は じ め に

 昨年度から完全学校週5日制が始まり,同時に小・中学校においては,新学習指導要領に基づく教育が実施されました。
 そして,この4月からは,高等学校においても,新学習指導要領による学校教育がスタートしております。
 また,盲・聾・養護学校においても,小学校,中学校,高等学校の各校種に準じて実施することになっております。
 これからの新しい時代に生きる子どもたちには,「豊かな学びの創造」が必要です。ここでいう「学び」とは,「知ることを学び」「なすことを学び」「他者と共に生きることを学び」「人間として生きることを学ぶ」という,ユネスコ『21世紀教育国際委員会』が掲げている四つの学びをもとにしています。そして,この「学び」は,第8次岩手県教育振興基本計画の基本目標である「一人一人が学びの世界を拓く,心豊かでたくましい人づくり」に結び付くものです。本県においても,教育関係機関,各学校において,目標実現に向けた取り組みが積極的に展開されているところです。
 学校教育においては,基礎・基本の確実な習得,心の教育の充実,関心・意欲の育成,少子化への対応,学校裁量の拡大,いじめ・不登校問題など,多岐にわたる課題についての早急な取り組みが求められております。これらの課題解決に向けて,「どこの場で(対象・領域),何のために(目的),何を求めて(目標),何をなすべきか(手だて・工夫)」を思索し,親や教師,学校は,地域はどうすればよいかを根底から問い直す必要があります。
 当センターにおきましても,これらの教育課題の解決のために,各教科等における研究をとおして児童生徒の基礎的・基本的な内容の定着や個性の伸長等に関わる研究を進めてまいりました。教育研究においては,各教科等及び現代的教育課題について,その姿を的確にとらえ,解決のための道筋,指導内容や指導方法等を明らかにすることが大切であると考えております。
 CDに収録しましたこの度の「教育研究158」は,過日開催いたしました第46回岩手県教育研究発表会で発表した21主題の研究をまとめたものです。また,「教育研究157」は,昨年度開催いたしました第45回岩手県教育研究発表会で発表した研究をまとめたものです。それぞれの研究は,各教科等の当面する教育課題を直視しながら,その解決の道筋を明らかにするとともに,実態調査等で得られた問題点を整理し,手だてにかかわる試案等の作成や実践結果の分析を行って,その成果と課題を明確にいたしました。この「教育研究」を各学校で活用され,研究についてのご意見を当センターにお寄せいただければ幸いです。
 終わりに,研究を進めるに当たって調査にご協力を賜りました県内の学校の校長先生をはじめ先生方,そして授業実践等のご協力を賜りました研究協力校や研究協力員の校長先生,先生方に対し,心からお礼申し上げます。

平成15年7月16日

  岩手県立総合教育センター
  所長   盛 川  通  正
   
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