印刷用紙:B4横 1ページの行数:44 1行の文字数(半角で):170 小学部重複学級 養護・訓練学習指導案 日 時 平成3年10月18日(金)2校時 9:45〜10:25                   場 所 小学部重複学級(あおぞら)教室 対 象 小学部重複学級(6年男子2名) 指導者 大村 成子(T1) 鈴木 律子(T2) 1 題材名 「かざりをつくろう」 2 題材設定の理由 本学級は自閉的傾向を有する6年男子2名である。児童の発達の状態は、身辺  処理については1人はほぼ自立しているが、もう1人は部分的に援助を必要とし  ている。日常生活では簡単な言葉やサインを理解したり、友達の動きを見て一緒  に行動したりすることができ、自分の要求を身振りサインや教師の手を引く等で  あらわすことができる。また、一日の学校生活に見通しを持てるようになってき  ており、1単位時間着席しての机上学習や作業ができつつある。しかし、時とし  て突発的な行動を起こしたり、情緒が不安定になると乱暴な行動をとったりする  ことがあり、配慮が必要である。 2名の児童の「運動・動作」に関する発達段階はおよそ2歳〜3歳レベルで粗  大運動は何とかこなせるが、共通して微細運動能力が低い。その能力を高めてい  くことが「運動・動作」の分野での発達のバランスを図ることになる。   本題材では、手指を使って紙を丸めたり、モールを巻いてねじったりして(季  節と関連させて)「ぶどう」の飾りを作ることにした。子ども達はふだんから音  楽を好み、音楽を聴いて自分なりに体を動かして楽しんでいることから、「手遊  び歌」を導入に取り入れ、手指を動かしたり動作模倣をしながら、心の安定を図  り、継続して作業に取り組めるようにした。本学級の子ども達は「日常生活の基  本動作」の点でもまだ十分に確立していないが、中学部での作業へと発展させて  いくための基本動作の習得に重点をおきながら指導している。 これまで@手遊び A色ビーズの壁掛け作成 B の連結 Cアンダリア糸  と針を使っての縫いの基本練習 D織りの基本練習等を通して、つまむ、目と手  の協応、両手の協応、道具の利用等の学習を行ってきた。特に作業を行うために  必要とされている手指の巧緻性、目と手の協応動作及び作業に対する姿勢(継続  して取り組む)等を身につけることをねらいとしながら指導していきたいと考え  る。   本題材を通して、手指の巧緻性を高め、作業を繰り返し行うことによって興味  を持たせ、集中して取り組む態度や情緒の安定を図っていきたい。 3 目 標 (1) 手指の巧緻性と、目と手の協応を高める。 (2) 情緒安定を図り、最後まで学習に取り組む態度を養う。 4 指導計画 (3時間 本時2/3) 次     活  動  内  容 時  間 1 材料をそろえる ・セロハン、紙を切る ・ぶどう棚を作る(簾)  1時間  2 ぶどうをつくる ・ぶどうの粒をつくる ・粒を房にする  2時間 飾る   (本時1/2) 5 本時の指導 (1) 本時の目標 ア 紙を丸めて、セロハンで包むことができる。 イ モールを巻いてとめることができる。 (2) 児童の実態・本時の個人目標 (3) 本時の展開 (別紙) (4) 評価 ア 紙を丸めたり、セロハンでくるみ、モールでとめることができたか。 イ 楽しく学習に参加することができたか。 (5) 配置図 5ー(3) 本時の展開 段階    学習内容 学 習 活 動 教師の働きかけと指導上の留意点 教材・教具 1 始まりのあいさつ ・前に出て「はじめます」 ・T1はあいさつを援助した後、全員であ   のあいさつをする。 いさつをさせる。 導 2 呼名及び返事 ・呼名されたら返事をして挙手す ・きちんと返事ができたことを褒め、握手する。   る。   入 3 学習内容の確認 ・準備した物を見て、前時の学習 ・準備した材料や、ぶどうの棚を示して思い出させ ・セロハン を想起する。 る。 ・葉など ・教室の飾りとしてぶどうを作る ・T1は見本のぶどうを提示する。 ・ぶどうの棚 10 ことを確認する。 ・T2は、見本に注目して触れてみるように促し、 ・見本のぶどう ぶどう作りに意欲を持たせる。 分 4 手遊び歌 ・手遊び歌「指の体操」で手指を動 ・ふだん親しんでいる手遊び歌を歌うことで、緊張 ・オルガン(T1) (学習準備) かしたり、動作模倣をする。 をほぐし、併せて本時は手指を使う学習であるこ とを知らせる。 5 ぶどう作り ・ぶどう作りの手順にそって、T1 ・児童に手伝わせながら、作り方の手順を確認させ と一緒に行いながら確認する。 る。 展 @紙を丸める @小さく丸めさせる。       ・紙   Aセロハンで紙を包む Aセロハンが破れないように包ませる。 ・セロハン Bモールでとめる B手元をよく見てモールを巻くようにさせる。 ・モール 開 Cケースにおく Cケースのくぼみにきちんとおかせる。     ・ケース    いう気持ちにつなげる。 ・用具(びん) ・1ケース分(10個)の粒を作ることを知らせ、作業 ・セロハンテープ の量の見通しを持たせる。 25 ・自分で作る。 ・手順に従ってぶどうの粒を作らせる。   分                           ・単調な繰り返しにならぬよう、1ケース分の粒が できたら房にし、葉をつけて完成させる。    6 飾りつけ ・ぶどうを飾る。 ・できあがったぶどうと、見本のぶどうを棚に飾る。 ・ぶどうの棚 ま 7 本時のまとめ ・手順がわかって、最後までがん ・本時を振り返りながら、手順や作り方がわかり楽 と ばったかどうかを確認する。 しく作れたかを発表させる。 め 8 次時の予告 ・次時ももう一度ぶどう作りをす ・ぶどうの出来栄えを賞賛し、次時のぶどう作りに 5 ることを知る。 意欲を持たせる。 分 9 終わりのあいさつ ・前に出て「おわります」 ・一音ずつ口声模倣をさせながら、最   のあいさつをする。 後に全員であいさつをさせる。