印刷用紙:B4縦 1ページの行数:59 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−              第1学年 理科学習指導案                    日 時 平成8年11月19日(火)2校時                    学 級 1年C組(男子15名 女子16名 計31名)                    場 所 第2理科室                    指導者 教諭 田村悦子 1 単元名  いろいろな力の世界 『圧力』(1分野上 1 身のまわりの科学)          2 単元について 本単元では、日常生活と関わりが深く、直に体験ができる物理的な現象を取り扱いながら、身の回 りにはたらく力を学習する。日頃当然のこととして深く考えないような事柄について、なぜそのよ うな事が起こるのか、じっくり考させていきたい。 今回は、その中で、『圧力』を取り扱うが、圧力は、物体が絶えず、固体・液体・気体と接してい ることによって生じる。物体に、目に見える固体や液体から力がはたらくことは考えやすいが、目 に見えない気体から力がはたらくことは、日常空気中で生活していることもあり、考えにくい。そ こで、日頃体験している現象に改めて目を向けさせて、空気という物質が身の回りに存在している こと、空気にも重さがあることを再確認させた上で、空気中にある物体には、水中にある物体に水 圧が働くように、圧力がはたらいていることを導いていきたい。生徒は、自分達に、絶えず非常に 大きな大気圧がはたらいていることを知り、驚くに違いない。 展開にあたっては、知識として、結論だけを重視するのではなく、生徒自身が身の回りの現象につ いてじっくり考え、自分としての考えがもてる学習指導をしていきたい。 3 生徒の実態   生徒は、学習に意欲的で、課題に熱心に取り組んでいる。理科の学習内容は、日常生活と関わりの 深いものが多いので、興味を持って実験を行っている。実験後のレポートを見ると、一人一人が課 題に取り組んでいる様子がよく分かる。だが、授業中に質問をすると、積極的に挙手をする生徒が 決まっているため、数人の生徒が授業をリードするような状況になりがちである。全体的に見ると 、一つの班に挙手をする生徒が集中し、他の班には、発言はそれ程無いものの実験をリードしてい ける生徒がいる、といった状態である。生徒全員に、積極的に発言させることを求めるのではなく 、一人一人の課題への取り組みのよさを評価できるような授業を行い、生徒一人一人の個性を尊重 していくように取り組んでいきたい。 4 単元の目標及び指導計画 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−+ |単元| 指導内容 | 指導目標 | 自然事象に対する関心| 科学的な思考 |  観察・実験の技能 |自然事象についての知識|時間| | | | | ・意欲・態度 | | |    ・理解 | |  +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−+ |い |1 面に働く力 |・圧力について興味を持ち、|・圧力について興味・関|・力の触れ合う面積、力| |・力と圧力の違いを、具|1 | | | | 進んで実験を行い、調べよ| 心を持ち、進んで実験| の大きさを測定して、| | 体的な例をあげて説明| | |ろ | | うとする。 | を行い、規則性を調べ| 圧力を求める事ができ| | できる。 | | | | |・力と圧力の違いを、具体的| ようとする。 | る。 | | | | |い | | な例をあげて説明できる。| | | | | | | | |・力の触れ合う面積、力の大| | | | | | |ろ | | きさを測定して、圧力を求| | | | | | | | | める事ができる。 | | | | | | |な +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−+ | |2 水の中の圧力 |・水圧について、興味を持ち|・水圧について、興味・|・力の触れ合う面積、力| |・水圧の働き方や深さと|1 | |力 | | 進んで実験を行い、調べよ| 関心を持ち、進んで実| の大きさを測定して、| | の関係について理解し| | | | | うとする。 | 験を行い、調べようと| 圧力を求める事ができ| | 具体的な例をあげて説| | |の(| |・力の触れ合う面積、力の大| する。 | る。 | | 明できる。 | | | 圧| | きさを測定して、圧力を求| |・水の深さと水圧は、比| | | | |世 | | める事ができる。 | | 例することを、実験結| | | | | 力| |・水圧は水の深さに比例する| | 果及び水の重さから理| | | | |界 | | ことを実験の結果及び水の| | 論的に説明できる。 | | | | | と| | 重さから理論的に説明でき| | | | | | | | | る。 | | | | | | | は| |・水圧の働き方や深さとの関| | | | | | | | | 係について理解し、具体的| | | | | | | な| | な例をあげて説明できる。| | | | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−+ | に|3 空気の圧力 |・空気の重さについて興味を|・空気の重さについて興|・空気に重さのあること| | |1 | | | | 持ち、進んで実験を行い、| 味を持ち、進んで実験| から、大気圧の存在に| | |) | | か| | 調べようとする。 | を行い、調べようとす| ついて気付く。 | | |本 | | )| |・空気に重さのあることから| る。 | | | |時 | | | | 大気圧について気付く。 | | | | |) | | | | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−+   5 研究主題との関連 先の、生徒の実態の中にあるように、授業中、発言する生徒が一つの班に集中しているので、学習 課題を班単位で取り組ませるようにした。また、一人一人が自分の考えを確認する場を設けること によって、班での実験の時に、意欲的に取り組むのではないかと考えた。