印刷用紙:A4縦 1ページの行数:43 1行の文字数(半角文字で):88 第2学年社会科学習指導案           日 時 平成7年9月6日(水)〜21日(木)   場 所 北上市立江釣子中学校2年A組 授業者 陣場峰雄(長期研修生) 生徒数 男子19名,女子15名,計34名 1 単元名 『中部日本』教材「中部地方」 2 単元について 中部地方は,様々な点で西日本と東日本の接点になっている。地形的には,新潟県の糸魚 川から長野県,静岡県までを結ぶ大地溝帯で東日本と西日本に大きく分けられる。歴史的に は大阪と江戸をつなぐ役割を果たし,両地域の影響を受けてきた。現在でも東海道新幹線, 名神自動車道,東名自動車道などをとおして東京と大阪の影響を受ける地域になっている。 また,中部地方は自然や人間の活動のまとまりから,東海地方・中央高地・北陸地方の3つ  の地域にわけられる。東海地方は雪が少なく,畑作中心であり,中京工業地帯・東海工業地 域に代表されるように工業の発展が著しい。中央高地は内陸性気候のもとで,畑作中心の農  業や精密機械,電気機械工業が発達している。北陸地方は雪が多く,多量の融雪水を利用し  た稲作,冬の農家の副業としてはじめられた伝統工業の発達がみられる。このように,中部  地方は自然的条件と社会的条件の関わり方によってはっきりした特色があらわれている地方  である。また,各地域の産業は現代の工業や農業の特色や問題点を反映している。そこで,  本単元では,自然条件を利用しながら発達してきた各地方の産業の様子や,社会的条件によ  って変化してきている産業の様子,各地方の産業の抱える問題点について学習させることに  なる。   生徒は,地理的分野の学習においては,地理的事象の事実関係については,発表しようと  するが地理的事象の生起の原因や問題点や解決策など地理的事象の意味について考えて発表  することが乏しい傾向にある。   そこで,本単元の指導にあたっては,中部地方の学習内容を地方別に羅列的に扱うのでは  なく,生徒が本単元のなかで興味関心のある学習内容から学習課題を設定させ,生徒の作業  的活動や調べ学習など主体的な活動をとおして具体的に学習内容を把握させていきたい。  その際,作業的学習として統計地図作りを取り入れていきたい。そして,統計地図作りを学  習活動の中核として位置づけ,作業しながら疑問に思ったことに基づいた追究活動や自作の  統計地図を用いてグループごとに調べたことを述べさせる活動をとおして,地理的分野にお  ける発表力を育てていくようにしていきたい。 3 単元の目標 o 中部地方の人々の生活や産業に関心を持ち,各地方の産業の特色やその生起の原因,問   題点や解決策について進んでとらえようとすることができる。[関心・意欲・態度]  o 中部地方の人々の生活や産業の特色やその生起の原因,問題点や解決策などの地理的事   象の意味について考えたり,判断することができる。[思考・判断] o・中部地方の各地方の人々の生活や産業の特色やその生起の原因を自作の統計地図からよ    みとることができる。   ・自作の統計地図を用いて,調べて結果をわかりやすくまとめ,発表することができる。 [資料活用・表現]  o 中部地方の人々の生活や産業の特色や生起の原因,問題点,解決策など地理的事象の意   味について理解することができる。[知識・理解] 4 学習指導計画(8時間) 第一次 オリエンテーション −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間 第二次 中部地方の自然・産業と人々の生活(課題設定)−−−−−−−−−−2時間 第三次 中部地方の自然・産業と人々の生活(調べ学習・学習報告会)(本時)4時間 第四次 中部地方の学習の振り返り−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間  * なお,指導計画8時間中,本研究にかかわる授業実践は第三次までの7時間であり, 「自作の統計地図の活用」は第三次に行う。 5 本時の指導 (1)「中部地方の自然・産業と人々の生活」第1,2時(調べる段階)  1)目 標 o 各グループごとに設定した学習課題にかかわる統計資料を白地図の上にグラフ化す る作業に進んで取り組むことができる。[関心・意欲・態度] o 統計地図を作成しながら気付いた各地域の産業の特色や人々の生活の特色をもとに その生起の原因,影響,役割,問題点,解決策を考えることができる。 [思考・判断] o 統計地図を作成し,中部地方の産業や人々の生活の特色からその影響,役割,問題 点,解決策について調べることができる。[資料活用・表現]   o 自分の調べている課題の中部地方の産業や人々の生活の特色やその生起の原因,影 響,役割,問題点,解決策についてわかる。[知識・理解] 2)展 開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学習内容・学習活動・・・・・・・・・・・・・|指導上の留意点・・・・・・・・・・・・・・・|資料・・・・・・| |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |1 各グループで設定した学習課題|・ どのグループがどんな学習課|・課題一覧| | | を確かめる。 | 題をもったかがわかる学習課題| 表 | |つ| | 一覧表を全員に配付し,再確認| | | | | させる。 | | | |2 各グループごとにどの統計資料|・ 各グループごとに決めた課題|・統計資料| | | についてグラフ化するか話し合い| に関わり追究の糸口になる統計| | | | をして統計資料を決める。 | 資料を配付する。 | | | | | | | | |3 どの統計地図を使えば,より統|・ 生徒に作成させたい種類の統|・冊子資料| | | 計資料の意味がよくわかるか話し| 地図の特色やその作り方を示し|「統計地図| |か| 合いをして統計地図を決める。 | たマニュアルを参照させる。 | ハンドブ| | | | その際,どの統計地図が適切か| ック」 | | |4 グループに決定した統計資料や| 巡視しながら助言しておく。 |・掲示用白| | | 統計地図の種類をもとに報告会用| く。 | 地図 | | | の統計地図を作成する。 |・ 中部地方を北陸地方,中央高| 中部地方| | | | 地,東海地方に分けた白地図か| 日本全図| | |5 統計地図を作成しながら,課題| 日本全図の白地図やその上に貼| | | | についてわかったことや新たに疑| 付できまた記入できる円グラフ|・目盛り付| |む| 問に思ったことをグループ内で話| 棒グラフ帯グラフを配付する。| き用紙 | | | し合い,新たな追究課題を決める|・ わかったことや新たな疑問,|・学習シー| | | | 新たな追究課題を記録させる。| ト | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |6 学習課題や新たな追究課題につ| | | | | いて次の視点で調べていく。 |o 生徒が持っている教科書・地|o参考資料| |調|+−−−−−−−−−−−−−・+| 図帳・資料集ではどこが参考に| 一覧表 | | ||ア なぜそのことがらやできご|| なるのか具体的にページ数を示| | | || とが起こったのか。 || したグループごとの参考資料一| | | ||イ そのことがらやできごとは|| 覧表を配付する。 |o文章資料| | || 全体のなかでどれくらいの割|| | | | || 合を占めているのか。 ||o 調べる学習で,さらに資料が|o写真資料| | ||ウ 地域に対してどんな影響や|| 必要なグループには生徒の課題| | | || 役割があるのか。 || から必要と思われる参考資料を|o実物資料| | ||エ 問題点はあるか。あったら|| 予想しておき配付する。 | | | || それはどんなことか。 || |oグラフ資| |べ||オ その問題点に対して人々が||o 調べ学習の仕方を学習シート| 料 | | || どんな改善や工夫をしている|| を使って全体指導するが,グル|o統計資料| | || か。 || ープごとに巡視しながら調べ学| | | ||カ これらのことから自分たち|| 習の進度に応じて調べる項目の| | | || はどんな解決策をとればよい|| 観点を助言していく。 | | | || と考えるか。 ||o 発表するときに見せる資料は|o画用紙 | | |+−−−−−−−−−−−−−・+| 画用紙や,模造紙に書いておく|o模造紙 | | | | ことを説明する。 | | | |7 調べたことを記録しておく。 |o 調べる観点に基づいてわかっ| | | | | たことを各自で学習シートに記|o学習シー| |る| | 入させる。 | ト | | | | | | | | | | | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| |ま|8 調べたことをグループ内で交換|o 各自でまとめたものを,班の|o学習シー| |と| し,調べた内容を再確認する。 | なかで交換させる。 | ト | |め| | | | |る| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (2)「中部地方の自然・産業と人々の生活」第3時   1)目 標 o グループごとに調べた内容に関心をもち,進んで報告用のプリントに伝える内容をま とめたり,報告に使う自作の統計地図や補足の資料を構成しようとすることができる。 [関心・意欲・態度] o 調べた内容を学習報告会用に再構成するにはどうしたらよいか,自作の統計地図や補 足資料を学習報告会で効果的に使うにはどうすればよいか考えることができる。 [社会的な思考・判断] o 学習報告会用に伝える内容をまとめたり,自作の統計地図を修復したり,補足資料を 用意したりすることができる。[資料活用の技能・表現] o 調べた地理的事象の特色,生起の原因,影響,役割,問題点,解決策についての内容 を把握することができる。