印刷用紙 :A4縦 1ページの行数:59 1行の文字数(半角で):108 第 1 学 年  数 学 科 学 習 指 導 案                      日 時  平成6年10月4日(火) 1校時                         対 象  岩手県立岩谷堂高等学校 1年5組                     (男子16名 女子26名 計42名)                      教科書  新 編 数 学 T  (東京書籍) 1.単元名  『個数の処理』  教材名  「順列と組合せ」 2.指導目標 (1) 関心・意欲・態度 ・具体的な事象に対して,起こりうる場合の数を調べることに興味を持ち,順列,組合せ               の考え方や公式を積極的に活用しようとする。 (2) 数学的な考え方 ・場合の数がどのような数え方や考え方で求められるかを説明できる。              ・順列,組合せの公式の有用性に気づく。              ・円順列,同じものを含む順列などの多様な問題を考え,解決することができる。 (3) 表現・処理 ・順列,組合せの考え方や公式を正確に使い,場合の数を求めることができる。   ・順列,組合せ及び積の公式,和の公式を適切に活用し,様々な数え方や考え方ができ,               その個数が求められる。 (4) 知識・理解 ・順列,組合せの概念とその違いを理解し,具体的な事象に概念をあてはめることができ               る。   ・順列,組合せの公式の意味を理解し,その活用法がわかる。 3.単元について ものの個数を数えたり,ある条件のもとで起こる場合の数を数えることは,基本的な事柄であり,日常生活の様々な 場面で当面する問題であることから,本単元の内容は適用範囲が広く,数学の教養としても重要であるとともに,確率 ・ 統計の学習の基礎としても欠くことのできないものである。 具体的な事象の考察にあたって,対応などの操作によりものの個数を比べ,個数や順番を落ちがなく,重複もしない ように正しくしかも効率的に数えあげる基本的な事柄は,小学校以来取り扱われており,順列や組合せの基礎となる考 え方について,小学6年生の単元「場合の数」で図や表,樹形図(用語としては定義していない)を用いて操作的,実 験的な方法で求める学習をしている。さらに,中学3年生では,単元「確率」において,同様に確からしい確率の中で 樹形図などを有効に用いて場合の数を求める学習をしている。 本単元では,中学校で学習した基本的な個数の処理の考え方を基にして,そこに現れる数のもつ規則性を発見し,そ れを一般的な考えにまとめあげた個数の数えあげの方法を学習させる。つまり,具体的な場面を通して「場合の数」に 順列,組合せの概念を導入し,用語や記号,公式の意味を理解させるとともに,公式の有用性に気づかせ,公式を用い てその個数を求められるようにする。さらに順列,組合せの考えを適用して,様々な数え方や考え方ができるようにす るとともに,円順列や重複順列,同じものを含む順列などの基本的な考え方についても学習する。 4.指導計画 +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |項  目|  指    導    内    容 | 学習シート |時 間| +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |順列1 |順列の考え方とその数,公式の意味と活用法 | 1−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |順列2 |条件のある順列の考え方と解法 | 2−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |順列3 |重複順列,円順列の考え方と解法 | 3−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |組合せ1|組合せの考え方とその数,公式の意味と活用法 | 4−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |組合せ2|いろいろな組合せの考え方と解法 | 5−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |組合せ3|組合せの問題 | 6−1,2 | 1 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ |問題演習|順列・組合せの問題演習 |7,8−1,2| 2 | +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−+ 5.本時の指導[実践の4時間目 「組合せ1」] (1) ねらい (ア) 関心・意欲・態度 ・具体的な事象に対して,組合せの数を調べることに興味を持ち,組合せの考え方や公                式を積極的に活用しようとする。 (イ) 数学的な考え方 ・組合せがどのような数え方や考え方で求められるかを説明できる。   ・組合せの公式の有用性に気づく。 (ウ) 表現・処理 ・組合せの考え方や公式を用いて,その総数を求めることができる。 (エ) 知識・理解 ・組合せの考え方ができ,順列との違いがわかる。   ・組合せの公式の意味を理解し,その活用法がわかる。 (2) 指導の展開 +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 段 階 |学習シート| 学習活動と主発問 | 予想される生徒の反応 |   支援及び手だて   | +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |   |bR返却 |1.前時の復習をする。 |・順列:順序を考えて並べ|・前時の「学習シート」の記| | 導 |     | ・順列,重複順列,円順列|   る nPr | 述内容について気づいた点| | | |  の考え方と,その求め方|・重複順列:繰り返し用い| を説明する。 | | | |  は何ですか。 |   て並べる nr| | | | | |・円順列:円形に並べる | | |   | | | (n−1)! | | | 入 |bS配布 |2.配布された学習シートを| |・本時の流れを説明する。 | | |     |  概観し,本時の学習課題| | | | | | を把握する。 | | | +−+−+−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |bS−1 |3.題意を理解し,解決に必| |・問題の構成要素を把握させ| | | |問|例題1−1|  要な既習事項を想起する| | 既知,求答事項を「学習シ| | | |題| | ・問題の既知事項,求答事|・既知:4つのチームがある | ート」に書き込ませる。 | | | |の| |  項は何ですか。 |・求答:リーグ戦の試合数| | | | |把| | ・問題を解くのに必要と思|・場合の数(小学6年) |・関係する既習事項を,思い| | |自|握| |   われる事柄は何ですか。|・起こりうる全ての場合の| 出させ,「学習シート」に| | | | |     |             | 数(中学3年) | 書き込ませる。 | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |例題1−2|4.