2024.02.27|岩手県立総合教育センターメールマガジン
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 このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校などへ教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。

[目次]
■1〔特集〕令和5年度(第67回)岩手県教育研究発表会【開催報告】

■2〔コラム〕春の女神

[本文]
■1〔特集〕令和5年度(第67回)岩手県教育研究発表会【開催報告】

 令和5年度(第67回)岩手県教育研究発表会を2月7日(水)~9日(金)の3日間、集合型、ライブ型を並行して開催しました。3日間の集合型参加人数は1,201名、ライブ型を合わせて1,500名に迫る盛況ぶりでした。
 第二日、2月8日(木)の午前中には開会行事を行いました。その後、国立教育政策研究所 研究企画開発部教育研究情報推進室 千々布 敏弥 総括研究官を講師にお迎えし、「主体的・対話的で深い学びを実現する教師エージェンシー」を演題として講演いただきました。定員200名の生涯学習推進センターセミナーホールが満席となったことから、同センター2階の第1、第2研修室をYouTubeライブ配信の視聴会場としました。開会行事・講演にお越しいただいた方の数は実に250名を超え、各学校等においてライブ型配信を視聴した方も含めると、350名を超える先生方に聴講していただきました。
 講演では、私たち教員が、普段の業務の中で無意識に縛られているさまざまな構造について、豊富な事例を紹介いただきながら、明快にご説明いただきました。そしてその構造を変えるべく、不断に考え続けること=リフレクションの重要性を教えていただきました。技術的リフレクションから脱却し、実践的リフレクション、批判的リフレクションにまで深め、目的を明確にし、その達成に必要なものは何なのかを明らかにすることが、私たち教師のエージェンシー(変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力)を大きくしていくことにつながるのだと理解することができました。
 本発表会では、第一日と第三日にそれぞれ8つの分科会、第二日午後に3つの特設分科会と1つの分科会を開催し、全部で20分科会を開催しました。それぞれの分科会では、県内の先生方の多種多様な授業実践及び研究成果について発表いただきました。総発表本数は68本、発表者数は77名でした。また、各専門分野のエキスパートを県内外からお招きし、講演や対談、パネルディスカッションを実施し、参加者からの質疑、意見も多数寄せられ、協議も白熱するなど、たいへん充実した発表会となりました。
f  3日間行われた発表会の様子は、一部の分科会を除き、現在もオンデマンド型配信を行っています。期間は、2月7日(水)~3月7日(木)までのおよそ1ヶ月間です。YouTubeを活用して配信していますので「いつでも、何度でも、繰り返し」の視聴が可能です。各学校での研究会等にぜひご活用ください。

★来年度の岩手県教育研究発表会のお知らせ
 令和6年度(第68回)岩手県教育研究発表会
  • 期日   令和7年2月5日(水)~7日(金) 3日間
  • 会場   岩手県立総合教育センター、岩手県立生涯学習推進センター
  • テーマ  夢の実現に向けて自ら学び行動する岩手の子ども
         ~指導と評価の一体化で育成する確かな学力~
  • 実施形態 集合型、ライブ型、オンデマンド型の3形態
 設置分科会、講演講師等の詳細が決定し次第、「開催概要」を各学校宛てお送りいたします。また、当メールマガジンでもお知らせいたします。

 来年度も、多くの方々のご参加をお待ちいたしております。


■2〔コラム〕春の女神

 私が小学5年生の時、どういう流れだったのか定かではないが、休みの日になると蝶の研究をしている理科専科の担任の先生が迎えに来て毎週のように蝶の採集に連れ出された。採集といっても偶然出会った蝶を捕まえるのではなく、ウスバシロチョウ、オオムラサキ、チョウセンアカシジミなどその時期に応じた蝶を狙って先生しか知らない秘密の産地に行って採集するのだ。
 ヒメギフチョウは別名「春の女神」と呼ばれ、里山に草木が芽吹く前、桜前線の北上に合わせるようにクリーム色と黒色の縦縞を持つ蝶が春の柔らかな日差しの中ふわりふわりと雑木林の中を優雅に舞う蝶である。例にもれず私は先生に言われるままに狙ったヒメギフチョウを捕まえ、帰宅すると展翅版(標本を作るために蝶の翅を固定し、乾燥させる道具)に何十匹ものヒメギフチョウを並べた。同じ模様の蝶が展翅版に並ぶと小学生なりに「きれいだな」程度の感想を持った記憶があるが、何のために同じ蝶ばかりを捕まえるのか分からないまま蝶を追い続けた。
 6年生の時、産地ごとにヒメギフチョウの模様の違いを調べ科学研究発表会で発表するミッションが与えられた。それまでは同じ蝶にしか見えていなかった標本箱に並んだ蝶が、言われてみると対応する部分の縞模様が太かったり、細かったり、枝分かれしていたり、色が薄かったりと産地ごとに違うことが分かった。それまでは「同じものは同じ」と思い込んでいたものが、「同じものでも違うことが当たり前」であることを学んだ貴重な体験だったと懐かしく思い出す。
 あれから数十年、社会人になり、あわただしい春を毎年過ごしている。気が早いかもしれないがひょっとすると「春の女神」がいるかもしれないと雑木林の中を思わず探してしまうくらい今年は暖冬が続いている。普段は出不精な私も今年の暖冬に乗じて数十年ぶりに「春の女神」に会うために散歩に出かけてみようと思う今日この頃である。


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