2023.07.06|岩手県立総合教育センターメールマガジン
教育センターニュース
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 このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校などへ教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。

[目次]
■1〔研究推進〕令和5年度の研究テーマ及び概要について

■2〔コラム〕「哂う」「呵う」「咲う」


[本文]
■1〔研究推進〕令和5年度の研究テーマ及び概要について

 当センターにおける研究は、本県教育における諸問題について研究し、有効な解決方策を明らかにし、研修や支援に活かすものです。今年度の研究事業として以下のとおりお知らせします。

【所員の研究】

◎統計的に問題解決する力を育成する授業の在り方に関する研究
―中学校第2学年「四分位範囲」、「箱ひげ図」の指導を通して―(担当:教科領域教育)

 本研究は、中学校数学科の「D データの活用」領域において、生徒の統計的に問題解決する力を育成するための授業の充実に資することを目的とします。研究の手立てとして、必要なデータを収集して処理し、データの分布の傾向を捉えて判断し、その過程を批判的に考察する活動の充実を図ります。また、統計的な問題解決活動が位置付けられた単元指導計画と指導のポイントを明確にしたリーフレットを作成し、授業の在り方を提案します。

◎児童が自然の事物・現象についての問題を科学的に解決する授業の在り方に関する研究
―問題解決の活動の充実を通して―(担当:理科教育)

 本研究は、小学校理科において、問題解決の活動の充実を図るための指導の手立てを考案し、児童が、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決する授業の在り方を、実践を通して明らかにし、理科の授業改善に資することを目的とします。そのために、単元構成や単位時間、振り返りを観点として研究の手立てを考案します。1つ目は、理科の見方・考え方を働かせている児童の姿や、問題を科学的に解決する学習活動を位置付けた単元構成です。2つ目は、見通しをもって理科の見方・考え方を働かせながら問題解決を図るための発問や板書、思考ツールです。3つ目は、単元の終末に行う「理科の大事な学び方」を視点とする振り返りです。

◎自立した消費者の育成を目指した小学校家庭科「C消費生活・環境」の学習に関する研究
―児童の実態や地域に応じた題材の構成を通して―(担当:情報・産業教育)

 本研究は、小学校家庭科において、児童の実態や地域に応じた「C消費生活・環境」の題材を構成することを通して、学習と生活を結び付けて考えることができる学習を実現し、自立した消費者の育成に資することを目的とします。研究の手立てとして、児童の実態や地域に応じた題材の構成に必要な要素について整理し、その要素を基に、各学校で選択したり、重点化したりしながら活用することができる指導計画例をまとめ、実践を通してその活用の仕方を示します。

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【長期研修生の研究】

◎新科目「言語文化」古典における自分の考えを形成する指導に関する研究
-複数のテキストを比較して、論じる言語活動を通して-(担当:教科領域教育)

 本研究は、新設された必履修科目「言語文化」における授業の在り方を検討し、古典分野の授業改善に資することを目的とします。研究の手立てとして、複数のテキストを比較し、論じる活動を取り入れ、我が国の言語文化を享受し、現代の社会や自分の生活に照らし合わせて自分の考えを形成する単元を構想します。また、複数のテキストの読みが深まる手立ての在り方を検討し、生徒が主体的・対話的に学習課題に取り組む授業構成について考察し、言語活動の充実を図ることを目指します。

◎特別支援学校における障がい種に応じた教員の専門性の向上と指導の充実に関する研究
―自立活動指導資料(病弱)の作成を通して―(担当:教育支援相談)

 障がいのある子供が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するために必要な力を養うためには、一人一人の障がいの状態に応じた自立活動を主とするきめ細かな指導と評価を一層充実することが重要です。本研究は、「特別支援学校における障がい種に応じた教員の専門性の向上と指導の充実」を目的とします。
 これまで本県が培ってきた病弱(身体虚弱を含む)である児童生徒への指導方法等を整理し、病弱特別支援学校の自立活動の単元構想や授業づくりの在り方について特別支援学校での実践を通して明らかにしていくことを目指します。


■2〔コラム〕「哂う」「呵う」「咲う」

 あまり目にすることのない漢字ですが、読み方はすべて「わらう」。人間はその長い歴史の中で、「わらう」という行為にたくさんの意味を与えてきました。密やかにほほえみながら「哂う」。声を出して豪快に「呵う」。屈託なく心から「咲う」。もっとも一般的なのは、うれしさから顔を和らげて「笑う」ことでしょうか。
 人間は感情の動物といわれます。人間同士が深いコミュニケーションをとってお互いを理解し合うには、感情は欠かせない要素です。それは、声や表情、目つきやちょっとしたしぐさ、息遣いから伝わるものです。最近一般的になってきたオンライン会議。画面越しのコミュニケーションにちょっとした違和感を覚えるのは、それらが十分に伝わりにくいからなのでしょう。ある研究によると、人間は一日に数千回もの感情を生じ、しかも最も多いのは「不安」であるとしています。逆に言うと、だからこそ「わらう」という感情に特別な価値を感じてきたのかもしれません。自分が笑っている時、誰か笑っている人を見た時は、しかめ面をしている時、何やら不機嫌そうな人を見た時よりも、何となく気分が晴れるものです。
 皆さんは最近、どんな感情を抱くことが多いでしょうか。物価は上がるし、事件も災害も多いし、なんとなくどんよりとした雨雲が心に広がりがちです。「楽しいから笑う」のもその通りですが、「笑うから楽しくなる」ことだってあります。たくさんの動物の中で、「わらう」ことができるのは人間だけと言われています。その理由は誰にもわかりませんが、もしかしたら、自分たちでお互いを元気にする素敵な能力なのかもしれませんね。
 明日、今日よりちょっとだけ「笑う」を増やしてみませんか?


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