中学校　１年　社会（アメリカ合衆国とカナダ）　指導案　城西中学校 用紙は Ａ４ 縦　 １行 100字（半角） １ページ 35行に設定してください。 第１学年社会科学習指導案 指導者 盛岡市立城西中学校 教諭 三松 佳樹 １，単元名 アメリカ合衆国とカナダ ２，単元について @ 本単元の学習で取り扱うアメリカ合衆国は、前単元で学習したソ連と共に重要な内容である。 両国ともに、世界の各国に与える影響は大きく、世界の情勢にとって、これらの国を除いては考 えることはできない。アメリカ合衆国は世界最大の経済的大国であり資本主義体制の国々のリー ダーとして、しばしば社会主義国と緊張を生み出してきた。戦後、アメリカ合衆国に占領されて きた我が国は、経済体制、教育制度、生活様式、文化などの面で大きな影響を受けてきた。今日 アメリカ合衆国は、巨額な財政赤字、対日貿易赤字などと、日本との関係で多くの問題をかかえ ている。しかし、我が国の諸問題を克服していくうえでも、アメリカ合衆国の国家の形勢や巨大 な生産力とその拝啓、住民の構成や生活について学ばなければなら無い。カナダも又アメリカ合 衆国同様、ヨーロッパ人によって形成された先進国であり、太平洋に面する国として、近年我が 国との関係が深くなっている。今後、日本の地理を学習していくうえでも、アメリカ合衆国につ いての理解は大切である。 A アメリカの開発の歴史は新しく、農業では当初から大農法によって商業的農業に適する土台が あった。そして必然的に各地域では最も有利な作物を選ぶことになり、農牧業は高度に資本主義 化され、適地適作がとられ、農業地域の分化が明瞭であることが、アメリカ農法の大きな特徴と なっている。作物の種類は市場販売を目標に選択され、より多くの利潤をあげるために大規模経 営の機械化農法がとられている。その産出量の多さから世界の食料庫の役割を果たしている。 またアメリカは、各種の地下資源が豊かであり、とくに石炭・鉄・石油に恵まれていることは 近代工業発達の原動力となった。アメリカ合衆国の工業は、大資本、大量生産、合理主義という 近代工業経営がその特徴である。第２次世界大戦後は、工業原料が得やすく、原料輸入にも便利 な沿岸地域に形成されている。カナダは地下資源の多くを合衆国・日本・ＥＣ諸国へ輸出してい たが、近年では国内の地下資源を利用して工業の発展につとめている。 アメリカ合衆国には、多様な民族が住み、それぞれ伝統を保ちながら、合衆国の構成員として 生活している。地域によっては、インデアン、ニグロ（黒人）、プエルトルコ、ユダヤ人などの 人種的問題が起こっている。合衆国の黒人の８０％は都市に住み、しかも一定地域に集中してい る。なかでもニューヨークは合衆国の中で各種の都市問題や、複雑な人種問題をかかえている。 都心のマンハッタン区においては、白人の中流階級は郊外に住居を移し、都市には黒人をはじめ 多様な民族が住み、都市の環境が悪化している。この問題はアメリカ合衆国として克服していか なければならない問題である。 以上、アメリカの農業、鉱工業、都市、人種問題を重点として本単元の学習をする。 B 生徒は、本単元について関心があり、断片的ではあっても他の地域に比較して多くの知識を持 っている。地理的分野の学習に興味関心を持ち、授業にもよく参加するが、思考は表面的で深み がない。資料の読み方も浅いので、適切な資料を提示し、よく読み思考の確かな考えが発表でき るよう指導していきたい。 ３，単元目標 @ アメリカ合衆国、カナダの自然の分布を把握させ、ヨーロッパ人の植民・開拓によって変化下 ことを理解させる。 A アメリカの農業の特色について適地適作、資本主義経営、輸出対策などを理解させる。 B アメリカ合衆国の工業地帯の成り立ちを把握させ、さらに諸外国との関係において、世界の経 済に大きな影響力があることに気づかせる。 C アメリカ合衆国の大都市の実状を知り、都市問題の背景を考察させ、その対策をとらえさせる ４，指導計画 +-----+---+--------+-------------------+--------------------------------+---------+ | ﾃｰﾏ 時間 学習内容| ね ら い | 展開の概要とその意図 | 資 料 | +-----+---+--------+-------------------+--------------------------------+---------+ | ｱ | | ･地形 | ・自然の分布をとら| ・地図をもとにしながら、地形・気候| ･ｱﾒﾘｶの領土| | ﾒ | | ･気候 | えさせる。 | を読み取る。 | 拡大 | | ﾘ 自| | ･合衆国 | ・ヨーロッパ人の植| ・資料・年表によって、ヨーロッパと| ･ｱﾒﾘｶの人口| | ｶ 然| １| のあゆみ 民、開拓によって変| アメリカのかかわりについて考えさせ| と黒人の割合 | | のと| | | 化したことを理解さ| る。 | | | 人| | | せる。 | ・複雑な人種と民族の実態を知り、人| | | 々| | | | 種の問題について考えさせる。 | | +-----+---+---------+-------------------+-----------------------------------+---------+ | 巨 | | ･ﾆｭｰﾖｰｸ | ・ニューヨークの都| ・ニューヨークのドーナツ現象から都| ゜ﾆｭｰﾖｰｸの | | 大 | | と都市問 　市問題をとらえさ| 市問題の実態について考えさせる。| ･犯罪率 | | | | 題 | せる。 | ・都市問題の一つに人種問題があるこ| ･失業率 など | | 都の| １| ･ﾒｶﾞﾛﾎﾟﾘｽ ・都市問題の背景に| とをとらえさせる。 | ゜ﾆｭｰﾖｰｸに | | | | | ついて考える | ・都市問題の解決への努力についてわ| ついての | | 市問| | ･ｱﾒﾘｶの人 ・都市問題の一つに| からせる。 | ･VTR | | | | | 人種問題があるこ| | | | 題| | 種問題 | とに気づかせる。