2022.07.06|岩手県立総合教育センターメールマガジン
教育センターニュース
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メールマガジン
 このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校などへ教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。

[目次]
■1〔研究推進〕令和4年度の研究テーマ及び概要について

■2〔 コラム 〕備える

[本文]
■1〔研究推進〕令和4年度の研究テーマ及び概要について
 当センターでは、本県教育における諸問題について研究し、有効な解決方策を明らかにし、研修や支援に活かすものです。今年度の研究事業として以下のとおりお知らせします。

【所員の研究】

◎ICTを活用した学習活動の充実に関する研究【総論】2年研究(2年次)
-教員のICT活用指導力の充実に資する実践事例集の作成を通して-(教科領域教育担当)
 ICTを活用した学習指導を構想する際に参考となる実践事例集を作成し、各学校における教育活動や研修に役立てることにより教員のICT活用指導力の充実を図り、資質・能力を育成する主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善に資することが目的です。
 これまで公表されている豊富な実践を学習場面ごとに抽出・分類し、研究協力校において、実践・実証した事例による実践事例集を作成します。作成に当たっては、教員のICT活用指導力の充実と児童生徒一人一人がICTを学習の手段として活用しながら、学習活動の充実につながるものを目指します。

<ICT活用実践事例集に係る教科研究>
 ○小学校 第6学年 社会科 幕府の政治と人々の暮らし
 「我が国の歴史上の事象について、課題を追究したり解決したりする活動の充実に関する実践」(教科領域教育担当)
 ICTを活用することにより、教師の提示する資料から児童が主体的に疑問を見付け学習問題を設定し、教師のサポートを生かしながら解決していくことを通して、学習の問題を追究・解決する授業の一例を示すことを目指します。

 ○高等学校 地理歴史科 歴史総合
 「現代的な諸課題につながる近代化の歴史的事象への多面的・多角的考察の充実に関する実践」(教科領域教育担当)
 ICTを活用し、生徒は自らの学びの履歴を基に振り返りながら、近代化に関する自らの考えをまとめ周囲の考えを知りながら、近代化の歴史的事象を分析する観点を選択し、議論し、その意味や意義を考察し、表現する一方で、教師が生徒の学習状況を的確に把握し、支援するツールとしてICTを活用する授業の一例を示すことを目指します。

 ○中学校 第2学年 理科 [第2分野](4)気象とその変化
 「『気象とその変化』について、気象データを収集し、分析・解釈する学習の充実に関する実践」(理科教育担当)
 ICTを活用し、日本の天気に特徴が生じる要因を、収集した天気図や気象衛星画像などの気象データをもとに分析・解釈し表現することを通して、日本周辺の気団と関連付けて理解する授業の一例を示すことを目指します。

 ○中学校 第3学年 理科[第1分野](6)化学変化とイオン
 「電極における変化を、イオンのモデルと関連付けて微視的に捉える学習の充実に関する実践」(理科教育担当)
 ICTを活用し、電極における変化をイオンのモデルを用いて表現することを通して、電極で生じた電子が回路に電流として流れることをイオンのモデルと関連付けて微視的に捉えて理解する授業の一例を示すことを目指します。

 ○高等学校 理科 化学基礎 (3)物質の変化とその利用 (ア)物質量と化学反応式
 「データの分析・解釈における考察・推論の充実に関する実践」(理科教育担当)
 ICTを活用し、データをグラフで表したり、結果について考察・推論したりすることで、物質の変化における規則性や関係性を見いだして表現することができる授業の一例を示すことを目指します。

 ○高等学校 家庭科 家庭基礎 B衣食住の生活の自立と設計(3)住生活と住環境
 「ライフステージに応じた住居の機能性に配慮した学習の充実に関する実践」(情報・産業教育担当)
 ICTを活用することにより、ライフステージに応じた間取り図を作成することで、生涯を見通して利用できる住居について考察する授業の一例を示すことを目指します。

 ○高等学校 工業科 工業情報数理(3)プログラミングと工業に関する事象の数理処理 ウ 数理処理
 「事象をモデル化してシミュレーションする数理処理の学習の充実に関する実践」(情報・産業教育担当)
 ICTを活用することにより、工業の各分野に関わる事象に着目して課題を見いだし、実践的・体験的な学習活動を通して科学的な根拠に基づき課題解決を図る数理処理の授業の一例を示すことを目指します。

