教育センターニュース
第109号
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岩手県立総合教育センター
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2017.07.19 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]

■1 〔研究紹介〕 平成29年度調査・研究のテーマ及び概要について

■2 〔コラム〕 『共生』

■3 [お知らせ] 提案授業のご案内 高等学校「物理基礎」


[本文]
■1 〔研究紹介〕 平成29年度調査・研究のテーマ及び概要について

【所員の調査・研究】

◯資質・能力の「三つの柱」を総合的に育む授業の在り方に関する研究
−主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して−
【平成28年度からの2年研究】

 「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月)で示された育成を目指す資質・能力(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」)を育むための指導と評価の在り方について研究します。2年次となる29年度は、「見方・考え方」を鍵とした「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善、資質・能力を適切に見取るための評価方法等の工夫に視点を当てていきます。対象校種・教科は、中学校及び高等学校の国語科、数学科、理科、社会科、地理歴史科、公民科、外国語(英語)科です。

◯小規模な高等学校における教育の質を確保するための遠隔授業の実証的調査研究
〈文部科学省「多様な学習を支援する高等学校の推進事業」〉
【平成28年度からの2年研究】

 岩手県内の高等学校の小規模校では、配置される教員数が限定されることから各教科・科目等の専門知識を有する教員が十分に確保されず、生徒の多様な進路希望等に応えた選択科目を開設できないことが課題となっています。
 平成29年度は、前年度研究の成果・課題を生かした上で、遠隔教育システムを活用した授業(遠隔授業)の効果と課題を分析し、対面の授業と同等の効果を上げるための条件や留意点などを明らかにすることで、高等学校小規模校における教育の質を確保し、本県が抱える課題の解決を目指します。

◯高等学校における「通級による指導」の導入に関する研究
−校内教育支援の体制面と運用面の整備を通して−
〈文部科学省「高等学校における特別支援教育推進のための拠点校整備事業」〉

 平成30年度より、高等学校における「通級による指導」の制度が運用開始となります。本研究は、その導入に当たり、特別の教育課程を編成・実施するための要件を、校内教育支援の体制面と運用面から探り、実践を通して明らかにしていくことにより、高等学校における特別支援教育のさらなる充実につなげようとするものです。

【長期研修生の調査・研究】
◯小学校道徳科における評価の在り方に関する研究
−児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を見取り,評価する方法の充実を目指して−

 道徳教育の充実を目指した小学校における「特別の教科道徳(以下道徳科)」が平成30年度から全面実施されることに伴い、道徳科における評価の重要性が示されました。本研究では、小学校道徳科における、児童の自己の生き方を考えようとする道徳性の成長を促すための評価の在り方について、授業実践を通して提案していきます。

◯中学校道徳科における評価の在り方に関する研究
−認め、励ます評価に生かす自己評価の分析を通して−
 
 道徳教育の充実を目指した中学校における「特別の教科道徳(以下道徳科)」が平成31年度から全面実施されることに伴い、道徳科における評価の重要性が示されました。本研究では、中学校道徳科における、生徒が自分の人生をよりよく生きようとする道徳性の成長を促すための評価の在り方について、授業実践を通して提案していきます。

◯物理法則の有用性を実感させ、興味・関心を高める高等学校物理の研究
−日常生活とのつながりを重視した教材の開発と活用を通して−

 物理の学習内容と生徒の日常体験を結びつけたり、理論通りの実験結果となる面白さに触れさせたりすることで、物理法則の有用性を実感させ、生徒の興味関心を高めることが可能であると考えます。そこで、日常生活とのつながりを重視した教材を製作し、それを活用した授業のあり方を提案します。

◯論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方に関する研究
−小学校算数科・理科の指導を通して−
   
 次期学習指導要領に「小学校段階におけるプログラミング教育」が位置付けられました。教科等の学習指導において目指す資質・能力の育成に向けて、時代を超えて普遍的に求められる論理的思考力を身に付けるために、既存のソフトウエア等を活用してコンピュータに意図した処理を行わせるなどのプログラミングを体験させる活動を取り入れた学習指導の在り方を実践的に明らかにし、発信することで、全面実施後における学校での円滑な指導の一助になることを目指します。

◯中学校における通級による指導の充実に関する研究
−通常の学級とのつながりを重視した自立活動を通して−
         
 高等学校における通級による指導の制度化が進められている中、小学校から高等学校までの連続性を踏まえた、中学校における通級による指導の充実に向けた取組が求められています。本研究は実践を通して、中学校における通級による指導に関する体制面・指導面の要件を探り、特別な教育課程を取り入れた指導・支援の在り方について提案していくものです。

◯特別支援学校におけるセンター的機能の充実に関する研究
−多様なニーズへの対応を可能にする校内体制の確立を通して−

 特別支援学校は、地域支援としてセンター的機能を担っており、多様なニーズへの対応が求められています。本研究では、特別支援学校におけるセンター的機能についての現状と課題について調査・分析を行い、センター的機能を充実させるために、校内における専門性を有効に活用できる体制づくりについて提案していくものです。

■2〔コラム〕『共生』

 ある日の退庁時の出来事です。鮮やかな黄金色の小動物が、センター敷地内の道路をゆっくり横断しています。キツネの子かと思いきや、その正体は、テン(イタチ科テン属)でした。
 初めて見る野生のテン、その愛らしい姿に感動するとともに、野生動物と人間が自然界で共生している光景を目の当たりにして、普段から共生する他者に対し、身勝手なふるまいをしてはいないか? 立ち止まり、しばし考えました。
 家族との共生、学校や職場での共生、地域住民との共生、さらには、国際社会における異文化との共生、人間が生活することは、他者と共生することに他なりません。良好な共生関係を築くために、他者としなやかに共生できる力を養わなければならないことを、心に留める機会をくれた小さな共生者(テン)に、感謝の念を抱いた夕暮れ時の場面です。
 最後になりましたが、当センターは、豊かな自然環境に囲まれております。自家用車等でお越しの際は、共生者達の交通事故にも御注意いただけると幸いです。
■3 [お知らせ] 提案授業のご案内 高等学校「物理基礎」

 平成29年8月21日(月)、花巻南高等学校において、高等学校「物理基礎」〜中学校と高等学校との接続を考慮した授業づくり〜と題して提案授業を行います。授業内容等の詳細は、下のリンクからチラシをご覧下さい。
http://www1.iwate-ed.jp/others/h29teianbutsuri.pdf

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