教育センターニュース第133号 2020.03.11|岩手県立総合教育センターメールマガジン
教育センターニュース
133
◆すべては光る◆
岩手県立総合教育センター
http://www1.iwate-ed.jp/
メールマガジン
 このメールマガジンは,岩手県内の幼稚園,小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,特別支援学校などへ教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。
お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1〔研修推進〕令和2年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて

■2〔研究推進〕令和元年度研究紹介

■3〔 コラム 〕メダル

[本文]
■1〔研修推進〕令和2年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて

 令和2年度研修講座の申込み開始は,令和2年3月13日(金)です。
・申込み手続きは,交流ネットをご利用下さい。ログイン用のIDとパスワードは,これまでに発行されているものをご使用ください。
・入力フォームは,一人分が1画面です。複数の申込みがある場合には,画面を開き直して一人ずつ入力してください。
・研修講座の日程,概要を総合教育センターのWebページで閲覧することができますのでご利用ください。(3月下旬に掲載予定)

【基本研修,特別研修について】

・基本研修,特別研修の申込み締切日は4月14日(火)となっています。申込み手続きをお忘れにならないようにご注意ください。
 ※県立学校等新任教務主任研修講座 I・IIの申込み締切日は4月7日(火)となっています。
・基本研修,特別研修の該当者がいない場合でも「該当者なし」と入力する必要がありますのでご注意ください。
・年度初めの研修申込みについてまとめた案内「4月ナビ」を,「令和2年度 教職員研修の手引」と併せて3月13日(金)送付いたしますのでご確認ください。
・幼稚園以外の「中堅教諭等資質向上研修(旧10年研)(以下,中堅研)」は,教育センターを会場にした集合研修を行いませんが,交流ネットでの該当者の申込み(報告)が必要です。
・教職経験者5年研修(以下,5年研)及び中堅研については,例年,育休等で延期された方の申込み漏れがありますのでご確認願います。
・平成30年まで,教職経験11年目を対象に実施していた中堅研の対象者は,令和元年度より以下のとおり変更されました。変更された校種は小学校,中学校,高等学校,特別支援学校です。
 ・5年研修了後の,最初の授業力向上研修の対象者
 ・都合により令和元年度にすべての中堅研が修了せず,令和2年度に修了を予定している者
・授業力向上研修については後日連絡いたします。

【希望研修について】

・申込み締切日は講座開始日の2週間前に設定していますが,準備の都合上,申込み締切日が通常より早い研修講座がありますのでご注意ください。
・各学校に配付される「令和2年度 総合教育センター研修講座(希望研修)案内」に講座内容等が記載されています。申込みの際の参考にしてください。
・詳しくは「令和2年度 教職員研修の手引」をご覧ください。

【教育センター「明窓館」の昼食の注文方法について】

 教育センターが実施する研修の,明窓館での昼食は事前申込みとなります。
・明窓館での昼食を希望する場合,事前に「岩手教育情報交流ネット」による申込みが必要です(研修当日の注文受付は行いません)。
・明窓館に宿泊する場合,宿泊代金に宿泊日の夕食から翌日の朝食と昼食まで含まれるので,研修初日の前日から宿泊する場合,昼食の注文は不要です。ただし,研修初日から宿泊する方で,研修初日の昼食を希望する場合は「岩手教育情報交流ネット」から注文してください。
・詳しくは「令和2年度 教職員研修の手引」をご覧ください。


■2〔研究推進〕令和元年度研究紹介

【所員の研究】

○幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の具現化に関する研究
 -低学年の発達の特性に応じた指導の工夫・改善とその推進体制作り-
(担当:教科領域教育)
 平成29年3月に告示された小学校学習指導要領において,幼児期までに育まれた資質・能力を踏まえた教育活動を実施することの重要性が明記されました。
 本研究では,小学校入門期のスタートカリキュラム及びその後の低学年の生活科を中心としたカリキュラムの工夫・改善と,それを支える推進体制づくりの在り方について実践を通してまとめ,その基本的な考え方の一例を示しました。

○コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を目指す小学校外国語科指導の在り方に関する研究
 -「CAN-DOリスト」形式の学習到達目標の例とWE-CANシートの活用を通して-【2年次/2年研究】
(担当:教科領域教育)
 平成29年3月に告示された小学校学習指導要領において,中学年に外国語活動,高学年に教科としての外国語科が導入されました。
 本研究では,「『CAN-DOリスト』形式の学習到達目標の例」の活用を通して第5学年及び第6学年における領域別の学習到達目標を明確にし,「WE-CANシート」の活用を通して単元などの内容や時間のまとまりにおいてコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を図る指導の在り方を示しました。

○高等学校理科における探究の過程を主体的に進める授業の在り方に関する研究
 -科学的に課題を解決する「探究マップ」の開発とその活用を通して-
(担当:理科教育)
 平成30年3月に告示された高等学校学習指導要領において,自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力の育成を目指し,探究の過程を主体的に進めていく学習活動の充実が求められています。
 本研究では,生徒が探究の過程を自覚して学習を進めるための「探究マップ」を開発し,高校化学基礎での授業実践を通して,探究の過程を主体的に進める授業の在り方を示しました。

○中学校技術・家庭科〔技術分野〕における情報活用能力の育成に関する研究
 -ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングの学習を通して-
(担当:情報・産業教育)
 平成29年3月に告示された中学校学習指導要領では,プログラミング教育を充実することが示されるとともに,制作するコンテンツのプログラムに対して「ネットワークの利用」と「双方向性」の規定が追加されました。
 本研究では,災害時を想定したメッセージ交換プログラムの制作を題材として設定し,ネットワークを利用した双方向性のあるプログラミングの学習の指導計画と学習展開例を示しました。

