印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):100   −−以下 指導案本文−−   選 択 数 学 科 学習指導案                              日時:平成8年10月23日(水)                              対象:3年 男子8名、女子3名 計11名                              場所:3年2組                              指導者:三浦 清志 1.コース名    「高校数学への道(数学パズル)」 2.題材名 円周の長さ 3.目標 (1)数的ゲームやパズルなど普段の授業では体験できないことを体験し、興味を持って学習を進めることが    できる。  (2)数や図形についての問題を通して、既習事項を応用し自分独自のアイディアを大切にしながら、試行錯    誤の中での発見やひらめいたときの喜びを味わうことができる。 (3)自分の解法を発表し合う中で、解法の良い点(アイディア)を見つけだし、その過程で問題のからくり    を理解し、他に応用しようとすることができる。 4.題材観 実物を測定せずに求めることがらに必要であると思われるものだけに捨象し、机上で計算し求める場面は実  際の生活の中にも多くある。そこに数学のよさの一つが存在している。また、一つの長さを求めるに当たって  もそれにアプローチする方法は多くあり、個々の解法のよさが存在する。  トイレットペーパーの長さを実測せずに計算で求めるには、様々な計算方法が考えられる。多くの生徒が既  習事項(円周の計算)を利用すると考えるが、数が多少複雑であることや、非常に多くの和を求めなければい  けないといったことが予想される。そのときに、いかに楽に計算するか、もう少し単純に考えられないかとい  ったアイディアが求められる。数が複雑であるならば文字の使用も考えられ、また、多くの和を求めるために  はガウスの計算方法(等差数列の和の公式)も考えられるであろう。   解法の一つとして面積から長さを考えていくという方法を紹介し、アプローチの方法の多様性を伝えるとと  もに、積を分けて考えるといった新しい見方にも触れさせることのできる教材であると考える。また、積分の  考え方により、教科書では円の中心角から求めていた扇形の面積を三角形の面積になおして考えるといったも  のも紹介していきたい。 5.生徒の実態  後期履修者数は11名であるが、選択教科を選んだ理由が「悩んで、解けたときの喜びが好き。」「難しい  問題にチャレンジするのがおもしろい。」「高校の数学にふれてみたい。」といった意欲ある生徒が多い。実  際に問題にあたる姿勢も真剣で途中であきらめることなく、最後まで解こうという意志が感じられる。また、  他の生徒が解き終わっても、自分の力で解こうという自力解決力が旺盛である。 6.指導観 実物の提示から、紙と鉛筆で計算し求めることができるよう問題を整理し、数値をそろえてから問題にあた  らせたい。それぞれの解法を考える時間を十分に与え、じっくり考えさせるよう自力解決での教師の指導はで  きるだけさけていきたい。自力解決が困難である生徒に関してはグループというかたちをとり、共同でアイデ  ィアを出し合いながら、計算を分担しながら解決するよう指示するなど、途中で投げ出さないよう援助してい  いきたい。   発表の場では各自の解法を説明し合う中で、他の解法を理解し、よさを素直に認めることを賞賛していきた  い。 7.指導計画・・・・・・・・(15時間)    第1次 オリエンテーション               ・・・・・・・・(1時間)    第2次 数学パズル ・「ボート」…1h 「人間と化け物」…1h・・・・・(2時間)    第3次 図形                     ・・・・・・・・・(2時間) ・「トイレットペーパーの長さは(思考)」     …1h       ・「トイレットペーパーの長さは(発表)」     …1h     ( 本時 )    第4次 虫食い   ・演習…1h ・問題作成…1h    ・・・・・・・・(2時間)    第5次 魔法陣                     ・・・・・・・・(1時間)    第6次 正多面体・準正多面体 ・「正多面体」…1h ・「準正多面体」…1h ・・・・・(2時間)    第7次 算数オリンピック               ・・・・・・・・・(1時間)    第8次 作図                     ・・・・・・・・・(1時間)    第9次 因数分解                   ・・・・・・・・・(1時間)    第10次 講座のまとめ                 ・・・・・・・・・(1時間) 8.本時の計画 (1)目標 (1)進んで解法を考え、わかりやすく発表しようとすることができる。  (2)解法の発表の中で、その解法のアイディアを理解しようとすることができる。 (2)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |過程| 教師の働きかけ | 生徒の活動 |時間| 指導上の留意点 | +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |とら|1.問題提示 |1.自分の課題を設定する。 | |・実測できない場合を考え| |える|・問題を提示し本時の学習| | | 机上での計算方法を考え| | | 課題を確認させる。 | | | えていく。 | | |+−−−−−−−−−−+| | |・問題を図に表し長さ等を| | || || | | 統一する。(紙板書) | | || || | | | | || 2cm || | | | | || || | | | | || 5.7cm || | | | | || 0.13cm|| | | | | |+−−−−−−−−−−+| | | | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+|10| | +−−++紙と鉛筆と頭脳でトイレットペーパーの長さを出そう。 ++−−+−−−−−−−−−−−−+ |考え|+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |る |2.自力解決 | | | | | |・解法を考えていく。 | | |・さまざまなアイディアか| | | | | | ら選んでいかせるように| | | | | | する。 | | | | | |・自力解決が困難な生徒に| | | | | | はグループでの解決も認| | | | | | める。 | | | | | | | | |3.発表の準備 |3.解法がよりわかりやすいように| |・発表のきまり | | | ・発表のきまりに沿って| 説明の準備を進める。 | | (1)解法の素晴らしい点を| | | 発表の準備を行う。 | | | 発表する。 | | | | | | (2)苦心した点を発表する| | | | |40| | +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |見つ|4.発表 |4.自分の解法を発表する。 | |・説明する際には、計算を| |ける| ・各自の解法の発表を全| *発表の流れ | | いうのではなく計算の考| | | 体の場でさせる。 | (1)挨拶 | | え方(立式)を中心に発| | | | (2)解法の説明 | | 表させる。 | | | | (3)質問・意見 | |・図を用いている場合には| | | | (4)挨拶 | | 説明の際に図を使いなが| | | | | | ら説明させる。 | | | | | |・解法の中のよい点を見つ| | | | | | けさせたい。 | | | | | |・質問や意見について、補| | | | | | 足説明し、よりはっきり| | | | |25| させる。 | +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |表す|5.実測 |5.分担された係で実測する。 | |・係はあらかじめ分担して| | | ・実際に長さを測る。 | | | おく。 | | | | | | | | |6.積分の考え方と誤差 |6.いろいろな計算方法があること| |・扇形の面積の考え方につ| | | ・積分の考え方を教師か| を知り、積分の考え方について知| | いても触れたい。 | | | ら提示する。 | る。 | | | | | ・実測と計算値では誤差| | | | | | があることを知らせる| | | | | | | |20| | +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ |まと|7.授業のまとめをする |7.今日学習したことについて、感| | | |める| | 想等をプリントにまとめる。 | 5 | | +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−+ (3)評価 (1)進んで解法を考えることができたか。  (2)他の解法のよさを見つけようとしていたか。