印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):80 中学校1年 数学(関数と比例)指導案 総合教育センター 用紙は B4 縦  1行 80字(半角) 1ページ 62行に設定してください。 中学校数学(1年)指導プログラム 学 校 名  胆沢町立小山中学校 対象学級  1年A組(男子17名、女子14名) 指 導 日  平成2年 指 導 者   作 成 者  岩手県立総合教育センター 1 単元名 「関数と比例」 2 単元設定の理由  自然現象や社会現象などの考察においては、対象とする事象の中にある対応関係や依 存、因果などに着目してそれらの諸関係を客観的でかつ簡潔な形で把握し表現すること が有効である。数学においても考察の対象とするいろいろな事象の中にひそむ対応関係 や法則を数理的にとらえ数学的に考察し処理するために、関数的な見方、考え方を必要 とすることが多い。いろいろな関数についての理解及びそれらの学習を通して養われる 関数的な見方考え方は、これから先の数学のいろいろな分野の学習において重要な役割 を果たす、基礎的な内容であるといえる。  中学校学習指導要領においても、「数学」の各学年の目標の中で、関数関係を理解す るとともに、関数的な見方や考え方を深め、関数関係を表現したり用いたりする能力を 伸ばすことなどがうたわれており、本単元は、その中で、第1学年の目標「(3)変化や 応についての見方や考え方を深め、関数関係を理解し、それを表現したり用いたりする 能力を伸ばす」ことを目指して設定したものである。  生徒は小学校算数の学習によって、すでに次のような学習経験を持っている。 ・数量関係を公式の形にする。 ・数量を□などを用いて表したり、それに数を当てはめて調べたりする。 ・簡単な場合について、対応させる数量を考え、値の組を表などに表す。 ・変化の様子を折れ線グラフなどに表して、変化の特徴を読み取る。 ・簡単な式で表されている関係について、二つの数量の対応や変わり方に着目する。 ・比例と反比例の意味、また、簡単な場合について、式やグラフを用いてその特徴を知  る。  このように、表やグラフ、及び比例・反比例については、小学校でもある程度まで学 習されている。しかし、指導書によると、反比例のグラフについては、折れ線グラフを 用いて変化の様子を調べる程度にとどめることとなっている。また、小学校では比例、 反比例の考察をするときの変域は主として正の整数程度であり、正と負の有理数の場合 についての学習経験はない。更に、小学校では主に表とグラフによって関数関係を表す ことを学習しているが、式の有用性については、十分な学習経験を持っていない。  このような、関数指導の意義、及び生徒の学習経験等を考慮した上で、基礎的な知識 ・技能としての性格を持つ内容と、その十分な理解の上に形成される関数的な見方、考 え方、また、いろいろな問題解決に利用される関数に関わる諸能力を育成するために、 次の事項を、中学校における関数指導のねらいとした。 ・事象の考察に関して、関数関係を見いだす能力を伸ばす。 ・関数関係を表現したり、それによって関数関係の特徴を調べたりする能力を伸ばす。 ・基本的な関数についてその特徴を理解する。 ・関数の意味についての理解を深め、関数的な見方、考え方や手法をいろいろな問題解  釈に利用する能力を伸ばす。  更に、このような関数指導のねらいを達成するために、各学年の単元の指導過程にお  いて、次のような配慮をしたい。 ・単元の導入段階では、多くの変化する量を取り出せる身の回りの具体的な課題を提示  し、その中から二つの変化する量について調べる。 ・考察の対象となる関数について、その変化の様子や対応の仕方の特徴を調べる。    その際、表、グラフ、式、矢印とことばなどを考察の手段とする。 ・ひととおりの指導が終わった段階で、関数の考えを使って問題解決する時間を設定し  表、グラフ、式、矢印とことばなどを有機的に使って、変化の様子や対応の仕方をと  らえる能力を伸ばす。 3 単元の指導目標  関数指導の意義、中学校における関数指導のねらい等を考慮し、中学校1学年での単 元の指導目標を次のような内容とした。 ・事象の中から、伴って変わる二つの量を取り出し、その間の関係を読み取ることがで  きるようにさせる。 ・yがxの関数であることの意味を理解させるとともに、文字を変数と見ることができ  るようにさせる。 ・関数を式や矢印とことばを使って表し、対応関係を理解させるとともに、身近な対象  の対応関係に関心をもたせる。 ・変域を不等式で表すことができるようにさせる。 ・関数の具体例として、比例の関係、反比例の関係を式で表し、それを使って具体的な  問題が解決できるようにさせる。 ・平面上の点の座標を求めたり、二つの数の組を平面上の点で表したりすることができ  るようにし、点と数の組の関係に興味を持たせる。 ・y=ax、y=a/xのグラフをかくことができるようにし、その特徴を調べること  ができるようにする。 ・式からグラフ、グラフから式を求めること等を通して、グラフに表すことの良さに関  心を持たせる。 