岩手県立総合教育センター研究集録(2000)


小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発に関する研究

−ワンチップ・マイコンを活用した測定活動を中心に−

盛岡市立中野小学校 教諭 小山田 吉光


T 研究目的

 「振り子」の学習では、糸につるしたおもりが1往復する時間は、おもりの重さなどによっては変わらないが、糸の長さによって変わることを理解させることをねらいとしている。そのために、児童が主体的な測定活動をとおして、振り子の規則性について感じ、考え、実感し、理解を深めていくことが大切である。
 しかし、振り子の規則性を調べるうえで重要な要素である時間は、従来のストップウォッチでの測定では、誤差が大きく、測定値の処理に手間がかかり、期待する結論を出しにくい場合が多い。そのために、測定や、測定値の処理や分析に必要以上に時間がかかり、児童一人一人が主体的に測定活動を繰り返し行うことが難しい。
 このような状況を改善するためには、児童一人一人が基本的な物理量である時間を、簡単な操作で正確に測定できる装置を開発し、児童が糸の長さやおもりの重さなどの条件を制御しながら、主体的に測定を繰り返すことができるようにする必要がある。
 そこで、この研究は、児童の主体的活動を促すことができる、ワンチップ・マイコンを活用した時間が手軽に測定できる装置を開発し、その効果を授業実践をとおして明らかにすることで、「振り子」の学習の指導改善に役立てようとするものである。

U 研究仮説

 小学校理科「振り子」の学習において、ワンチップ・マイコンを活用しておもりが1往復する時間を手軽に測定できる装置を開発し、児童の実験に活用すれば、児童は興味・関心を高め、主体的に繰り返し測定活動を行うことができ、振り子の規則性についての理解が深まるであろう。

V 研究の内容と方法

1 研究の内容
 (1) 小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発についての基本構想の立案
 (2) 基本構想に基づく実験装置の開発
 (3) 基本構想に基づく指導試案の作成
 (4) 授業実践及び実践結果の分析と考察
 (5) 小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発についての研究のまとめ

2 研究の方法
 (1) 文献法 (2) 質問紙法 (3) テスト法 (4) 授業実践

3 授業実践の対象
 盛岡市立中野小学校 第5学年 1学級(男子19名、女子18名、計37名)

W 研究結果の分析と考察

1 小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発についての基本構想

(1) 児童の主体的活動による振り子の規則性の理解についての基本的な考え方

ア 振り子の学習における規則性の理解についてのとらえ方
 小学校理科「振り子」の学習では、糸につるしたおもりが1往復する時間は、おもりの重さなどによっては変わらないが、糸の長さによって変わることを理解させることをねらいとしている。
 そこで、糸におもりをつるし、おもりの重さや振れ幅、または糸の長さを変えながら、おもりの1往復する時間を測定する。例えば、おもりの重さを変えて調べるときは、糸の長さやおもりの振れ幅など他の条件は一定にして測定する。これらの事象についての測定活動を行い、得られた測定値を分析していく活動が、振り子の規則性を理解する基本となると考える。

イ 児童の主体的活動についての基本的な考え方
 本研究における主体的活動とは、見通しをもって意欲的に問題解決に向けて活動することと考える。ここでいう見通しをもつということは、自分の予想や実験方法をもつということである。児童一人一人が自分の予想を明確に意識することにより、実験の結果との一致、不一致が明確になり、両者が不一致の場合再度見通しを検討することになり、より一層主体的活動が展開されると考える。

(2) 児童の主体的な活動を促し振り子の規則性の理解を深める実験装置についての基本的な考え方

ア 振り子の学習における測定活動の問題点
 振り子の学習において大切な活動は、糸につるしたおもりが1往復する時間を測定する活動である。従来、ストップウォッチを用い、【図−1】のように振り子が5往復あるいは10往復する時間を計り、その平均を求めて比較することが行われてきた。
 しかし、平均することによりかなり理論値に近い測定値が得られるものの、必ずしも測定値は一定とはいえなかった。それは、小学生にとって振り子の動きに合わせて、ス トップウォッチを スタート・ストップさせるタイミングが難しく、個人誤差が大きく影響していたためである。そのために、測定値の処理や分析について必要以上に時間がかかったり、期待する結論が導き出せなかったりすることも多かった。
 このように、従来「時間」を求めるのに用いられているストップウォッチには、「個人誤差を含む」、「時間を得るまでの測定値の処理や分析の煩雑さ」という2つの問題があるため、児童が主体的活動をとおして期待する結論を導き出すことが難しかった。

