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岩手県教育研究発表大会
真の学力向上をめざして
 
 2月17日(木)・18日(金)、花巻温泉、総合教育センター及び生涯学習推進センターを会場として、1,800名を超える参加者をお迎えし、第54回岩手県教育研究発表会を開催することができました。

 1日目の午前中は、「開会行事」(教育委員長挨拶・基調報告)と「全体会・実践報告」を行いました。
 校種を超えた多くの学校関係者が一堂に会し、本県教育の最重要課題である「学力向上」を図るため、「教育センターとの連携」、「家庭学習」、「校内研修」等に取り組んでいる学校、市町村に取組状況を報告していただきました。
 さらに、県高教研進路指導部会の上原進学専門部長から、各種調査結果をもとにした本県生徒の高等学校入学時の学習定着状況について、具体的な話をしていただきました。

 午後は、シンポジウム「真の学力向上をめざして−家庭学習の在り方と部活動等との関わりの側面から−」を行いました。部活動と家庭学習のバランスについて、シンポジストの方々から、率直なご発言をいただきました。特にも、岩手県スポーツ少年団谷藤本部長においでいただき、貴重なデータの提供を披露していただきながら、核心に触れる論議がなされました。さらに、会場からもこの問題について、様々な角度からの意見が出されました。
 続いて行われた実践発表「生徒を育む」では、3人の県内中学校教員から文武両道に取り組まれたすばらしい発表がなされ、会場の参会者に多くの感動を与えてくれました。

