印刷用紙:B4横 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):190   小学部5年    国語学習指導案                                                                          日 時 平成3年10月18日(金)2校時                          9:45〜10:25                            場 所 小学部5年1組教室                             対 象 小学部5年Aグル−プ                                (男子4名 女子1名 計5名)                       指導者 田中 きく                                                        1 題材名   「 11ぴきのねことあほうどり 」                                                             2 題材設定の理由                                   本グル−プは、日常生活での会話が可能で、ひらがなの簡単な語句や文を読み理解で   きる。音読では、一字一字の拾い読みの段階の児童が2名いる。また、50音のうち    30字〜40字位の文字を正しく書くことができる。読み落としやつけたし読みをしな   いで、語句や文として、はっきりと大きな声で読めるようにすること、カタカナや濁音   拗音等の読み書きの習得を課題とするグル−プである。                  一学期には、7場面、4〜5行位の文の紙芝居を声を出して読んだり、言葉の意味を   理解し、物語のあらすじを追ったり、登場人物の気持ちになってせりふを表現したりし   て、読むことの楽しさを味わってきた。音読、書写、言葉の理解等は、繰り返し学習す   ることで身につけることが可能である。そこで二学期は、これらの課題を絵本を使って   発展させ、読む楽しさを味わわせたい。                         この物語は、猫達があほうどりを騙して食べようと考えたが、約束どおりコロッケを   作らねばならなくなり、猫達の魂胆とは全く予想外の結果に終わる。本時で扱う場面と   最後の場面の猫達の表情を対比させることにより、そのおかしさを読み取らせることが   できる。この猫達は、嘘をついたり、失敗したり、強いものに恐れを抱いたり、どこか   間がぬけていて憎めないかわいい存在である。猫達の言動は、児童たちの言動とも重な   り合って、親しみを持って読むことができると考えた。さし絵もいきいきと楽しく描か   れており、活動的な児童の心を魅了するものと思われる。また、この物語は場面ごとの   文章が短くまとまっており、児童には読みやすく理解しやすい本である。更に、3年生   の時に学習発表会で「11匹の猫」シリ−ズの劇を演じていること、先月の生活単元学   習で、収穫したジャガイモでコロッケ作りを経験していること等、イメ−ジ化が図りや   すく、興味をもって読むことができると考え、本題材を設定した。             指導にあたっては、場面を絞って繰り返し読ませ、さし絵と文を結びつけ、動作化す   ることにより、場面ごとの読み取りを深めていきたい。更に、音読やカタカナ、濁音、   拗音等の読み書きを反復練習することにより定着を図り、語彙を増やし、読むことの楽   しさが味わえるよう、絵や文字カード等の教材、教具を工夫して、日常生活に役立つ文   字や言葉の学習を進めていきたい。                         3 目標                                      (1)やさしい読み物を読むことに興味をもたせ、豊かな心情を養う。          (2)物語のあらすじや場面ごとのだいたいの様子を読み取らせる。           (3)大きな声ではっきりと音読できるようにさせる。                 (4)カタカナ、濁音、拗音等の読み書きをできるようにさせる。            4 指導計画( 15時間 本時 6/15 )                    +---+-----------------------------+------------------------------+-------+  | 次|    項       目   |    主 な 活 動 内 容  | 時間 |  +---+-----------------------------+------------------------------+-------+  |  |                | ・朗読を聞く。         |    |  | 1| どんなはなしかな       | ・音読する。          |  3 |  |  |                | ・あらすじをつかむ。      |    |  +---+-----------------------------+------------------------------+-------+  |  | くわしくよもう        |                 |    |  |  |  *コロッケのおみせやさん  |                 |  2 |  |  |  *コロッケつくり(店の奥) | ・音読する。          | 2(  |  |  |  *コロッケにたべあきたねこ | ・さし絵と文を結びつけ、動作化し| 2 |  | 2|  *コロッケをたべるあほうどり|  場面の様子を読み取る。    |  1 |  |  |  *あほうどりのくにへいくねこ| ・文章を視写する。       |  1 |  |  |  *あほうどりのいえのまちあい| ・カタカナ、濁音、拗音等の練習を|  1 |  |  |   しつ           |  する。            |    |  |  |  *コロッケつくり(あほうどり|                 |  2 |  |  |   のいえで)        |                 |    |  +---+-----------------------------+------------------------------+-------+  | 3| すきなところをはなそう    | ・自分の好きなところ、おもしろか|  1 |  |  |                |  ったところを発表し、絵にかく。|    |  +---+-----------------------------+------------------------------+-------+                                            5 本時の指導                                    (1)本時の目標                                    ア さし絵と文を結びつけて、動作化させながら、猫たちがせっせとコロッケ作りを      する場面の様子を読み取ることができるようにする。                イ 大きな声で元気よく音読できるようにする。                   (2) 児童の実態、本時の個人目標  ( 別紙 )                   (3) 本時の展開          ( 別紙 )                   (4) 評価                                       ア 猫たちがせっせとコロッケ作りをする場面の様子を読み取ることができたか。     イ さし絵と文を結びつけ、動作化することができたか。                ウ 大きな声で元気よく音読できたか。                       (5) 配置図                                   5−(2)児童の実態、本時の個人目標 5ー(3) 本時の展開 +-----+---------------------+--------------------------------------+--------------------------------------------+----------------+ | 段階|   学 習 内 容  |    学   習   活   動    |     教師の働きかけと指導上の留意点    |  教材・教具  | +-----+---------------------+--------------------------------------+--------------------------------------------+----------------+ |   | 1 始めのあいさつ  | ・当番は、前に出てあいさつする。    | ・大きな声であいさつできるように声がけする。 |        | | 導 |            |                     |                        |         | | 入 | 2 前時の学習の想起 | ・誰が出てきて、何をしていたのか発表する| ・前時に学習した絵を提示し、想起させる。   | ・前時のコロッケ| |   |            | ・11ぴきのねこの歌を歌う。      | ・元気よく歌わせ、学習の雰囲気を盛り上げ、意欲|  の店の場面の絵| | 5 |            |                     |  を持たせる。                | ・店      | | 分 | 3 学習のめあての確認| ・さし絵を見ながら、学習のめあてを知る。| ・さし絵を見ながら簡単に話し合わせ、学習のめあ| ・絵本     | |   |            | ・学習のめあてを読む。         |  てをつかませる。              |         | +-----+---------------------+--------------------------------------+--------------------------------------------+----------------+ |   | 4 コロッケ作りの様子|                     |                        | ・全文を書いた模| |   |   の読み取り    |                     |                        |  造紙     | |   |  (1) 音読      | ・大きな声で、元気よく読む。      | ・全員に一文ずつ読ませ、賞賛する。      |         | |   |            |                     |                        |         | | 展 |  (2) コロッケ作りの読| ・猫の数を絵本で確かめる。       | ・指で一匹ずつ数えさせ、本当に11匹の猫がいる|         | |   |    み取り     |                     |  ことを確かめさせる。            |         | |   |            | ・「まいにち、せっせとコッロケをつくりま| ・「まいにち」の意味をカレンダーを使って確かめ|         | |   |            |  した。」の様子を確かめる。      |  させる。                  |         | |   |            |                     | ・「せっせと」の意味を、教師が絵や動作で示し理|         | |   |            |                     |  解させる。                 | ・一部欠落したコ| | 開 |            | ・「ジャガイモをあらって、ゆでて、つぶし| ・さし絵と文を結びつけて読み取らせる。    |  ロッケ作りの絵| |   |            |  て、パンこをつけて」の様子を発表し、動| ・「あぶらであげて」以下は次時に扱う。    | ・文字カ−ド  | |   |            |  作化する。              | ・「あらって」の文に注目させ、文字カードや欠落| ・猫の絵    | |   |            |  (1) 「あらって」の文字カード、絵を貼る|  している絵を貼らせる。           | ・吹き出し   | |   |            |  (2) 猫たちの会話を考える。      | ・猫たちの会話が考えられない場合は、言葉を書き| ・テ−ブル   | |   |            |  (3) 吹き出しを貼る。         |  込んだ吹き出しを用意し選ばせる。      | ・バケツ    | |   |            |  (4) 動作化する。           | ・動作化させることにより、言葉のイメ−ジを具体| ・ジャガイモ  | |   |            | ・「パンこをつけて」の様子を(1) 〜(4) ま|  化させ理解させる。             | ・パン粉    | | 30|            |  で同じように行う。          | ・「ゆでて」「つぶして」については、生活単元学| ・エプロン   | | 分 |            |                     |  習「コロッケ作り」の写真を見せ簡単に触れる。| 等コロッケ作りに| |   |            |                     |                        | 必要な物    | |   |  (3) 視写      | ・「ジャガイモをあらって、ゆでて、つぶし| ・形よく書くようにさせる。          |         | |   |            |  て、パンこをつけて」をプリントに書き込| ・速く書けた児童には色ぬりをさせ、きれいにでき| ・プリント   | |   |            |  む。                 |  あがる満足感を持たせる。          | ・サインペン  | +-----+---------------------+--------------------------------------+--------------------------------------------+----------------+ | ま | 5 本時のまとめ   | ・本時の場面を視写したプリントを発表する| ・一人ずつ発表させ、賞賛し、次時への意欲づけを|         | | と |            |                     |  図る。                   |         | | め | 6 次時の予告    | ・教師の説明を聞く。          | ・次時の予告をし、次時への期待を持たせる。  |         | |   |            |                     |  (「あぶらであげて」や全体を通しての動作化、|         | | 5 |            |                     |  文字の練習)                |         | | 分 | 7 終わりのあいさつ | ・当番は前に出てあいさつする。     | ・大きな声であいさつできるように声がけする。 |         | +-----+---------------------+--------------------------------------+--------------------------------------------+----------------+