印刷用紙   :B4 縦 1ページの行数:68 1行の文字数 :116 高等学校1年理科(理科1)指導プログラム 学 校 名  岩手県立花巻南高等学校・・ 対象学級・・  1 年 2 組 45名 指導年月日  平成4年8月26日〜 平成4年9月10日 指 導 者  岩手県立総合教育センター    佐 々 木 修 一・・・・・・・・・ 1 単元名 「物質の変化と変化量」 2 単元設定の理由   本単元は、高等学校学習指導要領の理科1の目標に照らし、観察や実験を通して得られた情報をもとに、自然界に見られる  物質の変化について、基礎的基本的な概念を形成させることを目指して設定したものである。   理科1の内容は、「力とエネルギー」、「物質の構成と変化」、「進化」、「自然界の平衡」、「人間と自然」の5つの大  項目から構成されている。このうち「物質の構成と変化」の項目は自然界を構成する物質そのものを対象とし、理科1の基礎 となる内容が数多く含まれている。中でも物質の構成や変化を粒子的な立場で見ようとする原子論は、自然界に起こる様々な 現象を考察し正しい概念を形成させる上で、エネルギー概念とともに大切な考え方である。   高等学校1年の生徒は、物質の構成や変化について、中学校ですでに次の事項を学んでいる。   (1) 物質は原子や分子からできていること。   (2) 元素は元素記号で表わすこと。   (3) イオンは原子または原子団が電子を失うか、または得たものであること。   (4) 化合物の組成は化学式で表わすことができること。   (5) 化学反応に関係する物質の質量比は一定であること。   (6) 化学反応は、原子や分子のモデルで説明でき、化学反応式で表せること。   (7) 化学反応の前後で、反応物質と生成物質の質量の総和は等しいこと。   (8) 化学反応には熱の出入りが伴うこと。   また、高等学校においては、さらに次のことがらを前時までに学習している。   (1) 原子の中心部には陽子と中性子が結合してできた核があり、そのまわりを電子が回っていること。   (2) 電子配置には規則性があること。   (3) イオン性物質、分子、金属を構成する原子の結合は、核外電子の配置によって説明できること。   (4) 原子や分子の質量の相対的な値として、原子量・分子量・化学式量があること。   (5) 物質を構成する粒子の数を表わす値として物質量があり、その単位をモル(mol) とし、6.0×1023 個の集まりを1     (mol)ということ。 このように前時までの学習で、原子の構造や化学結合の基本的な内容については履修済みであるが、原子や分子の構造を理  解させることが原子論を教えることではない。原子論は、観察や実験を通して得られた情報を科学的に考察する上での基礎基 本であり、「すべての物質は粒子からできている」という考え方を土台として自然現象を考察する態度を、理科学習のあらゆ る機会をとらえて育成することが重要であると考える。   本単元では、まず物理変化を取り上げる。生徒にとって最も身近な物理変化は温度とともに変化する水の三態変化であろう。  しかし、水以外では常温付近で三態変化を観察できる物質はそう多くはないため、いろいろな物質の三態変化を直接観察し た経験はむしろ少なく、物質の三態変化に対して興味・関心を抱いているとは言えない状況にある。そこで、まず液体窒素を 用いていろいろな物質を冷却したり、逆にガスバーナで加熱したりして、常温付近では見ることのできないいろいろな物質の 三態変化を観察させ、物質そのものがもつ性質のおもしろさに気付かせたい。   固体から液体、液体から気体へのマクロな状態変化に対する興味・関心を高めた後に、三態変化における物質を構成する粒  子の運動状態の変化について考察させ、ミクロな粒子の運動状態がダイナミックに変化するイメージを持たせ、自然現象を粒 子的立場で考察する足がかりとしたい。そのために、メタノールを中心教材として液体状態のメタノールを液体窒素を用いて 固体状態としたり、熱湯を用いて気化させることによる著しい状態変化や体積変化を観察させることによって、三態変化にお けるメタノール分子の運動状態の変化を考察させたい。また、補助的な教材としてシミュレーション様式のCAI教材を用い、 目で見ることのできない原子や分子の運動のイメージをとらえさせる一助としたい。   次に化学変化を取り上げるが、ここでの重要な学習項目として化学反応式がある。化学反応式は、化学反応を化学式を用い て簡潔に書き表せるだけでなく、モル概念と組み合わせて化学変化を定量的に扱う上で極めて重要である。特に係数を決定し て化学反応式を作成することは、この後の化学分野の学習の基礎基本となる重要な技能である。係数決定法としては未定係数 法が一般的であるが、化学反応式を方程式と同様に扱うため、数的処理の不得意な生徒にとっては難しい方法である。