印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):82              ・理 ・科 ・学 ・習 ・指 ・導 ・案                                                                                   指導者 石井 修直 1.日  時   平成3年7月5日(金) 第2校時                 2.学  級   1年3組 男子18名 女子17名 西校舎4階 第2理科室     3.主  題   物質とその変化                          4.主題について                                    第1分野の化学領域においては、化学的な事物・現象についての観察や実験を行い、観  察・実験技能を習得させるとともに、身の回りの物質とその変化、化学変化と原子、分子、  イオンなどについて理解させ、これらの事象に対する化学的な見方考え方を養う。      本単元のねらいは、以下の項目で構成される。                    第1分野全体の導入の単元として、第1分野の学習に対する興味・関心を啓発し、意欲  的に学習する態度を養う。   いろいろな水溶液の性質を調べる実験を行い、日常生活と関連させて考察させながら、  溶質による水溶液の性質の違いを見いださすとともに、実験器具の操作や記録の仕方など、  観察・実験の技能を習得させる。   化学変化の不思議さや面白さに触れさせながら、燃焼や酸化、分解と化合などの化学変  化を定性的に学習させる。   気体を発生させて、その特性を実験で調べ、気体を物質としてとらえ、併せて気体の発  生方法や捕集法などの技能を身につけさせる。   単元の学習を通して2学年、3学年の学習内容の基礎となる科学的な見方考え方を育て  る。   とくに小学校での学習内容との関連を図って生徒を主体的に学習させる。   単元事前調査や教師観察による生徒実態は以下のごとくである。   (1) 興味・関心;理科に対する興味・関心の度合いが入学時の調査よりも高まってきて    いる。学習態度も意欲的であり、家庭学習にも良く取り組んでいて、前小単元の小単    元テストの平均点が85点で、80点通過率が77%(70点通過率が94%)であ    る。これは、意欲的な学習の成果としての達成度の向上である。1年3組の『理科に    対する意欲』の5段階による自己評価の学級の平均は 4.5である。   (2) 知識;事前調査の結果、単元の既習事項としての知識を体系化して獲得している生    徒は10%にもみたず、本単元ではレディネス調整といった観点では指導できないこ    とがわかった。また、水溶液についての既習事項の定着度が極端に低いこと、酸素・    二酸化炭素や液性(酸性など)についてはほぼ定着していることなどが明らかになっ    た。   (3) 経験;日常生活の中で「生きた知恵」的な形で獲得されるような「経験」も乏しい    ことがわかった。    こうした生徒実態に応じて生徒一人一人に学習を成立させるための方策を次のように   たてた。   (1) 観察、実験を大切にし、直接経験をもとにした学習が成立するように教授=学習過    程を組む。   (2) 可能な限り生徒に実験の企画等をさせ、日常生活と関連させて考察させることを通    して不断の生活感覚的経験を体系化させ、科学的な見方考え方の基礎を身につけさせ    たい。     本時は、探究的な実験を通し、金属を燃やすと重くなること、前時までの学習内容    をもとに考察すると、それは空気中の酸素が結びついたためと考えられることを指摘    させることを通し、意欲的に単元の学習に、さらには第1分野の学習にのぞませよう    というものである。 5.指導計画       (1) 水溶液              12時間       (2) 物質の変化            20時間(本時4/20)       (3) 物質の性質             8時間 6.本時の達成目標   (1) 意欲をもって実験に取り組み、実験結果をもとに金属を強熱すると燃えて重くなる    ことを指摘できる(学習に対する関心・意欲、知識)。   (2) 燃えた金属が重くなったのは空気中の酸素が結びついたためであることを説明でき    る(科学的思考)。   (3) 上皿てんびんやガスバーナーを正しく扱うことができる(観察・実験の技能)。 印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):122 7.本時の展開      <個に配慮する視点> <A>達成度  <B>学習速度  <C>取り組み方(意欲・態度)             <D>見方・考え方  <E>興味・関心  <F>生活経験  <S>学習形態 +---+---+---+-------------------------+----------------------------------------------------------+-------------+ ・ | 段| 過| 時|              |   個人差に対する配慮                    |       | ・ |  |  |  |  学  習  活  動  +-----------------------+-----------------------------------+ 資料・教具等| ・ | 階| 程| 間|              |  評価の視点・方法   |    配   慮   事   項  |       | ・ +---+---+---+-------------------------+-----------------------+----------------------------------+-------------+ ・ |  |  |  |              |             |                   | ・学習シート| ・ |  |  |  | 1.前時までの学習内容を想|             | 1.<A>実験結果をもとに、前時に疑| ・・・・・・| ・ | 導| 課|  |  起する。        |             |  問としていたことを主に想起させ、課| ・・・・・・| ・ |  |  |  |              |             |  題化につなげる。         | ・・・・・・| ・ |  | 題|  |              |             |                   | ・・・・・・| ・ |  |  |  | 2.本時の学習課題を指摘す|             | 2.<D、A>それぞれの生徒の思考方| ・・・・・・| ・ |  | 把|  |  る。          |             |  法や既習事項に対する違いをふまえ、| ・・・・・・| ・ |  |  |  |  本時の学習課題     |             |  あまり論理的に深く考えることを要求| ・・・・・・| ・ | 入| 握|  |  金属を燃やすと重さはど |             |  せずに教師側から課題を提起して、実| ・・・・・・| ・ |  |  |  |  うなるだろうか。    | ・・・・・・・・・・・・|  験をしてその結果から論理的に考察す| ・・・・・・| ・ | ・| ・| 10|              | ・・・・・・・・・・・・|  ることに重点をおかせる。・・・・・| ・・・・・・| ・ | ・| ・| 分| ・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ | ・| ・| ・| ・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ +---+---+---+-------------------------+-----------------------+----------------------------------+-------------+ ・ | ・| ・| ・| 3.スチールウールを酸素中| 3.          | 3.