既習事項と比較検討し,| |・既習の順列との違いに気づ| | | |解| |  それを適用しながらどの| | かせ,「学習シート」に書| | | | | |  ように解決を図るかを考| | き込ませる。 | | | |決| |  える。 | | | | | | | | ・今まで習ったことと違う|・(A,B)と(B,A)は同じ試合| | | | |の| |  点はどこですか。 |・チームを順番に並べない| | | |力| | | ・今まで習った事柄を使い|・場合の数をすべて列記す |・解決の見通しをよく考えさ| |展| |計| |  ながら問題を解く方法を| る方法 | せ,「学習シート」に書き| | | | | |  考えなさい。 |・樹形図を用いて考える方 | 込ませる。 | | | |画| | | 法 |・常に「何をすればよいか」| | | | | | |・2次元表を作る方法 | を問いかけ,自力解決を図| | | | | | | | らせる。 | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | |解|例題1−3|5.解決の方策に従って,既|     |・解決を実行させ,その経過| | | |決| |  習事項を活用しながら解|      | や結果を「学習シート」に| | |解|の| |  決を実行する。 |    | 書き込ませる。 | | | |実| | ・自分で考えた方法により| |・思考時間を確保し,適宜,| | | |行| |  問題を解きなさい。 | | 机間指導により自力解決を| | | | | | | | 支援する。 | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |例題1 |6.解決方法を発表し,他の|  |・数名に指名し,小黒板に書| | | |解|1,2,3|  解決方法と比較検討しな|     | かせ発表させる。 | | | | |自己評価 |  がら自己評価する。 |            |・小,中学校で,場合の数を| | | |決| | ・それぞれの考え方,解き|   | 列記や樹形図,2次元表で| | |決| | |  方を黒板に書きなさい。|           | 表したことを振り返らせる| | | |の| | ・どの考え方,解き方がよ|・場合の数をすべて列記す | など補足説明をする。 | | | | | |  いかを考えながらまとめ| る方法 |・各段階の考え方が,的確で| | | |検| |  なさい。 |・樹形図を用いて考える方 | あるかを考えながら「学習| | | | | | | 法 | シート」にまとめさせる。| | | |討| | |・2次元表を作る方法 | | | | | | | ・自己評価を書きなさい。| |・各段階での自己評価を「学| | | | | | | | 習シート」に記入させる。| | +−+−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |bS−1 |7.学習事項をまとめる。 | |・既習事項と関連づけながら| | | |小| まとめ | ○組合せの考え方や公式を| | 解決方法をまとめ,公式を| | | | | |  導く。 | | 導き,一般化する。 | | | | | | ・例題1の考え方と求め方|・4チームから2チーム選 |・順列と組合せの違いをとら| | | |ま| |  はどのように表されます| ぶ組合せ | えさせる。 | | | | | |  か。 |・4C2 |  | | | | | | ・順列と組合せの違いはど|・並べ方を考える場合と, |・学習事項を学習シートにま| | | |と| |  んな点ですか。 | 考えない場合の違い | とめさせる。 | | | | |本時の目標| ○本時の学習目標を明確に| |・本時の学習目標を明確にと| | |一| |  | とらえる。    |・組合せの考え方,求め方 | らえさせる。 | | | |め| | ・今日の授業の目標はどの|・組合せの公式の使い方 | | | | | | |  ようなことですか。 |・nCrの計算方法 | | | | | | 練習1 | ○練習問題により公式の習| |・公式の習熟問題に取り組ま| | | | | 練習2 |  熟を図る。 | | せる。 | | | +−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |bS−2 |8.適用問題を解く。 |・10人から3人選ぶ組合|・場合の数が多くなれば,列| | | | | 例題2 | ・どのような方法で問題を| せの考え方 | 記や樹形図,表では対応で| | | | | |  解けばいいですか。 |・場合の数を列記する。 | きないことに気づかせ,公| | |般| | | |・樹形図を用いる。 | 式の有用性を感得させる。| | | | | 練習3 | ○公式nCr=nCn-rを導き| |・例題から公式を導き,その| | | | | |  習熟問題に取り組む。 | | 有用性に気づかせる。 | | | |適| 問題1 | ○問題解決の過程に従って| |・適用問題において,解決の| |開| | | 自己評価|  解決を図る。 | | 各段階を確実にとらえなが| | | | | | ・例題1と同様の手順で,| | ら自力解決を図り,その過| | | | | |  問題を解きなさい。 | | 程や結果を「学習シート」| | | | | | | | に書き込ませ,学習事項の| | | | | | | | 定着と効果的に活用する方| | |化| | | | | 法を身につけさせる。 | | | | | | | |・多様な問題を解くことで,| | | | | | | | 組合せの考え方や公式の活| | | | | | | | 用方法に習熟させ,一般化| | | |用| | | | を深める。 | | | | | | ○他の解決方法と比較検討| |・解決方法を発表させ,比較| | | | | |  し自己評価する。 | | 検討しながらまとめ,自己| | | | | | ・解決方法をまとめ,自己| | 評価を書き込ませる。 | | | | | |  評価を書きなさい。 | | | | | | | 問題2 | ・時間のある人は問題2を| |・進度の速い生徒に対し,練| | | | | 自己評価|  解いてみなさい。 | | 習問題に取り組ませる。 | +−+−+・ |−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |     | |9.本時の学習を振り返り,| |・一般化したことを確認し,| |  終  | |  まとめをし自己評価をす| | 本時のまとめをさせ,「学| |     | | る。 | | 習シート」に記入させる。| |     | | ・並べ方を考えるのは何で|・順列,nPr | | |     | 自己評価 | すか。 | | | |  末  |bS回収 | ・並べ方を考えないのは何|・組合せ,nCr | | |     | | ですか。 | | | |     | | ・今日の授業の自己評価を| |・本時の自己評価を「学習シ| |     | |  書きなさい。 | | ート」に書き込ませ,次時| |     | | | | の意識づけをする。 | +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+