また、 化学の基礎基本を学ぶ段階において化学反応式をはじめから数学的にのみ扱うことは、化学反応式が原子の組み替えによる物 質の変化を表わしているという実感を与えないでしまう危険性があると思われる。そこで、化学反応式を学ぶ初期の段階では、 反応物と生成物の化学式をもとに、物質がどんな原子で構成されているかを図解して反応式の左辺を右辺の各原子の数を合わ せ、その結果をもとに係数を考えるという方法を用いたい。なお、この技能の習得には学習速度や思考過程に個人差が大きく 現われるため、CAI教材を用いてこれに対処したい。未定係数法は、この後、係数決定の簡便法として指導する。   化学反応の具体例としては、気体の発生する反応、沈澱が生じる反応、酸化還元反応、中和反応を取り上げる。ここでは単 なる現象の羅列ではなく、化学変化によって物質そのものがすっかり変わってしまうことを実験をとおして実感させるととも に、化学反応式と物質量を用いて化学反応を定量的に考察しようとする態度を育成するために、工夫した実験を導入したい。 3 単元の指導目標 (1) 物質の三態変化を粒子の熱運動の立場から理解させ、自然界に起こる現象を粒子的立場で考察しようとする態度を養う。 (2) 化学変化の意味を認識させ、化学変化が起こるときには化学式も変わることを理解させる。 (3) 化学反応においては、ふつう熱の出入りが伴うことに気付かせる。 (4) 化学反応式を作る基本的な考え方に気付かせ、化学反応式をつくる方法を習得させる。 (5) 化学反応式の表わす量的関係を理解させ、それらを使って量的関係の計算ができるようにする。 (6) 酸・塩基、酸性・塩基性の違いを理解させる。また、酸・塩基とその中和反応を定量的に扱えるようにする。 (7) 簡単な気体発生の反応について理解させ、それらの気体が捕集できるようにする。 (8) いくつかの沈澱生成の反応と、それに伴う事項について理解させる。 (9) いろいろな化学反応を、物質量を用いて定量的に考察しようとする態度を養う。 4 単元の教材構造 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 物理変化 | |(いろいろな物質の三態変化を観察する)| +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 物質の構成粒子と物理変化 +−−−−−−−−+ 物質の構成粒子と化学変化 | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | 化学反応式のつくり方 | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | 化学反応式が表わす量的関係 | | | | +−−−−−−−+ | | ・分子の数の関係 +−−−−−−−+ 物 質 量 |        |           | ・物質量の関係 | +−−−−−−−+ | | ・体積の関係 |        |           | ・質量の関係 | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |いろいろな化学反応の定量的な考察| +−−−−+−−−−+ | | | 気体の捕集法 +−−−−+ ・気体が発生する反応 | +−−−−−−−−−+ | ・沈澱が生じる反応 | | ・酸化還元反応 | | ・中和反応 | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 単元の指導計画と主なねらい 《第1次・・》「物理変化」・・・・2時間  物質の変化を粒子の熱運動の立場から理解させ、自然界に起こる現象を粒子的立場で考察しようとする態度を養う。 〈第 1時〉いろいろな物質の三態変化 〈第 2時〉分子の熱運動と三態変化 《第2次・・》「化学変化と化学反応式」・・・・5時間  化学変化の意味を認識させるとともに、化学変化が起こるときにはふつう熱の形でエネルギーの出入りが伴うことに気付かせ る。また、化学反応式をつくる基本的な考え方に気付かせ、化学反応式をつくる方法を習得させる。さらに、化学反応式の表わ す量的関係を理解させ、それらを使って簡単な量的関係の計算ができるようにさせる。 〈第 3時〉化学変化と化学反応式 〈第 4時〉化学反応式のつくり方(未定係数法) 〈第 5時〉化学反応式が表わす量的関係(分子の数の関係、物質量の関係) 〈第 6時〉化学反応式が表わす量的関係(質量の関係、体積の関係) 《第3次・・》「いろいろな化学反応」・・・・4時間  簡単な気体発生の反応や、いくつかの沈澱生成の反応を取り上げ、実験をとおしていろいろな化学反応を物質量を用いて定量 的に考察しようとする態度を養う。 〈第 7時〉気体が発生する反応と気体の捕集法 〈第 8時〉化学反応式が表わす量的関係(実験:水素を計算どおり発生させる) 〈第 9時〉沈澱が生じる反応(実験) 〈第10時〉酸化還元反応 《第4次・・》「酸と塩基の反応」・・・・2時間  酸・塩基、酸性・塩基性の違いを理解させる。