中学校3年 理科(物質とイオン) 指導案 黄海中学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 36行に設定してください。  ・理・科     ・理・科・学・習・指・導・案                           平成2年5月17日(木)   5校時                           第 3 学 年 A 組                           生徒数  男12 女17  (計29名)                           指導者  伊  藤   剛 1.題材名  6.物質とイオン (1分野下) 2.題材について   中学校3年生の化学分野がこの『物質とイオン』である。1・2年生でいろ    いろな化学変化を学び、さらに2年生の物理分野で電流について学び、それらを統合する形で    「イオン」が登場してくる。ここでは物質を原子段階の微視的にとらえ、目に見えないイオン    の存在を明確にし、それを用いて、巨視的な化学現象・反応を理論づけていくことになる。     目に見えないということであり、理論的にもかなり深められていくため、中学校理科の学習    内容では最も難しい部分となっている。後半に「酸・アルカリ」という生徒でも聞いたことの    ある内容が出てくるが、モデルを使用してイオンについてよく理解させ、水溶液中でのイオン    の存在、電気分解、電池、酸性・中性・アルカリ性などをより実際の生活の中に関連づけて考    えさせていくようにしたい。本校生徒は、科学的思考に時間がかかる方なので、少し多めに時    間を取り、余裕をもって丁寧に進めていきたい。 3.生徒の実態   3年A組は、比較的活発で、理科に対する興味も強い。しかし、授業に対する    全体のまとまりが必ずしも十分でなく、ひとりひとりが勝手に行動してしまうことがある。3    年生となって手をあげての発言は少なくなった。教師が指名して進めていくことが多くなった。    上位と下位の生徒の能力差は大きいが、下位の生徒の多くも授業には前向きに取り組んでいる。    上位の生徒は男子2名、女子1名くらいで、独力で科学的思考を深めていくことができる。下    位生徒は男子3名、女子1名くらいだが、その中の男子1名が興味を持って授業に参加してく    れるかが問題である。行動力はあるので実験では活躍の場面があると考えている。上に述べた    ように抽象的な思考の入ってくるこの「イオン」の分野については、他分野に比べて苦手な生    徒が多いのではないかと考えられる。難しい内容でも、より噛みくだいて説明したりして理解    できるようにしていきたい。 4.指導計画    1.水溶液を流れる電流                      29       1.水にとけるとはどんなことか  ……………………………… 2時間       2.水溶液には電流が流れるだろうか  ………………………… 3時間(本時)         3.水溶液を流れる電流の正体はなにか  ……………………… 8時間    2.酸・アルカリ・塩       1.水溶液が酸性やアルカリ性を示すのは  …………………… 5時間       2.酸とアルカリをまぜ合せるとどうなるか  ………………… 5時間    3.ま と め  …………………………………………………………… 2時間 5.本時の指導   教材名  水溶液には電流が流れるだろうか   行動目標 G.固体のままでは電流が流れない物質の中に、これを水にとかすと電流が流れる物         質と流れない物質があることを説明できる。   下位行動目標     @.固体のままでは電流が流れない物質でも、水にとかすと、電流を流すものがあることを       説明できる。     A.実験の結果から、水溶液には電流を流すものと流さないものがあると言える。     B.実験中に、水溶液の中でおこっている変化(泡が出ているなど)に気付くことができる。     C.水溶液に電流が流れるかどうかの実験をすることができる。     D.固体や純粋な液体の物質の水溶液を作ることができる。     E.固体、純粋な液体に電流が流れるかどうかの実験をすることができる。     F.水道水を物質をとかす溶媒として使用できない理由を説明することができる。     G.蒸溜水は電流をほとんど流さないことを実験で確めることができる。     H.蒸溜水は純粋な水であるということを説明できる。     I.固体、純粋な液体、水溶液に電流が流れるかどうかの予測を立てることができる。     ○.物質に電流が流れるかどうかを確めるための実験装置を組み立て、回路を作ることがで       きる。    R○.実験に使う物質の名前を言うことができる。    R○.実験に使う器具の名前を上げることができる。    R○.今日の実験の名前を言うことができ、目的を持つことができる。   形成関係図     R○   R○   I       E          R○   ○   G   D   C   B   A   @=G               H     F 6.指導過程(次のプリント)                      30  段階  学習内容      学 習 活 動        留意点・配慮事項    評価            あいさつ「おねがいします」   挨拶は、大きくはっきりと。  導入 本時の    今日は固体・液体・水溶液に電流 用具の一部はすでに机上に配布。      課題確認  が流れるかの実験をします。     プリント配布。      意欲づけ  今日の課題              ノートは取らなくてよい。             固体・液体・水溶液に電流が    教科書はP.82〜83  3分         流れるだろうか。                      R○            今日使用する実験器具を確認して 器具の名前は、中位・下位の生            いきます。           徒を中心に指名。     実験器具の    プリントに記入しながら。  復習の意味も兼ね、器具の名前         確認  電源装置 電流計 豆電球   の定着を図る。        R○             電極 ビーカー 薬包紙 薬品  展開         ガラス棒 フィルムケースなど            では、次に今日調べる物質につい 物質の名前も中位・下位の生徒     調査物質の  て確認します。         を指名。         確認  蒸留水 水道水 砂糖 食塩   わからないものについては教             塩化銅 塩化鉄 酢酸 エタノ  師が指示。         R○             ール 炭酸水素ナトリウムなど     蒸留水の特徴 「蒸留水とはどんな水なのか」  中位の生徒がわからなければ            「水道水とはどこが違うのか」        上位の生徒指名。              これら2つは電流を流すか。 ・求める答え                    予想発表     水道水には水以外のいろいろ  H            教師演示実験 蒸留水 水道水   な物質が含まれている。              