印刷用紙:B4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):100   −−以下 指導案本文−−                 1学年音楽科学習指導案                             日 時  平成8年11月7日(木) 5校時                             学 級  1学年(男子19名 女子20名 計39名)                             場 所  音楽室                             授業者  清水里子 1 題 材  曲想とリズム    教 材 「聖者の行進」      芙龍明子 作詞 アメリカ民謡        「アルプス一万尺」    作詞者不明   アメリカ民謡        「おおスザンナ」     岩沢千早 作詞 フォスタ−作曲 2 題材について   音楽を特徴づけるもののひとつは、リズムである。音が2つ以上存在すれば、そこにリズムが生まれる。  「リズムにより楽曲を統一する」という観点から、音楽に合うリズム伴奏の工夫をすることは、音楽の雰囲  気を感じ取り、生徒の表現をより豊かにさせるものであると考える。   その曲に合うリズム伴奏を工夫して表現することは、その曲の特徴をより深く感じ取ることであり、曲に  ふさわしい表現をすることである。また、曲の途中で、曲想が変化した時には、違うリズムを用いたり、一  部を変化させることにより、曲想の変化やフレ−ズのまとまりを表現することができる。   そこで、リズム伴奏の創作を通して、曲想を感じ取り、曲想の変化やフレ−ズの変化を生かして表現する  ことができる力を養いたいと考え、本題材を設定した。   旋律の流れとリズム伴奏の関わりに着目することにより、「曲想を効果的に表現する」というリズム伴奏  の果たす役割に気づかせたい。そして、既存の楽曲においても主体的で豊かな表現ができる力を育てたい。   教材として取り上げる曲は、旋律が聴き覚えがあり親しみの持てる簡単なもので、創作をする際にリズム  伴奏とともに口ずさみやすいものである。また、曲の構成が、A(aa')B(ba')またはA(aa')B(bb')の単純  な二部形式であることから、フレ−ズのまとまりや曲想の変化がとらえやすいと考える。   創作学習について、生徒にアンケ−トを行ったところ、小学校において、「ふしを創作する」「歌詞を創  作する」という経験を持ち、それらの学習を「楽しかった」とする生徒が多く、作詞や作曲をするというこ  とに対して期待やあこがれを持っていることがわかった。しかし、「わからないけど適当に音符を並べてみ  た」「よくわからなかった」「やってみたいが難しそうだ」とする生徒も多かった。「自由に」「思うよう  に」表現するための手段として、前題材では、4分音符を基準とした音符や休符の長さと拍子ついて学習し、  簡単なリズムパタ−ンを手拍子で打つことや、楽譜として読むことができるようになっている。   主体的に音楽に関わるためには、「楽譜を読める」という技術的な力が必要となる。創作活動とあわせて  基本的な読譜についても段階的に指導をし、楽譜から音楽を読み取ろうとする意欲を育てたい。   学級は明るく、授業に対しての参加意欲は大きいものの、「人前での演奏が恥ずかしい」と感じたり、苦  手だ」という意識が、主体的な表現の妨げとなっている生徒も多い。リ−ダ−性を発揮する生徒や進んで発  言する生徒が男子に多いので、合唱パ−トだけでなく多様な形態のグル−プを効果的に設定し、グル−プで  創作活動や演奏表現を行うことで表現することへの抵抗をなくしていきたい。また、みんなで演奏発表しあ  うことで、自分たちの音楽を創りあげる喜びを味わわせ、「曲想の変化」や「フレ−ズのまとまり」などの  意図を持って表現をするという、音楽の新たな発見の場にしたい。 3 題材目標  (1)曲想とリズム伴奏の関わりに関心を持ち、意欲的に表現を工夫しようする。                                    (音楽への関心・意欲・態度)  (2)曲想の変化やフレ−ズのまとまりを感じ取り、リズム伴奏を工夫することができる。                                    (音楽的な感受や表現の工夫)  (3)工夫したリズム伴奏をグル−プで演奏することができる。                                    (表現の技能)  (4)他のグル−プの演奏を聴き、リズム伴奏の工夫を聴きとることができる。                                   (鑑賞の能力) 4 指導計画  (1)楽曲を特徴づけるさまざまなリズムの理解・・・・・・・・1時間  (2)曲の感じを生かしたリズム伴奏の創作と演奏発表・・・・・3時間(本時3/3) 5 本時の指導  (1)目 標    ・曲想とリズム伴奏の関わりに関心を持ち、意欲的に表現を工夫しようとする。    ・曲想の変化やフレ−ズのまとまりを生かしたリズム伴奏を工夫することができる。    ・工夫したリズム伴奏をグル−プ演奏することができる。    ・他のグル−プの演奏を聞き、リズム伴奏の工夫を聴き取ることができる。 5 本時の指導 (1)目 標 ・曲想とリズム伴奏の関わりに関心を持ち、意欲的に表現を工夫しようとする。 ・曲想の変化やフレーズのまとまりを生かしたリズム伴奏を工夫することができる。 ・工夫したリズム伴奏をグループで演奏することができる。 ・他のグループの演奏を聴き、リズム伴奏の工夫を聴き取ることができる。 (2)展 開 +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 学習過程 学 習 活 動 | 支 援 | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |課題把握|1 本時の学習曲を演奏する。 |・授業に臨む雰囲気を盛り上げ| |導| | 各班で選択した旋律を全員でリコーダー演奏する。 |ように積極的に演奏させる。 | | | | | | | | |2 本時の学習課題を把握する。 | | |入| |+−−−学習課題−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・「曲想の変化」、「フレーズ| | | ||曲想の変化やフレーズのまとまりに合うリズム伴奏を||のまとまり」が把握できるよう| |10| ||グループで工夫し演奏発表しよう ||に補足説明する。 | |分| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |課題追究|3 グループごとにリズム伴奏の創作を工夫し練習する |・グループを巡視し、「フレー| | | |@ 基本のリズムをどれにするかを決める。 |ズのまとまり」「曲想の変化」| |展| |A 「曲想の変化」「フレーズのまとまり」をどうとらえ|が把握できているか、それをも| | | | たかを確認する。 |とに工夫しているかを確認し支| | | |B Aをもとにリズム伴奏を工夫する。 |援する。 | | | |C 工夫したリズム伴奏を楽譜として書いておく。 |・正確に記譜できるように支援| | | |D リズムパートの役割分担を確認し、工夫したリズム伴|する。 | | | | 奏が演奏できるように練習する。 |・工夫したリズム伴奏が正確に| | | | |演奏できていないグループや生| | | | |徒を支援する。 | | | | | | | | |4 演奏発表 |・「曲想の変化」「フレーズの| | | | グループごとに発表し、聴き合う。 |まとまり」を説明させる。 | | | |@ 「曲想の変化」、「フレーズのまとまり」をどうとら|・OHPを用い、具体的に工夫| | | | えたのか。 |した箇所を音符でも示させ、各| | | |A @をもとに曲のどの部分に、どのようなリズム伴奏の|グループの工夫がわかるように| |開| | 工夫をしたのか。 |説明をさせる。 | | | |B リズム伴奏の工夫によって、音楽がどのような感じに|・リズム伴奏の工夫やその効果| |30| | なったか。 |について、気付いたこと、感じ| |分| | |たことを多く発表させる。 | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |終|課題発展|5 本時のまとめ |・リズム伴奏の工夫のよりどこ| | | |・教師のまとめを聞く。 |ろが「曲想の変化」や「フレー| |末| |・自己評価をプリントによって行う。 |ズのまとまり」によるものであ| |10| |・次時の予告をする。 |ったことを振り返らせ、学習の| |分| | |評価をさせる。 | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価 ・曲想とリズム伴奏の関わりに関心をもち、意欲的に表現を工夫しようとしていたか。 ・曲想の変化やフレーズのまとまりを生かしたリズム伴奏を工夫することができたか。 ・工夫したリズム伴奏をグループで演奏することができたか。 ・他のグループの演奏を聴き、リズムの工夫を聴き取ることができたか。