印刷用紙:B4横  1ページの行数:35 1行の文字数(半角で):74            中学部「生活単元学習」指導案                  場 所 生活訓練棟ホール                  対 象 出店グループ8名                  指導者 遠藤寿明(T1) 佐々木聖(T2)                      高橋智子(T3) T 単元名    附養祭「出店を開こう」 U 単元設定の理由  1 単元について    附養祭は、1学期の運動会とともに全校で取り組む大きな行事であり、中   学部では「ステージ発表」と「食堂開設」に取り組んでいる。ここで取り上   げる「食堂開設」は、身辺自立(食事、着脱、整理整頓、清潔)、作業力(   調理、製作、作業)、言語・数量、社会(接客、買い物、販売)そして集団   活動と、私たちが育てていきたいと考える「生活する力」の大切な内容が含   まれていることから、毎年、単元として設定している。    昨年の食堂のメニューは、「ラーメン」と「カレー」であったが、とりわ   けラーメン作りでは生徒が主体的に活動することは難しかった。そこで、今   年は新たに「出店」の形で取り組ませようと考えた。食堂形式であると、い   ろいろな役割があり、その生徒の実態に応じた活動を設定できる利点がある   が、その反面、食堂全体のなかで自分の役割や位置づけが明確に認識できな   いと、興味や関心が沸かないということがある。出店形式であれば、直接客   と接することができ、活動も簡単であることから、生徒が調理している場面   を客に見てもらうことができる。また、日常生活の中で、お祭りの出店を経   験している生徒も多いことから、出店そのものが楽しいお祭りをイメージさ   せる。そのことから、生徒は楽しく参加でき、主体的な活動の高まりも期待   できると考えた。  2 生徒について    出店グループは、1年生4名(男子3名、女子1名)、2年生1名(男子)   3年生3名(男子1名、女子2名)で編成されている。主に調理や接客の楽   しさを味わわせることにねらいを置きたい生徒が中心となっているが、グルー   プの決定に際しては、できるだけ生徒の希望を考慮するようにした。また、   集団としてのダイナミックさを大切に考え、できるだけ学年や性別、また生   徒の能力など、偏りのないように配慮した。  3 指導について    単元の展開に当たっては、一人ひとりの生徒が、精一杯主体的に活動でき   るようにしていきたい。そのためにも「計画」段階では、実際にいろいろな   出店や食堂を経験させた上で、自分のやりたい出店を選ばせる。また「準備」   段階では、それぞれの小単元の中に同じ様な活動を用意し、発展的に取り組   ませるようにする。    指導に当たっては、生徒の意見や発想をできるだけ生かすようにし、また、   何より教師自身が楽しく参加し、生徒が伸び伸びと活動できるようにしてい   きたいと考えている。 V 指導目標  1 身仕度、準備、調理、盛り付け、後片付けなどを通して、調理に必要な技   能や安全・清潔への生活習慣を身に付けさせる。  2 客をもてなす気持ちを養うとともに、適切な応対の仕方を身に付けさせる。  3 自分の役割や係の仕事に意欲や責任を持って取り組み、友達と協力して活   動する力を養う。  2 本小単元「お店を作ろう」について    附養祭当日は、ジュース屋、わたあめ屋、フランクフルト屋と、三種類の   出店を出すことにした。いずれも比較的簡単に調理や準備ができるものであ   り、8名の生徒が十分に活動している様子を客に見てもらえると考えたから   である。    そこで、本小単元では3つの出店を作らなければならない訳であるが、展   開していくに当たっては、自分の担当する出店だけを作るのではなく、8名   が力を合わせて、一つ一つ作っていくことにした。そのことにより、友達と   関わる場面が増え、集団としての意識も高まると考えた。また、同じ様な活   動の積み重ねによって、3つの出店が出来上がっていくので、生徒一人ひと   りがより主体的に取り組むことができるとも考えたからである。さらに、一   つ出店ができる度に、実際に調理活動や接客する経験をさせることで、活動   意欲や目的意識を高めていきたいと考えている。 Y 本時の指導  1 本時の指導に当たって    本時は、フランクフルト屋の出店作りの最初の時間である。これまでに、   ジュース屋とわたあめ屋の出店を完成させてきていることから、生徒は自分   の活動が分かり、少しずつ意欲的な取り組みも見られるようになってきた。    そこで本時は、できるだけ生徒たちの力に任せて、楽しく授業を展開して   いきたいと考えている。そのためにも、これまでの授業の様子の中で生徒が   意欲的に取り組んだものは生かしながら、生徒一人ひとりの興味・関心を考   慮した活動内容、教材教具を工夫することにした。また、できるだけ直接的   な指示は少なくし、生徒が活動に集中するような声がけ(励まし、賞賛)や   自分で考えさせるような問いかけをするなど、教師も生徒と一緒になって活   動しながら、生徒が主体的に活動しようとする意欲を大切にしたいと考える。  2 本時のねらい   @ 共通のねらい     出店グループの友達と一緒に、店の装飾作りに参加し、意欲的に自分の    活動に取り組むことができる。 W 指導計画 (総時数41時間)  1 指導内容 印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):90 +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |   小 単 元  |    ね ら い   |     指 導 内 容    | 時 間| +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |          | ・附養祭があることや期| ・附養祭のことを思い出させるた|    | |  | 附養祭の計画を  |  日が分かり、今年も食|  めに昨年のビデオを見せる。 |    | |  |      立てよう|  堂を開きたいという気| ・附養祭で行うことを話し合う。|  2 | | 計|          |  持ちを持つことができ| ・附養祭までの準備、活動を確認|    | |  |          |  る。        |  する。           |    | |  +------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |          | ・食堂の係やお客さんに| ・教師の行う模擬店で実際に作っ|    | | 画| 食堂や出店の計画を|  なって模擬食堂を体験|  てもらったり、体験してみる。