印刷用紙:B4縦 1ページの行数:74 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−                  第1学年社会科学習指導案                            日  時 平成8年10月8日(火) 第2校時                            学  級 1年A組 男子23名 女子12名 計35名                            授業会場 1年A組教室(校舎2階)                            授業者  教 諭 千葉泰正 1 主  題 世界の動きと天下統一 2 主題について    ここでは、ヨーロッパ世界の形成と日本の近世初期を扱う。前者では、ヨーロッパとイスラムの中世的世界の形   成・発展及びその影響を学ばせたい。またルネサンス,宗教改革などヨーロッパでの一連の出来事に目を向けさせ   る事により、ルネサンス,宗教改革が大航海時代を出現させる要因となったことや大航海時代がヨーロッパ諸国の   アジア・アメリカ大陸への侵略の開始となったことにも目を向けさせたい。ヨーロッパ諸国のこのような動きは、   ヨーロッパ人の日本への来航にもつながっていることを気づかせたい。    ヨーロッパ世界については、古代文明の形成以降学習が中断され、日本の古代・中世をはさんで学習するので、   生徒には歴史的に取り上げている時期のズレがあることを確認させた後に学習を進めていく必要がある。後者では   日本へのヨーロッパ人の来航から安土桃山時代を扱う。ここでは、近世社会は、中世社会と特徴的な違いがあるこ   とにきづかせたい。織田・豊臣氏の出現によって、中世の分権化した在地領主制による武士の封建支配体制が否定   され全武士階級による統一的な封建支配体制が作り出されたこと。具体的には、兵農分離にみられるように、農民   に対する支配のありかたも前時代とは全く異なっている。そしてこの体制が江戸時代には強化されていくことにも   気づかせたい。    生徒は、比較的歴史に興味・関心を抱いてはいるものの、その知識は、断片的であり、総合的なものとはなって   いないので、歴史的事象を中心に歴史の流れを意識させながら、広く捉えさせたい。また授業における発言も多く   あるが、その内容は、思い付きや経験からくるものが多く、資料などを参考に自分で考え、発言するというのはす   くない。したがって、今後は、歴史の学習を通して資料活用能力の育成を図っていきたい。 3 指導目標      (1) 広い視野に立って、中世ヨーロッパ,イスラム世界の形成・発展過程及び日本近世社会の変化に興         味を持ちながら学習することができる      (2) 歴史的な流れの中で中世ヨーロッパ,イスラム世界の形成・発展過程及び日本近世社会の変化の歴         史的事象を捉えることができる。      (3) 歴史的事象を資料などを使い多角的に捉えることができる。      (4) 中世ヨーロッパ,イスラム世界の形成・発展過程及び日本近世社会の変化が理解できる。 4 指導計画(9時間) *西ヨーロッパとイスラム世界−−−−−−−−−−−−−−2時間 *ヨーロッパ世界の発展 −−−−−−−−−−−−−−2/3時間(本時) *天下統一と桃山文化 −−−−−−−−−−−−−−4時間 5 本時について(4/9時間)  (1)主題 『大航海時代』〜ヨーロッパ人の海外進出〜  (2)目標        @ ヨーロッパ人が海外に進出する過程に興味をもち学習することができる。        A ヨーロッパ人(スペイン・ポルトガル人)が新航路を開拓し、地理上の発見や世界進出につながっ         た背景を多角的に捉えることができる。        B 資料を活用しながら、ヨーロッパ人の海外進出の過程を説明できる。        C ヨーロッパ人が海外に進出する背景を理解することができる。  (3)指導の構想          ここでは、ヨーロッパの国々(スペイン・ポルトガル)が当時、東西貿易を独占していたイタリア         商人やイスラム商人に対抗し、新たな方法で東西貿易を試みる過程を扱う。そこで、現在食卓のポピ         ュラ−な香辛料の一つである胡椒を題材に学習課題を設定し、当時ヨーロッパで希少価値の高かった         香辛料(特に胡椒)に着目させ、香辛料が新たな航路を発見する原動力となり、さらに羅針盤といっ         た航海を助ける道具などを活用することによりヨーロッパ人の海外進出に拍車がかけられたことを理         解させたい。生徒達は、ヨーロッパの国々(スペイン・ポルトガル)がイタリア商人やイスラム商人         に対抗し、新たな方法で東西貿易を試みる過程を考える際に歴史の流れの中でその過程を考えること         が苦手であると予想されるので、歴史の流れを意識しながら学習を進めていきたい。  (4)評価の観点                @ ヨーロッパ人が海外に進出する過程に興味をもち学習することができたか。        A ヨーロッパ人(スペイン・ポルトガル人)が新航路を開拓し、地理上の発見や世界進出につながっ         た背景を多角的に捉えることができたか。        B 資料を活用しながら、ヨーロッパ人の海外進出の過程を説明できたか。        C ヨーロッパ人が海外に進出する背景を理解することができたか。  (5)展開案 +−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− |段階 学習内容 |時間 学習活動 | 留意事項・準備物 +−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | |1 学習課題の確認 | | | | | | |1 @ 提示された大航海時代の地図に| |導| | | 書かれている三人(コロンブス・バスコダガマ・ *教科書P123の地図資料 | | | | マゼラン)の業績について答える。 | | | | | | | | | | | | | | A 香料(胡椒など)が新航路の発見とどう *胡椒・樟脳などを提示する |入| | | つながりがあるのかを考え課題を設| | | |10| 定する。 | | | | | | | | +−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | || +−+−−−−−+香料が世界を変えた 〜新航路の発見〜 ++−−−−−−−−−−−−− | | +−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | | | | | | | | | |1 学習課題解決への | | | | | アプローチ | | | |展| | | 1 @学習課題に対する予想をする。| | | @学習課題に対する予想 | | | | | | | | | | | | |+*−−−−−−−−−−− | | A予想に対するアプローチ| | Aア 当時(15世紀)のヨーロッパの人|資料を参考に当時のヨーロ | | | | 々は香料をどう受け止めていた|ッパの人々の香料に対する考 | | | | かを考える。 |えを話し合わせる。 | | | | |+−−−−−−−−−−−− | | | | | | | | | | | | | | イ 当時(15世紀)のヨーロッパへ香 * 地図資料を参考に考え | | | | 料は誰によってもたらされたか| させる。 | | | | を考える。 | | | | | | | | | | | | | | | ウ イタリア以外のヨーロッパの| | | | | 国々、特にスペイン・ポルトガ| | | | | ルの東方貿易に対する考えはど| | | | | うであったか考える。 | | | | | | |開| | | | | | | | エ 何故、スペイン・ポルトガル|+**−−−−−−−−−− | | | | は東方貿易を行うことができな|| 教科書地図資料を参考に | | | | かったかを考える。 ||して、その要因について対 | | | | ||立的な話し合いをさせる。 | | | | |+−−−−−−−−−−−− | | | | | | | | | | | | | | オ スペイン・ポルトガルが東方| | | | | 貿易を行うために取った方針に|* 貿易のみならず海外進出 | | | | ついて考える。 | の背景にはカソリック教会 | | | | | の情熱的な布教活動があっ | | | | | たことにも触れる。 | | |30| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | | | | 1 まとめ | | 1 自己評価・感想発表をする。 | |終| | | | | | | | | | | | | | | | 2 次時の学習の確認 | | 2 次時の学習の確認をする。 | |末| | | | | | |10| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−