印刷用紙:B4横 1ページの行数:63 1行の文字数(半角で):120   −−以下 指導案本文−−   第1学年  数学科学習指導案 日 時  平成8年11月19日(火) 2校時 学 級 1年A組(男子15名、女子15名、計30名) 場 所 1年A組教室 指導者 教諭 外舘邦博(T1)                       教諭 田原倫夫(T2) 1 単元名 「関数と比例」 2 単元について   小学校で比例、反比例の学習はすでに行われてきている。比例については一方の量が2倍、3倍  になると、他方の量も2倍、3倍になること。2つの量の対応する値の割合はどこでも一定である  こと。グラフが原点を通る直線になること。以上のようなことを学習しており、反比例についても  同様な見方を学習してきている。   そこで1年生の「関数と比例」の単元では、小学校で学んできたことがらの関連を図るとともに  、さらに理解を深め、発展させていきたい。例えば、比例の式y=axの中に、上のような比例の  性質をすべて読みこんで自由に使えるようにすること。また、小学校の比例のとらえ方は、文字を  使った式で表すとしても、それらは具体的な数量を表しているので、それを一般的な変数として扱  っていきたい。グラフにしても単に直線として扱うのではなく、点の集合ということを意識化して  いきたい。   以上のように、小学校で学習したことを常に関連させながら、関数は特殊なものではなく、身近  な存在であることに気づかせ指導していきたい。 3 生徒の実態   学級の雰囲気は明るく、手を挙げての発言も活発である。数学に対しての興味・関心も高く、学  習意欲も伝わってくる。最近上位と下位の差が開き始め、特に下位の生徒が授業についてくるのが  やっとの状態で、遅れがちな生徒も見え始めた。 そこで、形式的な指導に陥ることなく生徒の実態を踏まえて指導していきたいと考える。さらに  TTを有効に活用し、遅れがちな生徒の個別指導やグループ指導を通して、生徒個々と集団の相乗  的な質の高まりをねらいたい。生徒個々の底上げがあってこそ、発表や競い合いを通した磨き合い  がなされ、学級集団における活気と数学に対する意欲の喚起につながるものと考える。 4 単元の目標及び指導計画  (15時間扱い) +−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |単元|指導内容 |指導目標 数学への関心・意欲・態度 |数学的な考え方 |数学的な表現・処理 |数量、図形の知識・理解 |時 間 | +−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・ともなって変|・ともなって変わる2つの|・ともなって変わる2つの|・具体的な事象から2つの|・ともなって変わる2つの|・関数の定義がわかる。 | | | | わる量 | 数量に着目し、関数関係 | 数量の変化や対応の様子 | 数量の関係を説明するこ | 数量の変化の様子を表や |・変域の意味がわかる。 | 3.5 | |4 | | について理解させる。 | を調べようとする。 | とができる。 | グラフに表すことができ | | | | | |・変数、変域の意味を理解| | | る。 | | | | | | させる。 | | | | | | | +−−−−−−−+ | | | | +−−−−−+ |章 |・問題練習 | | | | | | 0.5 | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・比例 |・比例の意味を理解させ、|・比例の関係の特徴を表、|・表や式を用いて、比例の|・比例の関係をy=axの|・比例の特徴がわかる。 | | | | | 比例の式を用いて、問題 | 式を用いて調べようとす | 関係を考察することがで | 形の式に表すことができ | | 2 | | | | を解くことができるよう | る。 | きる。 | る。 | | | |関 | | にさせる。 | | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・反比例 |・反比例の意味を理解させ|・ともなって変わる2つの|・式や表を用いて反比例の|・反比例の関係をy=a/|・反比例の特徴がわかる。| | |数 | | 反比例の式を用いて、問 | 数量の間に、反比例の関 | 関係を考察することがで | xの形の式に表すことが | | 1.5 | | | | 題を解くことができるよ | 係を見つけようとする。 | きる。 | できる。 | | | |と | | うにさせる。 |・反比例の関係の特徴を表| | | | | | | | |、式を用いて調べようとす| | | | | |比 | | | る。 | | | | | | +−−−−−−−+ | | | | +−−−−−+ | |・問題練習 | | | | | | 0.5 | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |例 |・座標 |・座標の意味を理解させ、|・平面上の点の座標を調べ|・いろいろな点の座標の理|・点の座標をよみ取ったり|・x軸、y軸、座標などの| | | | | 平面上の点を求めること | ようとする。 | 解を深めることができる | かいたりすることができ | 意味を知り、座標の読み | 2 | | | | ができるようにさせる。 |・2つの数の組を平面上の| 。 | る。 | 方がわかる。 |(本時1/2) | | | | | 点で表そうとする。 | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・y=axのグ|・y=axのグラフの特徴|・比例の関係の特徴をグラ|・式とグラフの関係を考察|・比例のグラフをかくこと|・比例のグラフの特徴がわ| | | | ラフ | を理解させ、グラフをか | フを用いて調べようとす | し、比例の特徴を明らか | ができる。 | かる。 | 2 | | | | くことができるようにさ | る。 | にすることができる。 | | | | | | | せる。 | | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・y=a/xの|・y=a/xのグラフの特|・反比例の関係の特徴をグ|・式、表とグラフの関係を|・反比例のグラフをかくこ|・反比例のグラフの特徴が| | | | グラフ | 徴を理解させ、グラフを | ラフを用いて調べようと | 考察し、反比例の特徴を | とができる。 | わかる。 | 1.5 | | | | かくことができるように | する。 | 明らかすることができる | |・反比例のグラフが双曲線| | | | | させる。 | | 。 | | になることがわかる。 | | | +−−−−−−−+ | | | | +−−−−−+ | |・問題練習 | | | | | | 0.5 | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |・問題練習 | | | | | | 1 | +−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+   5 ティームティーチングの指導パターン  (1) 【パターン1】一斉指導の中で、個別指導を取り入れたTT +−−−−−−++−−−−−−−−−−−++−−−−−−+ |一斉(T1)++個別指導(T1、T2)++一斉(T1)| +−−−−−−++−−−−−−−−−−−++−−−−−−+ 個別(T2) 個別(T2)      (2) 【パターン2】一斉指導から、習熟の程度に応じたコース別TT +−−−−−−−−+ + Aグループ(生徒同士) +−−−−−−+|+−−−−−−−−+|+−−−−−−+ |一斉(T1)++ Bグループ(T2) ++一斉(T1)| +−−−−−−+|+−−−−−−−−+|+−−−−−−+ 個別(T2) + Cグループ(T1) + 個別(T2) +−−−−−−−−+  (3) 【パターン3】最初から2つのグループに分けたTT +−−−−−−−−−+ |Aグループ(T1)| +−−−−−−−−−+ |Bグループ(T2)| +−−−−−−−−−+ 6 研究主題との関連   研究主題に迫るため、授業の中に生徒指導の機能を生かすことに心掛けてきた。   本時の授業の中でも、生徒一人一人に気を配り、つまずきや疑問を持っている生徒に援助し、で  きるだけ多くの考えを引き出し認めていきたい。   また、生徒の発言や発表を大切にし、それをお互いに認め合ったり、励ます雰囲気作り、教え合  い考える場を作っていきたい。   課題解決に向けても、ていねいな指導を心掛け、問題を吟味させながら積極的に取り組ませ、  「わかる」「できる」という満足感を持たせたい。   さらにTTを通して、より多くに個に配慮し、興味・関心を持たせる工夫をしながら、授業の雰  囲気を盛り上げ、気づかせる場を積極的に取り入れ有効に活用していきたい。 7 本時の目標  (1) グラフ上の点を読み取ったり、書いたりすることができる。  (2) 積極的に問題に取り組むことができる。   (1) 自己決定    @ ていねいな指導を心掛け、「わかる」「できる」という満足感を持たせる。 A 問題を吟味し、積極的に取り組ませる。   B TTを有効に活用し、気づかせる場を作る。   (2) 自己存在感 @ 一人一人に気を配り、つまずきや疑問を持っている生徒に援助する。 A できるだけ多くの声を引き出し、認める。    B TTでより多くの個に配慮する。 (3) 共感的人間関係 @ 発言や発表をお互いに認め、励ます。 A お互い教えあったり、考えたりする場を作る。 B TTを通して授業の雰囲気を盛り上げ、興味・関心を持たせる。 