 2日目は、4つの特設分科会(人材育成、授業改善、生徒指導、家庭学習)と16分科会において、県内から選りすぐられた76主題の授業実践、研究成果が発表されました。それぞれの分科会でも工夫を凝らした運営がなされ、活発な協議を進めていただきました。それぞれの発表の成果が、これからの岩手の教育に実際に活用されることを期待しています。
 ご多用の中、おいでいただいた小苅米ジョイス特別常勤相談役、田鎖エフビー代表取締役社長をはじめ、シンポジスト、研究発表された先生方、また、発表者を推薦してくださいました関係各機関、企画展に出品していただいた関係各位、さらに、開催に当たってご支援、ご協力を賜りました本会場の花巻温泉のスタッフをはじめ関係各位、皆さまに心から感謝を申し上げます。
開会行事
主催者挨拶
県教育委員会 八重樫勝 委員長
県教育委員会 八重樫勝 委員長
 八重樫委員長は、挨拶の中で、はじめに昨年度の発表会で、岩手の学力向上について熱く語り合ったことを振り返り、今回の発表会においても、全体会、分科会において活発な研究協議が行われるとともに、岩手の子どもたちに生きる力をはぐくむためにためにどのような学びの環境を整えていくべきかについて活発な議論が行われるよう希望を述べました。
 また、授業力向上研修を受講した54歳の研修者から、「教師の道を志して生きてきて良かったと感じました。また、頑張って仕事をしていきたいと思います。」という感想を引用しながら、本県の教育が、このような真摯で熱い心をもった多くの先生方に支えられていることに改めて気付かされました、と述べました。
 さらに、盛岡市立見前中学校の土橋智花選手の新聞記事に載った言葉を引用しながら、彼女をはじめ、「大人に夢と感動を与えてくれる子ども」をたくさん育てたいと強く願うことにも触れ、教師としてさらに成長し磨き合う機会にする2日間となることの期待を示しました。
基調報告
総合教育センター 藤原忠雄 所長
総合教育センター 藤原忠雄 所長
 藤原所長は、はじめに、今年度の教育センターの事業の成果についてふれ、より一層現場に役立つ教育センターとしていく決意を述べました。その後、今年度の発表会の趣旨とその概要について、パワーポイントを用いて説明しました。特に、昨年度から教育研究発表会を大きく改編した経緯についてふれた後、県政課題である「学力向上」に向けた全体会、特設分科会の特徴を説明し、「2010年に岩手の学力向上が始まった、とお互いが確認し合えるような2日間としたい」と述べました。
全体会(実践報告、シンポジウム、実践発表)
県教育委員会 佐々木修一 教育次長兼学校教育室長 シンポジウム 会場全景
県教育委員会 佐々木修一 教育次長兼学校教育室長 会場風景 実践発表
分科会−16分科会・4特設分科会で実施−
分科会1 分科会2 分科会3
16分科会で、発表と実践報告等合わせて76主題の発表がありました
分科会4 分科会5 分科会6
参加者の声〜アンケートから〜
 発表会にご参加いただいた皆様に、会運営や所員等の発表内容について、アンケートを実施しました。
<おことわり> ●アンケート回収枚数は476枚(昨年441枚)です。●表の( )内は昨年のデータです。●割合の合計は、端数処理のため100にならない場合があります。●未回答があるため、所属校種の合計はアンケート回収枚数と異なります。
所属校種
上段:回答数
下段:割合%
幼稚園
保育所
小学校 中学校 高等学校 特別支援学校 その他
40(29) 203(205) 156(120) 30(29) 26(29) 8(28)
8.4(6.6) 42.6(46.5) 32.8(27.2) 6.3(4.3) 5.5(4.3) 1.7(4.2)
全体会
実践報告
シンポジウム
実践発表
人数[割合%]
名称 大いに
参考になった
参考になった あまり参考に
ならなかった
参考に
ならなかった
実践報告 76人[53.1%] 64人[44.8%] 3人[2.1%] 0人[0.0%]
シンポジウム 65人[42.2%] 69人[44.8%] 20人[13.0%] 0人[0.0%]
実践発表 53人[48.6%] 52人[47.7%] 4人[3.7%] 0人[0.0%]
特設分科会の満足度
人数[割合%]
延べ回答数:109
分科会 大いに
参考になった
参考になった あまり参考に
ならなかった
参考に
ならなかった
特設分科会全体 83人[63.8%] 43人[33.1%] 4人[3.1%] 0人[0.0%]
18日 午前 特設分科会1 岩手を支える人材育成を考える
特設分科会2 全国学調の結果を踏まえた授業改善
18日 午後 特設分科会3 今求められる生徒指導
特設分科会4 家庭学習指導の充実
全体会:特設分科会アンケート結果 (PDF:46KB)
16分科会の満足度
人数[割合%]
延べ回答数:449
分科会 大いに
参考になった
参考になった あまり参考に
ならなかった
参考に
ならなかった
分科会全体 280人[62.4%] 161人[35.9%] 7人[1.7%] 1人[0.2%]
18日 午前 [花巻温泉] 国語 算数/数学
[センター] 社会/地歴・公民 理科 音楽 図画工作/美術 外国語活動/外国語 道徳 情報教育 教育相談 特別支援教育
18日 午後 [花巻温泉] 国語 算数/数学 キャリア教育
[センター] 理科 体育/保健体育 家庭/技術・家庭 外国語活動/外国語 道徳 小規模・複式指導 幼児教育 特別支援教育