| | | +-----+---+--------+-------------------+-----------------------------------+---------+ | 合 | | ･合衆国の ・工業地帯の特色を| ・五大湖周辺に重化学工業の発達して| ･鉱産物生産量 | | 衆 | | 鉱山源 | 　とらえさせる。 | いる理由をさぐり、アメリカの工業の| ･世界の大会社 | | 国鉱| １| ･主な工業 ・アメリカ工業の巨| 成立についてとらえさせる。 | | | の工| | ･工業の特 　大な理由について| ・アメリカ工業の活力を考えさせ、自| | | 業| | | 　考えさせる。 | 由競争があることをわからせる。 | | +-----+---+--------+-------------------+-----------------------------------+---------+ | 合 | | ･農牧業の ・農業地帯の特色に| ・農業地帯の地図をもとに、特色ある| ･農用機械数 | | 衆 | | ･農業地帯 ついて適地適作の面| 農業地帯の成立について考えさせる。| ･農産物輸出の割| | 国 | １| ･農業の問 から考えさせる。 | ・企業的大農場の多いことを知り、ア| 合 | | の農| | | ・農業経営、輸出対| メリカ農業経営の特色をとらえさせる| | | 牧| | | 策の特色をとらえさ| | | | 業| | | せる。 | | | +-----+---+---------+-------------------+-----------------------------------+---------+ ５，本時の指導 @ ねらい ・ニューヨークを中心に、巨大な都市の深刻な都市問題を理解させる。 ・資料をもとに都市問題の背景について考察させ、その対策をとらえさせる。 ・都市問題の一つに人種問題があることに気づかせる。 A 展 開 +-----+------------------------+-----+-------------------------------------+---------+ | 段階| 学習内容と活動 | 時間| 指導上の留意点 | 資 料 | +-----+------------------------+-----+-------------------------------------+---------+ | | １，ニューヨークのあらま| | ゜資料によって、ニューヨーク市をとら | ゜ﾆｭｰﾖｰｸに | | | しを知り、本時の学習課| | えさせる。 | ついての | | | 題についての話しあいを| | ゜ニューヨーク市の機能について生徒の | ･ｽﾗｲﾄﾞ | | 課 | する。 | | 発表に補説して理解を助けたい。 | ･VTR | | | ・ニューヨークの都市機| | ゜グループで考えさせる。 | ･地図 | | 題 | 能 | | | | | | ・ニューヨークの実態を| | | | | の | もとに学習課題を考え| | | | | | る。 | 10分| | | | 把 | +--------------------+ | | | | | | | 白人は、なぜ通勤に不| | | | | | 握 | | 便な郊外に住むのだろ| | | | | | | | う | | | ゜予測として考えられるのは | | | | +--------------------+ | | ・都市公害のためでは | | | | | | ・犯罪が多いからでは | | | | ２，課題をもとにグループ| | ・郊外は地価が安いからでは | | | | で話し合い予測して発表| | ・黒人との問題があるからでは | | | | する。 | | などが提示されるであろう。 | ゜統計 | | | | | | ･犯罪率 | | 課 | ３，資料をもとにして、ニ| | | ･失業率 | | | ューヨークの実態につい| | ゜資料をもとにして事実をとらえさせる | ･黒人の人口移動| | 題 | て調べ話し合う。 | | ようにする。 | | | | ・公害 ・治安 | | ゜わが国の都市問題とも比較して考えさ| | | の | ・失業 ・人種問題 | | せるようにする。 | | | | ・人口のドーナツ化現象| | | | | 追 | | | | | | | ４，ニューヨークの都市問| | | | | 求 | 題についの対策を考え話| | ゜問題が多いが、アメリカ国民が改善に | ゜図･写真 | | | し合いをする。 | | 努力していることもわからせたい。 | ･ﾊｲｳｪｲ | | | ・都市の再開発 | | | ･人種共学 | | | ・市街地の公共住宅化 | | | ゜統計 | | | ・交通機関の改善 | | | ･貧困ﾗｲﾝ以下| | | ・治安の回復 | 25分| | の黒人の推移| | | | | | | | ま | ５，ニューヨークを含むメ| | | | | | ガロポリスについて話を| | ゜資料をもとにできるだけ具体的にとら | ゜地図 | | と | 聞く。 | | えさせる。 | ･ﾒｶﾞﾛﾎﾟﾘｽ | | | ・メガロポリス（巨帯都| | ゜日本の巨帯都市地域についてもふれる | ･日本の巨帯都市| | め | 市地帯） | | | 地帯 | | | ・面積 約１４万ｋｍ2 | | | | | | ・人口 約３７００万人| ５分| | | | | | | | | | 発 | ６，ニューヨークの都市問| | ゜ニューヨークの都市問題で、人種問題 | ゜統計 | | | 題と東京の問題を比べ、| | は大きなことがらであり、今後とも改善 | ･人口構成比 | | 展 | 大きく違う点について話| | されなければならない課題であるのでそ | ･人種についての| | | し合う。 | | のことに気づかせるようにしたい。 | 白人･黒人の考| | | ・人種問題の困難さ | 10分| | え | +-----+-------------------------+-----+-------------------------------------+---------+