印刷用紙:B4縦 1ページの行数:80 1行の文字数(半角文字で):96文字 理科学習指導案 作成者 奥田 昌夫 所属  二戸市立御返地中学校 1 単元名  「天気とその変化」 2 単元設定の理由 (1) 教材観  小学校5年生の理科の気象に関する単元では、空の様子や風などを調べ、1日のうちに変化するこ とや、太陽の高さと気温を調べ、季節によって気温に違いが起こるわけなどを学習した。また、気象 衛星ひまわりの画像と天気予報の比較を行い天気の変化について概括的に取り扱っている。  これらの学習経験に基づいて、この単元では身近な気象の観測を行い、観測器具の取り扱い方や観 測記録の仕方などを身に付けさせるとともに、天気変化の中に潜んでいる規則性や原因に気付かせる ことをねらいとしている。また、観察・実験をとおして天気の変化が主として大気中の水の状態変化 と大気の動きによって引き起こされていること、およびこれらの変化の規則性をもとに天気の予測が   できることの理解を主なねらいとしている。 (2) 生徒観  天気は日常生活と密接に関係している内容であるが、事前調査の結果を見ると、天気の学習に対し てマイナス傾向の意欲を示す生徒が15名おり半数を超えている。観察・実験において何かを参考に して進めている生徒も12名である。コンピュータを使っての授業に対してプラスの傾向を示す生徒   は25名であるが、操作が難しいと答えている生徒が9名いる。また、事前テストの結果からは、前 線や天気図記号についてしっかり把握していない生徒が多いことがわかる。天気の学習への関心を高   かめ、天気の変化の規則性と科学的な予報のしかたについて考えさせることが必要である。 (3) 指導観  「日本の天気」についてラジオの気象情報から天気図を描かせ、天気図の作成をとおして気圧の高   低を等圧線として書き表すことや、気圧の高低(高気圧や低気圧)によって天気が変化することを気   象衛星画像との比較でつかませたい。また、日本の四季の天気の特徴を天気図や気象衛星画像などか  ら日本周辺の気団の盛衰と関連づけてとらえさせたい。  指導にあたっては、身近に見られる気象現象や気象情報に関心を持たせ、これらの諸情報を使って 今後の天気の変化を予測させるなど、情報活用能力に配慮した指導を行いたい。そこでCAL教材を 用いて学習させることにより、天気が規則的に変化していることや、各地の気候の特色に気付かせて いきたい。また、気象衛星画像や天気図、アメダス降水量分布図を生徒に選択・比較させることによ   り、日本の天気の理解を深めさせたい。 3 単元の指導目標 (1) 身近な気象現象と日常生活のかかわりについて関心を持たせ、観察・実験をとおして探究の意欲    を高めさせるとともに、気象を科学的に考え、日常生活に天気予報などの気象情報を生かす態度を    養う。(自然現象への関心・意欲・態度) (2) 天気図や気象衛星画像などの比較・検討をもとに日本の四季の天気の特徴を分析し、日本付近の 気団の盛衰と四季の天気の特徴を関連づけてとらえさせる。(科学的な思考) (3) 気象観測の方法や機器の取り扱い方を習得させるとともに天気図の作成のしかたや記録の方法を    身に付けさせる。(観察・実験の技能・表現) (4) 観察・実験で得た資料や情報をもとにして、天気図を読み取り日本の天気の特徴を説明させる。    これらを総合して、天気予測の方法を理解させる。 (自然現象についての知識・理解) 4 単元の教材構造  (略) 5 単元の指導計画  (略) 6 本時の学習指導 (第5時 日本の天気にはどのような特徴があるか) (1) 主題    冬と夏の天気の特徴 (2) 指導目標  天気図や気象衛星画像などの比較により、冬と夏の日本の天気の特徴を気団と関連 付けてとらえさせる。 (3) 目標行動 冬と夏の日本の天気の特徴を気団と関連づけて説明できる。 (4) 下位目標行動  ア 冬の天気の特徴はシベリア気団の影響であることを説明できる。  イ 日本海側には雲が多いことをいえる。  ウ 日本海や太平洋上に北西の向きの筋状の雲があることをいえる。  エ 冬の風の向きは北西であることをいえる。  オ 日本付近の等圧線は南北に並んでいることをいえる。  カ 冬は西高東低の気圧配置であることをいえる。 Rキ 冬には高気圧が大陸側にあることをいえる。 Rク 高気圧から低気圧に風が吹くことをいえる。  ケ 夏の天気の特徴は小笠原気団の影響であることを説明できる。  コ 南よりの風が吹いていることをいえる。  サ 気圧配置が南高北低となっていることをいえる。 Rシ 夏には太平洋上に停滞性の高気圧があることをいえる。  ス 日本は季節や地域によって、気温や降水量など天気に特徴があることを見い出すこと         ができる。  セ 東京の降水量は、初夏と秋に多いことをいえる。  ソ 上越の降水量は、冬に多いことをいえる。  