印刷用紙:B4縦 1ページの行数:60 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−    第 3 学 年 理 科 学 習 指 導 案 日 時 平成8年10月30日(水)6校時 学 級 3年 男子3名 女子4名 計7名 場 所 理 科 室 授業者 T1 阿 部 重 人 T2 小笠原 康 喜 1. 単 元 名 6 大地の変化と地球 「第1章 活動する大地」 2. 単元について (1)教材観 私たちの生活している地球は、長大な時間と広大な空間の中で変動しているという見方、考え方を生徒に育成するこ   とが主なねらいである。 小学校での学習経験をもとに、地学的な事物・現象について、観察や実験を通して関心を持たせ、それらの変化と関   連に気づかせるとともに、人間の生存の場としての地球について認識を深め、その環境保全の重要性を科学的な立場か   ら理解させることもねらいとしている。 活動する大地においては、生徒の地震体験や資料の活用を通して日本列島地下の営力と地形の変化、災害について学   習する。また、火山とマグマの性質や関連をとらえさせ、火山岩と深成岩の成因と組織の違いについて、地域教材の作   成の実体験、地域の地層・岩石などの観察を通して気づかせる。 (2)生徒観 7名という小人数のクラスではあるが、何に対しても真面目に行動する生徒、常にはっきりと発言できる生徒、知識   理解面ですぐれたものを持っている生徒などと、いろいろな個性をもっている。しかし、日常的に見られる事象に対し   て疑問を持てないまま生活している傾向があり、身近な生物(動・植物)や身近な自然を直接体験する機会の不足が感   じられる。    特に女子は発言もあり、科学的な思考、考え方のできる生徒もいるが、全体的に間違った考え、発言を避ける態度が   見られ、活発な授業展開がもう一歩の段階である。 橋野町は大変自然に恵まれており、地学教材では、主に花崗岩を地盤としている地域である。しかし、社会の変化に   より自然に触れる機会の減少、興味・関心の低下が残念ながら見られる。 (3)指導観 身近な地域教材(花崗岩)がある地域でもあり、県内の地域も生徒と共に観察し、岩石を採集させながら、火成岩6   種をできるだけそろえ、巨視的な大地の変動をとらえる見方、考え方を育てたい。 普段なにげなく生活し、見ている岩石の直接観察、岩石教材作成を通して疑問や驚きなどが発生するような授業展開   を組み、大地の変動を時間スケール、空間スケールで考えさせたい。課題の設定も個人ごとにできるだけ設定させ、課   題解決の成就感を持たせたい。 課題解決学習は、個人ごとに課題の設定、課題解決、結果のまとめと一人一人の学習への支援が必要である。さらに、   個別指導の必要な生徒に対応するために、TTの指導体制を計画したい。 3. 指導計画 6 大地の変化と地球 20時間 第1章 活動する大地 (10時間)本時9時間目 第2章 けずられる大地 (5時間) 第3章 変動する大地 (4時間) 形成的評価 (1時間) 「第1章 活動する大地」学習活動 時間 | 学 習 内 容 ・ 活 動 | 観察・実験・備考 | | |1. ゆれ動く大地 | | | |ア、世界・日本の震央の位置を確認し、生徒一人一|ア、阪神大震災のビデオ、新聞| |1| 人の地震体験を発表する。 特集、理科年表を活用する。 | | |イ、震度、震源、震央の意味を理解する。 イ、阪神大震災の各地の震度か | | | ら震央を見つけ出させる。 | | |ア、震度分布図を作成し、震央と震源までの距離の|ア、阪神大震災の震度で調べる| |2| 関係を見つけだす。 | 震度毎に色分けする。 | | |イ、日本の地震の多い地方を調べる。 イ、資料集を活用する。 | | |ウ、地震記録から初期微動、主要動を理解する。 ウ、教科書P91図5参照 | |3|ア、震源までの距離と初期微動継続時間の関係を理|ア、教科書P91図5参照 | | | 解する。 | | | |ア、震度とマグニチュードの関係がわかる。 | | |4|イ、震源とその原因がわかる。 イ、阪神大震災の資料を提示し | | | て、プレートの動きと地震の原 | | | 因を探らせる。 | | |2. 火をふく大地 | | | |ア、火山のビデオから、噴出物、形、活動の様子を|ア、ハワイのキラウエア火山の| |5| 想起させる。 噴火のようすを見せる。 | | |イ、火山の形が3つに分けられ、その活動も理解で|イ、代表的火山をビデオで見せ| | | きる。 る。 | |6|ア、火山の噴出物がわかる。 ア、市販教材を活用する。 | | |イ、火山活動と溶岩の粘性の関係がわかる。 | | |7|ア、火山灰の観察を通して、造岩鉱物の種類を理解|ア、火山灰は市販教材を活用す| | | する。 る。 | | |ア、採集した火成岩の標本を調べ、自分の興味また|ア、課題予想 | | | は疑問をよりどころとして、調べてみたい課題を|・火成岩を2つに分ける。 | |8| 設定する。 ・花崗岩を詳しく調べる。 | | | ・6種類の鉱物を調べる。 | | | ・その他 | | |イ、課題解決のための方法を決定する。 イ、補足指導をする。 | | |ア、実験・観察をする。 | | |9| | | 本時 イ、実験・観察結果をまとめる。 | | 10 ア、火成岩の特徴をまとめる。 |ア、スライド、写真、模造紙な| | | どを準備する。 | 4. 観点別達成目標 | 観 点|自然事象への |科 学 的 な 思 考  |観察・実験の | 自然事象についての |目 標 | 興味・関心・意欲  | | 技能・表現  | 知識・理解 |地震資料から地震の揺|・地震体験を意欲的に|・地震の原因・エネル|・観測データから震央| ・震源、震央の区別 |れ、大きさ、規模や伝|発表する。 ギーを推測できる。  |を求めたり、震源まで| マグニチュードの区 |わり方の規則性を現象|・データから地震を意| の距離を求めることが| 別ができる。 |的にとらえる。 欲的に調べる。 | できる。  | |日本列島地下の営力、|・地震によって起こる|・震源・火山の分布を|・日本付近の震源分布| ・地震による災害や |地震による地形の変化|災害や土地の変化につ|プレートテクトニクス|を調べることができる| 変化について説明が |災害を知る。 いて調べようとする。 的視点から推論できる| | できる。 |火山の形と活動の様子|・急激な大地の変化を|・火山の形や活動の様|・火山の資料から、火| ・火山の噴出物を挙 |の関連性を噴出物やマ|伴う火山活動の学習を|子の違いは、マグマの|山を形と活動の様子を| げられ、それをつく |グマの性質からとらえ|通じ、大地の活動への|粘性などの性質の違い|基準として3種類に分| るマグマの存在をい |る。 関心をもつ。 |によると推論できる。|類できる。 | える。 | | | | | ・噴火のしくみが簡 | | | | | 単に説明できる。 |火山岩と深成岩の観察|・郷土の大地の地質に|・鉱物の含有の様子と|・岩石の採集、教材作| ・造岩鉱物がわかる |を通して、組織の違い|関心をもち、積極的に|組織の違いから火成岩|りができる。 | ・火成岩の組織の違 |と成因との関わりをと|調べようとする意欲や|を分類できる。 ・火成岩を比較観察し | いと成因の関連がわ |らえる。 態度を養う。 |・大地の変化を時間の|て、組織の違いを記録| かる。 | ・郷土の大地が、長い 要素(短時間、長時間) 発表できる。 | ・6種類の火成岩を | 時間の中で、どのよう で推論できる。 | | 挙げられる。 | に変化してきたかを調 | | | | べようとする態度を養 | | | | う。 | | | 5. 小中の関連と発展 小 |石の色、模様、硬さ++ 土の手触りと | 土の成分 | 日陰と太陽 +− 日なたと日陰と | | 水のしみ込み方 | (小石、砂、粘土) | | 地面の暖かさ 学 | | | | | | | | | | 3 | | | | 年 地面をつくっている物の | 日なたと日陰の地面の比較と | | 特徴や性質を調べることができる| | 太陽の位置と日陰の関係 --|-------------------------------------------------------------------------------------------------------- 小|| 流れる水のはたらき | |流れる水と | |流れる水の | ||(浸食、運搬、堆積)| | 河原や川岸の様子の変化 | | 速さや水量の変化| 学| | | | | | | | 4| | | | 年| |地面を流れる水や川の様子の観察し、流れる水が | | 土地を変化させるはたらきを調べる| --------------------------------------------|-------------------------------------------------------------- | 小| | 土地はレキ、砂、粘土 | |土地は層をつくり| 地層は流れる水、火山 ||堆積岩と火成岩 学||火山灰、岩石からなる| | 広がる | |によりでき、化石をふくむ | では粒の様子に | | | |場合もある | 違いがある 6| | | | | | | | 年| | | | | | 地層や岩石などを観察し、土地をつくっている物の特徴や土地のできかたを | | 調べることができる| ------------------------------------------------------------------------------------------------ ---------- 本 | 中単| 活動する大地 ||| けずられる大地 | |変動する大地 | 元| (地震、火山、火成岩) |||(風化、地層、堆積岩 | (断層、段丘、地層の重なり | 学| | || 化石) | | 大山脈の形成) || | | | 3 | | | | 年 | |大 地 の 変 化 と 地 球 +−−−−−− 6. 