印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):118   −−以下 指導案本文−−   第2学年理科学習指導案   日 時 平成8年10月17日(木)2校時 学 級 第2学年 男子14名 女子19名 計33名 授業者 吉 田 誠 司 1 単元名  化学変化と原子・分子 〜物質の変化〜 2 単元について (1)単元の指導について    本単元は,実験・観察を通して,化学変化における物質の変化やその量的な関係を理解させるとともに,これらの事象を原子    ・分子のモデルで説明する微視的な見方や考え方を養うねらいがある。生徒は生活体験から物質の加熱による変化や燃焼などに    見慣れており,それらを当たり前のこととしてとりがちである。しかし,それらがどうして変化するか,どのような物質になる    かということを,巨視的なとらえ方しかしていない。したがって,できるだけ多くの実験・観察を行い,基礎的な技能を習得さ    せながら,物質やその変化に対する興味,関心を高めつつ,その実験素材を工夫し,実験結果から化学変化における量的な関係    について,生徒が課題意識をもてるようにする。そして,物質やその変化について,原子・分子のモデルを使って解釈させるこ    とを通して,微視的な見方,考え方を育てていきたい。     本単元では,小学校での,物の状態の変化,物のとけ方,水溶液の性質,燃焼などの学習,また,1年生での水溶液と気体の    性質,物質の状態変化などの学習を受け,化学変化における物質の変化,及び物質のつくりやその構成粒子について学習する。 (2)生徒の実態について      明るく活発な生徒が多く,学習は和やかな雰囲気で行われていることが多い。発言や発表に対して積極的な生徒がいるが,固    定化している。小学校ではスチールウールの燃焼とスチールウールと塩酸の関係,また,磁石につくものとして鉄を学習してい    る。中学校に入学してから,水溶液の性質で塩酸の中にスチールウールを入れると水素を発生させることを学習している。また,    金属が錆びることや物が燃えることなどを日常体験している。そのため,生徒は興味をもって実験を進んで行うが,化学変化に    おける量的な関係や,微視的な見方や考え方がまだ養われていない。 3 単元指導目標   @身の回りの化学変化に興味,関心をもたせ,実験・観察から物質変化,量的関係を科学的に調べる態度を養う。また,日常生    活と関連づけて説明する態度を養う。  ・・・(関)   A実験・観察の結果を基に,物質変化,量的規則性について説明させる。また,原子・分子のモデルと関連づけながら微視的な    考えで説明できるようにする。                                     ・・・(科) B実験・観察で得た事実,データ及び結論から創意ある実験報告書を作成・発表させる。また,それらを基に規則性を見つけさ    せる。            ・・・(技)   C実験・観察を通して,原子・分子のモデルと関連づけて理解させるとともに,物質や化学変化を記号を用いて表すことができ    るようにする。 ・・・(知) 4 指導計画   化学変化と原子・分子 ・・・26時間  1 物質の変化 (14時間) +実験1 炭酸水素ナトリウムを熱して,その変化を調べる 1.ふくらし粉を熱してみよう・・・3時間−+分解 演示実験(酸化銀を熱する,木の蒸し焼き) +まとめ 1種類の物質が2種類以上の物質に分かれる変化 2.物質はどこまで分解できるか・・2時間−+実験2 水に電流を流し,出てくる物質を調べよる +単体 それ以上に他の物質に分解することができない物質 3.物質は何からできているか・・・2時間−+原子 ドルトンの原子の考え方を基にモデルで考える +分子 アボガドロの分子説を基にモデルで考える +実験3 鉄と硫黄を混ぜ合わせて熱し,できた物質の性質を調べる 4.物質が結び付く変化とは ・・・3時間−+化合 演示実験(水素と酸素で水を作る実験) (1/3時 本時) +まとめ 化学変化と熱,原子・分子モデルを使って説明する 5.燃焼,酸化,還元とは何か・・・4時間 2 化学変化のきまりと原子・分子 (12時間) 5 本時の学習 (1)主題 「物質が結び付く変化とは」〜実験3 鉄と硫黄を混ぜ合わせて熱し,できた物質の性質を調べよう〜 (2)本時の目標   @鉄と硫黄の混合物を熱したときに起こる変化と,そのときできる物質の性質について調べることができる。・・・(技)   A鉄と硫黄の混合物を熱するとあとに違う物質ができることを実験結果から指摘できる。  ・・・(科) (3)具体目標行動 @実験前の銅と実験後の硫化銅との違いがわかる。 A銅と硫黄の反応と既習事項から予想を立てることができる。 B鉄と硫黄の反応はどのようになるか興味,関心をもつ。 C鉄と硫黄の混合物を熱したときの変化を記録し,性質の違いを調べることができる。 D実験結果から,鉄と硫化鉄が違うことを指摘し,班の話し合いでまとめることができる。 (4)本時の展開     +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−+−−−−−+ | | | 学 習 活 動 |具体 | | 段階|学習内容 +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | 教師の支援 |資料・教材 | | | | 教 師 の 働 き か け |予 想 さ れ る 生 徒 の 活 動 |目標 | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−+−−−−−+ 導入 1 演示実験 ◎ここで銅と硫黄がありますこの2つを一緒に熱したらどうなるだろう | | | | | 銅と硫黄の化合・演示実験を行う ・「すごい」「黒くなった」「ちがう」 | ・演示実験をする・銅,硫黄,ガスバーナ | | ○電気を通してみよう ・通らない | | |試験管 | | | ○銅と同じ性質のままだろうか ・「違う性質」「同じではない」 | | | | | | ○鉄と硫黄を混ぜて熱した実験を行うとどのような性質になるだろうか ・「同じ性質になる」「違う性質になる」「うなるだろう」 @ 10分| | | | | | | | 2 学習課題の把握◎では今日の学習課題はどのようになるだろうか | ・実験レポートをわたす・実験レポートNO.1 | | ++−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−++| | | +−+−−−−+鉄と硫黄を熱した後の性質を調べよう ++−−−−−−+−−−−−+ | | ++−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−++| | | | | | | | | | | | 3 予想 ・予想を立てさせる ・実験レポートに予想を立てる |A| | | | | 性質に変化があるか ○実験レポートに予想を立てて見よう 「違う性質になる」「同じ性質になる」 | | | | | | | | | | | 4 実験方法の探求◎鉄と硫黄を混ぜて熱した後の性質をどのようにしたら調べることができる B | | 展開| のだろうか班で話し合ってみよう ・班で話し合う | | | | | | ・性質を調べるための実験方法を各班で話し合わせ,実験方法を探求させる ・「磁石」 →鉄ならつく,鉄でなければつかない・机間巡視をし取り組みの弱い | | | ・「塩酸」 →鉄ならば水素が出る,鉄でなければ水素は出ない 生徒を支援する | | | ・「電流」 →鉄ならば流れるが,鉄でなければ流れない・出てこないときには補助発問 | | | ・どのような実験があるか実験レポートにまとめる | | | | ・班で考えた実験を指名し発表させる ・どのような実験があるか発表する | | | | | | | | | | | | | 5 実験方法の説明・実験レポートに実験方法を記述し,重要な所だけ説明を加える・説明を聞き,実験レポートから実験方法を確認する・実験方法が書いてある実験レ・実験レポートNO.2 | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | ・出てくる気体が硫化水素なので吸い込まないように注意させる ・机上の実験道具を確認する ポートをわたす | | ・実験方法は実験レポートをよく見て行うことを促す | | | | | | ・A,Bを爪の半分くらいの大きさにして試験管に入れさせる | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | 6 化合の実験・実験レポートを参考に実験を開始させる・実験レポートを見ながら実験を開始する C・役割分担ができているか確認・300メッシュ鉄粉, | | ○役割分担が済んだら実験を開始しよう ・役割分担を行う | |する |硫黄粉末,過熱器具, | | +−−−+ | | | | | | | ・役割分担を促す ・気体を吸い込まないように注意する ・机間巡視する|10%塩酸,スポイト | | | | | | |+−−−−−+ | | | ・換気をよくする ・ガスバーナーがつかない | |・班員が全員参加してるか アルミ箔,砂,砂皿 | | +−−−+ | | || | | | | | ・匂いを手で仰いで嗅がない | |・危険がないか ピンセット,磁石, | | | ・反応が遅くうまく行かない | |・進度はどうか 試験管(2),試験管 | | | ・A,Bを試験管に入れる量が多い | |・メモを取っているか 立て | | | | | | |+−−−−−+ | 35分| | ・こぼす | ・実験道具の予備を用意してお | | | | | |く | | | 7 実験のまとめ・班員と話し合いまとめることを指示する・班内で話し合いまとめる |D ・話し合いができているか机間 | | ・鉄と硫黄を混ぜて熱したときの性質の違いを確認させる ・鉄と硫黄を混ぜて熱したときの性質の違いを確認する 巡視する | | ・まとめることができたか確認する | | | | | | | ・話し合ったことを指名し発表させる ・話し合ったことを発表する | | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−+−−−−−+ | | | | | | | | 終末 8 自己評価と感想・自己評価と感想を書かせる ・自己評価と感想を書く | ・まとめができない班は次の時 | 9 次時の予告・次時の予告をする ・次時の予告を聞く | |間を使ってまとめさせる | 5分| ○次は結果のまとめと他の物質同士を混ぜたらどうなるか確かめます | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−+−−−−−+ (5)評価   @鉄と硫黄の混合物を熱したときに起こる変化と,そのときにできる物質の性質について調べることができたか。    A鉄と硫黄の混合物を熱するとあとに違う物質ができることを実験結果から指摘できる。