印刷用紙:B5縦 1ページの行数:43 1行の文字数(半角で):80 理 科 学 習 指 導 案 指導者 横地 拓男 1.日  時 平成3年7月5日(金) 第1校時 2.学  級 3年6組 男子21名 女子17名 計38名 西校舎4階 第2理科室 3.主  題 生物どうしのつながり 4.主題について 第2分野の生物領域において、生物は環境と深いかかわりあいをもって生きているこ  と、また細胞レベルにおいても生物個体が生きるためには様々な活動をし、条件を整え、 生命活動を営んでいることを学習してきた。自然界においてはどのような生物であって  もその種だけでは生きていくことはできない。圧倒的に強い立場の動物であっても、生  きるための有機物(有機養分)の補給が必要であり、その有機物(有機養分)は元来緑  色植物が作り出した有機物(有機養分)なのである。いかなる生物も、この間の複雑か  つ一連の食物連鎖からは脱することはできない。 生物の生命活動のエネルギー源である有機物(有機養分)は緑色植物なしでは考えら  れず、このために緑色植物は生物界における生産者として位置づけられ、動物は消費者  として位置づけられる。またこの食物連鎖の網の目の中で数量や役割のバランスも微妙  に保たれており、菌類・細菌類も生物の死骸や排出物を分解することによって生活し、  同時に緑色植物が有機物(有機養分)を生産するための原材料を供給するという、生物  界の重要な役割を果たしている。  ここでは広い視野に立って、生物どうしのかかわりあいのメカニズムを緑色植物・動  物・微生物という立場をもとに、生産者・消費者・分解者というお互いの関係の中で調  和を保ちながら生活している視点で学習をすすめていく。 本時では、緑色植物が日光を葉に受けて、デンプンなどの有機物(有機養分)をつく  ることを実験によって確かめる。 生徒は、小学校では植物がデンプンをつくること、また中学校2年生では葉緑体が光  のはたらきで養分をつくること、デンプンは有機物(有機養分)のひとつで、熱や力の  もととなるということを学んできてはいるが、観察・実験を通して生きた知識として定  着するにはまだ至っていない。しかし、緑色の葉に光をあてるとデンプンができるとい  うことを概念としておさえているにすぎず、現実の現象であるととらえきっていない。  本時はそのことを確かめようというものであるが、生徒にとってはあくまでも実験によ  ってはじめて明らかになるというをことをおさえておきたい。 5.指導計画 (1) 動物の生活をささえる植物 10時間(本時2/10・j (2) 食物による生物どうしのつながり 7時間 (3) 生物界の分解者 4時間 (4) 生物界での物質とエネルギーの流れ 3時間 6.本時の達成目標 緑色の葉をもつ植物は、 葉に日光を受け生活や成長に必要なデンプンなどの有機物  (有機養分)を作りだしている。またこのはたらきを光合成ということを指摘できる。 印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):120 7.本時の展開 <個に配慮する視点> <A>達成度 <B>学習速度 <C>取り組み方(意欲・態度) <D>見方・考え方 <E>興味・関心 <F>生活経験 <S>学習形態 +---+---+---+-------------------------+---------------------------------------------------------------+----------+ | 段| 過| 時| |  個  人  差  に  対  す  る  配  慮 | | |  |  |  | 学 習 活 動   +---------------------------+----------------------------------+ 資料・器具| | 階| 程| 間| | 評 価 の 観 点 ・ 方 法 |   配   慮   事   項 | 等| +---+---+---+-------------------------+---------------------------+-----------------------------------+----------+ | | | | 1.緑色の葉をもつ植物は、| | 1−1.<A>緑色植物は葉緑体をもち| 学習シート| | | | | 葉に日光を受けてデンプン| |  光が必要であることを確認する。  | | | 導| 課|  |  (有機養分)をつくりだし| | 1−2.<C>前時の各生徒に自分の実| | | | | | ていることを指摘する。|   | 験素材をセットさせて実験の意欲化を| | | | 題| |             |   |  はかる。 | | | | | | 2.本時の学習課題を指摘す|              | 2.<D>光合成は光があたらない場合| | | | 把| | る。 | | はデンプンはできないのか、という疑| | | | | | 本時の学習課題 | |  問点をだしておき、光のあたらない葉| | | 入| 握| | 緑色植物の葉の光があた | | についての実験も行い、対照実験であ| | |  |  | 10| った部分だけにデンプン | |  ることを確認する。 | | | | | 分| ができるのか。 | | | | +---+---+---+-------------------------+---------------------------+-----------------------------------+-----------+ | | | | 3.葉にデンプンができるか| 3.--------------------+ | | | |  |  |  |  どうかを調べる実験の目的| |  実験の目的や手順を指 | | | | | 展| 情| |  や手順を指摘する。  | | 摘できたか。 | | | | | | | | | +-----------------------+ | | | | | | | |  指名発表<チェック項目> | | | | | | | | G;実験の目的と手順 | | | | | | | | P;実験の手順 | | | | | |  | 4.必要な材料や薬品、器具| 4.--------------------+ | 4−1.<C,S>個人実験により、自 | 実験材料、| |  | |  | を準備して実験する。  | |  手順にしたがって実験 | |  分の力で結果をだすことで意欲を増す | 薬品、器具| |  | 報|  |     | | することができたか。 | |  ことができる。 | | |  |  |  |              | +-----------------------+ | 4−2.<B>学習速度の遅い生徒には | | | | | | | 机間巡視 |  その原因となる、意欲、技能、取り組 | | | | |  | | | み方法、目的や意義のおさえかた等の | | | | | | | | 要因を把握し、必要な場合には教師や | | | | | | | | 班が援助の形でフィードバックする。 | | | | | | | | 学習速度の速い生徒には、発展的にそ | | | | 収| | | |  の生徒にあった素材を用意しておく。 | | | | | | | | 4−3.<D>深化補充で発展・応用の | | | | | | | | 準備をしておく。 | | | | | | 5.光があたった葉のデンプ| 5.--------------------+ | 5.<C,D>光があたるとデンプンが | | | | |  | ンができていることを指摘| |  光があたった葉だけに | |  できることから、光があたらないとデ | | | | | 30|  できる。 | | デンプンができているこ | |  ンプンができない、という疑問解決の | | | 開| 集| 分| | | とを指摘できたか。  | |  ために光があたらない葉についても同 | | | |  | |   | +-----------------------+ |  時に実験を行い、対照実験として葉を | | | | | | | |  しっかり区別させる。 | | +---+---+---+---------------------------+--------------------------+-----------------------------------+-----------+ | | | | 6.実験結果から光合成には| 6.--------------------+ | 6.<A>光があたった葉とあたらない | | | 終| 一| | 光が必要であることを指摘| |  光合成には光が必要で | |  葉の比較から光合成での光の必要性を | | | | | | する。 | | あることを指摘できたか | |  おさえさせる。 | | | | | | | +-----------------------+ | | | | | 般| | | 指名発表 | | | | | | | 7.チェックカードで自己評| | | チェックカ| | | | | 価し、道しるべの箇所を確| | | ード | | | 化| | 認する。 | | | 道しるべ | | 末| | 10| 8.次時の学習課題を確認す| | | | | | | 分| る。 | | | | +---+---+---+-------------------------+---------------------------+------------------------------------+-----------+