印刷用紙:B4縦 1ページの行数:72 1行の文字数(半角で):126   −−以下 指導案本文−−   数 学 科 学 習 指 導 案 日 時:平成8年10月23日(水) 2校時 場 所:1年C組 教室 学 級:1年C組(男17名、女14名、計31名) 授業者:教 諭   中 塚 昭 人 1 単元名    平 面 図 形 2 単元について 小学校では、第3学年から定規やコンパスを使って三角形や四角形などをかくことを扱い、第5学年では円をもとに多角形をかいた り図形の合同及び頂点・辺・角などの対応について理解すること、図形の形や大きさが決まる要素に着目することを学習している。ま た、第6学年では、相対性に着目して基本的な図形を考察することを学んでいる。これを受けて中学校においては、既習学習事項を記 号や文字を使って表すことで、表現の簡略化を図ったり、作図という操作活動の中で図形に対する興味や関心を引き出しながら、図を かく能力を伸ばしたりすることが大切となってくる。そして、図形に対する見方の幅を広げ、思考の広がりを求めることがねらいであ る。そこでは、受動的に手順を覚えるのではなく、作図について工夫したり与えられた条件を満たす図形を作図することで図形の概念 や性質についてさらに習熟させていきたい。また、図形の移動の学習を通して、図形の性質を見いだしたり、図形の見方をより確かな ものにしていきたい。   生徒は、日常の生活や様々な行事を通して学級のまとまりが見られてきた。算数に苦手意識を持っている生徒が女子に多く見られる が授業においては意欲的である。積極的に発表しようとする生徒も多く見られ、意見の交流が見られるが、理解までに時間がかかる生 徒もおり、全体として盛り上がるまでには至っていない、準備テストにおいては、並行や垂直についての理解はなされているが、線対 象については見通しを持てない生徒や、折り返した角度について理解が低い生徒や、対象の軸についての理解が曖昧な生徒などが見ら れ、十分に理解しているとは言えない。   そこで、数学の楽しさを持たせるために、具体物を用いての課題提示などを通して、学習課題に興味を持たせ、意欲的に授業に取り 組めるようにしたい。そして、自分たちの考えをしっかりと持ちながら、また、考えることのできない生徒は個別の援助や班学習を通 して全員が課題を解決できるようにしたい。このように学習を積み上げていく中で、平面図形についての理解を深め、また、見方を豊 かなものにしたい。 3 単元の目標  <関心・意欲・態度>   ・ 手順に従い、進んで作図を行おうとする。   ・ 作図のしかたを進んで考えようとする。  <数学的な考え方>   ・ 作図を問題に適用することができる。   ・ 作図の根拠について考えることができる。   ・ 3つの移動を組み合わせることにより、図形をどんな位置にも移動させることができる。  <数学的な表現・処理>   ・ 記号や文字を使い、事象を表すことができる。   ・ 垂線、垂直二等分線、角の二等分線を作図することができる。   ・ 図形を平行移動、回転移動、対象移動させることができる。  <数量・図形などについての知識・理解>   ・ 用語の意味が分かる。    ・ 作図の手順がわかる。   ・ 平行移動、回転移動、対称移動の意味が分かる。 4 指導計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 13時間  (1) 直線と角 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間  (2) 円と弧と式の値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間  (3) 垂線の作図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間  (4) 垂直二等分線 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間  (5) 角の二等分線 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間(本時1時間目)  (6) 練習問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間  (7) 図形の移動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間  (8) 章の問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 5 本時の指導  (1) 観点別目標   <関心・意欲・態度>    ・ 角の二等分線の作図の仕方を進んで考えようとする。   <数学的な考え方>    ・ 角の二等分線の作図の根拠について考えることができる。   <数学的な表現・処理>    ・ 角の二等分線を作図することができる。   <数量・図形などについての知識・理解>    ・ 角の二等分線の作図の手順がわかる。  (2) 思考力・判断力・表現力を高めるために    角の二等分線を作図するという未履修の課題を既習事項を利用しながら一人ひとりが作図をし、また、作図の根拠に目を向けるこ とにより、思考を深めさせたい。