教育センターニュース第126号 2019.07.18|岩手県立総合教育センターメールマガジン
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126
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2019.07.18 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1〔研究推進〕令和元年度研究のテーマおよび概要について

■2〔コラム〕発想力

[本文]
■1〔研究推進〕令和元年度研究のテーマおよび概要について

【所員の研究】

◎コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を目指す小学校外国語科指導の
 在り方に関する研究
  -「CAN-DOリスト」形式の学習到達目標の例とWE-CANシートの活用を
  通して-【2年次/2年研究】
                             (担当:教科領域教育)
 本研究は,小学校教員が,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を踏まえた
小学校外国語科の基本的な指導や児童の学習状況の見取りについての理解を深めることに
資することが目的です。
 第5学年および第6学年における領域別の学習到達目標を明確にするとともに,コミュ
ニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成する指導について実践を通してまとめ,
基本的な考え方を示していきます。

◎幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の具現化に関する研究
  -低学年の発達の特性に応じた指導の工夫・改善とその推進体制作り-
                             (担当:教科領域教育)
 本研究は,小学校教育において,児童が主体的に自己を発揮しながら学びに向かうため
の方策の工夫・改善に資することが目的です。
 昨年度の長期研修生である森田(2019)が作成した発達や学びをつなぐスタートカリキ
ュラムおよび生活科を中心とした1年生のカリキュラムを研究協力校において実施し,そ
の有効性を検証するとともに,それらの評価・改善を図るための推進体制の在り方につい
ての一例を示していきます。

◎高等学校理科における探究の過程を自ら進める授業の在り方に関する研究 
  -科学的探究についての理解を図る「ブックレット」の開発とその活用を通して-
                               (担当:理科教育)
 本研究は,高等学校理科における探究の過程を自ら進める生徒を育成するために,理科
教員の指導の充実に資することが目的です。
 生徒が,探究の過程を進めるために必要なポイントについてまとめた「ブックレット」
を開発し,その活用を通して,科学的探究についての理解を図り,探究の過程を生徒が主
体的に進めることができるような授業の在り方を提案します。

◎中学校技術・家庭科〔技術分野〕における情報活用能力の育成に関する研究
  -ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングの学習を
  通して-
                            (担当:情報・産業教育)
 本研究は,中学校技術・家庭〔技術分野〕におけるネットワークを利用した双方向性の
あるコンテンツのプログラミングによる問題の解決の学習の在り方について明らかにし,
生徒の情報活用能力を育成することに資することが目的です。
 ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングを用いた問題を解
決する学習の在り方について,題材の指導計画と学習展開例を示していきます。

◎早期からの継続した教育支援体制の整備に関する研究
  -小・中・高をつなぐ「引継ぎシート」の開発・試行を通して-
                             (担当:教育支援相談)
 本研究は,特別な支援を必要とする児童生徒の継続した一貫性のある指導・支援のため
に,引継ぎを確実に行うための仕組みを構築し,早期からの継続した教育支援体制の整備
に資することが目的です。
 小・中・高の各校種間に応じた「引継ぎシート」を開発するとともに,シートを活用し
た適切な引継ぎの在り方を示したガイドブックを作成することを通して,各校種間におけ
る望ましい引継ぎの在り方を提案していきます。

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【長期研修生の研究】

◎「見方・考え方」を働かせ社会参画意識を高める授業の在り方に関する研究
  -新科目「公共」における大項目A「公共の扉」の単元構想と教材化の工夫を
  通して-
                             (担当:教科領域教育)
 本研究は,高等学校の新設科目である「公共」において,生徒の社会参画意識を高める
ための単元構想の考え方およびそれに基づいた授業の在り方を示すことで,公民科の授業
の充実に資することが目的です。
 「人間と社会の在り方についての見方・考え方」を働かせるための問いや活動を授業に
位置付け,多様な学習活動を組み合わせた単元構想を提示するとともに,社会的事象の教
材化を工夫した授業の在り方の一例を示します。

◎小学校理科「音の伝わり方と大小」と「雨水の行方と地面の様子」における資質・能力
 の育成に関する研究
  -観察,実験の位置付けが明確な授業づくりを通して-
                               (担当:理科教育)
 本研究は,小学校理科の「音の伝わり方と大小」と「雨水の行方と地面の様子」におい
て,児童が自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力
を育成するための授業の充実に資することが目的です。
 観察,実験の位置付けが明確な授業の在り方を検討し,資質・能力を育成するための授
業づくりの一例を示します。

◎知的障がい教育における教育課程の適切な実施に関する研究(特別支援学校小学部)
  -各教科等を合わせた指導での各教科等の目標,内容,方法,学習評価の一体化を
  通して-
                             (担当:教育支援相談)
 本研究は,知的障がい特別支援学校小学部の各教科等を合わせた指導において,各教科
等で育成したい資質・能力を意識した授業実践を行い,知的障がい教育の充実に資するこ
とが目的です。
 単元に含まれる各教科等の目標,内容,方法を明確にした上での単元構想や授業実践を
行い,学習評価と授業改善を図ることにより,知的障がい特別支援学校小学部の単元構成
や授業実践の一例を示します。

◎知的障がい教育における教育課程の適切な実施に関する研究(小学校特別支援学級)
  -学びの連続性を踏まえた単元構成・授業づくりを通して-
                             (担当:教育支援相談)
 本研究は,知的障がい特別支援学級において,学びの連続性を踏まえた授業づくりを通
して,知的障がい教育における教育課程の適切な実施に資することが目的です。
 個別の指導計画を基に教科等における教育的ニーズを明らかにし,単元構成と授業実
践,評価と改善につなげることにより,特別の教育課程を取り入れた教育課程の適切な実
施の一例を示します。
 

■2〔コラム〕発想力

 先日,インターネット上の新聞記事を読み,思いもよらない発想力に感嘆した。その記
事は,金沢駅の美しさを守る「鷹パトロール」がスゴ過ぎる! という見出しで掲載され
ており,鳩の糞害対策について紹介するものだった。
 記事を要約すると,石川県の玄関口,金沢駅には,改札を出ると訪れた人に傘を差し出
す「もてなしの心」を表現した「もてなしドーム」や鼓(つづみ)の胴にある「調べ緒」
をモチーフにした木造の「鼓門」が現れる。
 しかし,これらの美しい建築物が鳩にとって格好の場所になってしまうことから,金沢
市当局は,設計当初から鳩の糞害対策を検討・実施していたが,より効果的な方法として
「鷹パトロール」を取り入れた。
 生きた本物の鷹が飛び回り,鳩を威嚇するので効果絶大。さらに鷹が駅の構内を周回す
る姿が風情に合うとニュースやSNSで話題となり,美観維持とPRという一石二鳥の効
果を得ているというものであった。
 鷹を操る鷹匠(たかじょう)のお話によると,作業を開始した2015年当時は沢山の鳩が
住み着いていたが,現在は全く見かけないとのこと。コラムに寄稿している小職も現地を
何度か訪れた際,鳩一羽見たことはなく,いつも美しい景観が保たれている印象がある。
 さて,冒頭で申し上げたとおり,鳩の糞害対策として何をするかと考えたとき,鷹にパ
トロールをさせる発想など小職には到底思いつかない。
 発想力を鍛えるには? その類いの書籍も刊行されており,諸説あるようだが,発想力
の乏しい自身に置き換えて考えた場合,「広い視野」を持ち,「柔軟性」を身に着けるこ
とが肝要だと自省の念が起きる記事であった。


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