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先進的教育用ネットワークモデル地域事業「学校インターネット1」
1 経緯・概況

 岩手県立総合教育センターは、平成10年12月に当事業における全国30モデル地域の一つとして指定され、独自のedドメイン(ihatov.ed.jp)を取得して平成11年11月末に花巻地域ネットワークセンターとして試験的に稼働を開始しました。なお、当ネットワークの愛称を、岩手県花巻市一帯を宮澤賢治が理想郷として名付けた「イーハトーブ」にちなみ、「イーハトーブ銀河ネットワーク」と親しみやすくするとともに、事業の地域研究拠点となる当ネットワークセンターのポータルサイトを開設しました(下図)。
イーハトーブ銀河ネットワーク トップページ
 花巻地域ネットワークセンターへの当初の研究参加校は、岩手県内の小、中、高等学校及び盲・聾・養護学校25校(盛岡市、花巻市、北上市、水沢市、江刺市、紫波町、東和町、石鳥谷町)と、青森県弘前市内の小、中、高等学校10校の計35校です。当地域ネットワークセンターは、これら通信衛星による接続形態24校、ケーブルテレビ回線による接続形態11校により、学校教育におけるインターネットの有効活用や地域ネットワークの在り方に関する研究を行い、教育の情報化に対応した学校教育の改善と充実に資する目的で、事業2年目より本格運用してきました。なお、当事業4年目となる平成14年度からは水沢市の小、中学校11校の参加となりました。
なお、学校インターネット1(先進的教育用ネットワークモデル地域事業)は終了しました。実践事例等は教育情報ナショナルセンターに登録されています。
2 地域ネットワークセンターで行った研究や取り組みの内容

 本格運用開始後は、地域研究拠点である当ネットワークセンターのポータルサイトや、研究参加校によるホームページ開設から取り組み始めるとともに、学校や地域の特色を生かした各種の教育情報データベースの構築と、高速ネットワークの活用の在り方に関して研究参加校とともに研究を進めました。
 具体的には、教師の教育活動に役立つ学習指導案や文献等の教育情報データベースの提供にあたっては、これまで当総合教育センターではパソコン通信システムによる方法でしたが、学校インターネット事業が開始されたことにより、日本語全文検索システムを導入してインターネット上から提供することが可能となったため、利用者にとって検索しやすいシステムを構築するとともに、教育情報の蓄積をさらに継続しました。また、教師だけでなく、児童生徒も対象にした学習に役立つようなマルチメディア教材も提供可能となり、研究参加校とともにその作成に取り組み、マルチメディア教材データベースとしてその構築にも取り組みました。研究参加校は、これらのマルチメディア教材などを、当ネットワークセンターに導入された「CyberLoft」「CALsurf」「COLLABONAVI」等のサーバを介して、授業あるいは共同学習に有効活用したり、TV会議システムを活用した遠隔共同学習を実践するなど、高速ネットワークを十分に活かした学習活動を展開することで、児童生徒の学習効果が高まることに有効であることが確認できました。特に、県の環境教育関係者との連携により実現した「三陸リアルタイム環境調査」(下図左)や、遠隔操作できる定点カメラも用いた「ウミネコ営巣地共同観察学習」(下図右)などの取り組みは、学校インターネット事業による高速ネットワーク環境下においてこそ実現した活用事例です。
「三陸リアルタイム環境調査」のページ 「ウミネコ営巣地共同観察学習」のページ
3 評価・課題

 構築した教育情報データベースは、より操作性に優れた検索しやすいシステムとなり、高速ネットワークの利用とともにマルチメディアデータの容易な提供も可能となり、その質、量ともに一層改善され、多様な教育情報の提供が可能となったと同時に、児童生徒の学習への興味関心の高まりや教師の授業改善等に有効であることがわかりました。しかし、必要とされる質の高い情報が豊富にデータベース化されるには多くの時間を必要とし、データの効率的な収集方法について組織的な検討を行う必要があります
4 研究成果物
(1) 教育研究文献情報データベース
(2) ソフトウェアライブラリデータベース
(3) 領域別実践データベース
(4) 学習素材データベース
(5) 地域素材データベース
(6)児童生徒作品データベース
 これら教育情報データベース(下図左)の構築については、研究参加校など多くの教師からの要望を取り入れるとともに、研究参加校による会議を年に複数回開催することでそれらの活用方法等を研修する機会を持ちました(下図右)。同時に、その活用事例について報告された研究結果をポータルサイトにも掲載することで、お互いの研究結果を共有し、さらに実践に活かす機会になりました。
「教育情報データベース」のページ 研究参加校による会議の様子
5 まとめ

 学校インターネット事業の終了により、蓄積した各種の教育情報は、今後、県教育情報ネットワークから継続活用できるようにし、さらに豊富で質の高い教育情報データベースを目指してコンテンツ等を継続して開発・収集していく予定です。
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