さらに、実験から何が分 かったかということも班単位で考察すれば、自分の考えを話したり、他の班員の考えを聞いたりす ることで、自己存在感や共感的人間関係が生じてくるのではないかと考えた。班での考察は、教師 が板書して取り上げ、教師や生徒がその考えを認めることによって、生徒に自己存在感が生まれて くるのではないだろうか。 本授業では、大気圧を学習するにあたって、空気に重さがあることを調べる前に、まず身の回りに 空気が存在していることを、上に述べたような方法で実験し、再確認した上で進めるようにしたい 。課題解決のための手順が一つ増えることによって、大気圧への理解が深まるのではないだろうか 。 教師が知識を与えるのではなく、生徒の課題への意識を高め、その課題を吟味していく取り組みか ら、一人一人が自ら考えて知識を得ていけるような授業を行いたいと考えた。 6 本時の目標    (1)空気の存在や重さについて興味を持ち、進んで実験を行い、調べることができる。  (2)身の回りには空気があり、空気に重さのあることから、大気圧が生じることを見い出すこ     とができる。 7 指導過程                        +−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |過程| 学習内容 | 生徒の活動 | 個への配慮 |教材 | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+教具等 | | | | |指導上の留意点 | 評価の観点 | | +−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ | |1 前時の学習内|・前時に学習したこと|・本時の学習にも|・質問について考|・プラス| | | 容を確認する| を思い出し、質問に| 結び付くので、| えているか | チック| |導 | | ついて考え、演示実| 生徒からの発言|・演示実験の現象| の円筒| | | | 験を見る。 | をしっかりおさ| を理論的にとら| | |入 | | | える。 | えられているか| | | | | | | | | |5分|2 本時の学習課|・提示された問題につ|・生徒に自分の考|・日常生活に興味|・学習プ| | | 題を確認する| いて考え、発言する| えを持たせるよ| を持ち、考えら| リント| | | | | うに助言する。| れたか。 | | +−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |3 課題解決の見|・課題解決のための手| | | | | | 通しを持つ。| 順を確認する。 | | | | | | | | | | | | |4 身近な現象か|・プリントの問題に取|・予想を立てさせ|・自分の予想を立|・水槽 | | | ら、空気の存| り組む。 | 実験に意欲的に| てることができ|・コップ| | | 在を確かめら|・予想を立て、その後| 取り組ませるよ| たか。 |・ホース| | | れるような実| 実験をして確かめる| うにする。 |・実験結果につい|・空き缶| |展 | 験を行う。 |(各班ごと) |・結果は、必ず記| て、どうしてそ|・缶切り| | | |・プリントに結果を記| 入させるように| うなるのか疑問| | | | | 入する。 | する。 | を持ち、班員と| | | | |・班ごとに、考察を行|・実験中は、助言| 共に話し合えた| | | | | う。 | しながら各班を| か。 | | | | | | 見て回り、実験| | | |開 | | | の進行を助ける| | | | |5 実験結果をま|・全部の班の、結果と|・全部の班の発表|・他の班の考えを| | |25分| とめて、身の| 考察を発表する。 | をできるだけ生| 関心をもって聞| | | | 回りに空気が| | 徒の考えを反映| くことができた| | | | あることを確| | させるように板| か。 | | | | 認する。 | | 書する。 | | | | | | | | | | | |6 空気に重さが|・空気に重さがあるか|・予想を立てさせ| |・スプレ| | | あるか調べる| 予想を立て、演示実| 生徒に考えさせ| | ーの空| | | | 験を見る。 | る。 | | 缶 | | | | |・空気入れを、生| |・空気ポ| | | | | 徒に行わせる。| | ンプ | +−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ | |7 大気圧につい|・板書を見て、ノート|・ビジュアルプレ|・空気の存在と、|・ビジュ| | | てまとめ、本| に書く。 | ゼンターを用い| 空気に重さのあ| アルプ| | | 時の学習課題| | て、黒板に簡潔| ることから、大| レゼン| | | についてもま| | にまとめる。 | 気圧が生じるこ| ター | | | とめる。 | |・私たちの身の回| とを理解できた| | | | | | りには、様々な| か。 | | |終 | | | 力がはたらいて| | | | | | | いるが、絶えず| | | | | | | 大気圧がはたら| | | | | | | いていることを| | | | | | | まとめる。 | | | | | | | | |・水槽 | |結 |8 大気圧で空缶|・実験内容を聞いて、|・課題意識を持っ|・ガスバーナーを|・空缶 | | | がつぶれるこ| 実験を行う。 | て実験させるよ| 安全に操作し、|・ガムテ| |20分| とを調べる。| | うにする。 | 理論について考| ープ | | | | |・実験台を見て回| えながら実験を|・ガスバ| | | | | り、生徒の火傷| 行えたか。 | ーナー| | | | | などに注意する|・大気圧の大きさ|・三脚 | | | | | | を実感できたか|・金網 | +−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 8 評価の観点  (1)空気の存在や重さについて興味を持ち、進んで実験を行い、調べることができたか。  (2)実験の結果から、身の回りの空気には重さがあり、大気圧が生じていることを見い出だせたか。