タ 那覇と札幌の気温の差をいえる。 Rチ 月別平均気温と降水量のグラフを読み取ることができる。 (5) 形成関係図とグルーピング   +−− ア <- イ <- ウ <- エ <- オ <- カ <- Rキ | | | Rク | G−− ス <- セ <- ソ <- タ <- Rチ | +−− ケ <- コ <- サ <- Rシ (6) 本時の展開過程     +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |時間| | | | | | 主な学習内容 | 展 開 の な が れ | 教材・教具と留意事項 | |配分| | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |1、問題の把握 |  START |・学習プリント | | |  学習の課題を確認| | | |5分| | +−−−−−−−+ | | | | | | 問 題 提 示 | |・日本各地の気候の特徴、季| | | | +−−−+−−−+ |節による変化について考えさ| | | | | |せる。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−|−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | +−−−+−−−+ | | | |2、情報の収集 | |情報を収集する| |CAL教材 | | | (Rチ) | +−−−+−−−+ |・月別平均気温と降水量のグ| | | | | |ラフを課題に従って比較させ| | | | | |る。 | | | | | |・課題では場所を指定し、気| | | | | |候の特徴に注目させる。 | | | | | | | |40分| | | | | | | | +−−−−+−−−−+|・各地の平均気温と降水量の| | | ( タ ソ セ ス ) | |グラフの比較をする||グラフを比較し、気候の特色| | | | +−−−−+−−−−+|をつかませる。 | | | | | | | | | | | |・必要な情報を選択できるよ| | | | | |うに、机間巡視し選ぶ画面の| | | | | |助言を行う。 | | | | | | | | |3、情報の処理と解釈| +−−−+−−−+ | | | |(Rク Rキ カ オ エ | |画像を比較する| |・気象衛星、天気図、アメダ| | | ウ イ Rシ サ コ) | +−−−+−−−+ |ス降水量の画像を比較させる| | | | | |ことによって、季節の天気の| | | | | |特徴を見い出させる。 | | | | | | | | | | +−−−+−−−−+| | | |4、法則性の発見 | |夏と冬の天気の特||・学習プリントに従って夏と| | | ( ア ケ ) | +−−−+徴を確かめる ||冬の天気の特徴をCAL教材| | | | | +−−−+−−−−+|を用いて調べ確かめる。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−+−−+ | | | | |+−−+−−+ | 夏と冬の | |・調べた特徴についてまとめ| | | ||教師が補充|・|天気特徴を| |発表させる。 | | | ||する | | まとめる | | | | | |+−−−−−+ +−−+−−+ | | | | | | |・典型的な例を示すことによ| | | | | |り、季節の特徴をとらえさせ| | | | | |る。 | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−|−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−+−−−−+|・学習を振り返って、夏と冬| | |・本時のまとめをする| | 本時のまとめ ||の天気の特徴を指摘させる。| | | (G) | +−−−+−−−−+| | |5分| | +−−−+−−−−+| | | |・自己評価をする | | 自 己 評 価 ||・情報を自分で選択し、比較| | | | +−−−+−−−−+|することにより、理解が深ま| | | | | |ったか自己評価させる。 | | | | +−−−+−−−−+| | | |・次時の予告を聞く | | 次 時 の 予 告 ||・本時の学習をもとに、他の| | | | +−−−+−−−−+|季節についても学習していく| | | | | |ことを予告し意欲を高める。| | | | +−+−+ | | | | | |END| | | | | | +−−−+ | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+  注1  カタカナは下位目標行動を表し、Gは行動目標を表す。