<D>燃焼前後の重さの変化の意味|       | ・ |  |  | ・|  で燃やすと重さがどう変化|  実験の目的や手順を説 |  するところが説明できなくとも、まず|       | ・ | ・|  | ・|  するかを調べる実験方法を|  明できたか。     |  結果をしっかりととらえさせる。  |       | ・ |  |  | ・|  説明する。       |             |                   |       | ・ |  |  | ・|              | 指名発表<チェック項目>|                   |       | ・ | 展| 情| ・|              |  G・M;目的と手順を整|                   |       | ・ |  |  | ・|              |   合的に指摘     |                   |       | ・ |  |  | ・|              |  P;手順を指摘    |                   |       | ・ |  |  |  |              |             |                   |       | ・ |  | 報|  | 4.用具とスチールウールを| 4.5.        | 4−1.<S>生徒実態を配慮したグル| ・実験器具等| ・ |  |  |  |  準備して実験し、結果をま|  正しく安全な方法で意 |  ープで協力して実験させている。  |     一式| ・ |  |  |  |  とめる。        |  欲的に実験することが | (男女別、対人関係調査結果、到達度、| ・スチールウ| ・ |  |  |  |              |  でき、結果や考察をま |  意欲などに配慮)         |  ール   | ・ |  | 収|  |              |  とめることができたか。| 4−2.<D>結果からの考察で疑問に| ・学習シート| ・ |  |  |  |              |             |  対する答えが書ける生徒と書けない生|       | ・ |  |  |  |              | 机間巡視<チェック項目>|  徒が出てくる。また、書けても推論す|       | ・ |  |  |  |              | (観察法による;落ち着い|  るレベルには差があるので、ここでは|       | ・ | 開| 集|  |              |  た学習態度・協力・正し|  深く追及しなくてもよいことにする。|       | ・ |  | ・|  |              |  い手順・安全に留意・学|                   |       | ・ |  | ・|  | 5.マグネシウムを空気中で|  習シートに結果や考察を| 5.<D、C>思考レベルによって予想| ・マグネシウ| ・ | ・| ・|  |  燃やしたときの重さの変化|  記入しているか等)  |  の理由に違いがでてくる(酸素が結び|  ム粉   | ・ | ・| ・|  |  を調べる実験方法を説明し|             |  つくから・スチールウールが重くなっ|  ・・・・・| ・ | ・| ・|  |  用具とマグネシウム粉を準|             |  たから)が、いずれも理由として認め| ・・・・・・| ・ | ・| ・|  |  備し実験し、結果をまとめ|             |  てやる。             | ・・・・・・| ・ | ・| ・| 30|  る。          |             |                   | ・・・・・・| ・ | ・| ・| 分| ・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・|   ・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ | ・| ・| ・| ・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ +---+---+---+-------------------------+-----------------------+----------------------------------+-------------+ ・ |  |  | ・| 6.実験結果から、金属を燃| 6.          | 6.<D、C>このような論理的思考方| ・学習シート| ・ |  |  | ・|  やすと重くなることを指摘|  実験結果から、金属を |  法が身についていない生徒や、他者依| ・・・・・・| ・ |  |  |  |  する。         |  燃やすと重くなること |  存的な思考傾向をもつ生徒には今は推|       | ・ |  |  |  |   また、重くなったのは酸|  を指摘できたか。   |  論部分を強く要求できないので、本時| ・・・・・・| ・ | 終| 一|  |  素(空気中の酸素)が金属|  重くなったのは酸素が |  の目標を階層化して、そうした生徒は| ・・・・・・| ・ |  |  |  |  に結びついたためであるこ|  金属に結びついたため |  「金属は燃やすと一般に重くなる」と| ・・・・・・| ・ |  |  |  |  とを推論し、疑問に対する|  であることを推論する |  いう指摘ができれば十分であるとし、| ・・・・・・| ・ |  | 般|  |  答とする。       |  ことができたか。   |  次時に酸化鉄の性質を学習してからの| ・・・・・・| ・ |  |  |  |              |             |  思考の深まりを待つ。また、そうした|       | ・ |  |  |  |              | 指名発表<チェック項目>|  生徒の感想や疑問を取り上げてさらに|       | ・ | 末| 化|  |              |  M・P;現象の指摘  |  次時での学習内容につなげさせていく| ・・・・・・| ・ |  |  |  |              |  G;現象の指摘とその考|  ことにより、しっかりと考えようとい| ・・・・・・| ・ |  | ・|  |              |    察の発表     |  う意欲を喚起する。したがって、でき| ・・・・・・| ・ |  | ・|  |              |             |  た酸化鉄を捨てさせないで次時での学|       | ・ | ・| ・|  |              |             |  習に使う。            |       | ・ | ・| ・|  |              |       ・・・・・・|                   |       | ・ | ・| ・|  | 7.チェックカードで自己評| ・・・・・・・・・・・・|                   | ・チェックカ| ・ | ・| ・|  |  価し、道しるべの箇所を確| ・・・・・・・・・・・・|      ・・・・・・・・・・・・・|  ード   | ・ | ・| ・|  |  認する。        | ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・|       | ・ | ・| ・|  |              | ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・|       | ・ | ・| ・| 10| 8.次時の学習課題を確認す| ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ | ・| ・| 分|  る。・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・| ・・・・・・| ・ +---+---+---+-------------------------+-----------------------+----------------------------------+-------------+ ・