印刷用紙:B4縦 1ページの行数:78 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−                       選択社会科学習指導案                                 日 時 平成8年10月23日(水)                                 対 象 3年男子10名 女子8名 計18名                                 場 所 3年1組                                 指導者 藤井 宏一 1.コ−ス名   『知ってるつもり』 2.題材名    人物・史実 3.目 標      (1)自分の興味・関心から主体的に学習テ−マ(課題)を設定することができる。      (2)調査・研究・作業的活動を通して主体的に課題解決に取り組むことができる。      (3)学習の成果を自信を持って発表でき、自己評価や他の発表から今後の学習に生かすことができる。      (4)資料の収集や調査をおこなう中から、社会的事象を追究する力を養い、新しい視点から考察することが         できる。 4.題材観    社会科の中の歴史的分野を中心にして、生徒が自分で興味・関心を持っている人物やできごとを取り上げ、そのテ   −マについて資料を収集しながら研究・調査を行っていき、今の社会や自分とどう関係しているかを学習していくも   のである。    必修教科での歴史的分野の学習においては、1時間1時間学習の課題を明確に設定し、与えられるものを受け取る   だけといった受動的姿勢から課題解決に向けて主体的に学習に取り組む姿勢への転換を図っているこの選択教科のコ   −スでは、自分の興味・関心のある学習テ−マ(課題)を設定することで、より主体的・能動的な学習を行うことが   でき、生徒一人一人の特性に応じた指導が可能となる。また、通史学習の流れと異なり歴史上の人物からその果たし   た役割や生き方を時代背景と関連づけて学習を深めたり、歴史上の主なできごとや文化遺産について、見学・調査し   たり作業的・体験的な学習を行ったり、まとめて発表したりする学習を通して、多角的に考察させることで生徒自身   の活動と意識にインパクトを与えながら、全体の歴史学習の構造に厚みを増し、今後の生活の中での追究の力を養う   ものであると考える。    注意しなければならないのは、無理に難しい課題を設定したり、15時間という限られた時間の中でできそうにな   い課題を設定したりすることは生徒の学習意欲を低減することになるので、生徒の実態にあった課題を設定できるよ   う指導・助言することが必要である。また、生徒が主体的な学習活動として取り組めるよう、課題解決の方法につい   てできるだけ示唆を与えたり、具体的手順を指導することも必要である。 5.生徒の実態    社会科の歴史的分野に対して興味・関心を持った生徒が多い。履修届けの好きな教科に社会科を上げている生徒が   ほとんどである。必修の授業においては、興味・関心が高いこともあり、受け身ではなく積極的に取り組む生徒も履   修している。また、前期の選択教科で社会の地理的分野の「君もツアコン」を受けている生とが6人履修しており、   地理的分野との関連を図って、今回歴史的分野の「知ってるつもり」を履修している生徒がいる。このように授業の   前から目的意識をはっきり持ってっている生徒も見られるが、何となく履修している生徒も何人か見られる。自分の   課題を明確にさせ、積極的に取り組むことができるようにしたい。 6.指導観    必修の社会科の授業においては学習内容が多いため、なかなかひとつのことを深く掘り下げて学習することができ   ない。三分野においてはテ−マ学習の時間を設けて行うが、これは教師側から生徒全員の興味・関心が高いものを取   り上げておこなうものであり、生徒一人ひとりの興味・関心のあるテ−マを取り上げるのは困難である。しかし、選   択社会のこのコ−スで授業の中で学習したもの、授業の中に出てこないけれど興味・関心のあるものをより深く追究   できる。自分の興味・関心のあるものに自由に取り組めるので、生徒一人ひとりがより生き生きと学習できるものと   考えられる。    また、このコ−スでは、15時間の学習課題を自分で設けるだけでなく、15時間の学習計画も自分に合わせて計   画を立てることから1時間1時間の学習の積み重ねの大切さと計画的に学習する能力も養うものである。学習計画に   ついては、学習計画を個人で立てた段階で教師の方で指導・助言を与え無理なく学習が進められるように配慮する。    学習課題の範囲についてもできるだけ15時間の中で発表までできるものを選択できるようにする。課題追究にお   いての資料の収集は、学校の図書館や家にある資料だけでなく博物館や記念館などを利用させることで、資 |過程| 教 師 の 働 き か け | 生 徒 の 活 動 |時間| 指導上の留意点 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+ | |1.前時の説明から本時の学習内容をと|1.前時の説明から本時の学習内| |・発表する立場、聞く立| |と | らえ本時の各自学習課題を設定させ| 容をとらえ、本時の自分の学| |場から学習課題を設定で| | | る。 | 習課題を考え、記入する。 | |きるようにさせる。 | |ら |2.各自の学習課題を発表する立場、聞|2.本時の自分の学習課題を発表| |・発表する人、聞く・見| | | く・見る立場から発表させる。 | し、他の学習課題についても| |る人、両方から発表させ| |え |3.発表する側、聞く・見る側、両方の| しっかり聞く。 | |る。 | | | 発表から全体の学習課題を設定する|3.本時の学習課題を理解する。| 5|・教師の方で学習課題を| |る |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−++設定する。 | +−−++後半の学習に結びつく中間発表にしよう。 +−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−++ | | |4.前半の学習内容のまとめを発表させ|4.前半の学習内容のまとめをみ| |・前時で発表の仕方につ| | | 他の発表を聞く、見る立場から評価| んなの前で発表したり、他の| |いて注意指導する。 | |考 | させる。 | 発表から参考になることに注| |・発表内容の順番は共通| | | | 意して発表を聞く、見る。評| |とする。 | | | | 価する。 | |・発表については、生徒| | | | | |の創意、工夫を十分に生| | | |+−+−−−−−−−−−−−+| |かしてあげる。 | |え | ||発|・調査、研究項目 || |・聞く、見る側の評価の| | | ||表|・きっかけ || |視点を明確にする。 | | | ||者|・前半の学習のまとめ || |・発表が終わったらすぐ| | | || |・今後の学習内容 || |評価を記入させる。 | | | |+−+−−−−−−−−−−−+| | | |る | ||聞|・声の大きさ || | | | | ||き|・発表内容 || | | | | ||手|・まとめ方 || | | | | || |・参考となった点 || | | | | |+−+−−−−−−−−−−−+|35| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+ | |5.発表についての評価と感想を発表さ|5.発表に対する評価と感想を発| |・長くならないように注| |深 | せる。 | 表しあう。 | |意する。 | | |6.後期の学習と発表に向けての改善点|6.評価と感想をもとに後期の学| |・本時の学習課題のまと| | | について発表させる。 | 習と発表で気をつけることや| |めとなる。 | |め |7.生徒の発表をもとに本時のまとめを| 改善点について発表する。 | |・発表者一人一人につい| | | 教師がおこなう。 |7.本時の学習課題との関係から| |てコメントする。 | | | | 、学習のまとめについて理解| |・聞く態度についてもふ| |る | | する。 | 5|れる。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+ |ま |8.本時の学習のまとめを学習カ−ドに|8.本時の学習のまとめを自分の| |・自分の学習課題にあっ| |と | 記入させ、発表させる。 | 学習課題に照らしてカ−ドに| |たまとめであること。 | |め | | 記入し、発表する。 | | | |る | | | 5| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+ (3)評価      @発表の中に独自の工夫がなされているか。      Aお互いの発表を評価し、その中から後期の活動に結びつくものを発見できたか。