中学校2年 社会(中国・四国地方) 指導案 上田中学校 用紙は B4 縦  1行 102字(半角) 1ページ 63行に設定してください。         社 会 科 学 習 指 導 案                                                                          指導者  阿 部 聖 朗                                           1 日 時  平成元年7月7日(金) 第1校時                                                         2 学 級  2年2組 男子22名 女子20名 北校舎3階視聴覚室                                               3 主 題  「中国・四国地方」                                                                4 主題について                                                                          中国・四国地方は、大陸文化の取り入れ口であった北九州の東に位置し、また、長  い間日本の都があり、政治・経済・文化の中心地として発達し、現在は西日本の中心  地である近畿地方の西に位置している。中国・四国地方は、これら2つの先進地域の  中間に位置しており、特に、西から東へ文化が東進する際の通り道として、大切な役  割を果たしてきた。しかし、以前は「廊下性」が強調され、どちらかというと京阪神  や北九州に対して、脇役的な存在としてとらえられてきている傾向にあった。そこで  本単元では、「石炭から石油」へというエネルギー資源の転換が始まってから、石油  化学コンビナートの建設場所としての瀬戸内沿岸が注目されはじめ、「工業運河」と  しての機能が高まったことを中心に据えて展開し、中国・四国地方の概観とそれぞれ  の地域で生活している人々のようすをうきぼりにできる学習を試みたい。        このような視点にたって、この地方の人々の生活や特色を理解させるために、自然  条件の違いをとりあげ、およそ3つの地域に区分し次のような教材構成を考えた。    北が山陰地方と中国山地の生活で鳥取平野・出雲平野をとりあげ、いずれも米づく  りの努力をしてきたこと、砂丘の緑地化のようすに着目させる。山間地では牧牛のよ  うすと、過疎現象のようすに着目させ、その地域的な要因に気付かせたい。       中央が瀬戸内地方で中国・四国地方全人口の約4分の3が集中していることの理由  を追求させたい。次に、近代工業のようすで、かっては原料立地であり、地場産業的  であったものが高度経済成長に伴い、新しい工業地域づくりが進み、そうした中で石  油コンビナートづくりを軸にして、この地域の工業化が進んでいったこと。この工業  化に伴って瀬戸内海の汚染が進み、水産業に大きな影響を与えていること。農業では  狭い耕地や水不足とたたかいながら進められた多角化・集約化。米づくりの努力では  児島湾の干拓、水不足対策として讃岐平野のため池、香川用水を中心にとりあげる。  米がつくれないところではそれに代わる工夫として、愛媛のみかん、岡山のぶどう・  ももがあり、特産品となったものも少なくないことを指摘させたい。          南は四国山地と南四国地方で南国に位置するという有利な自然条件を生かした商業  的農業のようすを理解させたい。高知平野の米の二期作をとりあげ、労力や肥料投下  のわりには収益があがらず、次第にもうかる作物としての野菜づくりが行われるよう  になってきたこと、園芸農業を支える諸条件に着目させるとともに促成栽培における  競合・連作障害・ハウス病等の多くの問題をかかえながらも、そこにひたすら努力し  ている人々のようすに気付かせたい。                        生徒は、小学校5年生でこの中国・四国地方を学習してきている。しかし、個々の  用語としては覚えているが、3つの地域がそれぞれにもっている地域性は理解してい  ない。上記の視点に立って、この地方の概観、人々の生活の工夫を理解させたい。                                          5 指導計画                                                                           (1)瀬戸内海・・・・・・1時間 (4)中国山地と山陰・・・・・・・・1時間  (2)倉敷市水島工業地域・1時間 (5)南四国の輸送園芸農業・1時間(本時)  (3)平和都市、広島・・・1時間 (6)中国・四国地方- 大きく-・--・・1時間                                         6 本時の達成目標                                                                        (1) 南四国における野菜の促成栽培が発達した理由を、自然的条件と社会的条件     の二つの面から説明できる。                        (2) 野菜栽培の発達した理由を大消費地における需要の増大や販売上のくふうと     関連づけて説明できる。                         7 本時の展開                                             +---+---+---+---------------------------+----------------------------------------+------------+ | 段| 過| 時|               |   個 人 差 に 対 す る 配 慮  |       | |  |  |  |   学  習  活  動  +-------------------+--------------------+ 資料・教具等| | 階| 程| 間|               |  評価の視点・方法 |  留 意 事 項  |       | +---+---+---+---------------------------+-------------------+--------------------+------------+ |  | 経|  | 1 高知平野の位置と自然的条| 1         | 1 気候条件と日照時| 掛地図   | |  | 験|  |  件を指摘できる。     |  --------------- |  間を具体的にとらえ| 地図帳   | |  | の|  |               |   高知平野の位置 |  させる。     | OHP   | |  | 再|  | 2 高知県の土地利用状況から|  気候の特色を指摘 | 2 農用地面積は全国| 学習シート | | 導| 認|  |  農用地がきわめて少ないこと|  できたか。    |  最下位であることを|       | |  | 識|  |  を指摘できる。      |  --------------- |  補説する。    |       | |  |  |  | 3 米の生産の推移から、本時| (指名発表B.I) |           | OHP   | |  |  |  |  学習課題を設定できる。  |           |           |       | |  | 課|  |  ---------------------- |           |           |       | |  |  |  |   米の10aあたりの収穫 |           |           |       | |  | 題|  |  量が増えてきたのに作付面 |           |           |       | |  |  |  |  積が減っているのはどうし |           |           |       | |  |  |  |  てか。          |           |           |       | |  |  |  |  ---------------------- |           |           |       | | 入| 仮|  | 4 課題に対する予想を発表す|           | 4 社会的条件にも目|       | |  | 説| 15|  ることができる。     |           |  を向けさせるように|       | |  | の|  |  ・米を作らず、野菜を作る。|           |  配慮する。    |       | |  | 設|  |  ・二期作では土地がやせて労|           |           |       | |  | 定| 分|   力の利益ない。・食生活の|           |           |       | |  |  |  |   変化。・農業をやめる。 |           |           |       | +-・+-・+-・+-・・・・・・・・・・・・・・+           |           |       | |  |  |  | 5 米と野菜の作付面積、生産|           |           | OHP   | |  | 事|  |  額、生産量の比較から、野菜|           |           | 地図帳   | |  |  |  |  栽培がさかんであることを指|           |           | 学習シート | |  | 実|  |  摘できる。        |           |           | 資料集   | |  |  |  | 6 野菜の中でもきゅうり、な| 8         | 6 食生活の変化にも| 資料集   | | 展| の|  |  す、ピーマンの生産(西洋野|  --------------- |  気づかせたい。  |       | |  |  |  |  菜)が多いことを指摘できる|   野菜の促成栽培 |           |       | |  | 追|  | 7 海岸地域にビニルハウス栽|  であることを指摘 | 7 水の補給の苦労を| 絵・写真  | |  |  |  |  培をしていることを指摘でき|  できたか。    |  補説する。    |       | |  | 求|  |  る。           |  --------------- |           |       | |  |  |  | 8 東京市場における、なす、| (指名発表B.I) |           |       | |  |  |  |  ピーマン、きゅうりの月別入| 9         | 8 ビニルハウスでの| OHP   | |  |  |  |  荷量から、野菜の促成栽培を|  --------------- |  促成栽培と露地栽培| 教科書   | |  |  |  |  していることを指摘できる。|   輸送園芸農業で |  での抑制栽培をしっ|       | |  |  |  | 9 農業協同組合が中心となっ|  あることを指摘で |  かりとらえさせる。|       | |  | 検|  |  て輸送方法、出荷調整等販売|  きたか。     | 9 輸送費は高くつく| OHP   | |  |  |  |  上の工夫をおこなっているこ|  --------------- |  が、出荷時期をずら| 学習シート | |  |  |  |  とを説明できる。     | (指名発表B.I) |  すと高い値段で売れ|       | | 開|  |  |               |           |  ることを理解させる|       | |  | 証| 25| 10 輸送園芸農業に係る問題点| 10         | 10 大消費地での産地| 学習シート | |  |  |  |  を資料より説明できる。  |  --------------- |  間競争が年々激しく| 教科書   | |  |  |  |  ・ハウス病・重油、ビニル、|   資料より、問題 |  なっていること、特|       | |  |  | 分|  鉄材代・連作障害・産地間競|  点を指摘できたか。|  に大消費地近辺がで|       | |  |  |  |  争            |  --------------- |  てきていることに気|       | +-・+-・+-・+-・・・・・・・・・・・・・・+ (指名発表A.I) |  づかせたい。   |       | |  |  | 認| 11 南四国の農業の特色は、暖|           |           |       | |  |  | 識|  かな自然条件を利用した野菜|           |           |       | | 終|  | の|  の促成栽培と農業協同組合が|           |           |       | |  |  | 統|  中心となっての販売上の工夫|           |           |       | |  |  | 合|  を生かしていることを説明で|           |           |       | |  | 10|  |  きる。          |           |           |       | |  |  | 課|               |           |           |       | | 末|  | 題| 12 次時予告        |           |           | 道しるべP14| |  | 分| 把|               |           |           | の(1)〜(| |  |  | 握|               |           |           | 10)   | +---+---+---+---------------------------+-------------------+--------------------+------------+