印刷用紙:B4縦 1ページの行数:78 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−           選  択  数 学 科 学 習 指 導 案                                 日時:平成8年10月23日(水)                                 対 象:3年 男子10名 女子9名 計19名                                 場 所:3年3組                                 指導者:佐野 理 1.コ−ス名 「グラムandグラフ」 2.題材名 図形の敷き詰め−−タングラム−−− 3.目標  (1)『統計グラフ』や『タングラム』に関心を持ち進んで学習を進めることができる。  (2)このコ−スの学習で培った学習意欲を必修教科にも生かすことができる。  (3)統計グラフのテ−マ設定から調査活動、制作活動を通し自分で課題を持ち解決することができる。  (4)調査結果や各種の統計資料をグラフにまとめることで、統計的な見方・考え方を身につけることができる。  (5)タングラムという形遊びを通して、既習の図形を発展的にとらえたり、図形の基本性質が表現・処理できる。  (6)図形の敷き詰め等の製作、操作の仕方が理解できる。 4.題材観    このコ−スは、数量関係領域の中からの『統計』と図形領域や数学的な考え方・見方を育てる観点から『タングラム』   という形遊びの2つを取り上げている。『統計』のねらいは、集団を構成している1つ1つのものの持つ性質を数量的   に表す資料から、集団としての特徴を調べたり分析したりすることである。生徒は小学校の3学年で資料を表やグラフ   に表すこと、4学年で、目的に応じて資料を集め分類整理し、特徴を見つけること、5学年で、さらに、円グラフや帯   グラフに表すこと、6学年では簡単な場合について資料の散らばりを調べること、そして中学校2学年で小学校で学習   した内容を基礎にして、資料を整理する方法として度数分布表、ヒストグラム、度数折れ線等について学んできている。   このコ−スではこれらの学習の発展として生徒一人ひとりが興味を持ったテ−マについて、観察した結果や各種の統計   資料を整理し、分かりやすいグラフ構成とほどよい配色で、効果的にまとめていくことになる。『タングラム』という   形遊びは、正方形を7つの部分に分けて、さまざまなおもしろい形を作るもので、1000年以上も前から伝わった中   国の遊びであると言われている。7つの小片の中にひそむ、動かす事のできない角度、辺の長さ、面積等の性質を充分   考えて、7つの図形を適所に配置していく作業は図形に対する見方を深めることができると考えている。また、正方形   の紙をある方法にしたがって切り分けるのを「分析」、そして7つの図形をつなぎ合わせてさまざまな形を作る事を   「総合」と考えれば、この学習は、図形に限らずどんな学問の研究にも当てはまる基本的な方法を学ぶ事にもなる。 5.生徒の実態    男子10名、女子9名合計19名の生徒が、このコ−スを希望してきた。希望理由を見ると「苦手だけれども好きに   なれそうだから」「タングラムはおもしろそうだから」「グラフを皆で協力して作ってみたい」「頭を使う事をやって   みたい」「前期の学習を見て自分もやってみようと思った」等前向きに考えている生徒がほとんどである。『タングラ   ム』にも意欲的に取り組んでいて、友達の発表も真剣に聞きその良さを自分に取り入れようという姿も見られるように   なってきた。タングラム、統計グラフはどちらも粘り強く操作したりまたは調査したりする活動があるが、やや集中力   に欠ける生徒が数名いるものの、多くの生徒は最後まで積極的に取り組む力があり、教え合い活動も充分に期待できる   集団である。 6.指導観    数学の苦手な生徒にも、『タングラム』や『統計グラフ』の学習を通して、「こんな数学もあるのか」という興味や   関心を喚起し、意欲を持って数学の学習に取り組める生徒を一人でも多くつくりたいという願いがある。数学嫌いの生   徒の多くは「数学は難しい、だからすぐあきらめてしまう」という思いを持っている。粘り強く最後まで頑張る気力に   欠けるのが一つの原因ではないだろうか。同じ形の組み合わせからさまざまな一つの形を作り出す操作(タングラム)   や調査・分析したものを一つのグラフに仕上げる作業(統計グラフ)はどちらも粘りと根気が必要である。このコ−ス   の学習を通して、生徒一人ひとりに「最後まで頑張る力」を身につけさせたり、「やればできる」という満足感や成就   感を感じとらせたいと思っている。その中で既習の図形の性質を発展的にとらえさせたり、集団の性質を調査・分析し   グラフ化することに喜びを感じ取らせていきたい。本時の指導にあたっては、一人ひとりの操作の時間を十分に保障し   たい。完成作品の発表にも「苦労したところ、つまずいた点、完成のポイント」等に着目させながら発表させたり聞か   せたりしたい。また、学習カ−ド・プリントを使って今日の学習をふりかえらせ次への意欲づけを図っていきたい。 7.指導計画・・・・・・・・・・(15時間) 第1次−−−−−−オリエンテ−ション、学習計画     ・・・・・・(1時間) 第2次−−−−−−タングラム ・・・・・・(8時間)             ・タングラムについて知る           ・・・・・・(1)             ・タングラム(正方形)に挑戦         ・・・・・・(2)             ・タングラム(三角形、長方形)に挑戦     ・・・・・・(4)本時(2/4)             ・発表会                   ・・・・・・(1) 第3次−−−−−−統計グラフ   ・・・・・・(6時間) 8.