印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−   第 1 学 年 社 会 科 学 習 指 導 案             日 時 平成8年10月30日(水) 6校時           学 級 1年 男子3名 女子3名 計6名           授業者 川 崎 一 弘 1、単元名   2 世界の諸地域      西ヨーロッパと世界  2、単元について (1)教材観    本単元は、世界の諸地域の中からいくつかの地域や国を取り上げ、それぞれの地域や国の人々の   生活の特色が的確に把握できる地理的事象を中心にしてそれぞれの地域や国の特色を理解させ、世   界が様々な地域や国から成り立っていることに着目させることを目標としている。そして、人々の   生活の地域的特色を端的に示している地理的事象を相互に関連づけながら、人々の生活の地域的特   色を総合的に学習しなければならない。従って、ヨーロッパの地理的特徴を浮き彫りにし、現在の   大きな課題であるEU統合にも目を向けさせたい。 (2)生徒観    生徒は、「世界の国々」の学習で様々な国について個人で調べることを経験している。その際、   フランスやイタリアなど、ヨーロッパの国について興味をもって調べた生徒もいる。また、テレビ   などのマスコミ報道を通じてヨーロッパに触れる機会も多いと思われる。その反面、断片的な知識   や見方に終始していることも感じられる。そこで、地域的特色を示す事項を取り上げながら断片的   な知識の融合を図りたい。    話し合いについては、小学校の頃より多くの教科で経験しており、様々な場面で話し合うことを   好む生徒が多い。相手の話の内容を正確に理解し、論点を明確にして話し合いを進める点での不十   分さは感じられるが、意欲をもって話し合うことができる。 (3)指導観    ヨーロッパは、伝統があり多様な自然や民族が存在する地域である。EU統合によって、ヨーロ   ッパの国家間では、パスポートを持たなくても国を越えて買物や働きに行くことが可能になった。   今後、このような人や物の動きは活発になると予想されるが、多様な風土に育まれた多様な民族固   有の歴史・慣習などをどのように維持するのか、またどのように変えていくのか、という課題は多   いと考えられる。そこで、EU統合を契機に、新しいヨーロッパへと変動していこうとしているヨ   ーロッパの姿を学習していきたい。展開においては、話し合いの場面を意識的に設定し、他の生徒   と関わり合うことを通して、自分の考えを深めさせるようにしたい。 3、指導計画(7時間扱い) +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+   | |   学 習 内 容 ・ 活 動 |     配 慮 事 項 |  +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・ヨーロッパの国を調べ小国が多いことと|・資料の読み取りが正確にできるように配| | | 多くの民族から成り立っていることに気| 慮する。 | | 1 | づく。 |・既習内容にも触れる | | |・第二次大戦後の冷戦と民主化運動に伴う|・冷戦については簡単に説明する。  | | | 政治的変動が激しいことを理解する。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・スペインとスウェーデンの文化を中心に|・スペインの伝統文化、スウェーデンの社| | 2 | 各国の特色を考える。 | 会福祉や、他の国の特色について調べ、| | | | 発表させる。 | | | |・EU加盟国を中心に取り上げる。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・都市計画や生活の向上に市民が参加して|・封建領主から市民が自治を獲得すること| | 3 | いることから、ヨーロッパの伝統に気づ| によって発展してきたことにふれる。 | | | く。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・イギリスをはじめ、ドイツなど伝統的に|・地図やグラフなどが正確に読み取れるよ| | 4 | 工業が進んだ国が多いことを理解する。| うに個別指導を意識する。 | | |・ECの成立が工業の発展に影響を与えて|・歴史的背景については深入りしないよう| | | いることに気づく。 | に気をつける。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 5 |・混合農業や輪作について理解し、農業の|・西ヨーロッパの農業はEU諸国の共通の| | | 抱えている問題について考える。 | 課題であることも押さえる。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 6 |・ヨーロッパの統合の歴史と現状から今後|・多くの問題を抱えながらも統合に向かっ| | | の方向について考える。  | ているEU加盟国の現状について話し合| |本時| | う。  | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・単元のまとめをする。 |・既習内容の定着を図る。 | | 7 | |・生徒の独創性が発揮できるような内容に| | | | する。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4、観点別達成目標 +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |観|社会的事象への | 社会的な思考・判断 | 資料活用の技能・表現 |社会的事象に | |点|関心・意欲・態度| | |ついての知識・理解| +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |資料収集などを通|EU加盟国が、国として|EU各国の産業の特色を統|EU各国の特色を理| |目|して、興味のある|の状況を保ちながら一方|計資料などから正確に読み|解し、統合の是非に| | |国を中心に各国の|では経済的な面での国境|取り、EU域内での役割、|ついて説明すること| | |文化や歴史などを|をなくし統合を進めつつ|分担や協力、EUの世界貿|ができる。 | | |意欲的に調べよう|ある現状を理解し、EU|易にしめる地位や各国の関| | |標|とする。 |の形成と発展が人々の生|係について文章などにまと| | | | |活に与えた影響や地域差|めることができる。 | | | | |から生じる問題点などを| | | | | |考えることができる。 | | | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ 5、小中の関連と発展   学習指導要領 +−第6学年−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |目 標 | |(2)日常生活における政治の働きと我が国の政治の仕組みや考え方及び我が国と関係の深| |  い国の様子や国際社会の中で占めている我が国の役割を理解できるようにし、世界の中| |  の日本人としての自覚を育てる。 | | | |内 容 | |(1)今日、我が国は経済や文化の交流などで世界の国々と深いつながりをもっていること| |  を理解できるようにするとともに、平和を願う日本人として世界の国々と協調していく| |  ことが大切であることを自覚できるようにする。 | |  ア 我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国があることを調べて、それらの国| |   の人々の生活の様子などを理解し、他国と協調を図るためには正しい国際理解が必要| |   であることを考えること。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−中学校(地理的分野)−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |目 標 |   |(2)日本や世界の各地域における人々の生活には地方的特殊性と一般的共通性のあること|   |  に気付かせ、それらを成り立たせている地理的諸条件について考えさせると共に、人々|   |  の生活の地域的特色を理解するための基礎を培う。 | | |   |内 容 |   |(1)世界とその諸地域 |   |  イ 様々な地域 |   |    世界の諸地域の中から幾つかの地域や国を取り上げ、それぞれの地域や国の人々の|   |   生活の特色を理解させ、世界が様々な地域や国から成り立っていることに着目させる| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6、本時の指導 (1)目標 @EU統合について具体的な資料を参考にしながら自分の考えをもつことができる。 (資料活用)   AEU統合に関する話し合いを通して、自分の考えと他の生徒の考えを関わらせながら考えを深めるこ    とができる。                (思考・判断)   B統合に向かうヨーロッパの姿と問題点を理解することができる。 (知識・理解) (2)研究主題との関わり    EU統合は、各国の思惑も異なり簡単には進行できない現状にあり問題点も多い。それらの問題   点を捉え、統合に関する自分の考えをもち、そのことについて話し合うことを通して、他の生徒の   考えと関わり合いながら考えが深められるように支援したい。 (3)展開 +−+−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |段| 学習内容・活動 |形| 生徒の活動に対する支援 | 評 価・資 料 | |階| |態| (発問・個への配慮) | | +−+−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |課|1 EUについて想起す|一|○加盟国を正しく言えるように|・学習シート | |題| る。 |斉| する。 |関−−−−−−−−−−+| |把|2 本時の学習内容を確| | ||学習課題が把握できた|| |握| 認する。 | | ||か。 || | 7| | | |+−−−−−−−−−様相| |分| +−−−+−+−−−−−−−−−+ | | +−+−−−−−−−+EU統合が進むかどうか考えよう+−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−+−+−−−−−−−−−+ |・学習シート   | | |3 マーストリヒト条約|一|○用語の説明をする。 |・資料プリント | | | から、統合するための|斉| | (マーストリヒト条約) | | | 障害になりそうなこと| | |思−−−−−−−−−−+| | | を考える。 | | ||条約から障害になりそ|| |課| ・通貨統合 | | ||うな事を指摘できる。|| | | ・政治組織の統合 | | |+−−−−−−−−−記述| | | ・経済の差   | | | | | |4 EU統合に関する考|個|○根拠が明らかになるように具|・学習シート | | | えを根拠とともにまと|別| 体的な資料を提示する。 |・資料プリント | | | める。    | | | (主な国の対応) | |題| ・進む       | | | (貿易、GNP のグラフ) | | | ・条件つきで進む | | |     | | | ・進まない      | | |資−−−−−−−−−−+| | |  | | ||資料から根拠の明らか|| | | | | ||な考えをまとめること|| | | | | ||ができる。 || |追| | | |+−−−−−−−−−記述| | |5 考えを発表しあい、|集|○主張のポイントを明らかにす|技−−−−−−−−−−+| | | お互いの考えを理解す|団| る。           ||他の生徒の主張を正確|| | | る。 | |○メモをしながら正確に聞ける||に聞くことができる。|| | | | | ように援助する。     |+−−−−−−−−−様相| | | | |○意見の対立が見られない場合| | |究| | | は、教師が反対の立場で発表| | | | | | する。 | | | |6 自分の考えを深め、|個|○最初の考えと変わっても良い|・学習シート | | | シートに記入する。 |別| ことを話す。 |思−−−−−−−−−−+| | | | |○自分自身の経験とつなげてい||他の生徒の発表内容を|| | | | | る生徒や広い視野で考えてい||参考にしながら自分の|| | | | | る生徒を紹介する。 ||考えをまとめることが|| | | | | ||できる。 || | | | | |+−−−−−−−−−記述| | |7 考えを発表し、話し|集|○論点に沿った発言や聞き手を|技−−−−−−−−−−+| | | 合う。 |団| 意識した発言を評価し、話し||論点に沿って発言し話|| | | | | 合う力を育てる。 ||し合いを深めることが|| |30| | |○他の生徒の考えも取り入れる||できる。 || |分| | | ことを話す。  |+−−−−−−−−−発言| | | | |○話し合いが片寄るようなら教| | | | | | 師も話し合いに加わる。 | | +−+−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |8 本時のまとめをする|集|○自分の言葉でまとめたことを|・学習シート   | |ま| |団| 話させる。        |知−−−−−−−−−−+| |と| | |○EU統合について、他の生徒||統合に向かおうとして|| |め| | | の考えと自分の考えを関わら||いるヨーロッパの姿と|| | | | | せて、自分なりの考えをまと||問題点を指摘できる。|| | |           | | められるように支援する。 |+−−−−−−−−−発言| | | | | | | |13| | | | | |分|9 感想を発表する。 |個|○授業内容に限定しない自由な|   | | | |別| 発表を促す。 |   | +−+−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ (4)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |EU統合が進むかどうか考えよう| | | +−−−−−−−−−−−−−−−+ | |   <進む>    +−−−−+ +−−−−+   <進まない>   | |            |資料  | |資料 |  | | |  | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−+ +−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 座席表 +−−−−−−−−−−−+ | 黒      板 | +−−−−−−−−−−−+ +−+ +−+ | | | | | | | | | | | | +−+ +−+ +−+ +−+ | | | | | | | | | | | | +−+ +−+ +−−−+ +−−−+ | | | | +−−−+ +−−−+