印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):66     あすなろ分教室小学部2年 日常生活の指導学習指導案                   日 時 平成3年10月2日(水)                      9:05〜9:40                     場 所 みたけ学園すずかけ寮棟学習室                対 象 小学部2年生                            (男子2名 女子1名 計3名)               指導者 山影好子 (T1) 中村美代子 (T2)                   金沢正勝 (介)          1 題材名  「朝の会」と「牛乳給食」               2 題材設定の理由                           あすなろ分教室小学部2年は、男子2名女子1名の計3名で編制され  ており、発達の段階は数か月から1歳半程度で、水頭症やてんかん、脳  性まひ等の障害を併せ持っている。児童の実態は、「座って」とか「持  って」などの簡単な指示がわかり教師と一緒に活動できる子どもや、学  校での生活や学習に慣れいろいろな反応を見せ始めた子ども逹である。  運動面では、どの子も歩行に障害があり、自力での歩行が困難な児童、  バランスの調整ができず転倒の恐れがある児童、ようやく自力歩行がで  きるようになった児童である。このため行動の範囲が限られ、意欲があ  っても行動が伴わないという場面が多々見られる。            日常生活の指導は、あすなろ分教室の教育課程のおよそ半分を占めて  いる。その指導の中心は「朝の会」と「牛乳給食」であり、年間を通じ  て実施し、児童の学習活動の中核となっている。「朝の会」の活動内容  はおはようの歌や今月の歌などの音楽の内容や、今日は何月何日という  ような算数の内容など教科の内容も含み、楽器や文字・数字に興味を持  たせたり、話しを聞く態度や注目することを身につけさせる総合的な学  習の場となっている。また、「牛乳給食」の活動内容は、瓶のふたを取  ることや飲み終った瓶を洗うなどの動作の中に手指の基本動作や、目と  手の協応といった養護・訓練の内容も含んでいる。            「朝の会」の指導では、学習の始まりの意欲づけ、自分の力で取り組  める学習(色ぬり・シールはり)、係活動の3点に重点を置き、基本的  な学習態度や行動を身につけさせたい。この繰り返しの中で指導内容を  深めながら、できるだけ少ない援助で、児童自身の力で日常生活の諸活  動に取り組めるよう発展させて行きたい。また、「牛乳給食」の指導で  は、手洗いやこぼさずに飲む等の清潔に関する内容や挨拶、着席行動、  時間内に飲み終えること等、集団の一員としての決まりや約束について  意識づけていきたい。                       3 目標                               (1) 学校生活の始まりの意欲づけをする。              (2) 「朝の会」や「牛乳給食」の活動を通して基本的な学習態度を      身につける。                          (3) 「朝の会」や「牛乳給食」の中の係活動を通して自分の役割を      果たす。                           (4) 自分や友達を意識して、共に活動する気持ちを持たせる。     4 指導計画                              「朝の会」と「牛乳給食」は、年間を通じて指導する。各学期毎の指  導の重点は、次の通りである。                    +-----+---------------------------------------------------+  |   |        日常生活の指導 (35分)       |  | 学期+-------------------------+-------------------------+  |   |   朝の会(20分)   |   牛乳給食(15分)  |  +-----+-------------------------+-------------------------+  |   | ・主な流れを知る。    | ・いろいろな動作をできるだ|  |   |              |  け少ない援助で行う。  |  +-----+-------------------------+-------------------------+  |   | ・いろいろな活動をできるだ| ・全員で挨拶をする。   |  |   |  け少ない援助で行う。  |              |  +-----+-------------------------+-------------------------+  |   | ・個々の役割(係活動)を果| ・時間内に飲み終える。  |  |   |  たす。         |              |  +-----+-------------------------+-------------------------+ 5 本時の指導                            (1) 本時の目標(8月〜10月の指導目標)               ア 「朝の会」の諸活動をできるだけ簡単な声がけだけで一人で行う   イ 「牛乳給食」の始めの挨拶を全員で行い、その後の諸活動を短い    時間で行う。                           ウ 「朝の会」と「牛乳給食」に楽しく取り組む。          (2)児童の実態、本時の個人目標(別紙)               (3) 本時の展開        (別紙)               (4) 評価                               ア 「朝の会」の諸活動をできるだけ簡単な声がけだけで一人で行う    ことができたか。                         イ 「牛乳給食」の始めの挨拶を全員できちんとできたか。また、そ    の後の諸活動を短時間で行うことができたか。            ウ 「朝の会」と「牛乳給食」に楽しく取り組むことができたか。   (5) 配置図                            印刷用紙:B4横 1ページの行数:44 1行の文字数(半角で):164 5ー(2)児童の実態、本時の個人目標 5ー(3)本時の展開                                                                                 +-------+-----------------+---------------------------+-----------------------------+------------------------------------------------------------------------+--------+ |    |          |               |                |            個に対する配慮 (主な指導者)            |     | | 時間 |   学習内容   |      学習活動     | 教師の働きかけと指導上の留意点+-----------------------+-----------------------+-----------------------+ 教材教具| |    |          |               |                |    |      |    |     | +-------+-----------------+---------------------------+-----------------------------+-----------------------+-----------------------+-----------------------+---------+ |    | 「朝の会」をする |               |                |             |             |             |     | |    |  1.姿勢    | ・手をひざに置き、背中をまっ| ・手をひざに置きやすいように机| ・声がけで手をひざに置か| ・指しゃぶりをしないよう| ・机を体から離し、腕の緊|     | |    |          |  すぐにする。       |  を離したり、背中を意識させる|  せ、背中を伸ばすように|  に注意し、手をひざに置|  張をほぐし手をひざに置|     | |    |          |               |  ために背中を軽くたたく。  |  促す。        |  かせる。       |  かせる。       |     | |    |  2.始めの挨拶 | ・座ったままで教師と一緒に挨| ・「これから朝の会を始めます」| ・声を出して挨拶させる。|             |             |     | |    |          |  拶をする。        |  と挨拶する。        |             |             |             |     | |    |  3.おはようの歌| ・歌を聞いて、一緒に勉強する| ・歌の中で一人一人の教師の名前| ・一人一人の教師の顔を見| ・一人一人の教師の顔を見| ・一人一人の教師の顔を見| ・オルガ| |    |          |  教師を覚える。      |  か名字を呼び、意識づけをする|  て、指差しをする。  |  るように促す。    |  るように促す。    |  ン  | |    |          | ・教師と一緒に歌に合わせて手| ・一人ずつ名前を呼んで手遊びを| ・一人で教師の模倣をしな| ・手をたたいてあげたり、| ・腕の緊張をほぐし、頬が|     | |    |          |  遊びをする。       |  する。           |  がら楽しませる。   |  頬をなでてあげる。  |  さわれるように援助する|     | |    |  4.朝の挨拶  | ・当番が前に出て、全員起立し| ・当番を指名し、立つことや椅子| [当番]        | ・腰を曲げてのおじぎの仕| ・片手の援助でいすから立|     | |    |          |  て挨拶をする。      |  の出し入れを援助する。   | ・机につかまらないで立つ|  方を援助しながら教える|  たせる。       |     | |    |          |               | ・「おはようございます」と挨拶| ・一音ずつ区切って発音す|             |             |     | |    |          |               |  しおじぎをする。      |  る。         |             |             |     | |    |  5.今日の日付け| ・当番が前日のカレンダーを破| ・全員がカレンダーに注目するよ|             |             |             | ・日めく| |    |    曜日    |  いた後、カレンダーに注目し|  う促す。          |             |             |             |  りカレ| |    |          |  教師が読むのを聞く。   |                |             |             |             |  ンダー| |    |  6.呼名    | ・呼名されたら、挙手をする。| ・一人で返事ができるように援助| ・元気に返事をさせる。 | ・T1の呼名に一度で挙手| ・目の前にいるT1に注目|     | |    |          |               |  する。           |             |  しない場合は、後ろから|  し右手を上げ、声も出す|     | |    |          |               |                |             |  右手を上げるように促す|  ように促す。     |     | |    |  7.シールはり | ・それぞれの台紙にシールを貼| ・親指と人差し指でシールをつま| ・台紙のシールを貼る位置| ・左手の甲にシールを貼り| ・シールがつまみやすいよ| ・シール| |    |          |  る。           |  めるように援助する。    |  を指示する。     |  右手で取らせる。   |  うに提示する。    | ・台紙 | |    |  8.天気調べ  | ・外の様子を見る。     | ・絵カードを見せながら、今日の| ・今日の天気を言わせ、正| ・天気の絵カードに注目さ| ・天気の絵カードに注目さ| ・天気カ| |    |          | ・今日の天気のカードを選び、|  天気を言葉で繰り返す。   |  しい発音に直す。   |  せる。        |  せる。        |  ード | |    |          |  係がボードに貼る。    |                |             |             |  [天気係]      | ・天気色| |    |  9.天気色ぬり | ・係がクレヨンを渡し、色ぬり| ・色を選ばせたり、今日の天気を| ・T1の終わりの合図にク| ・クレヨンの箱をなめない|             |  ぬり用| |    |          |  用紙に色ぬりをする。   |  繰り返したりしながら、2〜3|  レヨンを片づけ始めるよ|  ように声がけする。  |             |  紙  | |    |          |               |  分でぬらせる。       |  うに促す。      |             |             | ・クレヨ| |    |  10.今日の予定 | ・2時間目に何を勉強するか話| ・絵カードなどを見たり、話を聞|             |             |             |  ン  | |    |          |  を聞く。         |  く。            |             |             |             |     | | 20分|  11. 今月の歌  | ・「大きな栗の木の下で」の手| ・1対1で楽しく取り組ませる。| ・声がけで援助をする。 |             |             | ・歌  | |    |  12. 終わりの挨拶|  遊びをする。       | ・「これで朝の会を終わります」|             |             |             |     | |    |          | ・座ったままで教師と一緒に挨|  と挨拶する。        |             |             |             |     | |    |          |  拶をする。        |                |             |             |             |     | +-------+-----------------+---------------------------+-----------------------------+-----------------------+-----------------------+------------------------+---------+ |    | 「牛乳」を飲む  |               |                |             |             |             |     | |    |  1.手洗い   | ・手を洗いに行く。     | ・牛乳係を指名し、他の人は手を|             | [牛乳係]       |             | ・牛乳 | |    |          |               |  を洗いに行くように促す。  |             | ・両手でかごを持たせる。|             | ・ふきん| |    |  2.挨拶    | ・「いただきます」の挨拶をす| ・できるだけ全員で一緒に挨拶さ|             |             |             | ・かご | |    |          |  る。           |  せる。           |             |             |             |     | |    |  3.飲み方   | ・こぼさず、ゆっくりあるいは| ・ふたとりや適切な瓶の持ち方を| ・早く飲み始めれるように| ・量が少なくなったら、机| ・量が多い時は両手で持つ|     | |    |          |  時間内に牛乳を飲む。   |  促す。           |  声がけをする。    |  に肘を突かずに両手で瓶|  ように声がけする。  |     | |    |    (挨拶)  | ・「ごちそうさま」の挨拶をす| ・様子を見て全員、あるいは個々|             |  を持つようにさせる。 |             |     | |    |          |  る。           |  に挨拶させる。       |             |             |             |     | |    |  4.瓶洗い   | ・瓶を洗いに行く。     | ・2度洗いをさせ、離さず瓶を持|             |             | ・瓶を離さないように声が|     | |    |          |               |  たせる。          |             |             |  けする。       |     | |    |  5.片づけ   | ・教室にあるかごに、静かに瓶| ・手が届く位置にかごを置き、声| ・静かに置くように声がけ| ・手元を見て、かごに入れ|             |     | |    |          |  を入れる。        |  がけで促す。        |  する。        |  るように声がけや援助を|             |     | | 15分|          |               |                |             |  する。        |             |     | |    | 「着席」をする  | ・自分の席に座る。     | ・次の時間の準備をさせる。  |             |             |             |     | +-------+-----------------+---------------------------+-----------------------------+------------------------+-----------------------+-----------------------+--------+