[知識・理解] 2)展 開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学習内容・学習活動・・・・・・・・・・・・・|指導上の留意点・・・・・・・・・・・・・・・|資料・・・・・| |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |1 前時まで調べたことを確認する|o 前時まで調べた内容を確認し|o学習シー| |つ| | まとめることへの意識を高・・・・| ト | | | | める。 | | |か|2 学習報告会で伝える内容をまと|o 学習報告会で伝える内容のポ| | | | めるときどんなことを考えてまと| イントや提示する資料の種類,| | |む| めればよいか理解する。 | 提示の仕方についておさえさせ| | | | | る。 | | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |3 学習報告会で伝える内容をまと|o グループごとに巡視しながら|o学習シー| |調| める | 進度に合わせてまとめ方につい| ト | | | | て助言をしていく。 | | | |4 自作の統計地図や課題を追究す| |o自作の統| | | るときに作成した補足資料をどこ|o 自作の統計地図の提示は始め| 計地図 | | | に使うと効果的なのかについて考| の導入段階で用いることが効果| | |べ| える。 | 的であることを助言していく。| | | | | | | | |5 学習報告会での役割分担を話し|o 発表する人や資料を掲示する| | | | 合って決める。 | 人,発表の進度に合わせて掲示| | |る| | 資料を指し示す人などについて| | | | | 役割分担をさせる。 | | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |6 学習報告会で伝える内容,自作|o 4分から5分程度にまとめる|o自作の統| |ま| の統計地図や補足用の掲示資料を| よう指示しておく。必要なとこ| 計地図 | |と| を使う順番を再確認する。 | ろは内容の分量に修正を加えさ|o補足資料| |め| | せる。 |o学習シー| |る|7 グループごとに予行練習を行う| | ト | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (3)「中部地方の自然・産業と人々の生活」第4時   1)目 標 o 発表学習に関心をもち,進んで自分の役割を果たしたり,他のグループの発表を意欲 的に聞くことができる。[関心・意欲・態度] o 各グループの発表を見て,発表内容や考え方,発表の仕方について評価できる。 [社会的な思考・判断] o 調べてまとめたことを掲示する資料を使いながら効果的に伝えることができる。 [資料活用の技能・表現] o 他のグループが伝えた内容について要点をおさえることができる。[知識・理解] 2)展 開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学習内容・学習活動・・・・・・・・・・・・・|指導上の留意点・・・・・・・・・・・・・・・|資料・・・・・・| |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |1 本時のめあてを確かめる。 |o 調べたことを相手にうまく伝| | |つ|+−−−−−−−−−−−−−−+| えることだけでなく,他の伝え| | | || 調べたことをみんなに伝え,|| る内容や伝え方からよいものを| | |か||学習の成果をみんなのものにし|| 取り入れることが本時のねらい| | | ||よう。 || であることを意識させる。 |o学習シー| |む|+−−−−−−−−−−−−−−+|o 聞く側にいる場合,学習シー| ト | | | | トの内容にしたがって評価する| | | | | ことを説明する。 | | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | |2 伝える内容をまとめたノートや|o 前時に決めた役割分担にした|o学習シー| |調| 学習シートに基づき調べた内容に| がって取り組ませる。 | ト | | | ついて述べる。 | |o自作の統| |べ| | | 計地図 | | |3 聞く側は伝えているグループの|o 書き留める内容や評価のポイ|o補足資料| |る| 内容の要点を書き留めたり,評価| ントを書いた学習シートに記入| | | | する。 | させ評価させる。 | | |−|−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| ・ ・4 他のグループの伝えた内容につ・o 他のグループの内容の要点に・o学習シー・ | | いて要点をまとめる。 | ついてまとめさせる。 | ト | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+