4 単元の指導計画 (単 元)(節) (項)  (主  題) (時間)(用語・記号) ( 指  導  内  容 ) +-----------+  | P1テスト | 1 +---+ +-----+-----+ | と| | +---+ | も| +-----+-----+                | 変| | な| | 変化と関数 | 1 変数 事象の中から伴って変わる2つ +---+ | | | っ+-+ (前半) | (CAI) yはxの関数 の数量に着目する | | | 化| | て| | 練習問題 | 70分 である 変数の意味を理解する | | |  | | 変| +-----+-----+ 変域 2つの数量間の関係を考察し、 | 比| | と+-+ わ| +-----+-----+ ≦ 関数関係を理解する | +-+ | | る| | 変化と関数| 1 ≧ 変化と対応 | | | 関| | 2+-+ (後半) | < 「---は---の関数である」こと | | | | | つ| | 練習問題 | > の意味を理解する | | | 数| | の| | 課題演習 | 1 関数関係を表すのに対応表、式 | | +---+ | 量| +-----+-----+ 、矢印とことばを用いることを | | +---+   | 理解する | | | 変化と変域 | | |   変域の意味を理解させ、変域を | 例| |   不等式を用いて表す | |   | 事象の中から比例する2つの量 | | +---+ +-----+----+ を見いだし、式で表す | | | 比+-------+  比 例 | 2 比例 比例、比例定数の意味を理解す | | | |   | 練習問題 | 比例定数 る | と| | 例|  +-----+-----+ y=ax 比例の式を用いて、事実問題を | | | |   | 解決する | | | と| | | +-+ | +-----+-----+ 反比例 事象の中から反比例する2つの | | | 反| | 反比例 | 1 比例定数 量を見いだし、式で表す | | | +-------+ 練習問題 | y=a/x 反比例、比例定数の意味を理解 | | | 比| | 課題問題 | 1 する | 関| | | +-----+-----+ 反比例の式を用いて事実問題を | | | 例| | 解決する | | +---+ | | | +---+ +-----+-----+ x軸(横軸) 座標の意味を理解する | | | | | 座 標 | y軸(縦軸) 対象な点、移動した点の座標を | | | 座+-------+ 練習問題 | 2 座標軸 求める | | | | | 課題問題 | 原点 軸によって分けられた4つの部 | +-+ 標| +-----+-----+ x座標 分の座標の特徴が分かる | 数| | | | y座標 | | | と| | +---+ | | +-----+----+ 関数関係を表すのに対応表、式 | グ|   | 比例の | 1 関数のグラフ 、矢印とことば、グラフを用い | +-------+ グラフ | (CAI) 直線 ることを理解する | ラ| | 練習問題 | 70分 比例、反比例の式とグラフにつ | | +-----+----+ いて理解する | フ| +-----+----+ 1 比例、反比例の式とグラフにつ | +-------+ 反比例の | (CAI) 関数のグラフ いて理解する +---+   | グラフ | 70分 双曲線 y=axのグラフは直線になる  | 練習問題 | y=a/xのグラフは双曲線に | 課題問題 | 1 なる +-----+----+ y=axとy=a/xのグラフ  | の特徴が分かる | +-----+------+ | 章の問題演習| 1 +-----+------+ +-----+------+ | P2テスト | 1 +------------+ 5 本時の学習指導(第2時) (1)主題 変化と関数 (2)指導目標 変数χの値を決めると、それにつれて変数yの値も決まるとき、yはχの関数である  ことをいろいろな事象を通して理解させ、関数を対応表、グラフで表すことを通じて関  数が定めるχ、yの対応関係を理解させ、伴って変わる2つの量に興味・関心をもたせ  る。 (3)目標行動 変数χの値を決めると、それにつれて変数yの値も決まるとき、yはχの関数である ことをいろいろな事象を通して説明でき、関数を対応表、グラフで表すことができ、関 数が定めるχ、yの対応関係を指摘できる。 (4)下位目標行動 1 関数の定義を述べることができる。 2 事象の中の変化する量について、関数が定める対応関係を指摘できる。 3 変数χの値を決めると、それにつれて変数yの値も決まるとき、yはχの関数であ   るといえる 4 関数を対応表、グラフで表すことができる。 5 χとyの値の対応の仕方を対応表を使って表すことができる。 6 χとyの値の対応の仕方をグラフを使って表すことができる。 