イ 児童の主体的な活動を促し振り子の規則性の理解を深める実験装置の開発についての基本的な考え方
 従来のストップウォッチでの測定の問題点を改善し、児童の主体的活動を促すことを目指すことから、開発 する実験装置は、次のような特徴をもつ必要がある。

@測定値の信頼性が高いこと A時間を瞬時に表示すること B児童が簡単に扱えること

 測定と同時に時間が表示される実験装置を取り入れることで、次頁【図−2】のような測定と処理が可能となり、それらに要する時間を大幅に短縮することができる。また、測定値の信頼性が高いことにより、測定値の分析が容易となり期待する結論を導き出しやすくなる。さらに、児童が簡単に扱える装置であれば、主体的 に繰り返し測定を行うことが可能となる。

ウ 実験装置の活用についての基本的な考え方
 振り子の学習についての理解を深めていくために、児童が主体的活動をとおして、振り子の規則性を「感じる」、「考える」、「実感する」ことが大切である。ここで、「感じる」、「考える」、「実感する」といった一連の学習活動において、開発される実験装置を活用することにより、以下のような活動が可能となり、振り子の規則性についての理解が深まるであろうと考えた。

「感じる」 一人一人が繰り返し測定活動を行い、どの児童も振り子の規則性を感じることができる。
「考える」 見通しをもったり見直したりしながら、繰り返し測定活動を行い、自分たちで振り子の規則性を発見することができる。
「実感する」 自分たちで発見した振り子の規則性を活用し、1秒振り子をつくることをとおして、振り子の規則性を実感することができる。

(3) 基本構想図

 開発される実験装置を活用して、児童の主体的活動を促し、振り子の規則性の理解を深めるための基本構想図は【図−3】のとおりである。

2 基本構想図に基づく実験装置の開発

(1) 実験装置の開発にあたっての留意点

 基本的な考え方で示した実験装置が備えるべき特徴を、更に具体的に表現すると次の3点になる。これらを満たすように留意しながら開発に取り組んだ。

@光センサーを用いて、信頼性の高い測定値が得られること。
A内部で計算、処理して瞬時に周期を表示すること。
B小型で扱いやすく、簡単な操作で使用ができるようにすること。

(2) 開発した実験装置の概要
ア 振り子計の概要
 装置の時間を測定する仕組みを【図−4】に示す。一組の光センサーが振り子のおもりによって遮断され、もう一度遮断されるまでの時間tを測定する。この時間tの2倍を周期とし、本体に表示する。これらの機能を実現し小型で児童が簡単に扱えるようにするため、ワンチップ・マイコンを装置の中心に位置づけ、「振り子計」と呼ぶことにする。
 ワンチップ・マイコンを取り入れた振り子計の開発は、【図−5】のような手順で行う。ワンチップ・マイコンは、マイクロチップテクノロジー社が開発製造しているPIC16F84を、プログラム言語は、アセンブリ言語を使用した。プログラム開発は、統合開発環境ソフトウェアMPLABを使用し、手持ちのパソコン上で行い、装置本体の製作と並行して進める。双方のめどが立ったところで、パソコン上のプログラムをワンチップ・マイコンに書き込み、動作を確認し、プログラムの手直しを行う。こうした作業を繰り返して完成したプログラムは、1万分の1秒単位で時間を測定し、内部で周期の計算を行い瞬時に周期を表示できるものとなった。開発したプログラムの時間の計測部分と周期の計算部分の一部を【図−6】に示す。