 ○小学校 知的障がい特別支援学級 国語科 算数科
 「知的障がいのある児童の学習において、思考の整理を促し、表現する活動の充実に関する実践」(教育支援相談担当)
 国語科と算数科において、カメラや録音機能などを使って、情報を視覚化したり繰り返し確認したりしながら思考を整理し、自分に合った方法で自分の考えを表現する授業の一例を示すことを目指します。

 ○小学校LD等通級指導教室 自立活動 4環境の把握等 
 「自分の感覚や認知の特性について理解し、自分の得意な方法で読むことの困難を改善することに関する実践」(教育支援相談担当)
 自立活動において、タブレットPCのアクセシビリティ機能やアプリケーションを使い、自分の得意な方法を見付け、その方法を活用しながら困難を少しずつ改善していく授業の一例を示すことを目指します。

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【長期研修生の研究】

◎中学校外国語科における領域統合型の言語活動の充実に関する研究
-領域と領域をつなぐツールとしてのICT活用を通して-(教科領域教育担当)
 外国語科の目標である「簡単な情報や考えなどを理解したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力」の育成を目指して、五つの領域を関連づける統合的な言語活動を取り入れた授業の在り方を明らかにすることを目的とします。
 読んだ内容を自分の言葉で再構築する、自分の考えを伝える、読んだことや話したことを書く活動につなげるなど、領域を統合することにより、各領域の目標の実現を目指します。その際、ICTを活用することで、生徒が主体的に言語活動を行い、目指す資質・能力の育成が図られる授業の一例を示すことを目指します。

◎特別支援学校における障がい種に応じた専門性の向上と指導の充実に関する研究
-自立活動指導資料(肢体不自由)の作成を通して-(教育支援相談担当)
 障がいのある子供が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するために必要な力を培うためには、一人一人の障がいの状態等に応じたきめ細かな指導及び評価を一層充実することが重要です。本研究は、「特別支援学校における障がい種に応じた専門性の向上と指導の充実」を目的とします。
 これまで本県が培ってきた肢体不自由のある児童生徒への指導方法等を整理し、特別支援学校の肢体不自由のある児童生徒への自立活動の単元構想・授業づくりの在り方について、肢体不自由特別支援学校での実践を通して明らかにしていくことを目指します。

◎中学校特別支援学級における将来の自立と社会参加に向けたキャリア教育の充実に関する研究
-キャリア発達に応じた授業実践資料の活用を通して-(教育支援相談担当)
 中学校学習指導要領(平成29年告示)総則及び解説において、発達段階に応じたキャリア教育の充実が示され、中学校特別支援学級においても同様に、在籍生徒の卒業後の進路選択に関わって長期的視点に立った進路指導が必要です。本研究では、キャリア教育の指導計画を整理し、卒業後を見据えたキャリア教育の充実を目的とします。
 そのために、キャリア教育の指導計画を整理し、取組の目的や方法、育てたい力を明確にしながら、キャリア発達の実態に応じた教材の作成、実践に取り組むことを通して、キャリア教育の指導の一例を示すことを目指します。


■2〔 コラム 〕備える
 教育センターにおいて、総務担当は教育センターが行う事業が円滑に運営されるよう、また、所員(来所者)が安全で働きやすい(過ごしやすい)環境を整えることが役割であると考え、日常の業務を行っているところです。
 業務の1つに施設設備の維持管理がありますが、維持管理とは施設の点検・運転・維持・修繕を行うことにより施設を正常に保つことという意味で1990年頃から使われ始めた言葉なそうです。言いかえれば、事故等が発生する前に、常に健全な状態を維持できるよう法令等に基づいた点検を定期的に行い、必要な修理・修繕等を速やかに実施することです。教育センターでも法律で義務づけられている検査点検、自主的に行っている保守点検など、年間15件ほどの委託契約を行い施設設備の維持管理に努めています。また、修繕や施設の管理運営に必要な資格取得も行っており、年間予算の4割程度を維持管理に充てています。その他にも、自衛消防組織の編成や避難訓練の実施など、所員、来所者の安全の確保に努めておりますが、4月に北海道で起きた観光船沈没事故を受けて、事故等の要因や危険の早期発見、防止するための対策や発生してしまった後の対応など、万が一に備えることの重要さを改めて感じています。

【維持管理】
「維持管理」とはどんな意味か? | 新見一郎 (ameblo.jp)から引用


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