印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):120         社  会  科  学  習  指  導  案                                          指導者 作山 雅宏           1 日 時  平成3年7月5日(金)1校時                              2 学 級  2年6組 男子20名、女子18名  南校舎3階 3 主 題  「中国・四国地方」                                   4 主題について                                            中国・四国地方は、古くから歴史上の舞台となった九州地方と近畿地方の中間に位置し ており、「海の廊下」としての役割を果たしてきた。そして、現在でもその果たす役割は いささかも減じていないばかりか、最近はさらに独自の発展と変容を遂げている。   本来中国地方は、中国山地によって山陰と山陽に区分される。また四国地方は、四国山 地によって北四国地方と南四国地方に区分される。しかし、その地質学的な類似性、気候 条件などから北四国地方と山陽をまとめて瀬戸内地方として区分するのが一般的である。  したがって本主題では、山陰地方、瀬戸内地方、南四国地方の3つに区分し、その地域 性を概観し、把握させていくこととする。  そのために、各地域の地域性を特徴づけているものとして、山陰地方では、中国山地の 過疎化、海岸砂丘の開発、中国自動車道、瀬戸内地方では、瀬戸内海の自然とその役割、 水島工業地域、原爆都市広島の復興、南四国では温暖な気候を利用した輸送園芸農業を取 り上げる。その際水島工業地域では、北九州工業地帯での学習を生かして、発達してきた 理由と現状の分布、問題点を取り上げ、日本の工業が発達している地域共通の問題にも目 を向けさせたい。南四国の輸送園芸農業では、耕地率の最も低い高知県が、温暖な気候を 利用して土地生産性を高める努力をしていることを宮崎平野の促成栽培の学習を想起させ ながら理解させていきたい。  生徒は、生活経験から中国四国地方に対して断片的な知識を持っている。しかし、興味 関心があるというほど高まっておらず、遠い地域という印象が強い。そこで、位置関係、 県名、自然条件などを1時間設定し、イメージ化を図るとともに、具体的な資料を用いて 授業を展開していきたい。本学級は、達成度の差が大きく、興味関心の差も大きい学級で あるので、できるだけ興味・関心を高める資料を準備して授業を構成していきたい。                                            5 指導計画                                    1) 中国・四国地方の自然と人々‥‥1時間 4) 平和都市 広島 ‥‥‥‥‥1時間  2) 瀬戸内海   ‥‥‥‥‥‥‥‥1時間 5) 中国山地と山陰 ‥‥‥‥‥1時間  3) 倉敷市水島工業地域 ‥‥‥‥‥1時間 6) 南四国の輸送園芸農業‥‥‥1時間                                      (本時) 6 本時の達成目標                                 1) 南四国の農業収入が高いのは、温暖な気候を利用してハウスで野菜を作り消費地に   時期をずらして出荷(輸送園芸農業)しているからであることが説明できる。     2) 輸送園芸農業での問題点は、産地間競争や労働のきつさ、経費の高さ、連作障害に   あることを指摘でき、それに対する工夫を推論できる。                        7 本時の展開                                                       〈個に配慮する視点〉〈A〉達成度   〈B〉学習速度  〈C〉取り組み方(意欲・態度)  〈D〉見方・考え方                 〈E〉興味・関心 〈F〉生活経験       〈S〉学習形態                    +---+---+---+-------------------------+----------------------------------------------------------+------------+ | 段| 過| 時|              |    個  人  差  に  対  す  る  配  慮   |       | |  |  |  |  学  習  活  動  +-----------------------+-----------------------------------+ 資料・教具等| | 階| 程| 間|              | 評価の観点・方法   |   配   慮   事   項   |       | +---+---+---+-------------------------+-----------------------+-----------------------------------+------------+ |  | 経|  | 1 南四国に属する県を発表| 1------------------+ | 1〈A〉本時学習の前提となるものなの| ・ TP  | |  | 験|  |  し、高知平野の名称と気候| |  高知平野の名称と気| | で Pの生徒に再度指名して確認する。|       | |  | の|  |  区分、沿岸を流れる海流名| | 候区分、沿岸を流れる| |                   |       | | 導| 再|  |  を指摘する。      | | 海流名を指摘できたか| |                   |       | | | 認|  | 2 高知平野で盛んな農業が| +-------------------+ | 2〈D〉高知平野の農業は何が盛んかを| ・ TP  | |  | 識|  |  何かを予想しながら、資料|  一斉発言のあとにPレベ|  自由に予想させる。        | ・ 実物投影| |  |  |  |  から課題を設定する。  | ルの生徒に再度指名   | ・ 気候が温暖で平野であるから米  |  器    | |  | 課|  | +---------------------+ |             | ・ 生活経験や既有の知識から野菜  |       | |  | 題|  | |  1戸当たりの耕地面積| |             |                   |       | | 入| ・| 10| | が狭いのに、高い農業収| |             |                   | 〈S〉出にく| |  | 仮| 分| | 入を上げているのはなぜ| |             | 2〈C〉〈D〉因果的な課題を目的的な| い場合は小集| |  | 説|  | | か。         | |             |  課題に転換する。〜狭い耕地面積の中| 団を活用  | |  | の|  | +---------------------+ |             |  で多くの収入をあげるにはどうするか|       | |  |  |  | +-           + |             |  →事実の追求意欲と見方・考え方  |       | +---+ 設+---+-------------------------+-----------------------+-----------------------------------+------------+ |  | 定|  | 3 課題に対する予想をする|             |                   |       | |  |  |  |              | 4-------------------+ |                   |       | |  |  |  | 4 追求視点として、どこで| |  追求視点をあげるこ| | 4〈A〉方法の理解に関わるものなので|       | |  |  |  |  何が、どれ位、どんな方法| | とができたか。   | |  M,Pレベルに指名して定着の確認を|       | |  |  |  |  で、問題点は何かを発表す| +--------------------+ |  したい。             |       | |  |  |  |  る。          |  挙手の後に、M・Pレベ|                   |       | | 展| 事|  |              | ルの生徒に指名     |                   | ・ 掛け図 | |  | 実|  | 5 高知県の代表的な農業地|  G,M:5つあげる。 | 5〈D〉予想として二期作を出した生徒| ・ TP  | |  | の|  |  帯として高知平野を指摘で|  P:どこで、何がをあげ|  のために、二期作の減少資料を準備し|       | |  | 追|  |  き、 資料から野菜が中心|    る。       |  たい。              | ・ TP  | |  | 求|  |  であることを指摘する。 |             |   既有の知識で、野菜と発言した生徒|       | |  |  |  |              |             |  には、水田率を提示し、一度生徒の持|       | |  |  |  | 6 東京市場の入荷量の変化|             |  っている概念を壊したい。     |       | |  |  |  |  のグラフから収穫時期を予| 5、6、7-----------+ |                   |       | |  |  |  |  想し、促成栽培に気づき発| |  農業収入が高いのは| | 6〈A〉〈B〉課題解決の鍵になる資料| ・ TP  | |  |  |  |  表する。        | | 温暖な気候を利用して| |  なので、読み取りを丁寧にする。  | ・ 実物投影| |  | 検|  |              | | ハウス野菜を作り、時| |                   | ・ 写真図版| |  |  |  | 7 輸送方法を資料から読み| | 期をずらして出荷して| | 5、6、7、            |       | |  |  |  |  取り、こうした農業の形態| | いるからであることを| |  〈B〉シート記入の観点を明確にして| ・ TP  | | 開|  |  |  を輸送園芸農業ということ| | 指摘できたか。   | |  時間を十分取りたい。       |       | |  | 証|  |  が指摘する。      | +-------------------+ | 〈補説〉教科書           |       | |  | |  |              |  シートに記入の後に指名|  〈A〉小集団を用いて、しっかり定着| 〈S〉小集団| |  | |  | 8 ハウス面積の変化から産| G:理由まで言える。  |  がなされたかを確認したい。    | ・ TP  | |  |  |  |  地間競争に気づき指摘する| M:方法がいえる。   |                   |       | |  |  |  |              | P:輸送園芸農業というこ|                   |       | |  |  | 30| 9 その他の問題点を資料か|  とばがいえる。    |                   |       | |  | 認| 分|  らわかり、指摘できる。 |             |                   |       | |  | 識|  |              |             |                   |       | +---+-の+---+-------------------------+-----------------------+-----------------------------------+------------+ |  | 統|  | 10 農民の工夫を予想し、次|             | 〈D〉農業は自然条件だけでは決定され| 〈S〉小集団| | 終| 合|  |  のことを資料から読み取る|             |  ずに、消費地との関係で農民が努力し|       | |  |  |  |  ことができる。     |             |  ていることをきちんとおさえたい。 |       | |  | 課|  |  ・ 輸送の工夫     |             | 〈C〉2つの班が、うまく機能しないこ|       | | 末| 題|  |  ・ 高級化       |             |  とが考えられるので、2つの班に重点| 道しるべ  | |  | 把| 10|              |             |  的に机間巡視をする。       | P14 5 | |  | 握| 分|              |             |                   |       | +---+---+---+-------------------------+-----------------------+-----------------------------------+------------+