印刷用紙:A4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角文字で):100 高等学校理科(物理)学習指導案      学校名   岩手県立一関第一高等学校      対象学級  2年G組(理数科 男子23名、女子15名、計38名)      指導年月日 平成7年9月28日(木)〜10月7日(土)5時間      指導者   小野寺 正喜 1 単元名 波動の探究活動 2 単元設定の理由  物理1Bでは、「運動と力」、「仕事とエネルギー」、「波動」、「電流と電子」の4つの単元があり、各 単元で探究活動を行うことになっている。本研究では、「波動」の単元をとりあげる。「波動」の単元は、波 のもつ基本的な性質を音や光などを通して学習する単元である。したがって、探究活動の題材は音または光と なるが、目に見える「光」をとりあげることにした。 3 単元の指導計画(合計5時間) 波の反射・屈折の基礎実験      1時間 レンズを通る光の基礎実験 1時間 レンズを通る光の探究活動1 1時間 レンズを通る光の探究活動2 1時間 まとめの発表 1時間 4 学習指導案(第1時)  (1) 主題「波の屈折のしかた」  (2) 指導目標     異なる媒質中を伝わる波の速さと屈折との関係をつかませる。  (3) 行動目標     ガラスの屈折は媒質中の伝わる速さの変化により起こることを、水波の実験から推論できるようになる。  (4) 下位目標行動    水波の伝わる速さは水深が浅いと小さくなることを説明できる。    水波の屈折は伝わる速さによって起こることを説明できる。    光の屈折の仕方は、水波の屈折と同じように伝わる速さが違っているために起きることを説明できる。  (5) 学習過程 第1時 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時間| 主 な 学 習 内 容 |  学  習  過  程 | 教 材・教 具 と 留 意 事 項 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<導入> | | | | |1 課題提示 |演示 | ・ウェーブマシーンでの反射波の観察。| |10分| ・反射波について | | | | ・屈折波について | | ・光の反射・屈折。 | | |2 課題 |課題の把握 | ・実験プリントで予想させる。 | | | 「波の屈折のしかた」| | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<展開> | | | | |1 水波の屈折 |演示 | ・水波発生装置と小型ストロボを使い | | | | | 水波の影を観察し記録させる。 | | |(1) 水波の水深による |浅いときと深いときの水波| ・グループ実験。 | | | 伝わる速さの測定 |の伝わる速さを求める | 水波発生装置、小型ストロボ。 | | | | | | |30分|(2) 水波の屈折の観察 |平面波に対して斜めに水深| ・グループ実験。 | |  |が浅い場合の観察 | 水波発生装置、小型ストロボ、アクリ| | | | |  ル板。 | | |2 ガラスの屈折率の |光の屈折は水波と同じよう| ・グループ実験。 | | | 測定 |な屈折か?同じといってよ| ・ガラス板、板、まち針、グラフ用紙 | | | |いだろうか。同じかどうか|  分度器。 | | | |わからないときにはどのよ| ・屈折率測定後レーザー光線で光路を確| | | |うな実験が考えられるか。|  認。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<まとめ> | | | | |1 水波や光の屈折に |グループで協議、全体での| ・実験プリントに記入、提出。 | | | ついて説明ができた |まとめ | | |10分| か? | | | |2 次時の予告 |探究していくレンズを、も| ・レンズの製作法についてのプリント配| | | |のによっては予め準備の必|  布。 | | | |要がある(第3時に使うも| | | | |の)。 | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 学習指導案(第2時)  (1) 主題「レンズを通る光の屈折のしかたについて」  (2) 指導目標     レンズによってつくられる実像や虚像は、異なる媒質中における屈折によって起こる特殊な例であると    いうことをつかませる。  (3) 行動目標     レンズによってつくられる実像や虚像は、異なる媒質中における屈折によって起こることを、水波の実   験や光の実験から推論できるようになる。  (4) 下位目標行動     水波の伝わる速さは水深が浅いと小さくなるので、水深が浅くなる粗な凸レンズ状のアクリル板は水波   を集める性質があることを説明できる。。     凸レンズ状のアクリル板は水波をほぼ一点に集める性質があることを説明できる。     光の凸レンズによる屈折の仕方は、水波の屈折と同じように起きることを説明できる。  (5) 学習過程 第2時 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時間| 主 な 学 習 内 容 |  学  習  過  程 | 教 材・教 具 と 留 意 事 項 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<導入> | | | | |1 課題提示 |演示 | ・粗なレンズ(水を入れたもの)、レー| | | ・粗なレンズによる| |  ザー光源、凸レンズ、凹レンズ、100W | |  光の屈折について| | 電球、スクリーン。 | |10分| ・レンズによる光の| | | | 像について | | | | |2 課題 |課題の把握 | ・実験プリントで予想させる。 | | | 「レンズの屈折のし| | | | | かた」 | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<展開> | | | | |1 レンズ型アクリル|レンズと同じように水波が| ・グループ実験。 | | | 板による水波の屈折|屈折するか観察 | 水波発生装置、小型ストロボ、レンズ| | | | |  状アクリル板。 | |30分|2 レンズの屈折 |レンズの屈折の様子の観察| ・グループ実験。 | |  | |  レンズ、光学台、矢印をくり抜いた板、 | | | | | すりガラス、電球、レーザー光源。 | | | | | レンズ内部の光の伝わり方を工夫させ| | | | |  て観察させる。 | | | |凸レンズの焦点距離の測定| | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<まとめ> | | | | |1 レンズの屈折につ|グループで協議、全体での| ・実験プリントに記入、提出。 | |10分|いて説明ができたか?|まとめ | | |2 次時の予告 |次時はレンズの探究活動 | ・前時に配布したプリントによって、探| | | | |  究していくレンズを再度考えさせ、場| | | | |  合によっては予め準備させる。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6 学習指導案(第3時)  (1) 主題「レンズを通る光の探究1−−−レンズ1枚によりできる像について−−−」  (2) 指導目標     レンズの屈折は、ガラスばかりでなくいろいろな材質で製作されたもので観察できる。実用面だけを探   究させるのではなく、新しい発想でレンズを製作させ、それがレンズの性質を持つかどうか確かめさせ、    新しいものへ挑戦する楽しみを味わわせる。  (3) 行動目標     自分で考えた素材でレンズを設計し、製作することができる。  (4) 下位目標行動     レンズの材質を具体的に考えることができる。     レンズを設計することができる。     レンズをつくることができる。     製作したレンズの性質を確かめることができる。  (5) 学習過程 第3時 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時間| 主 な 学 習 内 容 |  学  習  過  程 | 教 材・教 具 と 留 意 事 項 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<導入> | | | | |1 課題提示 |演示 | ・レンズの例。 | | | いろいろなレンズ| |  どの視点でレンズを考えるかを強調 | |5分| | | する。 | | |2 課題 |各自が課題の設定を行う | ・各自で考えさせる。 | | | |レンズの設計 |  材質、材料、作り方、大きさ、焦点距| | | | | 離を具体的にプリントに記入させる。| +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<展開> | | | | |1 製作 |レンズの製作 | ・個人実験。 | | | | | 実用性は考慮させない。レンズの性質| | | | |  を持てばよいことを強調する。 | | | | | ゼリー、ポリ酢酸ビニル、カチミン、| | | | |  アクリル溶液、ガラス管、ガスバーナ| |35分| | | ー、石こうでつくったレンズの型、T | | | |  Pシート、1mm厚の塩ビ板、ゼリー| | | | |  カッター(塩ビ板の一端を斜めに削っ| | | | |  たもの)、アルミ箔。 | | |2 検証 |レンズの性質を持つことの| ・個人実験。 | | | |検証 | 光を集める、または広げることが出来| | | | | るか。拡大縮小が出来るか。 | | | | | 焦点距離や曲率半径を測定させる。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<まとめ> | | | | |1 レンズの性質を持|レンズの性質を持つことの| ・グループ検討。 | | | つことが説明できた|検証についての検討 | お互い異なるものでつくったレンズの| | | か? | | 検討。他人の意見を尊重させるが、鵜| |10分| | |  呑みにはさせない。 | | | | 実験プリントに記入。 | | |2 次時の予告 |次時は製作したレンズの応| ・今日つくったレンズを工夫して次時に| | | |用 |  使えるように保存する。