教育センターニュース
第106号
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2017.02.27 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1〔特  集〕 『平成28年度(第60回)岩手県教育研究発表会』 
 
■2〔コ ラ ム〕 『チームづくりは人づくりから』 

[本文]

■1〔特  集〕『平成28年度(第60回)岩手県教育研究発表会』

 去る2月9日,10日の2日間,平成28年度(第60回)岩手県教育研究発表会を開催いたしました。 2日間でのべ 3,000名を超える参加者を得ての開催となりました。
 今年度の研究発表会のテーマは「確かな学び,豊かな学びをつなぐ」でした。本テーマを3年間 設定しており,次期学習指導要領等を見据えた授業づくりをサブテーマに構成しました。岩手県 教育委員会 高橋嘉行教育長(高橋の高ははしご段の高,以下*印)の主催者挨拶から始まり, 小野寺哲男学力・復興教育課長の基調提案,京都大学高等教育研究開発推進センター 松下佳代教授 の講演会,パネリストとして盛岡市立緑が丘小学校 佐瀬智洋教諭,盛岡市立上田中学校 佐々木巳樹教諭, 県立盛岡第三高等学校 高(*)屋恵理教諭,助言者として松下佳代氏によるパネルディスカッションを 構成しました。

 1日目開会行事から全体会の概要を紹介します。

○主催者挨拶  (岩手県教育委員会 教育長 高(*)橋 嘉行)
 「震災からの教育の復興」を優先課題と捉え,「子どもたちの心のサポートの充実」, 「安全で安心な教育環境の確保」に努めており,「いわての復興教育の推進」に全力で 取り組み,今回の被災体験を風化させることなく,本県の復興・発展を担う「ひとづく り」を進めていること,そして希望郷いわて国体・いわて大会を通じ,文化・スポーツ の持つ大きな力を改めて認識することができたことを述べました。さらに,次期学習指 導要領等の方向性が示される中,各学校で実践された授業改善の方法や内容について交 流を図り,新たな方向性を見いだす機会としたいという願いから本テーマ設定をしたこ とを述べました。

○基調提案 (岩手県教育委員会事務局学校教育室
          首席指導主事兼学力・復興教育課長 小野寺 哲男)
 本テーマの根幹をなすものは,「これからの岩手の義務教育」及び「岩手の高校教育 が目指すもの」で規定している「人間形成」であること,そして,次期学習指導要領等 が目指す理念を実現するためには,学校において教育目標の達成を目指し,教育課程全 体を通して教科横断的な視点から教育活動を行っていくことや,学校内外の人的,物的 資源を活用して教育課程を編成の上,PDCAサイクルを回していくことの必要性を述 べました。

○講演会  (京都大学高等教育研究開発推進センター 松下 佳代 教授)
 「学びを深めるアクティブ・ラーニング」と題して,資質・能力の三つの柱を育成す るための手法として,「主体的・対話的な深い学び」が必要であることや,学びの深さ に目を向けた「ディープ・アクティブラーニング」について,学習活動の構造や学習の プロセスについて解説いただきました。最後に,ディープ・アクティブラーニングの土 台は,すでに日本の教育実践の中に存在し,その土台の上に,新しい実践を築いていく ことが求められていることをお話しいただきました。

○パネルディスカッション(アクティブ・ラーニングの実際)
 「アクティブ・ラーニングの実際」と題して,パネラーに盛岡市立緑が丘小学校 佐 瀬智洋教諭,盛岡市立上田中学校 佐々木巳樹教諭,県立盛岡第三高等学校 高(*) 屋恵理教諭,コーディネーターに県立総合教育センター 鈴木徹主任研修指導主事,助 言者に松下佳代氏によるパネルディスカッションを行いました。最初に,県立大船渡東 高等学校 斎藤信太郎教諭による地理歴史・公民科「現代社会」授業のダイジェスト映 像を視聴し,「Q1 社会とのつながり,あるいは異校種との接続をどのように意識し て授業をデザインしているか」「Q2 主体的・対話的で深い学びの実現のために,そ れぞれの校種でどのような授業改善がなされているか」「Q3 深い学びに導くために 工夫されている点は」を軸に,各パネラーから実践内容や授業デザインの工夫について お話しいただきました。

★平成28年度(第60回)岩手県教育研究発表会資料の公開
  http://www1.iwate-ed.jp/kenkyu/siryou/index.html
後日,分科会で発表された県内の先生方の発表資料についても,公開いたします。

○来年度の岩手県教育研究発表会のお知らせ
 平成29年度(第61回)岩手県教育研究発表会
 ・期日 平成30年2月8日(木)〜9日(金)
 ・会場 花巻温泉,岩手県立総合教育センター,岩手県立生涯学習推進センター
 ・テーマ 「確かな学び,豊かな学びをつなぐ」
 多くの方々の参加をお待ちしております。
 


■2〔コラム〕『チームづくりは人づくりから』

 青山学院大学陸上競技部を箱根駅伝の優勝に導いた原監督は,著書の中で「指導者が 変わっても勝ち続けるチームづくり」を目指して,次のような4段階でチームづくり に取り組んできたことを紹介しています。
 細かく指示を出し教え込むステージ1(命令型),監督が学年長に指示を出し,学年長が 選手に伝えるステージ2(指示型),監督が方向性を示し,学年長が選手とともに考える ステージ3(投げかけ型),監督が外部指導者を巻き込み選手をサポートするステージ4 (サポーター型)の4段階のチームづくりです。原監督は,特にステージ3が重要である と感じ,いかに選手に自分の考えを持たせ,表現させるかということに重点を置いて, 少人数での話し合いを経験させながら質の高いチームミーティングへと発展させていく ことに取り組んでいきました。その結果,チームの一体感が生まれ連覇する強いチームを 作り上げることができたのです。
 このように教育の現場においても,知識伝達型の授業から,児童生徒が主体的に活動できる 授業を展開し,課題解決へ向けて児童生徒どうしで協働していけるような学習環境を作り 上げていきたいものです。


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