そのために、導入で紙を折ったりする操作活動を取り入れたり、考えることのできない生徒には、 班学習で思考のきっかけづくりを行ったりすることで、十分に思考を深められるようにしていきたい。そして、それぞれの考えを発 表することで表現力の向上を図るとともに、それぞれの考えを自分でもう一度思考し、判断することでよりよい考えを選択していけ るように導いていきたい。また、この思考・判断・表現という活動を繰り返すことで、さらに思考力・判断力・表現力を高めていき たい。     (3) 展 開 ★・・・思考力  ●・・・判断力  ■・・・表現力 を主として育成したい場面 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |段 階| 学 習 内 容 と 生 徒 の 活 動 | 教 師 の 働 き か け 備 考 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |1 プリントに印刷された角の大きさをニ等分|・ 作図をすることではなく、角を半分にする | | | する。その方法を発表する。 | ことを考えられるように発問する。     プリント | | | ・ 折って線をつける。 ・ 自分の考えを持てない生徒には、重ね合わ | | | ・ 分度器ではかる。 | せることを示唆する。    学習プリント | | | ・ 半分にしたときに用いた方法、用具を確認 |導| |  | する。 | | |  |・ 折ったときに重なるところや、角などにつ | |課| | いて触れる。 | | | | |入| |2 黒板にかいた角を二等分する方法を考える|・ 角の二等分線という用語の確認をする。 | 題 |  |・ 黒板にかいた角を二等分する方法から、折 | | |  | ることでもなく、分度器を使うことでもない | | |  | 方法について考えさせる。 | 把 |  | | | 3 学習課題を設定し、それを把握する。  |・ 作図するという言葉を生徒から引き出す。 | | |  |・ 生徒の発言をもとに、学習課題の設定へつ | 握 |  | なげる。 |10| |  |・ 作図という言葉が出ないときには、コンパ | | | | スや分度器を使うことから、作図という言葉 |分| |  | を導く。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 学習課題   | | | | | 角の二等分線の作図をしてみよう。  | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |4 角の二等分線の作図をする。 ★ ● | | | (1) (2) ・ 個人による考えをしっかりと持たせるよう | | | | に、個別に援助をする。     班学習 | | | (手書きの図のため表記できず) ・ 作図が進んでいる生徒には、その手順を文 | | | | 章で表すように伝える。 | 課 |  |・ 作図が進まない生徒には、折り曲げること | | | (3) (4)  | から、同じ長さに着目させ、コンパスの利用 | | |  | に導く。 | 題 | (手書きの図のため表記できず)  |・ グループ学習により、それぞれに考えを持 |展| | | たせるなど、話し合い活動を活性化するよう | | | | にする。 | |追| ・ グループの中でのまとまった考えを発表で | | | | きるように準備する。 | | | | | |求|5 角の二等分線を作図したものを発表し合う|■ OHP |開| | ・ 班の考えを参考にして、自分の考えを発表 | ・ |   | する。 | | |  |・ 一つに絞るのではなく、たくさんの考えを | 課 |  | 引き出す。 | | |  | | | 6 5の発表をもとに、それぞれの考えへの意 ★ ● ■ | 題 | 見を発表する。 |・ 意見の交流の中で、それぞれの考えを吟味 | | |   | し、一つの考えを引き出す。 | | |   |・ 作図の簡潔さ、正確さをもとに、考えを絞 | 解 |   | れるように導く。 | | |   |・ 生徒の意見を中心に進める。 |35| |   | |分|決|7 6でまとまった考えを、手順を確認しなが|・ 生徒の発言を引き出し、手順をまとめる。 | | | らまとめる。 ・ まとめられる言葉は、簡潔な言葉でまとめ | | | | ながら進める。 | | | ・ 作図と手順がきちんと関連づけられるよう | | | | にする。 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | 8 本時の評価をつけ、わかったことをまとめ ・ 既習事項や課題に関連づけたまとめを書け |終| | る。   | るように援助する。 |結| |   | |5| 9 学習の意欲をもって、次時の予告を聞く。 ・ 角の二等分線を利用しての学習を行うこと |分| |   | を伝える。 