8 指導過程 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |過| 学習内容及び |学習| 個への配慮 | | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |程| 生徒の活動 |形態|指導上の留意点 |T1の動き |T2の動き |評価の観点 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |1 小学校の既習事項の確認 | | | | | | |導| ・比例の式(y=2x) |一斉|・小学校での学習事項|・全体指導 |・机間巡視 |・比例の式から表| | | ・表(対応表) |個別| をしっかりと確認す |・机間巡視 |(生徒のチェック| を作り、グラフ | | | ・グラフ | | る。 | |) | に表すことがで | |入| ・求めたものを確認する。 |一斉|・多くの声を拾う。 |・全体指導 |・つまずいている| きたか。   | |5| | | | |生徒に援助する。| | |分|2 本時の学習課題の確認 | | | | | | | | +−−+−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−+ | | +−+−−−−−−−−−−−+グラフ上のいろいろな点を読み取ったり書いたりしてみよう +−−−−−+−−−−−−−−+ | | +−−+−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−+ | | | |3 課題解決の見通しを持つ。|一斉|・課題解決のための手|・全体指導 |・机間巡視 |・課題解決のため| | | | | 順と方法を伝える。 | | | の手段と方法が | | | | | | | | 分かったか。 | | |4 負の数の場合を考える。 | | | | | | | | ・xの値が負の数のとき、y |一斉|・xの値が負の数の場|・全体指導 |・机間巡視 |・値を求めること| | | の値を求め、表に表す。 |個別| 合もyの値があるこ |・机間巡視 |・生徒の考えを引| ができたか。 | | | ・グラフ上に点を取る。 | | とを確認し、それを | | き出す。 |・負の数もグラフ| |展| ・表し方を発表する。 |一斉| どのように表、グラ |・全体指導 |・グラフに表す方| に表すことがで | | | | | フに表すか考えさせ |・発表を認める |法を更に深める。| きることが分か | | | | | る。 | | | ったか。 | | |5 言葉の確認       | | | | | | | | ・x軸、y軸、座標軸 |一斉|・ノートにていねいに|・全体指導 |・黒板に板書する|・言葉の意味を理| | | ・原点、座標 | | 取らせる。 | | 。 | 解することがで | | | | | | | | きたか。 | | |6 グラフ上に点を取る。 | | | | | | | | ・例題の説明 |一斉|・絵を使って点を取る|・全体指導 |・黒板で説明 | | | | ・練習問題(絵) |個別| ことに慣れさせる。 |・机間巡視 |・OHPの作業 | | | | ・答えの確認 |一斉|・発表をさせる。 |・発表を認める | |・問題を解くこと| | | | | | | | きたか | |開|7 グラフ上から点を読み取る| | | | | | | | ・例題の説明 |一斉|・暗号を使って点を読|・全体指導 |・黒板で説明 | | | | ・練習問題(暗号) |個別| み取ることに慣れさ |・机間巡視 |・OHPの作業 | | | | ・答えの確認 |一斉| せる。 | | |・問題を解くこと| | | | |・発表をさせる。 |・発表を認める | | きたか | | |8 練習問題に取り組む。 | | | | | | | | ・点の座標を読み取る問題 |個別|・問題解決の速い生徒|・机間巡視 |・つまずきや疑問|・積極的に問題に| |40| ・点を座標に書く問題 | | に配慮し問題数を充 | | を持っている生 | 取り組んだか | |分| ・答えの確認 |一斉| 分多く用意する。 |・発表の援助 | 徒に援助する。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |9 評価テスト |一斉|・プリント配布 | | | | |終| |個別|・自力解決の場とする|・机間巡視 |・机間巡視 | | |結|10 次時の予告 |一斉|・次時への意欲を持た| | | | |5| ・線対称や点対称な点、及び | | せる。 | | | | |分| 座標のまとめ | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ 9 本時の評価 (1) グラフ上の点を読み取ったり、書いたりすることができたか。 (2) 自ら積極的に問題に取り組むことができたか。