7 変数χに対応する変数yの値を指摘できる。 8 変数とはいろいろな値をとる文字のことだといえる。 9 2つの変化する量をχ、yと考えることができる。 10 2つの量の変化と対応関係を指摘できる。 R11 事象の中から変化する量を指摘できる。 R12 変化する量の大きさを表すのに文字を使うことができる。 R13 χとyの組を点として座標平面上に表すことができる。 R14 量とは何かをいえる。 (5)形成関係図 (6)コースアウトラインの構成    別紙「教授・学習活動の系列表」の、下位目標行動の順序を参照のこと。 (7)教授・学習活動の系列表 別紙「教授・学習活動の系列表」を参照のこと。 6 本時の学習指導(第11時) (1)主題 比例のグラフ (2)指導目標 y=aχ(a≠0)のグラフが原点を通る直線であることと、比例定数aによるグラ  フの特徴を把握させ、グラフが原点と他の1点を指摘することによって書けることを理  解させる。さらに、グラフから式を求めさせる。 (3)目標行動 y=aχ(a≠0)のグラフの特徴を述べることができるとともに、そのグラフをか  け、さらにグラフから式を求めることができる。 (4)下位目標行動 1 y=aχ(a≠0)のグラフがかける。 2 y=aχ(a≠0)のグラフから数値や式を読み取ることができる。 3 y=aχ(a≠0)のグラフをかく手順をいえる。 4 比例のグラフをかくには、原点と他の1点を結べば良いといえる。   5 原点と他の1点を指摘できる。 6 比例のグラフをかくとき決まっている点は原点であるといえる。 7 2点をとれば比例のグラフがかけるといえる。 8 直線は無数の点からなるといえる。 R9 対応表の(χ、y)の組を点として座標平面上に打てる。 10 比例のグラフの特徴をいえる。 11 y=aχ(a≠0)のグラフはa<0の場合、右下がりの直線になることを指摘で    きる。 12 y=aχ(a≠0)のグラフはa>0の場合、右上がりの直線になることを指摘で    きる。 13 y=aχ(a≠0)のグラフは直線であるといえる。 14 y=aχ(a≠0)のグラフは原点を通ると指摘できる。 R15 y=aχ(a≠0)の比例定数aの正負を指摘できる。 16 y=aχ(a≠0)のグラフから式を導く手順をいえる。 R17 比例の式はy=aχの形の式であるといえる。 R18 y=aχの式に(χ,y)の値を代入し、aの値を求めることができる。 19 y=aχ(a≠0)のグラフ上の点のうち(χ,y)が整数になっている組を指摘    できる。 R20 座標平面上の点のうち(χ,y)が整数になるものを指摘できる。 (5)形成関係図 (6)コースアウトラインの構成    別紙「教授・学習活動の系列表」の、下位目標行動の順序を参照のこと。 (7)教授・学習活動の系列表 別紙「教授・学習活動の系列表」を参照のこと。 7 本時の指導(第12時) (1)主題 反比例のグラフ (2)指導目標 y=a/χ(a≠0)のグラフが、2つの部分からなる原点に対称な、なめらかな曲  線であることと比例定数aによるグラフの特徴を把握させ、グラフのかき方を工夫させ  る。さらに、グラフから式を求めさせる。 (3)目標行動 y=a/χ(a≠0)のグラフの特徴を述べることができるとともに、そのグラフを  かけ、さらにグラフから式を求めることができる。 (4)下位目標行動 1 y=a/χ(a≠0)のグラフがかける。 2 y=a/χ(a≠0)のグラフから数値や式を読み取ることができる。 3 y=a/χ(a≠0)のグラフをかくのには、次の手順で行うのが良いと言える。 4 反比例のグラフをかくには、式を満たす数点をなめらかな線で結べば良いといえる。 5 反比例の式を満たす数点を座標平面上に打つことができる。 6 反比例の式を満たす数組の(χ,y)をいえる。 7 数点をとれば、反比例のグラフをかくことができるといえる。 8 双曲線は無数の点からなるといえる。 9 反比例のグラフの形をを双曲線といえる。 R10 対応表の(χ,y)を座標平面上に点として表すことができる。 R11 y=a/χ(a≠0)のχに指定された数を代入し、yの値を求めることができる。 12 y=a/χ(a≠0)のグラフから式を導く手順をいえる。 R13 反比例の式の形はy=a/χであるといえる。 R14 y=a/χの式に(χ,y)の値を代入し-aの値を求めることができる。 15 y=a/χ(a≠0)のグラフ上の点のうち(χ,y)が整数になっている組を指    摘できる。 R16 座標平面上の点のうち(χ,y)が整数になるものを指摘できる。 17 反比例のグラフの特徴をいえる。 ・反比例のグラフはなめらかな二つの直線になること。 ・反比例のグラフを双曲線ということ。 ・比例定数の正負により、グラフの位置がかわること。 R18 反比例のグラフ以外のグラフを見たことがある。 (5)形成関係図 (6)コースアウトラインの構成    別紙「教授・学習活動の系列表」の、下位目標行動の順序を参照のこと。 (7)教授・学習活動の系列表 別紙「教授・学習活動の系列表」を参照のこと。