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 6 単元の指導計画と目標分析表 +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− |内 容 時間  関 心・意 欲・態 度 | 数 学 的 な 考 え 方 | 表 現・処 理    知 識・理 解 +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | |・ 与えられた設計図を丁寧| ・ 直線、線分、半直線を区 ・ 2定点の距離の意味を知 | | | | にかこうとする。 |   | 別したり、文字を使ったり る。 | 直 | | |   | して正しく表すことができ | 線 2 | | | る。 | と |+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | |式| ・ 記号や文字を用いていろ ・ 記号や文字を使うことの ・ 三角形、角、二直線の平 ・ 角、平行線、垂線の意味 | | | | いろな表現をしようとする| よさに気づくことができる| 行、垂直を記号や文字を使 を知る。 | | | | |  | って表すことができる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | | ・ 円の特性について調べよ ・ 二つの円の対称性から、 ・ 円、孤を記号や文字を使 ・ 円、孤、弦の意味とその |平|円| | うとする。   | わかることがらについて考| って表すことができる。 表し方を知る。 | | | |  | えることができる。 | ・ 円の対称性、交わる円の | |と|1| |  | 対称性について知る。 | | | |  | | ・ 2つの円の交点を結ぶ直 | |弧| |  | | 線と対称軸との間にある性 | | | | |  | 質をわかる。 |面+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | |・ 手順に従い、進んで垂線|・ 垂線の作図の根拠につい|・ 垂線の作図をすることが ・ 作図の意味がわかる。 | |垂| | の垂直二等分線の作図を行 | て考えることができる。  | できる。 ・ 垂線の作図の手順がわか | |線| | おうとする。   | | る。 | |の|2| +−−−−−−−−−−−−−+ | |作| |  |・ 垂線の作図を問題に適用| ・ 点と直線の距離の意味が |図|図| |  | することができる。 | わかる。 | | | | |  | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | |・ 手順に従い、進んで線分|・ 線分の垂直に等分線の作|・ 文字に数値を代入し、式 ・ 線分の垂直二等分線の意 | |垂| | の垂直に等分線の作図を行 | 図の根拠について考えるこ | の値を求めることができる 味を知る。 | |直| | おうとする。  | とができる。 | ・ 線分の垂直二等分線の作 |形|二| |   | | 図の手順がわかる。 | 等 2| +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | 分 | | ・ 線分の垂直に等分線の作 ・ 線分の垂直二等分線の作 | 線 | | | 図を問題に適用することが | 図をすることができる。 | |   | | できる。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | 角 | |・ 角の二等分線の作図の仕|・ 角の二等分線の作図の根|・ 角の二等分線の作図をす ・ 角の二等分線の作図の手 | の | | 方を進んで考えようとする| 拠について考えることがで| ることができる。 順がわかる。 | 二 | | (本時)| きる。 (本時)| (本時) (本時) | 等 2 +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | 分 | |・ 手順に従い、進んで角の|・ 角の二等分線の作図を問|   ・ 角の二等分線場の点と、 | 線 | | 二等分線の作図を行おうと| 題に適用することができる|   角を作る2辺までの距離の | | | | する  | | |  関係がわかる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |1| 練 習 問 題 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | | |・ 進んで図形の作図を行お| |   ・ 図形の移動の意味を理解 | | | | うとする。 |   |   できる。 | 図 | | |  |  ・ 平行移動、回転移動、対 | 形 | | |   |  称移動の意味を知る。 | の | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | 移 | | ・ 三つの移動を組み合わせ ・ 図形を平行移動、回転移 | 動 | | | ることにより、図形をどん | 動、対称移動させることが | | | |   | な位置にも移動させること| できる。 | | | |   | に気づく。 | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−