本時の計画 (1)目標    ・タングラムを通して角の大きさ、辺の長さ等の図形の構成要素や図形の面積等に興味を持ち、進んで問題を解決で     きる。    ・解法の仕方の発表を理解しようとし、次に生かそうとすることができる。 (2)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |過程| 教 師 の 働 き か け | 生 徒 の 活 動 |時間| 指 導 上 の 留 意 点| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.本時の学習内容と学習課題を|1.本時の学習内容と学習課題を| |・前時までの学習の成果と課題| | | とらえさせる。 | とらえる。 | |を紙板書で示し、今日の学習課| |と | ・今日の問題を提示する。 | | |題へとつなげたい。 | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+| |・一人ひとりに今日の学習課題| | | |問.次の図形を7枚の板を操作して完成しなさい。 || |を発表させることにより意欲づ| | | |@ A B C || |けを図る。 | |ら | | || | | | | | || | | | | | || | | | | | || | | |え | | || | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | ・リ−ダ−の指示のもと全員が| |・学習カ−ドを使って大きな声| | | | 今日の学習課題を発表する。| |で発表させたい。 | |る | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |・一人ひとりの学習課題をまと| | | |自分の課題を解決できるよう努力し、皆で今日の成果を確認| | |める形で提示したい。 | | | |しよう。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 8| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |2.タングラムに取り組ませる。|2.タングラムに取り組む。 | |・本時で取り組む問題の中から| | | ・『角の大きさ』『辺の長さ』| ・自力で。 | |自分の計画のもと自力で解決で| | | 『面積』に着目させる。 | ・グル−プで協力して。 | |きるよう支援したい。 | |考 | | | |・完成した生徒には学習プリン| | | | | |トを記入させ、解決の過程が見| |え | | | |えるような発表ができるよう援| | |3.完成した作品を把握する。 |3.完成した作品について報告す| |助したい。 | |る | ・机間巡視して把握すると共に| る。 | |・1つ解決したら2つ目3つ目| | | 生徒に報告もさせる。 | ・発表の準備をする。 | |と進められるように助言する。| | | ・発表の準備もさせる。 | | |・すべて解決した生徒には新た| | | | |22|な問題を与えたい。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |4.完成作品について全体の場で|4.完成作品について全体の場で| |・自分との共通点や相違点に着| |見 | 発表させる。 | 発表する。 | |目させながら聞かせたい。 | | | ・黒板のタングラムを使って説| ・黒板のタングラムを使って説| |・完成に至るまでに困った所や| |つ | 明させる。 | 明する。 | |悩んだ所、そしてそれを解決し| | | | | |たポイント等を発表の中心とし| |け | | | |たい。 | | | | | |・未完成の作品についても取り| |る | | | |上げたい。 | | | | |10| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |5.完成作品の解答をまとめさせ|5.完成作品の解答をまとめる。| |・学習プリントを使って今日の| | | る。 | ・リ−ダ−は今日の学習の様子| |成果をまとめさせる。 | |表 | ・リ−ダ−に今日の成果を発表| 等を簡単に発表する。 | | | | | させる。 | ・解答をまとめると共に、解答| | | |す | ・解答をまとめさせる。 | に至るまでのポイント等も自| | | | | | 分の言葉でまとめる。 | | | | | | | 5| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |ま |6.授業のまとめをさせる。 |6.授業のまとめをする。 | |・学習プリントに今日の学習を| | | ・本時を振り返って授業のまと| ・本時を振り返って授業のまと| |振り返って『頑張った事や良か| |と | めをさせる。 | めをする。 | |った事』『友達の良さ』『次頑| | | | ・発表する。 | |張る事』等をまとめさせたい。| |め | | | |・何人かの生徒に大きな声で発| | | | | |表させる。 | |る | | | 5| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価    ・タングラムを通して角の大きさ、辺の長さ等の図形の構成要素や図形の面積等に興味を持ち、進んで問題を解     決できたか。    ・解法の仕方の発表を理解しようとし、次に生かそうとすることができたか。