 【図−7】が、開発した「振り子計の本体部分」である。ほとんどの機能を、ワンチップ・マイコンに集約したため、わずかな部品数で構成することができ、同時に小さく安価な装置に仕上げることができた。スイッチも電源と操作用の2個しかなく、測定時には、操作スイッチを押すだけで非常に簡単に使用することができる。表示部分は7セグメントLEDを用いた4桁の表示部が取り付けてあり、千分の1秒まで表示が可能である。
 【図−8】は、開発した「振り子計のセンサー部分」である。高輝度発光ダイオードからの光をフォトトランジスタTPS101で受けるようになっている。また、おもりであるフィルムケースがセンサーの中央にくるように、調整のための印がつけてある。測定の際、この調整が大切である。

イ 実験用振り子の工夫した点
 実験用振り子については、鉄製スタンドに支えられた三つの部分からできており、それぞれつぎのような工夫を行った。  その一つは糸をつり下げる部分である。これは、【図−9】のように、紙ばさみを使っている。このようにすることにより、糸の長さを変えるときに、紙ばさみを開き、糸を引き上げて紙ばさみを閉じるだけでよく、長さの調整が児童の手で正確にできる。なお、紙ばさみは、十字に組んだ角材にボルトで取り付けており、糸は目立つように蛍光色の水糸を使用している。 二つ目は、振り子を振らす角度を決める分度器である。白紙にコピーしたものを厚紙にはり作成した。これを十字の角材に取り付ける際のポイントは、【図−10】のように、紙ばさみの口の先と0度の中心とを一致させることである。そのために、調整がしやすいように画鋲で固定した。 三つ目は、おもりである。おもりは、フィルムケースを用い、その中に入れる物によって重さが調整できるようにした。ただし、フィルムケースの中が空洞になる部分があると重心の位置が変わるので、容器の中は絶えず満たしておかなければならない。実際には、【図−11】のように、1円、10円、100円硬貨を使って重さを調整し、テッシュを上下につめることにより重心の位置がフィルムケースの中心にくるように調整した。

3 基本構想に基づく指導試案の作成

(1) 指導試案の概要

 開発した実験装置を活用して、児童の主体的活動を促し、振り子の規則性の理解を深めるための指導試案を以下のように作成した。

(2) 検証計画の概要

 指導試案に基づいた授業実践により、開発した実験装置を活用したことによる仮説の有効性を確かめるために、【表−1】の計画に基づいて検証を進める。

4 授業実践及び実践結果の分析と考察

(1) 授業実践の様子
 【図−12】、【図−13】、【図−14】は、それぞれ「感じる」、「考える」、「実感する」各段階での児童の活動の様子である。
 【図−12】は1時間目の振り子が1往復する時間を測定している様子である。簡単な操作で瞬時に周期が表示されることから、振り子計に対して高い興味・関心を示し、意欲的に何度も測定活動を行っていた。また、どの児童も振り子計が操作できるように、自分たちで役割を分担して活動を行っていた。各グループとも、すぐに振り子計の操作に慣れ、よい結果がえられ、振り子が同じ時間で振れることを感じることができた。
 【図−13】は5時間目の再実験の様子で、振り子の長さを測定しているところである。前回の実験の見直しから、振れ幅や重さ、糸の長さも数値化しようということであった。子ども達にとって長さの測定や調整が、重さや振れ幅にくらべ、1番大変であったようであるが、定規を持つ人、長さを読みとる人など協力して糸の支点からおもりの重心までの長さを測定していた。前回の実験と同じ条件では、同じ結果が得られることから、実験結果が信頼性の高いものとなった。
 【図−14】は6時間目の1秒振り子をつくる活動の様子である。このグループは、1秒振り子が終わり2秒振り子に挑戦しているところである。実験台の上ではスタンドの長さが足りず、椅子の上にスタンドを乗せ、おもりを下に垂らすことによって糸の長さを調整して測定を行っていた。与えられた30分という活動時間で、6つのグループすべてが1秒振り子をつくることができた。さらに3つのグループが2秒振り子、1つのグループが3秒振り子をつくることができた。