|    | |  |      立てよう|  してみながら、自分が| ・すべての食堂や出店の仕事を経|  5 | |  |          |  やりたい食堂や出店を|  験する。          |    | |  |          |  選ぶことができる。 | ・食堂や出店のグループ決めを行|    | |  |          |            |  う。            |    | |  |          |            | ・出店グループの準備、活動を確|    | |  |          |            |  認する。          |    | +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |          | ・自分たちの出店を、協| ・出店の装飾等を作る。    |  24 | |  | お店を作ろう   |  力して作ることができ| ・調理用具の準備をし、扱い方を| 本時 | |  |  わたあめ屋   |  る。        |  知る。           | 21、22 | | 準|  ジュース屋   | ・安全や清潔に注意し調| ・身仕度、安全、清潔に注意し、|    | |  |  フランクフルト屋|  理することができる。|  調理の練習をする。     |   24 | |  +------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |          | ・出店を実際に開き、調| ・調理用具の準備をし、扱い方に|    | |  |          |  理の仕方、客への対応|  慣れる。          |    | |  | お客さんをよぼう |  の仕方に慣れる。  | ・出店ごとに調理の練習をする。|  4 | | 備|          |            | ・客への対応の仕方を練習する。|    | |  |          |            | ・金銭の取り扱いに慣れる。  |    | |  +------------------+---------------------+-----------------------------+------+ |  |          | ・協力して、開店の準備| ・各出店を設置する。     |    | |  | 開店の準備をしよう|  をすることができる。| ・開店に必要な材料、用具を準備|  3 | |  |          |            |  し点検する。        |    | +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ | 当| 附養祭で     | ・これまでに学習した成| ・わたあめ屋、ジュース屋、フラ|    | |  |   出店を開こう |  果を発揮し、楽しく活|  ンクフルト屋を開店する。  |  2 | | 日|          |  動することができる。|                |    | +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ | ま|          | ・附養祭での様子を振り| ・附養祭での食堂や出店のビデオ|    | | と| まとめをしよう  |  返り、成就感・満足感|  を見て、みんなでがんばったこ|  1 | | め|          |  を持つことができる。|  と楽しかったことを振り返る。|    | +---+------------------+---------------------+-----------------------------+------+ 印刷用紙:B4横 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):160 3 本時の展開   +------------------+------------------------------+-----------------------------------------------------------------------------+---------------+   |  学習内容 (分)|    学  習  活  動   |         指   導   上   の   留   意   点        |  教 具 等 |   +------------------+------------------------------+-----------------------------------------------------------------------------+---------------+   | 1 準備     | ・活動に必要な道具等を準備する。| ・道具を所定の場所において置き、できるだけ教師からの指示を受けないで準備することが| ・ビデオ   |   |          |                 |  できるようにする。                               | |   | 2 あいさつ   | ・集合、あいさつをする。    | ・あいさつ委員の 号令にしたがって、元気にあいさつをさせる。      | ・型     |   |          |                 |                                          | ・タンポ筆  |   | 3 学習内容の確認| ・ビデオを見る。        | ・おかあさんが激励している様子の入っているビデオを見せ、活動意欲が高まるよう促す。| ・はんこ   |   |          |                 |                                          | ・絵の具   |   |          | ・作る店の名前や自分の活動を確認| ・これまでに作ったジュース屋やわたあめ屋のお店に注目させながら、本時においてフラン| ・絵の具バッド|   |          |  する。            |  クフルト屋のお店を作ることを意識づけるようにする。               |  その他   |   |          |                 | ・特に附養祭当日、フランクフルト屋をする T2にはがんばる| |   |      (15)|                 |  ように促す。                                  | ・シール   |   +------------------+------------------------------+-----------------------------------------------------------------------------+ |   |          |                 | ※ 一人ひとりの指導の手だては、P中8参照。                   | ・型     |   | 4 装飾作り   | 【装飾作り】          |                                          | ・スポンジ付 |   |          | ・T1は、一 | ・ T1 は、始め  にフランクフルトの絵に色を塗る活動に取り|     ボウル|   |  @ 装飾作り  |  緒にたれまく(フランクフルトの|  組ませる。しばらくして   には、はんこ押しの活動に取り組ませるようにする。| ・絵の具皿  |   |          |  絵に色を塗る、はんこを押す)を|  また、飽きてくることが予想されるので、ジュース屋の練習もかねて休憩で使うジュース| ・タンポ筆  |   |  A 休憩    |  作る。            |  を準備させる。                                 | |   |          |                 |                                          | ・型     |   |  B 装飾作り  | ・  | ・ T2 は、主に  と一緒にフランクフルトの絵に色を塗る活動に取り組みなが| ・ローラー  |   |          |  T2は、一緒にたれまく(フラン|  ら、  に声がけをして活動を促すようにする。  | ・絵の具皿  |   |          |  クフルトの絵に色を塗る、シール|  がなかなか取り組めないでいるときには、T2と一緒に活動させる。         | ・タンポ筆  |   |          |  を貼る、はんこを押す)を作る。|                                          | |   |          |                 | ・ T3 は、  と一緒にたれまくの文字を書く活動に取り組む。やや雑になりがち| ・型     |   |          | ・T3は、一緒にたれま |  なので、ていねいに取り組むようにさせる。また、時々 ががんばって| ・スプレー  |   |          |  くの文字をスプレーで書く。  |  いる様子を賞賛したり、声がけで活動を促すようにする。              | ・霧吹き   |   |          |                 |                                          | |   |          | ・一緒にの | ・生徒が自分の活動に飽きてきたときには、別な活動に取り組ませたり、教具を変えたりし| ・筆     |   |          |  れんと旗を作る。       |  て気分転換を図る。また、休憩は一斉に取り、がんばっている様子などを確かめあうよう| ・絵の具皿  |   |          |                 |  にしたい。                                   | ・棒 その他 |   |          | 【装飾飾り】          |                                          |        |   |          | ・ 作った装飾を、随時飾る。  | ・ T3 は、各グループを回って、がんばっている様子をポラロイドカメラで写す。  | ・ポラロイドカ|   |          |                 |                                          |  メラ    |   |          |                 | ・どのくらい作ればよいか見通しを持てるように、作る分だけ布を手元に置いておく。  | ・布     |   |          |                 |                                          |        |   |      (50)|                 | ・出来上がったら、随時出店に飾るようにさせ、活動意欲を高め、持続させるようにする。|        |   +------------------+------------------------------+-----------------------------------------------------------------------------+---------------+   | 5 まとめ    | ・今日の活動を振り返る。    | ・モニターTVで拡大した写真を見ながら、がんばって活動したことをみんなで賞賛する。| ・写真    |   |          |                 |  VTR等の操作は、T3が行う。                         | ・ビデオカメラ|   |          |                 |                                          | ・モニターTV|   |          | ・次時の予定を知る。      | ・次の時間で完成できるようにがんばろうと声がけし、意欲を高める。         |        |   |          |                 |                                          |        |   | 6 あいさつ   | ・あいさつをする。       | ・あいさつ委員の 号令に合わせて元気よくあいさつをさせるようにする。  |        |   |          |                 |                                          |        |   | 7 後片付け   | ・使った道具等の後片付けをする。| ・道具を所定の位置に返すようにさせる。                      |        |   |      (20)|                 |                                          |        |   +------------------+------------------------------+-----------------------------------------------------------------------------+---------------+