印刷用紙:B4横 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):120   −−以下 指導案本文−−                     数学科学習指導案                             日時 平成8年 7月5日(金) 第5校時                             学級 3年生(男子2名、女子1名、計3名)                             授業者 教諭  新毛 郁子 1.単元名  第3章 2次方程式 (第2節 2次方程式の応用) 2.単元について    第2章「平方根」で、数の範囲が有理数から根号で表された数もふくむように拡張されたことに対応して   、1次方程式に続いて2次方程式を指導することになる。    1次方程式を解く場合は、等式の性質の適用でほぼ十分であった。しかし、2次方程式を解く方法はいろ   いろあるので、1つの問題を解くにもいろいろな解決方法があることを理解させるよい場面になっている。   たとえば、平方根の考えを用いて、x2=aからx=±√aを得ること、因数分解によって2つの1次方程   式に分解すること、平方完成とx+kを1つの値とみることによって、(x+k)2=aからx=−k±√a   を得ること、また、数係数の2次方程式と対比させて解の公式をつくり、すべての2次方程式を解くことが   できるということを理解させることなど、1次方程式を解く場合とは比較にならないほど、いろいろな考え   方や手法がふくまれている。また、1次方程式では解は1つであったが、2次方程式は一般には解を2つも   つことも新しい事実である。    2次方程式を学ぶことによって、具体的な問題解決への応用範囲が飛躍的にひろげられる。たとえば、面   積を扱ったり、三平方の定理を用いたりしようとすれば、2乗の項がでてくるし、2乗に比例や、積に比例   する例を扱おうとすれば、2次方程式が必要になる。変化の割合が一定な1次の世界にとどまらず、2次の   世界の問題解決の手段として2次方程式は欠かせない。また、方程式の解がすべて問題の答えであるとは限   らないことを知らせるのもこの場面が適切である。    今回学習する動点に関する問題は、「点が動いていく」ということだけで、構えてしまったり、「解けな   い」とあきらめてしまう傾向がある。問題の中で、どういう図形に着目すればよいのかをしっかり認識させ   、その図形の面積公式にあてはめる部分を文字あるいは数でおくことができれば、動点の問題はそれほど難   しいものではないということがわかるであろう。その際、忘れがちな面積公式についても再確認させたい。    また、2次方程式で図形に関する問題では、2つの解のうちどちらか題意に合う方を選ぶパタ−ンが多い   が、問題によっては、2つとも答として適する場合もあることを知ったうえで、解の吟味をさせるようにし   たい。 3.生徒について    授業に対して真面目に取り組み、問題を意欲的に解こうとする姿勢のみられる学年である。    第1節「2次方程式の解き方」で、いろいろな解決方法を用いて2次方程式の問題を解く学習を重ねてき   たが、ax2+bx+c=0の形から解の公式を導いていく場面では、特に興味をもって積極的に関わり、   公式についても、早く暗記しようとする意欲がみられた。計算においては、√内の数の変形を忘れたり、移   項の際の符号変えをしなかったりなどのケアレスミスをしがちなので、立式のあとは慎重に計算させたい。    授業ではよく学習シ−トを使用するが、せっかくシ−トに図が載っていても、書き込まずに頭の中だけで   やろうとするところがあるので、机間巡視で支援をしながら、必要な部分をできるだけ自力で書き込ませ、   「自分の力で解けた」という達成感を味わわせたい。 4.単元の目標(2次方程式の応用)   (1) 問題解決のために、2次方程式を用いることができる。   (2) 2次方程式の解が、そのまま問題の答として適するかどうかを調べて、正しい答を求めることができる     。 5.指導計画(2次方程式の応用 4時間計画)   (1) 問題解決のために2次方程式を用いること    ……1時間   (2) いろいろな問題例とその立式における考え方   ……2時間(本時2/2)   (3) 基本問題                   ……1時間                        数−1 6.本時の指導   (1) 本時の目標     ・動点の問題から、2次方程式を立式し、解くことができる。(技能・処理)     ・2次方程式の解の吟味ができる。(知識・理解) (2) 本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学習内容と生徒の活動 | 指導上の留意点 | 評価計画と方法 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |・同じ大きさの正方形の図をいくつか使い|・点の動く条件は、例3の問題と同じにし、P| | |つ|、2つの点を動かしてできる図形について|もQも同じ速さで動くことを意識させる。 | | | |考える。 |・3種類の図を、それぞれわりあててかかせる| | |か| |。 | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++ | | |・例3の問題を提示する。 |点を動かしてできる図形の問題について解いてみよう。| | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++ | |む|・例3の問題をよく読む。 | | | | | ◇聞いていることは何か。 | | | | | ◇わかっていることは何か。 | | | |10| ◆できる三角形の面積が3〓 |・発表させ、黒板で確認する。 | | |分| ◆1辺が6pの正方形 | | | | | ◆PとQが同じ速さで動く | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |調|・例3の問題について考える。 | | | |べ| ◇何をxとおくか。 ◆APの長さ|・図にできるだけ自力で書き込ませる。 |・意欲的に考え、図に書き込み| |る| ◇図の中に値を入れる。 |・机間巡視し、式ができない生徒には、 |をしていたか。 | | | ◇公式をもとに立式し、自分なりに解| ◎底辺→AP | (関心意欲態度) | |10| 決する。 | ◎高さ→AQ |・2次方程式を立式し、解く | |分| |であることに気づかせる。 |ことができたか。(技能処理)| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |・例3の問題について、自分の考えをもと|・公式をもとに、自分の考えや解き方を、全員|・自分の言葉で、解き方を発表| |発|に発表する。 |に発表させる。 |できたか。 (関心意欲態度)| |表| |・1人1人の発表の良さを認める。 | | |・|・解の吟味をする。 | | | |確| ◇xの範囲は0≦x≦6 |・解の吟味をしていない場合は、前時を想起さ|・解の吟味ができたか。 | |か| ◇√3=1.732として、3±√3 |せる。 | (知識理解) | |め| の値をつかむ。 |・問題によっては、2つの解がどちらも題意に| | |る| |合うこともありうることに気づかせる。 | | | |・類題を同様にして解く。 |・机間巡視し、解けない生徒には、 | | | | | ◎公式を用いて立式する | | |20| |解けた生徒には、 | | |分| | ◎解の吟味をする | | | | |ことを確認しながら支援する。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |ま・動点の問題の解き方についてまとめる。 | | | |と| @何をxとおくか決める。 | | | |め| A公式に代入し、立式する。 | | | |る| B2次方程式を解く。 | | | |5| C解の吟味をする。 | | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |ひ・学習したことをもとに考えをひろげる。 | | | |ろ| ◇図形の公式にはどんな種類があるか| | | |げ| 。               | | | |る| ◆三角形、台形、長方形、円など | | | | |・学習シ−トに本時の自己評価を書く。 | |・学習シ−トに、自己評価を書| |5| | |くことができたか。 | |分| | | (関心意欲態度) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+   (3) 本時の評価     ・2次方程式を立式し、解くことができたか。(技能・処理)     ・2次方程式の解の吟味ができたか。(知識・理解)                             数−2