蒸留水は× 水道水は○   演示実験のメーターは近くの生     水溶液の   「水溶液を作る時、蒸留水、水道 徒に読ませる。         G        作り方  水のどちらを使えばよいか」  中位・または上位に指名。            「水道水を使ってはいけない理由  理由がはっきりと指摘できる             は何か」            かがポイント。        F            プリントの物質について、固体・ 電流が流れるかの予想は、生徒     実験の予想  液体の時、水溶液にした時、電流 にとっては未知のことなので、            が流れるか予想を立てなさい。  あてずっぽうで答えるしかない。 I                    予想発表     ここでは、それで良い。            では、いよいよ実験に入ります。                      31            まず、回路のつなぎ方      電源装置・電流計の使い方注意。     実験の指示                  直流4Vくらいにする。            固体を測定する時の注意     固体はしっかり押し固めるよう                            にして測定する。            水溶液を作る時の注意      水溶液には必ず蒸留水を使用。            測定する時に電極をきれいにする 電極は1度測定するたびに蒸留  展開        こと              水で洗い、きれいにする。            薬品には注意する        塩化銅は毒物である。     実験     実験開始                            ○               下  位      中  位      上  位            まわりから見ているだ 実験の中で自分で回 班員に指示を出し、  E            けでなく、水溶液を作 路を作ったり、電流 実験を進行させる。            ったり、メーターを読 が流れたかを確認す うまくいかない時に  D            んだりすることができ ることができる。  その原因を考え、解            る。                   することができる。  C               机間巡視をして、回路のつなぎ方が適切か見て歩く。                              うまくいかない時、指示。  B               班内での生徒個々の動きを見る。               5つの班のうち3つぐらい終われば全体終了とする。            各班が終わったようなら実験終了。     結果発表   「実験の結果を発表して下さい」 各結果について数人に聞く。             まず固体・純粋な液体について。固体はすべて流れない。             次に水溶液について。  発表。純粋な液体はほとんど流れない。            「実験中に何か気付いたことは?」水溶液にすると流れるものが出     実験の    各班ごとにうまくいった点、うま てくる。  44分   まとめ  くいかなかった点を確認。    結果は中位。気付いた点は上位。 A            今日の実験からわかったことは? まとめの指名は、中位、上位に。     授業の    「固体・液体の時には電流を流さ まとめなので数人に発表。  終末   まとめ   ないのに、水溶液にすると流れ                 @             るのがありましたね。」    流す、流さない理由は、     次時予告   「次の時間はこの結果をさらに深      今後の課題となる。  G             めていきたいと思います。」  3分        挨拶「ありがとうございました。」                      32          ・理・科・ ・ ・学・習・プ・リ・ン・ト                        3年  組  番 氏名          今日の課題 実験器具      @      A      B     C      D      E      F      G     H      I 実験結果    針がふれた時 ○   ふれなかった時 ×   かすかにふれた時 △              予 想       実 験 結 果   物 質 名                           流れた時のようす          固体・液体  水溶液  固体・液体  水溶液    @.蒸留水  A.水道水  B.  C.  D.  E.  F.  G. 実験のまとめ  固体で電流を流す物質         水溶液にした時電流を流す物質                      33           ・今・日・の・授・業・を・見・る・観・点 1.全員が1時間の授業の中で活躍できただろうか。    もし活躍できていない生徒がいたとしたなら、どうすればそれを解消できるか?     (                                       ) 2.個に配慮した指導場面での生徒の動きはどうだったか。   @.発問に対する生徒の答え      (                                      )   A.プリント記入の作業の時      (                                      )   B.実験の中で、生徒はそれぞれの役割を果たすことができたか。      (                                      ) 3.生徒は本時のG(ゴール)まで達しただろうか。    達したと思われる生徒は 約(   )%くらい    達しなかった生徒がいた場合、下位行動目標のどの辺の部分でつまづいたのか。      (                                      )    つまづきを解消するためには、どんな方法を取ったらよいか。      (                                      ) 4.評価の方法について      (                                      )    ………………………………………………………………………………………………………   理科にかかわる部分では。    @.G(ゴール)の設定はこれでよいか。      (                                      )    A.目標分析はこれでよいか。      (                                      )    B.形成関係図はこれでよいか。      (                                      )    C.実験の用具、方法などはよかったか。      (                                      )                     34