印刷用紙:B4縦 1ページの行数:54 1行の文字数(半角で):112   −−以下 指導案本文−−                        選択理科学習指導案 日 時 平成8年10月23日(水) 対 象 3年 男子7名 女子6名 計13名 場 所 第一理科室 指導者 菅原 徹 1.コース名  『環境問題を考えよう』 2.題材名    環境問題 3.目標 (1)環境問題に興味や関心をもつことができる。 (2)主体的に学習課題に取り組むことができる。 (3)環境問題の概略を把握し、身近な環境を調べることができる。 4.題材観    人間による生産活動の活発化に伴い、大気や水の汚染、食品の汚染、エネルギー資源や有害廃棄物の問題、異常気象な   ど環境の破壊が進んでいる。しかし、それらは人間の生存にかかわる重大な危機となっているにもかかわらず日常の生活   においてどれほど意識化されているかは疑問である。幸いなことに、昨今は環境破壊およびその対策についての提言が各   種の調査結果からなされており、それらのデータを入手したり、一部のものについては簡単な方法で調べるための試薬な   ども市販されている。それらを活用しながら、これからの時代を担っていく中学生に環境破壊の現状の理解とその改善策   について、自らの興味や関心のもとに、実験や観察を通しながらその認識を深めさせていきたい。 5.生徒の実態 現在どのような環境問題があるのか、環境を保全するために自分たちは何ができるのかなどの問題意識をもっている生   徒もおり、環境問題については個々の差はあるものの興味をもっている生徒が多い。学力的には13名と小人数ではある   が、上位から下位まで幅が広いため、それぞれに応じた指導を心掛けたい。 6.指導観 現在、環境問題は新聞やテレビでも多く取り上げられるようになってきている。しかし、生徒は漠然と環境が悪化して   きていることはわかっていても、身近にどのような問題があるのかはよく理解していない。したがって、環境問題の何を   どのように追求するかという具体的な構想はあまりもってはいないと考えられる。そこで、このコースは前半の7時間で、   おもな環境問題の概略を把握させ、ある程度のイメージをもたせたうえで、後半の7時間で生徒個々の興味や関心に基づ   く課題を追求させるという構成にした。この指導にあたっては必修理科での学習事項との関連をはかり、発展的な学習へ   の移行をスムースにおこなわせること、生徒個々の興味や関心に応じた指導、主体的な学習を促すための支援のありかた   などに留意しておこなっていきたい。 7.指導計画 (1)オリエンテーション   1時間 (2)主な環境問題  ・食品添加物 1時間 ・森林の破壊 1時間 ・水汚染と家庭排水 1時間 ・水汚染とトリハロメタン 1時間 ・発電の原理と問題点 1時間 ・酸性雨 1時間(本時) (3)学習課題に基づいた調査・研究    ・課題設定、実験や調査方法の検討 1時間 ・実験、調査 4時間 ・実験、調査結果の整理 1時間 (4)まとめ       1時間 (5)発表会 1時間 8.本時の計画 (1)目標 ・主体的に実験に取り組むことができる。 ・水溶液のPHを測定できる。 ・酸性雨やその影響について興味や関心をもつことができる。 (2)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |過程| 教師の働きかけ | 生徒の活動 時間 | 指導上の留意点 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | と |1.霧吹きで酸性の水溶液を吹きかけ、1.酸が植物に与える影響を観察する。| | | | ら | 枯れた鉢植えの植物を観察させる。 | | | | | え | | |5 | | | る | 学習課題 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+ ・アンケート調査結果を引用する。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−+ 酸性雨とはどんな雨か ++−−−−−−−−−−−−−−−+ | 考 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+| | | |2. 酸について、既習事項を想起させ 2. 酸に共通の性質や酸の定義を想起 | ・必修教科との関連をはかる。 | | え | る。 |する。 | | | | |3. 酸性雨はどのようにして発生する 3. 既習事項などをもとにして考える。| ・必修教科との関連をはかる。 | | る | かを考えさせる。 | ・車の排気ガスなどが水にとける。 | ・塩酸や炭酸を例に強い酸と弱い酸| | | | 10 があることを説明する。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4. 身近な水溶液の酸の強さを比較さ 4. それぞれが考えた方法で調べる。 | | | | | せる。 | ・味覚 | | | | | | ・マグネシウムリボンとの反応 | | | | | | ・BTB溶液やフェノールフタレイン溶液の利用 | | | | 調 |5. PHについて説明する。 5. 酸性の性質の強さはH+の濃度によ | ・水素イオン濃度にふれるが、あまり | | |ることを知る。 | 深入りしない。 | | べ |6. PH試験紙で身近な水溶液のPH 6. PH試験紙の使用方法を理解し、水 | ・定量化をはかる。 | | | を測定させる。 |溶液のPHを測定する。 | | | | る |7. 酸性雨の定義を説明する。 7. 酸性雨の定義を知る。 | | | | | | | | | | |8. 滝沢の雨水を測定させる。 8. パックテストの使用方法を理解し、| ・PHが変動していると思われるの| | | |実際の雨水を測定する。 25 で、採取時の値に調整しておく。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9. 日本の酸性雨の現状を説明する。 9. 資料から、 日本でも酸性雨が降って| ・酸性雨の影響についてもふれる。 | | | |いることを知る。 | | | | ま 10. 前期の酸性雨に関する調査、研究 10. 自分自身の課題決定の参考とする。 | | | | と | を紹介する。 | | | | | め 11. 次時から、 課題研究に入ることを 11. 予告を聞く。 | ・今まで学習したことや、資料を参| | る | 予告する。 | | 考にして自分の課題を設定して取り| | | | | 組んでいくことを確認する。 | | 12. 感想を学習カードに記入させる。 12. 感想を簡単にまとめ、カードに記入 | | | | | |する。 10 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価 ・意欲的に実験に取り組むことができたか。 ・水溶液のPHを測定できたか。 ・酸性雨とその影響に興味や関心をもてたか。