(2) 実践結果の分析と考察
 児童の興味・関心について、授業実践を行った5年2組37名に対して、事後にアンケート調査を実施した。【図−15】にその結果の一部を示す。
 「振り子計を使って、実験をしてみたいと思いましたか」の問いに対して、「とても思う」と「少し思う」の肯定的回答が100%であった。このことから、実験前から振り子計に対する興味・関心が高く、早く実験をしてみたいという意識があることがわかる。授業後も「振り子計を使った授業は楽しかったですか」の問いに対して、肯定的回答が100%と大変好意的であった。 また、授業を終えての自由記述による感想文をみると、「授業が楽しかった」といった記述が多く見られ、その理由として、振り子計を活用したことにより、測定が簡単にすばやくで きたり意図する周期の振り子づくりができたりしたことがあげられていた。

・振り子計は操作がかんたんで使いやすかった。それに正確に時間が測定できるので便利な機械だなと思いました。振り子計のおかげで1秒ふりこがつくりやすかったです。とても楽しい理科の勉強ができました。
・ストップウォッチは、手でスタートとストップのそうさをしなければならないので、振り子計はとても便利だなと感じました。振り子計のおかげで、理科の実験が楽しかったです。

以上の事後アンケート調査や自由記述による児童の感想文から、振り子計を活用したことにより、児童は授業に対して高い興味・関心を示したと考える。

イ 主体的活動を促すことについて

(ア) 実験装置に対する評価
 実験装置に対する児童の評価について、授業実践を行った5年2組37名に対して、事後にアンケート調査を 実施した。【図−16】にその結果を示す。

 児童の主体的活動を促すことを目指すことから開発した振り子計には、@測定値の信頼性が高いこと、A時間を瞬時に表示すること、B児童が簡単に扱えることといった3つの特徴があった。これらが児童に肯定されたことは設問11「正確だと思いますか」、設問12「すぐ結果がでるところがよいと思いますか」、設問13「操作は簡単だと思いますか」の結果(肯定的回答がそれぞれ、100%、100%、97.3%)からわかり、そのことが設問14の「進んで繰り返し実験ができたと思いますか」の肯定的回答100%につながっていったと思われる。
 さらに、児童が振り子計を用い、進んで繰り返し実験に取り組んだことにより、設問15「きまりが発見しやすかった」(肯定的回答97.3%)、設問16「1秒振り子がつくりやすかった」(肯定的回答100%)といった意識にもつながっていったものと思われる。事実、すべてのグループが自分たちの力で、振り子の規則性を発見し、1秒振り子をつくることができた。
 以上のことから、児童は、振り子計の3つの特徴を肯定的に受け止めており、振り子計を活用したことにより、意欲的に問題解決に向けて繰り返し実験を行い、振り子の規則性の発見や1秒振り子づくりをすることができたと感じていることがわかる。

(イ) 授業の取り組みに対する意識の変容
 児童の授業の取り組みについて、授業実践を行った5年2組37名に対して、事前・事後に理科の学習に関する意識調査を実施した。次頁【表−2】にその結果の一部を示す。

 χ2検定の結果、設問3、4、5、6について有意差が認められた。これは、自分たちで振り子計を用いた実験方法を考えたことにより、実験をしたり結果をまとめたりする活動に主体的に取り組もうとする意欲や態度が培われたためと考えられる。また、設問6について、児童一人一人が自分の予想を明確に意識できたことにより、実験の結果との一致や不一致が明確になり、再度見通しを検討し、実験を行ってみようとする意識が高まったためと思われる。再度見通しを検討し実験を行ったことにより、一層主体的活動が展開されたと考える。
 また、授業を終えての感想文には、以下のような記述が見られ、児童が自分の予想をもち、実験方法を考え、工夫しながら活動している様子が読みとれる。

・予想を考えて実験することはあまり無かったので、今回は予想するのが楽しかったし予想することが大切だなと感じた。
・今日は自分たちでいろいろと工夫しました。例えば、糸の長さが90cmではできなかったので、机の下に糸を垂らして実験しました。

