印刷用紙:A4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):80   中学部重複学級 養護・訓練学習指導案                                                               日 時 平成3年10月18日(金)2校時                         9:45〜10:25                           場 所 中学部重複学級(しらかば1組)教室                    対 象 中学部重複学級しらかば1組                            (1年 男子1名 女子1名 計2名)                   指導者 山本久美子(T1)村山 武 (T2)                                            1 題材名 「刺し子」                                                                       2 題材設定の理由                                  しらかば1組は、中学1年の男子1名、女子1名の自閉的傾向の生徒で編制さ     れ、週6時間の養護・訓練を行っている。養護・訓練の指導にあたっては、・教     師、友達との人間関係づくり(意思の疎通、指示理解)・学習態度の形成(着席、    注視・追視、注聴、模倣)に留意しながら、認知、運動・動作、言語に関する指     導課題を個別指導を中心に行っている。                        生徒の実態は、日常生活に必要な理解言語をもち、学習課題に向けてある程度     取り組むことができるが、集団のなかでは、個別の声掛けや援助が必要な生徒で     ある。対人関係では、呼びかけに対する反応が遅かったり、指示に気がつき行動     に移すまでに時間がかかり、友達を意識した活動が難しい。課題に対する取り組     みをみると、内容がわかれば取り組むことができるが、集中力や持続力に乏しく     落ち着いて取り組める時間が短いし、手指操作や協応動作にも課題がある。また、    物や順序へのこだわりがあり、思いどおりにならないと奇声を発したり動かなく     なることがある。                                  こうした生徒の実態から、指示理解や対応行動に重点をおき手指操作や協応動     作の向上をめざし、将来の作業に結びつくものとして、だんつうや刺し子による     布巾づくりの学習を行うことにした。                         刺し子は、・作業の基本となる動作が単純であり、同じ動作を繰り返すことに     より作品が完成する。・好きな絵柄を縫い刺すことにより意欲的に作業に取り組     むことができる。・色を変化させることにより小目標を設定しやすく、生徒自身     が自分の作業量を確認し評価しやすい。などから、生徒が見通しを持ち落ち着い     て作業できる適切な題材である。                           1学期は縫い刺し用紙を使って絵柄を刺すことで針と糸に慣れ、声がけされな     がらではあるが、1単位時間の作業が可能になってきた。2学期は、布を使い刺     し子を行っている。用具準備−布の用意−刺し子−片づけの一連の流れを理解し     つつあり、声がけで行動に移せる場面が多くなっている。作業も刺しゅう枠を使     い1針1針の根気のいる作業に落ち着いて取り組み、印を良く見る事や表裏の区     別もついてきている。しかし、次の作業に移る際には、常に声がけを必要として     おり、印が交差したり入り組んでくると刺し違えがみられるなどの課題も多い。      指導にあたっては、楽しく課題に取り組めるよう、生徒の興味のある絵柄を取     り入れながら、できるだけ生徒の力でできる作業を増やし、自分でつくることへ     の喜びを味わわせたい。また、普段から指示の通りやすい教師と生徒との関係づ     くりを心がけ、指示を聞いて落ち着いて課題に取り組む力、目的意識や見通しを     持って作業を持続する力、人とかかわりを持ちながら作業する態度を身につけさ     せたい。                                                                             3 目標                                     (1)指示を聞いて落ち着いて作業に取り組むことができる。             (2)要求を言葉で表現したり簡単な報告ができる。                 (3)作業の流れがわかりていねいな作品作りができる。                                                        4 指導計画 (70時間  本時 30/70)                  +---+-----------------------------------------------------+----------+   | 次|        活   動   内   容        |  時間  |   +---+-------------------------+---------------------------+----------+   | 1|  ビ−ズ通し       |               |   4  |   +---+-------------------------+---------------------------+----------+   | 2|  縫い刺し用紙による練習 |  糸とおし 針の運び方   |  10  |   +---+-------------------------+---------------------------+----------+   | 3|  運針          |  布の扱い 玉結び 糸の始末|   4  |   +---+-------------------------+---------------------------+----------+   | 4|  刺し子         |  布巾作り         |  52  |   |  |              |               | 本時12/52 |   +---+-------------------------+---------------------------+----------+   5 本時の指導                                  (1)本時の目標                                   (ア)指示に従って落ち着いて作業ができる。                    (イ)簡単な報告ができる。                            (ウ)印や色をよくみて刺すことができる。                                                            (2)生徒の実態と本時の個人目標                                                                  (3)本時の展開  (別紙)                                                                    (4)評価                                        (ア)指示に従って落ち着いて作業ができたか。                   (イ)報告ができたか。                              (ウ)印や色をよくみて刺すことができたか。                                                         (5)配置図