また、酸・塩基とその中和反応について、実験をとおして、物理量を用いて定 量的に考察しようとする態度を養う。 〈第11時〉酸・塩基と中和反応 〈第12時〉中和滴定(実験) 6 本時の学習指導(第1時) (1) 主題   「いろいろな物質の三態変化」 (2) 指導目標   いろいろな物質の三態変化を観察させることを通して、物理変化の意味を理解させるとともに、あらゆる物質は三態変化す ることに気付かせ、物質の変化に対する興味・関心を高める。 (3) 目標行動   あらゆる物質は三態変化し、この変化では物質の状態が変化するだけで、物質そのものは何ら変化しないと言うことができ る。 (4) 下位目標行動   G 目標行動に同じ。    1 あらゆる物質は三態変化すると言える。    2 物理変化では、物質の状態が変化するだけで、物質そのものは何ら変化しないと言える。    3 物質を三態変化させても、物質の種類は変わらないと言える。   R4 水の三態を観察したことがある。 5 気体を冷却すると、液体に変化すると言える。    6 液体を冷却すると、固体に変化すると言える。    7 液体を加熱すると、気体に変化すると言える。    8 固体を加熱すると、液体に変化すると言える。    9 気体から直接固体に変化することもあると言える。   10 固体から直接気体に変化することもあると言える。   11 三態変化の例を3つ以上あげることができる。   R12 温度によって、物質の三態が変化することが言える。   R13 三態とは、固体、液体、気体の状態のことであると言える。 (5) 形成関係図 (6) 指導過程の振付け表 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ |段階|事  項 | 指導・評価の内容 |下位目標行動| 学習教材 | 学習方法 | 形  態 | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | | | 導 |レディネス |物質の三態とはどんな状態を言うの| R13 | | 発 表 | 集  団 | | |テスト1 |か? 3つ挙げよ。 | | | 問 答 法 | | | |(1分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |レディネス |三態変化の例を挙げよ。 | 11 | | 発 表 | 集  団 | | |テスト2 | | | | 問 答 法 | | | |(3分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |レディネ |物質を三態変化させるには、どんな| R12 | | 発 表 | 集  団 | | 入 |テスト3 |条件を変えればよいか? | | | 問 答 法 | | | |(1分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |課題提示|どんな物質も、三態変化するのだろ| G | | | | | |(1分) |うか? | | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |液| |・水を冷却する。 | 6 |・液体窒素 | 実験・観察 | 集  団 | | |体| |・アルコールを冷却する。 | 6 |・水 | (演示実験) | | | |窒| |・不凍液を冷却する。 | 6 |・不凍液 | | | | 展 |素| |・花を冷却する。 | |・酸素ガス | | | | |に| |・ゴムボールを冷却して床に落とす| |・水銀 | | | | |よ|I1 |・バナナを冷却して釘を打つ。  | 6 |・テニスボール | | | |  |る| |・水銀を冷却する。 | 5 |・バナナ | | | | |冷| |・電球を接続した乾電池を冷却する| 5 |・ビーカ | | | | |却| |・空気を冷却する。 | |・風船 | | | | |実| |・酸素ガスを冷却する。 | |・花 | | | | |験| | | |・乾電池 | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |25|E1 |・液体、固体の状態で、水銀は金属| 2 3 | | 発 表 | 集  団 | | |分| | としての性質を表わすだろうか?| | | 問 答 法 | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |加|I2 |・食塩を徹底的に加熱する。 | 8 |・食塩 | 実験・観察 | 集  団 | | |熱| | | 7 |・水銀* | (演示実験) | | | |実| |+−−−−ビデオ教材−−−−+ | |・ガスバーナ | | | | |験| ||水銀を徹底的に加熱する。 | | |・試験管 | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | |・ビデオ装置 | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |10|E2 |・水銀の蒸気が目に見えないのはな| 3 7 | | 発 表 | 集  団 | | |分| | ぜか? | | | 問 答 法 | | | | | |・固体から直接気体になったり、気| 9 10 | | | | | | | | 体から直接固体になることはない| | | | | | | | | のだろうか? | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |物| |・物質の状態が変化するだけで、物| 2 |・教科書 | 説 話 法 | 集  団 | | |理|I2 | 質の種類は変わらない変化を物理| | | | | | |変| | 変化という。 | | | | | | |化+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | 開 |の|E2 |・三態変化以外の物理変化の例は?| 2 | | 発 表 | 集  団 | | |定| | | | | 問 答 法 | | | |義| | | | | | | | | | | | | | | | | |5| | | | | | | | |分| | | | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | ま |ポ ス ト|・どんな物質も三態変化することを| 1 | | 発 表 | 集  団 | | |テ ス ト| 理解できたか? | | | 問 答 法 | | | |(3分)|・融解、凝固、蒸発、凝縮、昇華の|5 6 7 8 9 10| | | | | と | | 意味を理解できたか? | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |次 時 の|・三態変化に伴って、原子や分子は| | | | | | め |予 告| どう変化しているのだろう? | | | | | | |(1分)| | | | | | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ 7 本時の学習指導(第2時) (1) 主題 「分子の熱運動と三態変化」 (2) 指導目標   メタノールの三態変化、及びブラウン運動の観察を通して、物質の三態変化を単位粒子の熱運動の立場から理解させ、自然 界に起こる現象を、原子論を土台として考察しようとする態度を養う。 (3) 目標行動   固体、液体、気体の各状態を、単位粒子の熱運動の激しさと結合状態の変化を視点として説明することができる。 (4) 下位目標行動   G 目標行動に同じ。    1 気体の状態では、すべての単位粒子は結合しておらず、空間を自由に飛び回っていると説明できる。    2 沸点に達すると、加える熱エネルギーは単位粒子同士の結合を切るのに使われるため、温度は一定に保たれると言える。   R3 沸点とは、液体がすべて気体に変化する温度であると言える。 4 沸点に達すると、単位粒子の結合はすべて切れると指摘できる。    5 液体の状態では、いくつかの単位粒子同士結合し合い、ある程度自由に動いていると指摘できる。    6 融点に達すると、単位粒子の結合が一部切れると指摘できる。    7 融点に達すると、加えた熱エネルギーは結合を切るのに使われるため、温度は一定に保たれると言える。   R8 融点とは、固体がとろけて液体になる温度のことであると言える。    9 熱運動が激しくなると、温度が上昇すると言える。   10 人間は、熱運動の激しさを温度の高低として感じ取っていると言える。   11 熱エネルギーを加えて行くと、単位粒子の熱運動が激しくなると指摘できる。   12 単位粒子は温度が高いほど大きなエネルギーを持ち、それに応じた熱運動をしていると指摘できる。   13 固体の状態では単位粒子は互いに結合し合い、ある1点を中心として振動していると指摘できる。   14 ブラウン運動を観察して、液体状態の水分子は動いていると指摘できる。   15 メタノール風船を観察し、メタノールの気体分子は空間を自由に飛び回っていると指摘できる。   R16 すべての物質は、原子や分子などの単位粒子からできていると言える。   R17 温度によって、物質の三態が変化することが言える。   R18 三態とは、固体、液体、気体の状態のことであると言える。 (5) 形成関係図 (6) 指導過程の振付け表 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ |段階|事  項| 指導・評価の内容 |下位目標行動| 学習教材 | 学習方法 | 形  態 | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | 導 |レディネス |水銀を徹底的に加熱すると蒸気にな| R16 | | 発 表 | 集  団 | | |テスト |るが、水銀蒸気が見えないのはなぜ| | | 問 答 法 | | | |(3分) |だったか? | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |課題提示|三態変化に伴って、物質を構成して| G | | 説 話 法 | 集  団 | | 入 |(1分)  |いる原子や分子はどのように変化し| | | | | |  |    |ているのだろうか? | | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |メ| |・メタノールをポリ袋に入れて、熱| 15 |・ポリ袋 | 実験・観察 | 集  団 | | |タ|I1 | 湯であたためたときの、状態変化| |・メタノール | (演示実験) | | | |ノ| | を観察。 | |・お湯 ・水槽 | | | | ||+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |ル| |・メタノール風船はなぜ膨らむのだ| 1 | | 発 表 | 集  団 | | 展 |風| | ろう? | | | 問 答 法 | | | |船|E1 |・ポリ袋の中のメタノール分子は、| 1 | | | | | |の| | どんな状態になっているのだろう| | | | | | |実| | ? | | | | | | |験| |・液体に戻ったメタノール分子は動| 5 | | | | | |7| | かなくなるのだろうか? | | | | | | |分| | | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |ブ|I2 |・牛乳を水で薄め、顕微鏡で乳脂肪| 14 |・牛乳 ・水 | 実験・観察 | 集  団 | | |ラ| | の微小粒子の運動を観察する。 | |・プレパラート | (演示実験) | | | |ウ| | | |・顕微鏡 | | | | |ン+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+・ビデオカメラ +−−−−−−−+−−−−−−+ | |運|E2 |・乳脂肪の微小粒子は、なぜ不規則| 5 |・モニターテレビ| 発 表 | 集  団 | | |動| | に動くのだろうか? | | | 問 答 法 | | | |の| | | | | | | | |観| | | | | | | | |察| | | | | | | | |7| | | | | | | | |分| | | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |紙|I3 |・紙容器中に水を入れてバーナーで| 2 |・ガスバーナ | 実験・観察 | 集  団 | | |容| | 熱し、水を沸騰させる。 | |・石綿付き金網 | (演示実験) | | | |器| | | |・三脚 | | | | |中+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+・紙の容器 +−−−−−−−+−−−−−−+ | |で|E3 |・紙容器中に水がある間は、紙容器| 2 |・水 | 発 表 | 集  団 | | |の| | が燃えないのはなぜだろうか? | | | 問 答 法 | | | |沸| | | | | | | | |騰| | | | | | | | |5| | | | | | | | |分| | | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |熱| |+−−−−−−−−−−−−−−+| |・モジュール型| 多肢選択法 | 個別反応 | | |運|I4 ||・三態変化に伴う、単位粒子の|| 1 2 4 5 6 7| CAI教材 | | | | |動| || の熱運動の激しさの変化をシ|| | 「三態変化」| | | | 開 |と| || シミュレーションで見る。 || 9 10 11 12 | | | | | |三| || ||13 | | | | | |態+−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−+ | | | | |変|E4 ||・単位粒子の熱運動の激しさが|| 1 2 4 5 6 7| | | | | |化| || 変化すると、物質の状態はど|| | | | | | |25| || のように変化するか? || 9 10 11 12 | | | | | |分| |+−−−−−−−−−−−−−−+|13 | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | ま |次 時 の|・物質の種類が変わるような変化に| | | | | | と |予 告| ついて学習する。 | | | | | | め |(2分)| | | | | | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ ・Iは指導事項、Eは評価。          +−−+ | |は、モジュール型CAI教材の利用を示す。 +−−+ 8 本時の学習指導(第3時) (1) 主題   「化学反応と化学反応式」 (2) 指導目標   化学変化の意味を認識させるとともに、化学反応の過程では原子の新しい生成や消滅は起こらないという基本的な考え方を 基にして、化学反応式をつくる技能を習得させる。 (3) 目標行動   化学反応の過程では原子の新しい生成や消滅は起こらず、原子の組みかえが起こることによって物質そのものが変化すると いう基本的な考え方を基にして、化学反応式をつくることができる。 (4) 下位目標行動   G 目標行動に同じ。   G1 化学変化とは、原子の組替えが起こり、物質そのものが変わる変化であると言える。   G2 化学反応では、原子の新しい生成や消滅は起こらないという考え方をもとにして、化学反応式を作ることができる。    1 化学変化では、物質そのものが変わってしまうと言える。    2 化学変化では、原子の組替えが起こることを説明できる。    3 白い灰はマクネシウムではないことを、理由を挙げて説明できる。    4 白い灰は金属ではないということを、理由を挙げて説明できる。    5 マグネシウムリボンを観察し、マグネシウムは金属であることを理由を挙げて説明できる。    6 マグネシウムが燃焼して、白い灰ができたと指摘できる。   R7 マグネシウムの燃焼実験を観察することができる。   R8 金属の特徴を三つ挙げることができる。   R9 原子番号1〜20番までの元素記号を見て、その元素名が言える。   R10 原子番号1〜20番までの元素名を見て、その元素記号が言える。   11 白い灰は、リンと酸素が結び付いてできたものだと言える。   12 ビンの中に水が入るのは、空気中の酸素がリンと結び付いて、酸素が少なくなったためだと言える。   13 実験装置の中でリンを燃やすと、白い煙が生じ、ビンの中に水が入ることを確認できる。   R14 酸素には、ものを燃やす性質があると言える。   R15 空気中には酸素があると言える。   R16 水を満たしたシャーレに広口ビンをかぶせた実験装置の中でリンを燃焼させる実験を観察することができる。   17 化学反応式をつくることができる。   18 化学反応式中の、各単位粒子の化学式の係数を決定することができる。   19 化学反応にかかわる単位粒子の数を指摘することができる。   20 化学反応式中の、各原子の数を合わせることができる。   21 化学反応式の両辺に含まれる単位粒子を一つ一つの原子の段階までバラバラにして、元素記号で書き表すことができる。 22 化学反応式の両辺で、各元素の原子数は同じであると言える。   23 反応物の化学式を左辺に、生成物の化学式を右辺にかき、右向き矢印で結ぶことができる。   R24 化学式を見て、単位粒子中に含まれる各原子の数を読み取ることができる。   25 化学反応にかかわる反応物と生成物の化学式が言える。   26 化学変化をことばで書き表すことができる。   27 化学反応にかかわる反応物と生成物の名称が言える。   28 化学反応において、反応する物質を反応物、生成する物質を生成物と言える。   29 化学変化は、化学反応ともいうことを指摘できる。   R30 原子の新しい生成や消滅は起こらないと言える。 (5) 形成関係図 (6) 指導過程の振付け表 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ |段階|事  項| 指導・評価の内容 |下位目標行動| 学習教材 | 学習方法 | 形  態 | | | | | | | 評価方法 | | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | 導 |レディネス |・「Mg」は何という元素の元素記| R9 R10 |・マグネシウムリボン | 発  表 | 集  団 | | |テスト1 | 号か?            | | | 問 答 法 | | | |(1分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |レディネス |・マグネシウムは金属元素か、非金| R8 | | 発  表 | 集  団 | | |テスト2 | 属元素か? | 5 | | 問 答 法 | | | |(1分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |レディネス |・金属元素はどんな特徴を持ってい| R8 |・TP | 発  表 | 集  団 | | |テスト3 | るか? | | | 問 答 法 | | | |(3分) | | | | | | | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |課題提示|・マグネシウムを燃やすとどんな物| G | | 説 話 法 | 集  団 | | 入 |(2分)  | 質になるだろう?       | | | | | |  |    | また、その変化をかき表すには、| | | | | | | | どうすればよいだろう? | | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |マ|I1 |・マグネシウムの燃焼の観察 | R7 |・マグネシウムリボン | 観察・実験 | 集  団 | | |グ| | | 6 |・ガスバーナ | (演示実験) | | | |ネ+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |シ| |・マグネシウムが燃えてできた白い| R8  4 | | 発  表 | 集  団 | | 展 |ウ| | 灰は金属だろうか? | | | 問 答 法 | | | |ム|E1 | | | | | | | |の| |・物質の種類そのものが、すっかり| 1 | | 発  表 | 集  団 | | |燃| | 変わってしまうような変化を何と| | | 問 答 法 | | | |焼| | 呼ぶのだろうか? | | | | | | |5| | | | | | | | |分| | | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |リ|I2 |・リンの燃焼の観察 | R16 13 |・広口ビン ・シャーレ| 観察・実験 | 集  団 | | |ン| | | |・赤リン | (演示実験) | | | |の+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |燃|E2 |・ビンの中に水が入ったのはなぜだ| R14 R15 12 | | 発  表 | 集  団 | | |焼| | ろうか?       | | | 問 答 法 | | | | | | | | | | | | |5| |・ビンの中に生じた白い煙は何だろ| 11 2 G1 | | 発  表 | 集  団 | | |分| | うか? | | | 問 答 法 | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |化| |+−−−−−−−−−−−−−−+| 29 28 27 |・モジュール型 | 多肢選択法 | 個別反応 | | |学|I3 ||・化学反応式の両辺に含まれる|| 26 | CAI教材 | 構 成 法 | | | |反| || 単位粒子中の各原子の数を合|| 25 | 「化学反応式 | | | | |応| || わせて化学式の係数を決定し|| 23 | をつくろう」 | | | | |式| || 化学反応式をつくる。 || 24 | | | | | |の+−−++−−−−−−−−−−−−−−++ 21 | | | | | |つ|E3 ||・化学反応式の両辺に含まれる|| 30 | | | | | 開 |く| || 単位粒子中の各原子の数を合|| 22 | | | | | |り| || わせることができるか? || 20 | | | | | |方| || || 19 | | | | | |25| ||・化学反応式中の化学式の係数|| 18 | | | | | |分| || を決定することができるか?|| 17 | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| G2 | | | | +−−+−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |ポ ス ト|・化学反応式をつくることができる| G2 |・学習シート | 構 成 法 | 個別反応 | | ま |テ ス ト| か?(4問) | | | | | | |(7分)| | | | | | | と +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ | |次 時 の|・化学反応式を未定係数法でつくる| | | 説 話 法 | 集  団 | | め |予 告| 方法を学ぶことを予告する。 | | | | | | |(1分)| | | | | | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+ ・Iは指導事項、Eは評価。          +−−+ | |は、モジュール型CAI教材の利用を示す。 +−−+