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  学習指導案(第4時)  (1) 主題「レンズを通る光の探究2−−−複数のレンズの組み合わせによりできる像について−−−」  (2) 指導目標     レンズを複数使用することによって、レンズ1枚の時と比べて実像や虚像のでき方が違うことを、模索    することによってつかまえさせる。  (3) 行動目標     レンズを複数使用することによっても、実像や虚像をつくることができ、倍率を測定することが出来る。  (4) 下位目標行動     複数のレンズを使ったときの、倍率を測定することができる。     複数のレンズを使ったときの、光の進む様子を図示することができる。     複数のレンズを使ったときの、実像、虚像をつくることができる。  (5) 学習過程 第4時 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時間| 主 な 学 習 内 容 |  学  習  過  程 | 教 材・教 具 と 留 意 事 項 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<導入> | | | | |1 課題提示 |演示 | ・凸レンズ、凹レンズ、光源装置、光学| | | 複数レンズを使うこ|・凸レンズと凸レンズでの|  台。 | |5分| とによる実像、虚像| 組み合わせ | | | | について |・凸レンズと凹レンズの組| | | | | み合わせ | | | |2 課題 |各自が課題の設定を行う | ・各自で考えさせる。 | | | | |  レンズの組み合わせ、大きさ、作り方| | | | | や倍率を予想させプリントに記入させる.| +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<展開> | | | | |1 複数レンズによっ|実像、虚像、倍率の観察・| ・個人実験。 | | | て、できる像の確認|測定 | レンズは自作のもの2枚にする。 | | | | | | | |2 レンズを固定し装|顕微鏡や望遠鏡の製作 | ・個人実験。 | |35分| 置化する | | 像の歪みは気にさせない。 | | | | 自作レンズ、厚紙、接着剤、カッター| | | | | ハサミ。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<まとめ> | | | | |1 複数レンズの光の進|複数レンズの検討 | ・グループ検討。 | | | み方を説明できたか| | 異なるレンズの組み合わせで確かめた| | | | | 像のでき方を検討。 | | | | | 実験プリントに記入。 | |10分|2 次時の予告 |次時は、前時と本時のレン| ・発表は全員で分担させる。 | | |ズを通る光の探究1・2の| ・予め発表用ポスター等は用意させる。| | | 次時の実験プリント配 |グループ発表 | ・発表項目は実験プリント。 | | | 布 | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 8 学習指導案(第5時)  (1) 主題「レンズを通る光の探究のまとめの発表」  (2) 指導目標     レンズをつくったり組み立てて体験的にとらえたことについて、まとめの発表を通して工夫や結果の妥    当性を検討させる。  (3) 行動目標     グループで発表することができ、内容について検討することができる。  (4) 下位目標行動     発表されたことについて、意見を述べることができる。     発表するときに、役割分担することができる。     グループでまとめ、発表することができる。     探究したことについて、グループで検討することができる。  (5) 学習過程 第5時 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時間| 主 な 学 習 内 容 |  学  習  過  程 | 教 材・教 具 と 留 意 事 項 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<導入> | | | | |1 まとめと発表につ|各自の個人実験のグループ| ・発表グループの順決定。 | |5分| いて |でのまとめ |  聞いているときには何を中心に聞いた| | |  | |  らよいかを注意する。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<展開> | | | | |1 発表 |各班の発表 | ・グループ発表。 | |35分| | | 司会者は交代で行わせる。 | | | | 発表用ポスターやプリントを準備させる.| | |2 検討 |各班ごとの検討 | ・質問や意見で発表内容を検討させる。| +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |<まとめ> | | | | |1 各自のデータとグ|発表全体の検討 | ・解説を行い、検討した結果が正しいか| |10分|ループの検討結果と発| |  どうか考えさせる。 | |表結果との比較でどの| | 実験プリントを提出させる。 | | |ように考えるか | | | | |2 次時の予告 |次の時間は波の干渉  | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+