印刷用紙:B4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−        社 会 科 学 習 指 導 案               1996,10, 7TUE 5校時               紫波町立紫波第二中学校3年2組(男  名 女  名 計  名)               授業者 教諭 青 澤 弘 明 1 単元名 第3章 『 経済とわたしたちの生活 』 2 単元について(第1節「消費者としてのわたしたち」)本単元は、わが国の経済活動の概要と国際 経済のあらましを、主に消費・生産・労働の基本的な視点から「生活者」としてとらえ理解させること が目標である、と言える。指導計画は単元の構成に概ね沿いながら、はじめに「モノ(商品)を買うと は、どういうことなのだろうか」ということを投げかけつつ、「買う」(消費活動)という極めて日常 的な行為から「経済」という世界を覗いてみることで経済学習の導入とし、その後の学習内容の骨格を 示すとともに、生徒に興味・関心および学習意欲をもたせたい。家計・商品・流通・貨幣・価格という 消費活動についての学習は、「消費者主権」を環境・資・源という地球市民教育的な観点をも含ませつ つ総括すべきであろう。つぎに、現代の経済において生産活動の中心的役割を担う「企業」の姿を通じ て、消費者保護の立場から資本主義経済の特色を理解させていく。単元は、さらに「金融」と「財政」 にふれながら、資本主義経済のもとにあっても政府や中央銀行の果たす役割の重要性を説くとともに、 財政と国民生活の密接な関わりを指摘している。このなかでも、高齢化社会を見据えた「福祉国家」像 と課税のありかたや、国家財政がかかえる危機的状況をなげかけており、第2節の3「社会保障と国民 の福祉」に結びつけたい。 3 単元目標(第1節「消費者としてのわたしたち」) 1 身近な消費生活を中心に経済活動の意義 とあらましを理解させる。その際、価格のはたらきや物価の動き、貯蓄・保険・租税などをとりあげる とともに、現代の生産のしくみと企業の役割を理解させる。また、職業の意義と役割を考えさせるとと もに、勤労の権利と義務、労働組合の意義、労働基本法の精神を理解させる。 4 単元の指導計画(第1節「消費者としてのわたしたち」)  1 はじめに 毎日の暮らしと経済 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 時間(本時) 2 家計の収入と支出 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 時間 3 商品の購入 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−0.5時間 4 商品が手もとに届くまで −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−0.5時間 5 商品と価格 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 時間 5 生徒の実態全体としては、学習にまじめに取り組むクラスである。発言・発表などに積極的な生徒 は極めて少ないが、学習プリントなどには共同して取り組むことができる。また、地理的分野・歴史的 分野の学習にくらべると、公民的分野の学習に対して抵抗感や苦手意識が強い生徒が多い。これは用語 の難解さと、政治・経済への関心の希薄さや知識の乏しさからくるものと思われる。故に、生活者とし ての視点を忘れず、プリント資料や指導過程を構成し、公民的分野の学習を身近なものに引き寄せてす すめることが重要であろう。 6 本時の指導構想本時は、経済学習の導入として「モノを買うとは、どういうことなのだろうか」と いう学習課題 のもとに身近なモノ−−−−キャラメル・缶コ−ヒ−・缶ビ−ル・バ−コ−ド−−−− を取り上げ 、 生徒自らが取り組む活動の場を意図的に設定しながら、現代経済のすがたをつかませたい。同時に 、 今後の経済学習に対する抵抗感を和らげ、「経済って、おもしろそう」という興味・関心を呼び起  こしたい。 7 本時の達成目標  1 缶コ−ヒ−を教材に、モノの値段がどのように成り立っているか考えてい く。2 缶ビ−ルを教材に、国際化するわが国の経済と資源・地球環境の問題について考える。3 バ −コ−ドから共通する数字と位置の関係をみつけだし、POSシステムを理解する。 8 本時の展開 +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |段|時| |自ら取り組む活動の場 | | | | | 学 習 内 容 +−−−+−−−+−−−+ 指導上の留意点 | |階|間| |目 的|方 法|形 態| | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | |1.キャラメルにミゾがある|予 想|発 表|個 人|☆ミゾの深さは、常に一定で| |導| | 理由を考える。 | | | | はない。 | | |10| →砂糖の国際価格の変動 | | | | | |入| |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | | ||「モノを買う」ってどう|| | | | | +−+−++いうこと?そのウラにど++−−−+−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | ||んな秘密が隠れているか|| | | | | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |2.缶コ−ヒ−の缶代・なか| | | |☆あまり深入りしない。 | |展| | みの価格などを明らかにし| | | | | | | | これを除いた価格は、何な| | | |☆自販機250万台(15世| | | | のかを考える。 | | | | 帯に1台) | | | | 「缶コ−ヒ−って、ほんと| | | | | | | | はいくら?」 | | | |☆原料代のほか企業の利潤・| | | | →缶の原価20円、なかみの| | | | 労働者の賃金など、買うこ| | | | 原価20円、× 2.5 | | | | とのウラには、意味たくさ| | | | | | | | ん。 | | | | | | | | | | | |3.わが国で一年間に生産さ| | | |☆既習のことがらを、想起さ| | | | れる缶の数から資源・エネ| | | | せる。(ボ−キサイト) | | |30| ルギ−問題と、企業の国際| | | | | | | | 化・地球環境問題を考える| | | |☆南北問題。 | | | | 「飲料缶と買うって、どう| | | | | | | | いうことだろう」 | | | |☆缶の長さを平均12pとすれ| | | | →スチ−ル缶 143億缶 | | | | ば、アルミ缶だけで80万q| | | | アルミ缶 67億缶 | | | | の長さになる。 | | | | →石油ショック以降、ブラ| | | |☆地球環境問題。つくるとい| | | | ジルなどへ進出。アマゾ| | | | うことのウラにも、意味た| | | | ン開発、ダム建設。 | | | | くさん。 | | | | | | | | | | | |4.幾つかのバ−コ−ドをく|比 較|討 論| 班 |☆気づいたことを、班ごとに| |開| | らべ、そこからPOSの意| | | | 発表させる。 | | | | 義を理解する。 | | | |☆班ごとに、異品同社のモノ| | | | 「バ−コ−ドは何のため」| | | | をわたすと考えやすい。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | |5.「モノを買う」というこ|総 括|書 く|個 人|☆プリントに、個人で書き込| |終| | とは、どんなふうに言い換| | | | む。(評価の観点も、自己| | |10| えることができるか。 | | | | 評価してもらう) | |結| |6.「経済」ということばを| | | | | | | | つかい、教師まとめ。 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 9 本時の評価の観点  1 既習のことがらを想起しつつ、学習課題に迫ることができたか。  2 POSシステムについて、理解できたか。  3 班で共同して、討論などの活動に取り組むことができたか。