所長挨拶|岩手県立総合教育センター
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「本格復興完遂年」における教育の役割
岩手県立総合教育センター 所長 橋  勝

東日本大震災から5年が経ち,復興のシンボルとして位置付けられた「希望郷いわて国体」が,本大会と冬季大会の全競技を同一の県で開催する完全国体として,本県で開催されます。全国から訪れる選手をはじめ観客の皆様に,復興にがんばる岩手の姿をご覧いただき,全国からいただいた大きなご支援に対し,感謝の気持ちを伝える大会になることを期待しております。

被災地では,未だ様々な困難を抱えている子どもたちもおりますが,一方で,本年度は被災した小中学校の移転新築がピークを迎えるなど,復興に向けた歩みは着実に進んでいます。また,震災からの復興に加え,グローバル社会の進展,人口減少など,本県が直面している様々な課題に対応していくためには,将来の本県を担う人材の育成に取り組むことが特に重要であり,教育に期待される役割は益々大きくなってきております。

総合教育センターといたしましては,平成28年を「本格復興完遂年」と位置付けた県の取組と軌を一にし,「いわて県民計画」のもと,「いわての復興教育」の推進と「学力向上」を実現するため,「現場に役立つセンター」づくりを一層進め,所員,長期研修生が一丸となって,本県の教育課題や地域社会等のニーズに的確・迅速に応え,学校や幼児,児童,生徒等の支援にあたって参ります。

教員研修では,本県における教育課題の解決のため「授業力向上研修」(「教員免許状更新講習」を兼ねる)を核として,教員のキャリア・ライフステージに沿った研修を実施し,教科・領域指導や学級経営等の実践的指導力の向上を図って参ります。平成26年度より,採用3年目までの若手教員の授業力や実践的指導力の向上のためのプログラムとして「初任者研修」,「2年目研修」,「3年目研修」を位置付け,関係機関が連携しながら,採用後の教員を3年間かけて育成することとしております。平成28年度は,「3年目研修」の初年度として,教科指導に関する研修を行うとともに,2年間の自己研修の取組の交流を行います。また,被災地及び遠隔地における教職員の研修支援及び研修機会にも配慮し,教科指導・情報教育を支援する「移動センター研修」を充実させていきます。さらに,先生方の課題解決のための個別の「随時研修」や「どようび研修」にも対応し,現場の先生方のニーズに沿った研修機会を提供して参ります。

教育支援相談では,各学校などからの相談に丁寧に対応し,幼児,児童,生徒の発達や学校生活に関する課題の的確な見立て,具体的な指導,支援の充実を通して,学校や幼児,児童,生徒,保護者を総合的にサポートしていきます。併せて,全県的な教育支援体制づくりを推進する中で「教育相談コーディネーター養成研修講座」及び「通級による指導担当教員養成講座」等の充実を図って参ります。

調査・研究では,県の喫緊の課題である児童生徒の学力向上,豊かな心を育む教育,特別支援教育の充実などに関わる研究に取り組んでいきます。次期学習指導要領が目指す育成すべき資質・能力の「三つの柱」を総合的に育むため,中学校,高等学校の教員に「アクティブ・ラーニング」を取り入れた授業の進め方に関する研究や,特別支援教育におけるタブレットPCを活用した効果的な教育実践に関する研究など8本の研究を行い,本県における教育の諸課題の有効な解決策を明らかにし,教員の研修や学校への支援に活かして参ります。

「本格復興完遂年」における教育の役割は非常に重要であります。10年後,20年後の岩手の復興を支え,次代を担う子どもたちを健やかに教え育てていくことは,岩手の明るい希望を育む県民全体の願いであり,今後の岩手の教育に課せられた使命であります。当センターはその一翼を担うべく,今後とも教育の専門機関として,機能の充実と専門性の向上に努めて参ります。