印刷用紙:B4縦   1ページの行数:68   1行の文字数(半角で)110       選択社会学習指導案             日 時  平成6年11月16日(水)1校時           生 徒 3年 男子4名、 女子5名  計9名   指導者  釜 石 貴 子、 鈴 木 由 美 1 講座名 「縄文人の知恵に挑戦しよう」 2 題材名  縄文人の暮らしを追跡しよう 3 指導にあたって (1) 題材観 この講座は前期の選択理科にかえて開設された講座である。昨年度2月の事前調査の中に“郷土の歴史”“古      代文明”という学習内容があり、また最近、学区内の長部地区において、牧田貝塚の発掘調査がおこなわれ、生      徒たちの興味・関心も高くなっていたことから、この講座を開設することとした。 第1時のオリエンテーションにおいて、どのような事柄について調べてみたいか、話し合わせたところ、土器      の制作、土器の文様、住居の場所、住居の復元、生活用具、衣服、獲物の捕獲、食べ物の種類、食べ方等の項目      がでた。これらを整理すると、1)「生活用具としての土器に関しての調査」、2)「住居が立ち並ぶ村の様子      と衣服」、3)「食べ物の採集と調理の仕方」の3つの分野に分けることができる。これらの3つの分野を班単      位で調査することとし、さらに個々でテーマをもって、調査・制作することとした。 第2・3時においては、縄文時代に使われた石鏃、スクレイパー(掻器・削器)を見せ、実際にサンマやリン      ゴを使って、その切れ味を体験させるなど、今後の意欲づけを図るとともに、個々のテーマに即した調査や住居      ・土器の復元に入った。 生徒たちは、現代感覚で縄文人の暮らしを見る。例えば、住居の中から煙突を出し、動物はすぐに捕らえるこ      とができ、上質の肉だけを食べ、いとも簡単に魚を捕り、一日で土器を作れるという感覚を持っている。この題      材を通して、3つの分野から縄文時代の暮らしぶりを調査・制作する過程において、自然と調和し生活した知恵      と、自分たちの生活とを比較し考えさせる場面を授業の中で抑えていければと考える。 (2) 生徒の実態 男子4名、女子5名、計9名の生徒たちであるが、学習に対する動きは、縄文人の生活に興味・関心があるた      めか活発である。自分のテーマにおいても意欲的に意見を述べ、取り組もうとするし、実際の調査活動において      も真剣である。 縄文時代について生徒たちが興味・関心をもつ理由は、野生味といまだ知られてはいない生活や文化にひかれ      ているからだと思われる。これまでの発掘調査の事実をベースに、未だ見知な部分については現代の既成概念に      こだわることなく、大きく想像させることにより、興味・関心を持続させていきたい。 (3) 指導観 この講座におけるねらいは、個々に応じたテーマにもとづき、課題解決に向かって真剣に調査、制作する姿勢      と、その解決のための手順を理解させることにある。 「題材感」の項で述べたように、生徒たちの縄文時代の生活についての思考は、現代感覚からの思考でしかな      い。縄文人の暮らしを考えさせる場合、文明の利器を取り去り、“自然を媒介にした生活”の発想にいかに追い      込んでいくかにある。この考え方から、段階を捉えた支援・援助を考えていきたい。 評価については、1時間毎の自己評価にとらわれることなく、2・3時間の1単位毎の切れのよい箇所を設定      して、評価させたい。 4 指導目標   (1) 縄文人の生活を調べ、その文化遺産を大切にしようとすることができる。 (2) 自分の目的をもって事象を継続的に調べていくことができる。 (3) 調査報告、発表等を通して、考えをまとめ発表することができる。 5 指導計画 (13時間扱い) ・ オリエンテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1時 ・ テーマの設定と、調査・制作の手順を話し合う。・・・・・・・・・・・・第2時 ・ 計画に沿って班のテーマ、自分のテーマを調査・制作し、まとめる。・・・第3〜第6時 ・ これまでに調べたことを発表し、今後の課題をつかむ。・・・・・・・・・第7時(本時) ・ さらに調べ、広げる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第8〜11時 ・ これまで調べたことをまとめ、発表する。・・・・・・・・・・・・・・・第12〜13時 6 本時の指導目標 調査報告、発表等を通して、考えをまとめ発表することができる。  ・各班や自分のテーマにもとづき、これまで調査・制作した事柄をまとめ、発表することができる。    ・発表した事柄から、今後の調査活動に新たな課題を見つけだすことができる。 7 本時の展開 +ーーー+ーーーーーーーーーーーーーーーー+ーーーーーーーーーーーーーーー+ーーーーーーーーーーーーーー+ |過 程| 教 師 の 働 き か け  | 生 徒 の 活 動     | 支援・援助と評価 | +ーーー+ーーーーーーーーーーーーーーーー+ーーーーーーーーーーーーーーー+ーーーーーーーーーーーーーー+ 1 前時までに調査し、班や自分の 1 前時までに調査し、各班でま ・ 発表は、班のテーマにせ | み | テーマに沿ってまとめたものを確| とめた事柄について確認し、本|  まるために、個々が決め |  認させ、本時の学習課題を確認さ  時の学習課題を確認する。   たテーマで全員に発表さ | つ | せる。 | ・土器についての種類、用途と|  せる形をとらせたい。 | ・土器を中心に調べ、発表する班   文様のつけ方 | け | ・村、住居、服装を中心に調べ、| ・村の様子、住居の作り方と衣| |   発表する班   服について る ・食べ物を中心に調べ、発表する| ・食べ物の採集と調理の仕方に| | | |  班の確認   ついて (5) +ー本時の学習課題ーーーーーーーーーーーーーー+ +ーーー+ー| これまでに調査したことを発表し、今後の調 |ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー+ し | 査の課題を把握する | | ら | +ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー+ | | べ 2 司会者に、発表の順序、手順、 2 司会者の、発表の手順、注意 ・司会者には、あらかじめ発 | る | 注意点、発表時間を話させ、発表| 点などを聞き、順番に沿って発| 表の手順、注意点等を考え |  に入らせる。      表する。  させ、予備知識を持たせて | | | | おくようにしたい。 | た し | か |3 他の班の発表を聞きながら、も|3 各班の発表を聞き、もっと調| | め  っと解りたいこと、調べてもらい  べてほしいことや、感想につい | る | たいことをメモをとらせる。 | て、メモを取る。 | | | |  | | | ふ | か |4 自分の班で、今後さらに調査し|4 各班毎に、今後さらに調査し |・この発表を通して、個々に | め  ていきたい事柄、解りたい事柄に  明らかにしたい事柄は何か話し  今後の課題意識を持たせる る  ついて、班で話し合わせる。  合う。  ことが大切であると思うの | | | | で、その方向づけを支援し |  ていきたい。  | |5 話し合いの結果と、他の班に調|5 各班の話し合いの結果と、他| |  べてもらいたい事柄を発表させる  の班に調べてもらいたい事柄に |(40)|  | ついて、互いに発表し合う | |    +ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー+ ま |6 本時の発表会についての感想を|6 今日の発表会についての感想|・感想発表は、各班1名程度 | と  発表させ、自己評価させる。  を発表し、自己評価カードに記  に抑え、発表させたい。 | め | | 入する。 | | る 7 次時の学習内容を把握し、必要 7 次時の学習内容を確認し、必 | | な用具を確認させる。 | 要な用具を班で確認し合う。 | | |(5) | +ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8 評 価 ・ 自分の思いどおりにまとめ、発表ができたか。 ・ 今後の学習に、調査する課題ができたか。 ・ 意欲的に学習できたか。