所長挨拶|岩手県立総合教育センター
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ここから本文所長挨拶

岩手県立総合教育センター 所長 藤岡宏章


 東日本大震災津波から今年で7年が経過しました。被災地では、復興に向けた歩みが進み、それぞれの夢や目標を抱きながら明るく学校生活を送る子どもたちがいる一方で、仮設住宅での生活が長期化している状況など、未だ様々な困難や制約のなかで生活をしている子どもたちもおります。被災地はもとより岩手県内すべての学校の先生方、子どもたち、地域の方々の心に寄り添いながら、教育の復旧、復興をより一層前進させていかなければならない思いを強く感じております。学校教育に対する県民の皆様からの期待に応えられるよう、研修・支援・研究を進めて参りたいと考えております。

 当教育センターは、「いわて県民計画」および「岩手県東日本大震災津波復興計画」のもと、「岩手の教育振興」「岩手県教育委員会経営計画」等を踏まえ、「いわての復興教育」の推進と「学力向上」等の取組など多様な施策の実現のため、課題やニーズを的確に把握し、関係機関と連携しながら、幼児・児童・生徒がより確かに、より豊かに学ぶことができるよう日々取り組んでいる学校と園を支援し、「学校等に役立つセンター」としての役割を果たして参ります。また、新学習指導要領全面実施を控えた今、所員、長期研修生そして今年度は新たに大学等にもアドバイザーを依頼し、各所一丸となって本県の教育課題や地域社会等のニーズに的確・迅速に応え、学校や幼児、児童、生徒等の支援にあたって参ります。

 教員研修では、今年度策定された「校長及び教員としての資質の向上に関する指標」を踏まえ、本県における教育課題の解決のため、「授業力向上研修」(「教員免許状更新講習」を兼ねる)を核として、教員のキャリア・ライフステージに沿った研修を実施し、教科・領域指導や学級経営等の実践的指導力の向上を図って参ります。平成26年度より、採用3年目までの若手教員の授業力や実践的指導力の向上のためのプログラムとして「初任者研修」、「2年目研修」、「3年目研修」を位置付け、関係機関が連携しながら、採用後の教員を3年間かけて育成することとしております。その間、自己研修に各自取り組み、交流を通して教員の資質・向上を目指します。被災地及び遠隔地における教職員の研修支援及び研修機会にも配慮し、教科指導・情報教育・教育相談を支援する「移動センター研修」等を充実させていきます。さらに、先生方の課題解決のための個別の「随時研修」や「要請研修」、「どようび研修」等にも対応し、学校や園の先生方のニーズに沿った研修機会を提供して参ります。

 教育支援相談では、各学校などからの相談に丁寧かつ迅速に対応し、幼児、児童、生徒の発達や学校生活等に関する課題の的確な見立て、具体的な指導、支援の充実を通して、学校や園、幼児・児童・生徒・保護者を総合的にサポートしていきます。併せて、全県的な教育支援体制づくりを推進する中で「教育相談コーディネーター養成研修講座」及び「通級による指導担当教員養成講座」等の更なる充実を図って参ります。

 調査・研究では、県の喫緊の課題である児童生徒の学力向上、豊かな心を育む教育、特別支援教育の充実などに関わる研究に継続的に取り組んでいきます。新学習指導要領が目指す育成すべき資質・能力の「三つの柱」を総合的に育むため、「小・中・高等学校理科における資質・能力の育成を目指した授業のあり方に関する研究」や「コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を目指す小学校外国語科指導の在り方に関する研究」、「論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方に関する研究」、「高等学校における特別支援教育推進に関する研究」など計8本の研究を行い、本県における教育の諸課題の有効な解決策を明らかにし、教員の研修や学校への支援に活かして参ります。また、昨年度の研究で明らかとなった内容を授業として実施する「提案授業」を本年度は5回計画しております。

 今後の岩手の復興を支え、次代を担う子どもたちを健やかに教え育てていくことは、岩手の明るい希望を育む県民全体の願いであり、今後の岩手の教育に課せられた使命であります。当教育センターはその一翼を担うべく、今後とも教育の専門機関として、機能の充実と専門性の向上に努めて参ります。