印刷用紙:B4縦 1ページの行数:71 1行の文字数(半角で):120   −−以下 指導案本文−−   第3学年 理科学習指導案 日 時 平成8年10月8日(火)第1校時 学 級 3年A組 男子21名 女子14名 計35名 授業会場 第1理科室(校舎1階) 授業者   西山ぽぷら 1、単元名 運動とエネルギー 2、単元について ここでは、力や圧力の学習を基にして、力のつり合いや力の合成と分解について実験を行い、その結果を考察させ、力の基本的   性質を理解させる。また、物体の運動についての実験を行い、力と物体の運動とを関連づけてとらえさせ、その規則性に気づかせ   る。   次に仕事の概念を導入し、仕事の学習と関連してエネルギーの初歩的概念を導入する。さらに、すでに学習した光・音・熱・電   流などにも関連づけてエネルギーの移り変わりとエネルギー保存について触れ、自然現象の統一的な見方や考え方を養うのが主な   ねらいである。また、第1分野の学習の最後に、理科学習と関連のある科学技術の進歩と人間生活との関わりについての認識を深   める。 力学に関連のある学習は、これまで、小学校での振り子や、中学校1年生での力の概念などについて学んできた。しかし、高度   な論理性を必要としているので、体系的な学習はされていなかった。しかし、中学校3年生という時期は、知的好奇心が高く、論   理的、合理的な判断をしようとする傾向が強くなる時期である。このような発達段階から考えて、自然界の事物、現象に直接触れ   させることの意義は極めて大きいと考えられる。 本学級の生徒は実験、観察が好きで意欲的に作業に取り組むものの、データの処理や理論的な考察は不得手であり、直感的な解   釈に留まりがちである。したがって、実験結果の記録、データの処理、データからの規則性の発見等について個別に指導し、科学   的な思考力や判断力・表現力を養いたい。 本単元での学習は、中学校での力学分野の総まとめであり、エネルギーの学習を基に科学技術の成果を知り、新素材やエネルギ   ーの利用について関心を高めるとともに、理科離れの傾向をおさえたい。また、日常生活の中で様々な形で科学技術が役立てられ   ていることに気づかせ、生活を支える土台である科学技術を、積極的に活用していく態度を育てたい。 3、指導目標 (1)身の回りのさまざまな運動やエネルギーによる現象に興味・関心をもち自ら進んで科学的に調べようとする。 (2)さまざまな運動やエネルギー現象の中に問題を見つけ、その規則性を見いだし科学的に説明することができる。 (3)運動やエネルギーに関する事物現象についての観察や実験の基本操作を習得するとともに過程や結果についてわかりやすく      発表することができる。 (4)身の回りに見られる自然現象や、力・運動・仕事・エネルギー等に関する事物現象についての原理・法則を理解し説明でき      る。 4、指導計画(34時間) (1)力のはたらき‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥( 6時間)(本時3/6) (2)物体の運動と速さ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(14時間) (3)仕事とエネルギー‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥( 8時間) (4)まとめ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥( 2時間) (5)終章‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥( 4時間) 5、本時について (1)主題 「角度をもってはたらく2力」 (2)目標 @ 2力を角度をもってはたらかせた場合、その合力の向きはどうなるか調べようとする。 A 角度をもってはたらく2力の合成についての実験から合力についての規則性を見いだすことができる。 B 物体に2力を角度をもってはたらかせた場合の合力の向きを見いだす実験を行うことができる。 C 角度をもってはたらく2力と同じはたらきをする1つの力を合力といえる。 (3)指導の構想 前時までに力のつり合いについて学んできている。ここでは2つの力が角度をもってはたらいているときの合力と の関係について実験を通して見いだすことを学習する。力は目に見えないものなので現実の物体にはたらいている力 を見いだすことは難しい。そこではじめに力の原理について学ぶ。これを実際の状況に当てはめていくことで目に見 えない力が見つけられるようになる。力の合成はわかりにくいところなので目に見える題材から入り、一般論の説明 の後、いろいろな題材を使って説明する必要がある。 本時の目標については、机間巡視、挙手、感想発表で評価したい。 (4)評価の観点 @ 2力を角度をもってはたらかせた場合、その合力の大きさはどうなるか調べようとすることができたか。 A 角度をもってはたらく2力の合成についての実験から合力についての規則性を見いだすことができたか。 B 物体に2力を角度をもってはたらかせた場合の合力の向きを見いだす実験を行うことができたか。 C 角度をもってはたらく2力と同じはたらきをする1つの力を合力ということができたか。 (5)展開案 +−−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |段階|学 習 内 容|時間| 学 習 活 動 | 留 意 事 項 | 準 備 物 | +−−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |1 角度をもっ| |1 3s重の力と5s重の力で90度の角| ・実物を見せて興味を引く。 |タイヤ、紙板| | | てはたらく| | 度をつけて引かれたタイヤの動く向き| ・図から選ばせるようにする。 |書、学習シー| | | 2力の合力| | を予想する。 | ・それぞれ2名ほど指名する。 |ト | | | の向きの予| | ・生徒の反応で多いと予想されるもの |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | 想 | | ○ 2力の真ん中の向き ||自分の考えをもつことができた|| | | 導 | | | 真ん中よりやや5s重よりの向き||か。また、それを挙手によって|| | | | | | ||発表しようとしているか || | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |2 前時の学習| |2 一直線上にはたらく2力の合力の向き| |紙板書 | | 入 | 内容の喚起| | と大きさを答える。 | | | | | | | | | | | |3 課題設定 | |3 一直線上の2力の合力と角度をもった| |紙板書 | | | | | 2力の合力の違いから本時の学習課題| | | | | |20分| を導く。 | | | | | +−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−+−+角度をもってはたらく2力の合力を調べよう。 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | +−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |4 実験1 | |4 実験1を行う | ・ビデオを見せて、手順を確認さ|ビデオ、作図| | | | | ・ビデオで確認した手順で実験を行う。| せるとともに興味を引かせる。|版、ばねはか| | | | | | ・机間巡視をする。 |り、リング、| | | | | | グループで行わせ、うまくいか|ゴム、糸 | | 展 | | | | ない班には個別に支援を行う。| | | | | | | ・ばねはかりが線上にきていな| | | | | | | い | | | | | | | ・結び目がO点にきていない | | | |5 考察 | |5 実験1の結果について話し合う。 | ・机間巡視をする。 | | | | | | | | | | |6 結果発表 | |6 実験1について気がついたことを発表| ・できるだけ多くの意見をださせ| | | | | | する。 | る。 | | | | | | ・予想される生徒の反応 |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | 30度より90度のときの方が引く力||自分の意見を挙手によって発表|| | | | | | が大きくなる。 ||しようとしているか。 || | | | | | 2つのばねはかりの目盛りが同じにな|+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | る | | | | |7 実験2 | |7 実験2を行う | ・ビデオを見せて、手順を確認さ|ビデオ、作図| | | | | ・ビデオで確認した手順で実験を行う。| せる。 |版、ばねはか| | | | | | ・見逃さないように気をつけさせ|り、ゴム、リ| | | | | | る |ング、糸、は| | |8 結果発表 | |8 実験2について気がついたことを発表|+−−−−−−−−−−−−−−+|さみ | | | | | する。 ||自分の意見を挙手によって発表|| | | | | | ||しようとしているか。 || | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |9 まとめ | |9 実験1、2から本時の学習のまとめを| ・挙手発言による。 | | | 開 | | | する。 | ・できるだけ生徒の表現を尊重す| | | | | | ○引く力の大きさは2力の角度が大きく| る。 | | | | | | なれば大きくなる | | | | | | | ○2力の合力は2力の間の向きである | | | | |10 予想結果の| |10 ビデオを見て確認する。 | ・ビデオによって確認させる。 |ビデオ | | | 確認 |20分| | | | +−−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |11 感想発表 | |11 感想を発表する。 |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | 終 | | | ||学習したことを振り返り || | | | | | ||自己評価させ、挙手発表 || | | | | | ||させる。 || | | 末 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |12 次時の確認|10分|12 次時の学習の確認 | | | +−−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+