本時の指導 (1)目標 1 郷土の大地に興味をもち、積極的に調べようとする意欲や態度を養う。(興味・関心・態度) 2 鉱物の含有の様子と組織の違いから、火成岩を分類できる。 (科学的な思考) 3 火成岩を比較観察して、組織の違いを記録、発表できる。 (技能・表現) 4 6種類の火成岩の特徴を知ることができる。 (知識・理解) (2)研究主題との関わり 理科を学習する目的は、自然の事象についての知識・理解を深めることだけでなく、自然の事象に関心をもち、自然   を追求する方法、いわゆる探求の方法を身につけることが大きな目的である。 そこで、生徒自身が考える場面をなるべく多く設定することが求められており、生徒自身が課題を発見したり、仮説 を立てたり、実験方法を考えたり、実験結果から規則性を発見したりする驚きや喜びを体験できるように、推論したり   する場を授業の中に設けていきたい。 ここでは、6種類の火成岩を生徒自ら県内を回って採集し、岩石を切断、研磨することを通して、岩石に対する興味   ・関心をもたせ、火成岩を調べる意欲を養いたい。また、郷土の地質に対する興味・関心・驚きなどを呼び起こす観察   も重視したい。 (3)展開 |段階| 学 習 活 動・内 容 形態 生徒の活動に対する支援(発問・個への配慮) |評 価・資 料・教 具など | | | | T1 | T2 | | 1. 前時の復習 |個別|1. 自分の課題を発表しよう。 意欲 −−−− | 課 ・自分の課題の発表を | |・生徒の挙手で発表の順|・1、2の生徒について | すすんで発表しようと | | する。 | | 番を決定させる。 |発表のしかたを援助す||しているか | 題 (火成岩の色、組織、 | | |る。 |+−−−−−挙手 | | 鉱物など) | | ・各自の課題を黒板に板書 | 把 | | | | する。 | | |6種類の火成岩の特徴を調べよう || | 握 2. 結果の予想 |個別|2. 結果を予想しよう。 | | ・自分の課題に対する | |・予想の難しい課題については無理に引き出さな|興味−−−−− | 結果を予想し、できれ | |い。 | よく考えて予想しよう | ばその理由も発表する | | | としているか |10| | | |+−−−−−発言 | 分| | | | | 3. 実験・観察 |個別|3. 実験・観察をしよう。 意欲・技能 − | ・前時までの実験方法 | |・机間巡視し、実験の操|・基本的な実験操作の||自分の課題と予想のも | により実験を行う。 | 作の支援、進行の円滑を 支援をする。 ||とに適切な実験・観察 | 課 | | 図る。 | | を行うことができる | | | ・実験・観察中の発見や | |+−−−−−− 様相 | 題 | | 驚きに注目して、生徒の | | | | | 感想を引き出す。 | | | 追 | | | | | ・実験結果のまとめを 個別 ・発表のためのまとめをしよう。 |・実験・観察の結果を文章 | 究 する。 | ・実験結果については生 ・2、3の生徒につい にまとめ、発表するための | | | 徒の考えを大切にする。 て、結果のまとめと発 資料を整理する。 | ・ | | ・発表方法を把握して、 表のしかたを支援をす 関心 −−−− | | | その発表に必要な器具を る。 ||結果の発表資料をまと | 解 | | 準備する。 | | める準備ができる | | | | | |+−−−−−−様相 | 決 | | | | | 4. 結果 | 4. 結果を発表しよう。 |意欲−−−−−− | ・実験・観察の結果を 集団 ・順番は様相で決定する。 ||結果をきちんと発表で | 発表する。 | ・発表に対する援助、補 ・発表器具の操作をす | きる | | | 足指導を行う。 |る。 |+−−−−−−発表 | | | | |・次の発表者の準備支|態度−−−−−− | | | | |援を行う。 | 他の発表者の発表をき | | | | | | ちんと聞くことができ | | | | | | る |30| | | |+−−−−−様相 | 分| | | | | 定 5. まとめ |一斉|5. 発表された火成岩の特徴をまとめよう。 関心 −−−− | 着 ・7人の実験結果から |・|・色や組織の違いに焦点をあて、火成岩をまとめ||火成岩の特徴を実験・ | ・ 火成岩の特徴をまとめ 個別 る。 ||観察結果から推論でき | 発 る。 | ・できるならば全員の感 ・まとめのシート記入 | る | 展 | | 想を発表させる。 |を点検する。 |+−−−−−−発言 |10| | | | | | 分| | | | (4)板書計画 | | 火成岩の特徴を調べる | | |まとめ| | < 組 織 > < 色 > < そ の 他 > ・ | ・氏名 個人課題 ・氏名 個人課題 ・氏名 個人課題 ・ | 結果 結果 結果 ・ | ・ | ・ | ・ | | ・氏名 個人課題 ・氏名 個人課題 ・氏名 個人課題 | 結果 結果 結果 | | | | | ・氏名 個人課題 | 結果 | | |