各分科会アンケート結果 (PDF:54KB)
研究内容の評価
回答%
研究主題名 大いに参考になった、今後の教育活動にぜひ生かしたい 参考になった、今後の教育活動にぜひ生かしたい あまり参考にならなかった、教育活動に生かせる内容があまりなかった 参考にならなかった、教育活動に生かせる内容がなかった
知識・技能の活用を図ることをねらいとした問題の作成 48 49 3 1
中学校理科年間指導計画「いわてモデルプラン」に基づいた観察・実験の指導資料の作成 52 48 0 0
中学校道徳における情報モラル指導に関する研究 −疑似体験を取り入れた授業展開例の作成をとおして− 53 47 0 0
中学校通常の学級及び高等学校における発達障がいのある生徒への適切な指導と必要な支援に関する研究 −特別支援教育研修資料の作成をとおして− 79 21 0 0
アンケートの記述から
(抜粋)
  • センターの発表が変わり、どの分科会も充実していました。校長先生の登壇も多く、分かりやすかったです。このような素晴らしい研修に参加できまして本当に良かったです。(小学校)
  • 2年連続で参加させていただいていますが、とても参考になる話や聞きごたえのある、そして勉強になる話、また、やる気が出るような感動的な話など、とても良かったと感じました。(小学校)
  • 分科会では明日からでも真似したいと思うことをたくさん教えていただきました。生徒に希望をみせる教育、寄りそう指導を積み重ねていきたいと思いました。また、授業が第一だとあらためて思いました。わからないことをじっと50分我慢させつづけるようなことは決してしないと心に誓いました。(中学校)
  • 大変参考になる研究発表であった。感動して聞き入ったものもあった。それぞれに幼児児童のために頑張っているなと刺激になった。明日から新鮮な気持ちで子どもたちと向き合いたい。(幼稚園・保育園)
  • 県の方針、「学力向上」という方向性が明確に伝わり、現場をあずかる者として分かりやすく迷わず取り組める。上原校長から出された東北六県の学力比較はある意味衝撃的であった。あの数値を真摯に受け止め指導にあたっていきたい。ありがとうございました。(小学校)
  • すばらしい生徒の活躍のかげには、すばらしい先生がいる。何度も胸がいっぱいになって拝聴しました。元気の出る先生方にお目にかかり、自分も今以上にやってやるぞ、という気持ちでいっぱいです。(小学校)
  • 母校で大変お世話になった上原先生のお話を久しぶりに聞き、パワーをいただいた。私が上原先生から分かるまで教えていただいたことが思い出され、今、自分が教えている子どもたちにも、分かるように教えなければならないと改めて感じている。(小学校)
  • 小学校でもスポ少が過熱しているところがあります。やはり、学校生活に影響がありました。部活動ではなく、その後の活動に問題があると私も思います。何よりもテレビ、ゲームの時間と家での生活習慣が大きく影響していると思います。(小学校)
  • 中学校教員として、高校生の学力の現状、課題を知ることができたのは、非常に良かった(上原先生の話より)。小中高の関係者が一堂に会し、本県の課題を共有できるのは非常によい機会だと感じる。次年度以降も期待しています。(中学校)
  • 数年ぶりに研究発表会に参加させていただきました。実践発表は皆さんどれもすばらしくて、さすがセンター発表会だなと思いました。日々の授業を生徒指導、部活を言い訳にして、研究と研修がおろそかになっていたことを反省しています。また、来週から教壇に立つエネルギーになりました。(中学校)
  • 企業関係者の講演3本とシンポジウムという型でよいと思います。やはり、我々教育関係者は、考えや視野を広げるため、民間の話をもっと聞くべきです。(中学校)
  • 人材育成の分科会、とても参考になりました。企業からのパネリストの方々のお話がとても新鮮でした。ありがとうございました。(中学校)
  • 高校の生徒指導の様子についてたくさん話を聞くことができ、大変参考になった。自分は中学校なので、高校での指導の前段階がどうあればよいのか考える機会になった。(中学校)
  • 家庭学習の取り組ませ方については毎年議論の的で頭を悩ませています。「宿題」と「自学」のバランス、「自学」の手立て、方法、内容について具体的な工夫を学ぶことができてよかったです。(中学校)
  • 冨山先生のお話と説明に大変共鳴いたしました。言語活動の中で言語能力を育てていく。生徒たちに主体的に学ばせる手腕を求められていること。中学生の実態・中学校の現場に立たれた理論と解説、身にしみました。(中学校)
  • 4つの校種の先生がそれぞれの実践をもとにした話をきくことができ、とても有意義でした。数学的な表現を子どもたちに正しく身につけさせるような授業を作っていきたい。(中学校)
  • 勉強になりました。高校教員も、小中の取組を知ることは有益です。(高等学校)
  • 小グループに分かれての研究協議は、始めは気が重かったが、ものすごく良かった。聞きたいと思っていたことも聞くことができた。とても勉強になった。(小学校)
アンケートにご協力いただきました皆様、ありがとうございました。今回のアンケート結果を、来年度の研究発表会運営や所員等の研究推進等に生かしていきたいと考えています。

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