビ| | | |○|○| | |ることができる。 | ュッシ−にも大きな影響を与えたことが| | | | | | | | | 理解できる。 | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ 音 楽 科 1 研究主題          +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 個に応じ、個を生かす指導の工夫 | | −−−自己表現力を高める生徒の育成を目指して−−− | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 2 主題設定について   生徒達は自分の興味や関心のある音楽を好んで聴くことで、複雑なリズムや難しいメロディー  を感覚的につかめるようになっているが、音楽に対しての関わり方は狭く浅いもので終わってい  る。現実を見ても音楽の授業は週時数が少ない上、技術面の学習に多くの時間を要することから  、一斉指導による技術の習得に偏りがちである。従って表面的には感動し豊かな表現がされてい  るように見えても、その実際は仕方なく授業に参加する受身的な姿が見られる。一方、クラシッ  ク音楽や邦楽を聴いて新鮮な受け止め方をしたり、色々な分野の音楽を素直に感じ取る気持ちを  持っているので、個々の可能性や感性を生かせるような教材を取り入れることで、音楽のすばら  しさを感じ取り、表現活動で大切な主体的に音楽に関わる意欲や表現を工夫する力を伸ばせるの  ではないか。また、生徒一人ひとりの音楽に対する思いや感じたことを出し合う場を設け、生徒  が中心になって活動できる指導過程を構成していくことで、音楽に対する様々なとらえ方や味わ  い方を認め合い、積極的に自らの音楽を創り出していくのではないかと考え本主題を設定した。 3 研究の目標   個を把握し表現能力の向上を目指す。そのために、興味関心がわくような教材を選択し、生徒  の活動が生かされる学習過程や学習形態を工夫する。 4 研究の仮説   バランスよく教材化し、生徒の発想や工夫を生かした学習活動と生徒が主体的に活動できる学  習形態を工夫すれば、音楽に積極的に関わり多様な見方や考え方を身に着け表現力を高めること  ができるであろう。 5 研究内容と方法    1「個」のとらえ方について    個をとらえる上で個性を抜きにしては考えられない。個性とは、これまでの学習や生活体験   で培ってきたものだけでなく、これから伸びていく可能性も含まれるのではないかと考える。   そこで集団の中の個ととらえながら、学習を積み上げ互いに磨き合うことにより、一人ひとり   が持っている持ち味やよさを生かすことができるのではないかと考える。また、生徒の個人差   を把握するためにも、事前に調査し興味・関心の差や学習スタイルの差を押さえ、学習意欲の   変化や技術の向上を見逃さないように観察を重ね、生徒の内面に潜んでいる可能性を引き出し   ていきたいと考える。  2「個に応じ」「個を生かす」のとらえ方について   個に応じるため    @教材を扱う上で生徒がつまずきそうな部分を前もって個別に把握する。   A音楽に対する様々な見方や考え方を引き出したり、興味や関心を引くような導入を工夫する   B学習過程、指導方法、学習形態などを工夫する。   C共通課題の中から生徒一人ひとりに合った課題を追求し、達成した喜びを感じることのでき    る学習課題を設定する。   個を生かすため    @一人ひとりの良さや可能性を伸ばすため、興味や関心が湧く学習内容や学習方法を生徒自ら    選択する場面を盛り込むことで積極的に学習活動が進められるようにする。   A個人やグル−プの課題を明確にし、課題解決に向け生徒による資料や情報の選択と収集をす    ることで、多様な見方や考え方を意欲的に発見する場の設定をする。   B学習形態を工夫し一人ひとり感じたものを出し合い、試行錯誤を繰り返しがら、全体で高め    合い深まりを求める場の設定をする。  3自力解決のとらえ方と「場」の設定について      @自力解決のとらえ方生徒達が今まで学んできた事を土台にしながら、自分の力で解決してい    くためには導入で一人ひとりの生徒が学習課題をしっかり把握し、解決しようとする意欲に    結びつける事が大切である。そのためにも、学習意欲が湧くような教材の精選を心掛け、課    題解決の方法を示していかなければならない。また、個人やグル−プで解決したものが全体    の中で練られる事で、更に確実なものに深め発表しやすい雰囲気づくりや発表が大事にされ    る授業を目指している。そこで、学習課題についての自己評価や相互評価をすることで、就    感を味わい次への学習意欲・態度の伸長を図ることができると思われる。自力で解決するた    めには、基礎・基本の習得が重要になるが、例えば歌唱教材では、階名読み・リズム・強弱    記号・姿勢・呼吸・口形・響きについての指導を中心に行っている。   A自力解決の「場」の設定について        ア.表現の場合     ・曲に対する感想やイメ−ジを持つ。           ・自分のパ−トをパ−ト練習の手順に沿って練習する。           ・諸記号を意識した表現を工夫する。           ・歌詞の内容から情景や心情をイメ−ジする。           ・表現についての意見を一人ひとりが持ちお互いに発表し合う。        イ.鑑賞の場合           ・感想を鑑賞シ−トに記入する。     ・楽曲や作曲者について分担しグル−プごとに調査する。  4「支援」のとらえ方について    一人ひとりが課題を把握し、解決方法を見つけたとしても学習内容を確かなものにするため   には教師の支援が重要となる。そこで音楽科では、教師が生徒の学習活動を受容し共感しなが   ら、つまづきの原因をとらえさせたり、お互いの考えを出し合い他から学ぶ場を設定したり、   感想を紹介するなど生徒の感じ方を大切にしていきたいと考えている。  5 実践より    興味・関心をもって鑑賞曲の学習に臨むために、選んだ項目について調べることにした。項   目ごとに出された疑問を解くことで楽曲や作曲者についての理解を深め、曲についての受け止   め方をより深くできるのではないかと考え、次の授業を行った。       展開                         ★評価の視点     +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−+ |段| 学習内容・学習活動 |自力解|個への配慮、評価の視点|教具 | |階| |決 |・方法、留意事項 | ・資料| |時| | | | | |間| | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |既習曲の復習 | | | | |導|・「ラバ−スコンチェルト」を| |★他のパ−トを聞きなが| | | |二部合唱する。 | |らのびのびと歌っている| | |入| | |か。 | | | |学習課題の確認 | | | | |5| +−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−+ | | |分| | | | | +−+−−−−−+発表を聞いてバッハや曲の特徴について +−−−+−−−−+ | | |知ろう | | | | | +−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−+ | | | |グル−プ毎の発表 | |・調べたことが互いに関| | | |・バッハの一生について | |わ模造紙り合っているこ| | | |・パイプオルガンについて | |とに気付かせるように発| | | |・フ−ガについて | |表を工夫する     | | | |・バロック音楽について |集団 |★わかるように発表でき| | |展|・バッハの作品について | |ているか。 | | | |・日本の様子について |個人 |★発表を集中して聞いて| | | | | |いるか。 | | | |発表についての質問 | | | | | |・確認したい事や更に知りたい|個人 |・鑑賞シ−トの3につい| | | |事を質問する。 | |て鑑賞シ−ト確認する。| | |開| |個人 |★それぞれの特徴をつか| | | | | |めたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−+