○早期からの継続した教育支援体制の整備に関する研究
 -小・中・高をつなぐ「引継ぎシート」の開発・試行を通して-
(担当:教育支援相談)
 特別な支援を必要とする児童生徒の継続した一貫性のある指導・支援のために,引継ぎを確実に行うための仕組みを構築し,早期からの継続した教育支援体制を整備することが求められます。
 本研究では,小・中・高の各校種間に応じた引継ぎシートを開発するとともに,シートを活用した適切な引継ぎの在り方を示したガイドブックを作成することを通して,各校種間における望ましい引継ぎの在り方を提案しています。

【長期研修生の研究】

○「見方・考え方」を働かせ,社会参画意識を高める授業の在り方に関する研究
 -新科目「公共」における大項目A「公共の扉」の単元構想と教材化の工夫を通して-
(担当:教科領域教育)
 平成30年3月の高等学校学習指導要領の改訂により,高等学校で令和4年度から新科目「公共」が実施され,自立した主体として社会に参画するために必要な資質・能力の育成が求められます。
 本研究は,公民科の授業の充実に向け,「公共」における「見方・考え方」を働かせ,社会参画意識を高めるための授業の在り方について,課題や学習活動の設定の仕方,また社会的事象の教材化の工夫を踏まえて明らかにしました。

○小学校理科「音の伝わり方と大小」と「雨水の行方と地面の様子」における資質・能力を育成するための授業の在り方に関する研究
 -観察,実験の位置付けが明確で見方・考え方を働かせる授業の構想と実践を通して-
(担当:理科教育)
 平成29年3月に告示された小学校学習指導要領では,「音の伝わり方と大小」と「雨水の行方と地面の様子」の内容が追加されました。
 本研究は,追加された「音の伝わり方と大小」と「雨水の行方と地面の様子」における資質・能力を育成するため,観察,実験の位置付けが明確で見方・考え方を働かせる授業の構想と実践を行い,それらをまとめた教員の指導をサポートする資料を作成することで,授業の在り方を示しています。

○知的障がい教育における教育課程の適切な実施に関する研究(小学校特別支援学級)
 -学びの連続性を踏まえた単元構成・授業づくりを通して-
(担当:教育支援相談)
 平成29年4月に告示された特別支援学校 小学部・中学部 学習指導要領では,各教科等が小学校及び中学校の各教科等の目標や内容等との連続性や関連性を意識して整理されました。
 本研究では,知的障がい教育における教育課程の適切な実施に役立てるため,小学校知的障がい特別支援学級において特別支援学校との学びの連続性を踏まえた単元構成と授業実践を行いました。その成果を「授業づくりガイドブック」にまとめました。

○知的障がい教育における教育課程の適切な実施に関する研究(特別支援学校小学部)
 -「各教科等を合わせた指導」での目標,内容,方法,学習評価の一体化を通して-
(担当:教育支援相談)
 平成29年4月に告示された特別支援学校 小学部・中学部 学習指導要領では,各教科等の指導内容間の関連が記され,教育課程の柔軟な編成と実施についてより具体的に示されました。
 本研究では,知的障がい教育における教育課程の適切な実施に役立てるため,知的障がい特別支援学校小学部の各教科等を合わせた指導において,PDCAシートの開発・活用を通して各教科等で育成したい資質・能力を意識した単元構想や授業実践を行いました。


■3〔 コラム 〕メダル

 実家には,あるマラソンレースの完走者に贈られるメダルが飾ってある。そのレースの名称はニューヨークシティマラソン。2002年に還暦を迎えた父が車いすで完走したときのものだ。父は若い頃に海運会社の船員だったので,外国にも何度か行ったらしい。私がまだ幼い頃,父が話す外国でのエピソードを今でもぼんやりと覚えている。そのおぼろげな記憶の中で,ひとつ鮮明に覚えている話がある。それは,次の出港先がニューヨークと決まり,期待に胸躍っていた矢先,仕事中の事故で大けがをしたという話だ。その日から父は車いす生活となった。
 それから数十年が経ち,何の前触れなく父の口から飛び出したニューヨークシティマラソンへの参加表明。父はこれまで車いすで外を走ったことはほとんどなく,そもそも競技用の車いすも持ってない。そんな周囲の心配をよそに,様々な障壁を乗り越え参加が決まったとき,幼い頃に聞いたあの話がふと頭をよぎる。一度断たれたニューヨークへの道が,まさかこんな形で実現する日がこようとは・・・。父の夢を叶えてくれたボランティアをはじめとした皆様には,ただただ感謝・感謝である。
 参加が決まってからの父は,体を動かすだけでなく,あの手この手と英語の勉強にいそしんでいた。私はその様子を冷ややかな目で見てしまっていたのだが,今になって思い返せば,自分がニューヨークで英語を話す姿を想像でもしていたのか,その表情は,まるで学びに胸を躍らせる子どものようであった。
 子どもたちが学びに胸を躍らせながら学校生活を送ること。そして子どもたちが大人になっても,学びに胸躍る好奇心と情熱を持ち続けること。そんな環境と人づくりが私たち教師の仕事なのだろうと,父のメダルに触れて想う。
 さて,今年はオリンピック・パラリンピックイヤー。日本選手はいくつメダルを獲るのか。メダルを手にする選手もそうでない選手も,そこに至るまでにはきっと,胸躍るエピソードがあるのだろう。


□教育センターニュースの配信登録およびバックナンバーはこちらです。
 http://www1.iwate-ed.jp/news/ml-maga/index.html
□メルマガへのご意見・ご要望の宛先はこちらです。
 ml-maga@center.iwate-ed.jp


教育センターニュース メールマガジン 発行元 岩手県立総合教育センター