 以上のことから、振り子計を活用した授業実践をとおし、児童は見通しをもち問題解決に向けて繰り返し実験を行うことができたことがわかる。したがって、先に述べた振り子計に対する児童の評価と合わせて考えると、振り子計が児童の主体的活動を促すことに有効であったと考える。

ウ 振り子の規則性についての理解が深まることについて
 
振り子の規則性についての理解の深まりについて、授業実践を行った5年2組37名に対して事前・事後に調査のためのテストを実施した。【表−3】にその結果を示す。
 事前・事後テストの結果をみると、各内容とも有効度指数が80以上を示している。また、振り子の規則性を実感させる段階での振り子づくりでは、自分の見通しをもち意欲的に取り組み、すべてのグループが1秒振り子を完成させることができた。さらに2秒振り子、3秒振り子と追求する姿が見られ、結果を数値的に関係づけてまとめていた児童も多かった。
 見直した実験後の感想や1秒振り子づくり後の感 想には、次のような記述が見られ、振り子の規則性についての理解の深まりが読みとれる。

・どうしても重さは関係あると思っていたけれど、見直しの実験をしてみたが、やっぱり糸の長さしか関係がなかった。
・2秒振り子づくりでは、時間が2倍になったので、糸の長さは50cmと思っていたけれど、長さが約4倍になったのでびっくりした。

 以上のことから、この振り子計を活用した授業実践は、振り子の規則性についての理解を深めることに有効であったと考える。

5 小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発についての研究のまとめ

 小学校理科「振り子」の学習において児童の主体的活動を促す実験装置の開発について、仮説をふまえ、授業実践によって明らかになったことは、以下のとおりである。

(1) 児童でも簡単に扱え瞬時に周期が表示される仕様にしたことから、児童は、振り子計や授業に対して高い興味・関心を示し、さらに、主体的活動を促され、繰り返し測定活動を行うことができた。
(2) 信頼性の高い測定値が得られることから、測定値の処理や考察が容易となり、自分たちの力で振り子の規則性を発見することができた。
(3) 1回の測定と処理にかかる時間が大幅に短縮できたことから、短時間で1秒振り子をつくることができ、さらに2秒振り子、3秒振り子と追求していくことにより、理解を深めることができた。

 以上のことから、この実験装置が本授業実践において、児童の主体的活動を促し、振り子の規則性につての理解を深めさせるために有効であったと考える。

X 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ
 本研究は、小学校理科「振り子」の学習において、ワンチップ・マイコンを活用した周期計測装置を開発し、それを用いることで児童の主体的活動を促し、振り子の規則性についての理解を深めさせようとしたものである。本研究の全体をとおして以下のような成果があった。

(1) ワンチップ・マイコンを活用して、3つの特徴(@測定値の信頼性が高いこと、A時間を瞬時に表示すること、B児童が簡単に扱えること)を備えた実験装置「振り子計」を開発することができた。
(2) 開発された実験装置を活用したことにより、児童は、授業に対して高い興味・関心を示し、また、主体的活動を促されたことで、振り子の規則性についての理解を深めることができた。

2 今後の課題
 本研究において、1秒振り子づくりは、ものづくりをとおして振り子の規則性について実感し理解を深めるために有効であったが、さらに他のものづくり教材の開発や日常生活との関連付けを図っていく必要がある。

【主な参考文献】
文部省 「小学校学習指導要領解説 理科編」 文部省 1999年
角屋重樹編著 「新しい理科の資質・能力を育てる指導法の開発」 明治図書 1998年
小川 晃著 「FIRST PICk」 マイクロアプリケーションラボラトリー 1999年
村上 弘 「創意工夫を引き出すワンチップ・マイコンを活用した実験装置の開発に関する研究」 岩手県立総合教育センター研究集録 1997年
トランジスタ技術増刊号 「PICマイコンを使おう」 CQ出版社 2000年
トランジスタ技術7月号 「PIC&AVR制作パラダイス」 CQ出版社 2000年



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