印刷用紙:A4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):72   −−以下 指導案本文−−   理 科 学 習 指 導 案          日 時 平成8年10月7日          学 級 2年3組(男子16名、女子17名、計33名) 授業者 加藤 章 1、単 元 名 回路を流れる電流 2、単元について この単元は「電流」という大単元の第1章にあたる。現代は電気なしでは生 活できないほど電気の恩恵を受けて生活している。その電気について、第1章で 簡単な回路で電圧・電流・抵抗についての規則性を学び、第2章で電流の熱作用 ・磁気作用及び電磁誘導等を学び、最後に第3章で真空放電を通して電気現象の 本質に迫る組み立てになっている。 生徒は小学4年生の「電気のはたらき」で乾電池の直列つなぎと並列つなぎを 、小学6年生の「電磁石と発熱」で電流計の使い方を学んでいる。また、中学校 でも技術家庭科において電気の学習を終えている。技術家庭科では「電気回路」 を学び、今理科では「電流回路」を学ぼうとしている。用語も含めて技術家科と の関連を頭に入れて指導計画を考える必要がある。この単元の中心である回路の 学習は技術家庭科では既知のこととして扱っているので理科では丁寧に扱う必が ある。電気は目には見えないので、理解を助ける手段として水流モデルを活用し 、回路に関する基本的な法則(キルヒホッフの法則とオームの法則)をしっかり 身につけさせたい。  実験については可能な限り生徒個々が器具に手をふれる機会をもうけるため、 最低でも12グループ分の器具を準備し、時間の許す限り必修実験のほかに「選 択実験」の場も設定したい。 3、単元目標 (1) 乾電池と豆電球を用いて簡単な回路を組み立て、電流や電圧を測定する   実験を行い、豆電球の明るさと電流や電圧との関係を見いだすことができ   る。  (2) 抵抗にかかる電圧と流れる電流を測定する実験を行い、電圧と電流の関   係を見いだすことができる。 (3) 電気抵抗の意味を理解し、物質の種類によって抵抗の大きさが異なるこ   とを指摘できる。 (4) 直列回路や並列回路を組み立て、電流や電圧を測定する実験を行い、各   点を流れる電流や各部にかかる電圧についての規則性を見いだすことがで   きる。 4、単元の指導計画 (1) 電流はどうして流れるか  ・・・・・・・・・・ 5時間(本時その 4時間目) (2) 電圧と電流にはどんな関係があるか ・・・・・ 3時間 (3) 回路によって電流や電圧はどうちがうか ・・・・ 4時間 5、生徒の実態 クラス全体としては論理的に思考していくことをめんどうがり、1分野を 中心に理科嫌いの傾向が見られる。 比較的理科に興味を持つ数人の男子生徒がいて発想もするどく、発言も活発で ある。実験・観察においても意欲的に行動する。その反面、他の生徒たちがこれ らの生徒に頼りきってしまう心配もある。 学業成績で男女差はほとんどないが、意欲や発言力には大きなちがいがあり、 女子は消極的になりがちである。 6、本時の指導構想  生徒は前時までに電流回路の定義と閉じた回路では乾電池の+極から−極へ 電流が流れ、豆電球を点灯させること。 豆電球2個と乾電池2個でつくった回路では、組み合わせ方によって豆電球の 明るさにちがいがあること。電流・電圧の定義と単位、測定の仕方について学ん でいる。本時は電流・電圧の測定を通して豆電球の明るさに関わる要因を定量的 に調べ、合わせて電流計・電圧計の使用法に習熟させることを最大の目標にして いる。  自分の経験では、電流と電圧を1単位時間に並行して測定させることには疑問 のあるところであるが、実験器具の不足からやむを得ず教科書に従った。初めは 男子が電流・女子が電圧の測定をし、次にその逆を行うことにして男女とも時間 内に電流・電圧の両方を最低でも一人1回は測定することにしたい。また、グル ープ内でチェックし合い、わからないところは教え合いながら操作方法を身につ けさせたい。時間的にはきついとは思われるが「選択実験」の場を設定すること によって、本校の研究主題に迫ろうと考えている。そのためにも、事前に回路の 組み立てや電流計・電圧計の使用法をしっかり指導しておきたい。 7、本時の達成目標 (1) 実験の準備や後片づけに進んで協力できる。 (2) 自分の力で回路を組み立てることができる。 (3) 回路の中に電流計を正しく接続して電流の強さを測定し、正確に記録で    きる。 (4) 回路の中に電圧計を正しく接続して電圧の大きさを測定し、正確に記録    できる。 (5) 豆電球と電流・電圧との関係を説明できる。 8、本時の展開 段 目  方 形            学  習 内  容             指 導 上 の 留 意 点  階  的 法  態    1、既習事項の確認 演示しながら発問する。 導  ・豆電球が点灯するのは電流が流れるからであること。   ・電流の単位はA、電圧の単位はVであること。 ・豆電球や乾電池のつなぎかたによって豆電球の明るさがちがうこと。 実験1の結果の表を掲示する。  入      2、課題の確認 実験1の結果から電流・電圧を測      定する必要があることを誘導し、 5分 回路の電流の強さや電圧の大きさを測定し、  課題を設定する。・・・紙板書  豆電球の明るさとの 関係を確かめよう。 3、どの点の電流、どの部分の電圧を測定するか。 実体配線図を掲示して発問する。  電流・・・1点を流れる電流→電流計は直列につなぐ 電圧・・・2点間の電圧  →電圧計は並列につなぐ 展 9、本時の評価の観点 (1) 実験の準備や後片づけに進んで協力できたか。  (2) 自分の力で回路を組み立てることができたか。 (3) 回路の中に電流計を正しく接続して電流の強さを測定し、正確に記録で    きたか。 (4) 回路の中に電圧計を正しく接続して電圧の大きさを測定し、正確に記録    できたか。 (5) 豆電球と電流・電圧との関係を説明できたか。